朝田詩乃は悪の組織に忠誠を誓う 作:名無しの猫
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「あームカつく、せっかく良いところだったのに〜!」
熱いシャワーが降り注ぎ、少女のハダカを濡らす。程よい温度に調節されたそれを頭から浴びてもなお、ユウキはバットへの怒りが冷めぬ様子だった。
ここは怪人専用の更衣室にあるシャワーブース。男女で別れているが、現状女性用の利用者はシノンとユウキの二人だけで、お互いにシャンプーを貸し合ったりアメニティーを持ち込んで利便性を上げれるようにしている最中でもある場所だ。
「でも冷静になればバットの言う通りよ。私たち、熱くなりすぎてた……もう少しでお互いに命を奪い合う所だったかも……」
「うぅっ……、それはぁ、そうだけどさぁ……」
「もしそうなってたらと思うと……やっぱり怖いかも」
少し遅れてシャワー室へとやってきたシノンは温度を調整しながらユウキを宥める。
二人とも今はチョーカーだけを付けた全裸のままで、既に何度も見せあってる(シノンは改造の一部始終さえもだが)仲ではあるが、気恥ずかしさはあるのか互いに視線は合わせぬよう、薄い仕切り壁越しに話していた。
「ねぇ、それにしてもさ、今のボク達って『シノン』と『ユウキ』って呼んでいいのかな?」
「どういう意味かしら……」
「だって今のボク達はこれで拘束されて普通の人間レベルになった――いわば封印された状態なワケじゃん? なら今は怪人じゃなくて普通の女の子ってことにならない?」
チョーカーを軽く摘んで話すユウキをシノンはただ見つめるしかない。
「うーん、分からないこともないけど、何が言いたいわけ?」
「つまりさ、僕たち今『シノン』と『ユウキ』じゃなくて、互いに人間の頃の名前で呼び合うべきじゃない? ね、詩乃」
「普通に呼んだわね……。別にいいけど、ユウキはなんて呼べばいいかしら?」
「ボクは木綿季でいいよー。紺野木綿季、それがボクの名前だからさ!」
「変わらないじゃない……。まぁいいわ。よろしく木綿季」
「うん、よろしく詩乃!」
お互い一糸纏わぬ姿で握手をする。今考えれば怪人になって以来、握り潰す以外でこうして手を握ったのはひさしぶりに思えた。
「ねぇ詩乃ー。ボディーソープ貸してー」
「そっちにないの?」
「切らしちゃった♪」
「はい、どうぞ」
「ありがとう!」
頭からシャワーを浴びながら、詩乃の胸に一つの疑問が浮かんだ。
仕切り越しにシャンプーを渡した時、ふと見えた木綿季のハダカ。――別に自身と発育具合を比較したわけではないが、華奢な自分よりも細く、未発達な面も多い彼女のカラダからはどこか脆さのような物を感じてならなかった。
ショッカーに忠誠を誓った今でも思うことではあるが、この組織は普通ではない。恐らく世間一般の常識からも逸脱しているのは分かる。
つまり、この組織に参加するものは社内に対して何らかの不満や絶望を抱えたもの、或いは、自分のように何らかの闇を抱えた者が大半のはずだ。
――だが、木綿季の雰囲気はどれにも当てはまらない。とても闇を抱えているようには見えないし、明るく天真爛漫な性格は彼女の歩んできた人生が明るかった事を現しているようにも思えた。
ふにんっ♪
「……えっ」
何やら胸を潰される様な感覚がして目を開く。ゆっくりと下を向くと、自身の乳房の上、可憐な膨らみの上に重なる掌があった、
「詩乃のおっぱい柔か〜い! ふにふにしてて、触り心地もいいね♪」
「きゃっ……! ち、ちょっと木綿季、やめて……」
「やだ、別に減るものじゃないし揉ませてよ〜」
「やっ……、ひゃん……、ふぅ……、や、やめてよ……」
揉まれ慣れていない詩乃の乳房は木綿季の手の中で柔軟に形を変え、同時に反発しながら元に戻ろうと暴れる。
それが木綿季にはたまらなく楽しく感じて、つい欲望に任せて手が動いてしまった。
「わっ、乳首が勃ってきたねー。詩乃も口ではそう言うけど、満更でもないんじゃない?」
「ち、ちがっ……、うぅん、うんっ……、はっ」
木綿季の指が詩乃の乳首を擽る。刺激に慣れていない詩乃のウブな乳肉は木綿季の攻めで簡単に蕩けてしまい、くねくねと腰をよじらせる。
「そういえば詩乃は改造される時に、おっぱいも大きくしてもらったんだっけ? ねぇ、何カップにしたの?」
「そ、それは……、あ、あなた達が勝手にッ……、膨らませたくせにっ……きゃうぅ……!?」
木綿季の指が詩乃のなだらかな腹を滑って腰を撫でる。
「詩乃の手術映像、前に見たことあるよ……お腹のナカ、いっぱいぐちゃぐちゃにされてたね……」
「……ッ!?」
「あはは、怖がらないでよ…。それはボク達改造人間は皆同じだからさ……」
更に指は流れて黒々と茂った陰毛に触れる。
「ここもオトナっぽくてカッコいいなぁ……。ボク、生えたことないからわかんないや」
「こ、こんなの……、手入れが面倒なだけよ……」
「ふーん、毎日整えてるんだー」
「……っ、毎日はしてないわよ! ……せめて、週に一度……って、何言わせて……!」
顔を赤らめ反論するも蛇のように絡みついた木綿季から抜け出すことは叶わず。泡に染め上げられていくカラダと鏡に映るそれを見せつけられるだけで、羞恥と熱気で紅潮していく素肌が詩乃の理性を惑わせていく。
「羨ましいなぁ……。ボク、下のお毛けもだけど、胸もぺったんこだし、詩乃みたいにお尻も大きくないし……」
「そんな事……って、誰の尻大きいって……!」
「わー、怒ったー!」
気にしている事を指摘された詩乃は自分のブースを飛び出し木綿季目掛けて飛びかかった。
「いい加減にっ……、こうしてやるわ……! ほら!」
詩乃はボディーソープのボトルを手に木綿季へと迫り、泡立てた掌で彼女の身体に絡みつく。白い泡が木綿季の素肌をあっという間に埋め尽くし、ぬるぬると滑っていく。
「木綿季のおっぱいも柔らかいわね…。もっと揉んで大きくしてあげる」
「ひゃん……、し、詩乃、やめっ……あっ!」
「いやよ、ほらもっと白いのかけてあげるわ」
「冷たっ! うわっ、やったなー! ならこっちも〜!」
「きゃっ……! ちょっとどこ触ってんのよ!」
狭い個室で二人の少女がじゃれあう。キャッキャッと楽しげに声を上げ、手にしたボトルと石鹸で互いを泡濡れにしていく。絡み合う二人の手からいつしか石鹸は落ちて排水溝へと流れていく。
「ほら、行くわよ木綿季!」
「わぁっ! ……いきなりシャワーは反則だよ詩乃!」
詩乃はシャワーを木綿季目掛けて浴びせ泡を散らす。全身から剥がれ落ちる泡を名残惜しく感じながら、艶々になった素肌に木綿季は指を這わせた。
「詩乃も流してあげるよ」
今度は木綿季が詩乃に着いた泡を洗い流せば二人とも清潔な石鹸の香りが漂って、少女らしい瑞々しさに磨きがかかった。
「ありがと木綿季。……あっ、そういえば髪はもう洗った? 良かったら洗ってもいいけど」
「本当に!? じゃあお願い」
詩乃は屈んだ木綿季の後ろへと回り、艶やかな髪を泡立てていく。女同士だから成せる優しさに満ちた洗髪に木綿季の顔が惚けて、思わず、声が漏れる――。
「……まるで、姉ちゃんにしてもらってるみたいだ……」
「……お姉さん? 木綿季、姉妹がいたの?」
「うん、藍子って優しくて素敵なお姉ちゃんがいたんだ! ……まぁ死んじゃったけど」
「…………ごめんなさい」
木綿季の告白に詩乃の手が止まり、表情に陰が差す。
「気にしないで。もうボクの中で答えが出た話だから。いつまでも引き摺ってたらそれこそ姉ちゃんに怒られちゃうよ」
「……強いのね、木綿季は」
「詩乃と同じだよ。……ここに来る前のボクは……」
木綿季の声が小さくなって、俯く。
「……詩乃になら話してもいいかな。ボクの話」
「木綿季の、話……?」
「うん、どうしてボクがショッカーに入ったのか」
泡で濡れた髪が隠す木綿季の表情。その髪の隙間から覗く瞳に暗い光が宿る。
――ボクは、あの日、あの病室に悪魔が訪れたその日に、ショッカーに命を救ってもらったんだ――
木綿季編は予想以上に長くなったのとBLACK SUNの影響で手術シーン加筆したい欲が強いので遅れるかもしれません