男の娘フレイと男装TS夢主(キラカガリ三つ子姉) 作:篠原えれの
「すまん、キラが心配だからフレイは先にシェルターに入っててくれ」
「はぁ?!それなら俺も行く!一人でとかふざけんな!」
「俺は大丈夫だから!」
言って、俺は無理やり嫌がるフレイをシェルターに乗せた。聞けばどこのシェルターも人いっぱいとか言うんだもの。俺は前世のスキルが覚醒したりして最悪どうにかなるかもしれんが、フレイはナチュラルだ。この情勢で無茶はさせられない。シェルターにさえ入れば、たとえヘリオポリスが崩壊したって救助が来るだろうし、安心だ。
それよりもキラと連絡がつかない方が心配だ。ミリアリア達も心配だし、通信妨害って厄介だな。
俺はひたすら、ジンをうまく避けながら、銃撃が聞こえる方へと足を運んだ。
格納庫のような場所が、一番銃撃戦が激しかった。
俺はそこでキラを見つけた。
「はぁ?!キラの奴なんであんなところに居るんだよ。……しかも嘘だろお前」
なんで、俺の前世の愛機『ディザイア』がこんなところにある?
俺は動揺を隠せられなかった。
しかもディザイアを動かす動力と言ってもいい、『スフロン水晶』がそもそもこの世界で手に入れられない以上、俺の愛機を完全に再現するなんて不可能なはずだ。それがびっくりするほど高クオリティで再現されている。オーブはどうやって開発したんだ、この機体。俺のところのメカニックが絶対泣いてる。俺のところのメカニックてのは、異世界仕様だからそもそも普通じゃないんだ。錬金術ってよばれる術を使って整備してるぐらいだし、どんな技術持ち合わせたらこんなのが出来上がるんだほんと……。
【マスター適正のある者を確認。搭乗を許可します】
お前、しかも喋るのか。前世よりクオリティあがるのやめてくれない?
「マスター適正もなんも、お前の操縦者は俺しかいないだろ」
俺は、かつての愛機『ディザイア』に乗り込んだ。
「そんな、ブラックボックスを動かせる者が現れるなんて」
「何なんです、ブラックボックスって。あれに乗ってるの僕の姉さんなんです。どうして……」
「お姉さんなの?!とにかく危険よ、あの機体乗ったパイロットは搭乗後にいずれも死亡していて、整備士も怖がって扱えないから近々破棄する予定だった機体なのよ。ザフトもあの機体までは奪取しようとまではしなかったみたいだけど……正気の沙汰とは思えないわ」
マリューは困惑していた。モビルスーツのシステムを立ち上げながら、コックピットに乗り込む前に見たあの光景に、驚きを隠せないでいた。そう、あの機体は確かにロールアウトするまでは普通の機体だった。実用段階になって、負傷者が出始めた。最初の一人は持病か何かだったのだと思っていたが、二人目、三人目とあの機体に乗る度に死んでいった。正直、格納庫から運び出さなくてもいいのではと思うぐらいの曰く付きの機体だ。なんせ、動力源が核エネルギーに匹敵すると言われている全く未知の物質なのだから。スフロン水晶の出所はオーブであるが、全く何を思ってあれを差し出したのかマリューにとっても悩ましいものであった。動かせるパイロットさえいれば、モビルスーツに対して無限に電力を供給することができる優れものだが、スフロン水晶そのものが人体に悪影響を齎すのであれば、量産はとてもではないが考えられないぐらい、危険な代物だった。
「そんな、姉さん。そんな機体に乗ったらいけないよ!」
「もう遅いわ。一度でも乗ったパイロットは皆、死亡しているもの。気の毒だけど」
「そんなことって…!くそ」
キラは悔しさを隠しきれなかった。涙も出て来る。そんな中で、モニターに浮かびあがった文字列が飛び込んできた。
――General
Unilateral
Neuro-Link
Dispersive
Autonomic
Maneuver” Synthesis System
「ガ……ン・ダ・ム……?」
GAT-X105ストライクガンダム。爆炎の中、1つのモビルスーツが立ち上がった。