※この作品はR-18です。

男の娘フレイと男装TS夢主(キラカガリ三つ子姉)   作:篠原えれの

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民間人は多分ディザイアのことをそんな恐ろしい機体開発したのお前らって感じで見てます。

 

 あれから民間人ともひと悶着があり、ガルシア司令官とは民間人だけでもオーブに返還できるよう約束することができた。ディザイアの呪われっぷりがあの問答で全部周知してしまったので民間人もその機体のことが恐ろしくなってしまったのだ。正しい反応だ。みんな、機体のせいで死にたくないのだ。それのおかげでディザイアが保管してある場所には民間人は誰も近づこうとしなくなったとか。機密情報は駄々洩れだが、本当ならあの機体は永久凍結される予定のもので、それがヘリオポリス崩壊でたまたま動けてしまったのだと説明すれば民間人は渋々納得してくれた。

 そこで、ガルシア司令官が矛盾に気付いた。

 

 「君はヘリオポリス崩壊時、格納庫にしまっておいたはずのディザイアに乗り込めたのかね。話を聞けば、ディザイアを含むGシリーズはZ.A.F.Tに襲われてZ.A.F.T兵と大西洋連邦の奴らで戦闘状態だったそうじゃないか」

 「あそこはモルゲンレーテの研究施設から近かったので。俺達、カレッジ大学の学生でしたから」

 

 それを聞いた民間人が、怒りを隠せなかった。フレイに対して、何嘘ついてんだお前といった表情だ。

 

 「おいお前、嘘つくなよ!お前さんは確かにあの大学の学生かもしれないが、あんたは俺達と一緒の救命ポットに居ただろ!本当はそこでくせぇゲロ履いた奴があんなの動かしたんじゃねぇのか?!」

 「何、それは本当かね?!」

 「見てないから分かんねぇが少なくともヘリオポリスでディザイアを動かしたのはこいつじゃねぇ!最低でも赤い奴(フレイ)よりもう一人パイロットが居るはずだ。」

 

 民間人の怒りが、ヒートアップしていく。ノイマン達も、これは誤魔化しきれなくなってきたなと息を呑む。フレイも苛立つ。護ってやってんだから空気読めよともそんな感情が湧いてくる。何故本当のことを話ながらも嘘をついているのか。それは簡単だ、コーディネーターであるオリバーとキラを護るためだ。民間人も多少は二人がコーディネーターだと知っている人は居る。

 トール達もどうにかして助けたいが、火に油を注ぐような真似はしたくない。

 これは、キラとオリバーの二人がコーディネーターかどうか、ガルシア司令官にバレるかが最終的な決着だなと察したオリバーは素直に自白した。

 

 「俺がディザイアのもう一人のパイロットだよ。だからこんな点滴してるし、熱もある。正直、無理やりここに連れてこれられたから立ってられないぐらいつらい。ゲロ吐いたからだいぶマシだけどな。実話おっさんの最初の推測当たってたんだよ。適応こそしてたけど体がもたなくてこのありさまだ。それで納得したか?」

 「こんの、偉そうに喋りやがって……病人だからってなんでも優遇して貰えると思うなよ」

 

 民間人の男が、怒りを隠せずに思ったことをそのまま話す。

 

 「それに関してはあんたら民間人を護るってことで許して貰えねぇか?多分、そろそろあいつらが襲撃に来そうな気がするんだよな。俺の予想だと多分ブリッツだな。休んでる間に、Gシリーズの資料を読ませて貰ったが、ブリッツにはミラージュコロイド・ステルスっていう機能が備わってるんだ。アルテミスの傘は確かにあいつらZ.A.F.Tにとって有能かもしれないが、それは常時展開してる訳じゃないんだろ?ミラージュコロイド・ステルスを使えば熱源反応とか抑えられるだろうし、あっという間にアルテミスの傘を壊されるかもしれねぇな?気付いた頃には対応できずにおじゃんだ。奴らの狙いは俺達だ。俺達が出ていきゃ、あんたらが追われることもない。よかったな、ディザイアのおかげで本国に送還して貰えて。感謝しろとは言わないが、俺はお前らの命、護ってやりたいと思ってる。――巻き込んですまんかった」

 

 高熱を出していて、思考がはっきりしていないオリバーなりに、民間人にできる謝罪をした。点滴も終えたオリバーは、器用にそれを外して処置すると「ほら連れてけ」と兵士に命令した。ガルシアが怒りながらオリバーに聞き返す。

 

 「なんだその無茶苦茶な戦術予報は!?そんな都合よくアルテミスの傘が破壊される訳がない!勝手な理屈を述べるな!」

 「長年の戦闘の勘って奴か?俺があいつらだったらこんな要塞潰した方がはやいって攻略方法必死になって考えますよ。」

 「なにを生意気な――!?」

 

 ガルシアが反論しようとしたその瞬間、鈍い地響きが艦内全体を揺らした。

 

 「なんだ、この振動は?!調べさせろ!」

 「で、伝令!防御エリア内にモビルスーツです!」

 「――なんだと?!」

 

 バタバタと、再び兵士がガルシアに伝えるため、食堂に入ってくる。その伝令は見事に、オリバーの戦術が正しいと知らせる結果になった。

 

 「ほら、連れてけ!死にたくなかったら!俺をディザイアに連れて行け!」

 「傘が破られた……ありえない?!」

 「どけ!このままじゃただの的だぞ!でていけ!」

 

 こうなりゃ自棄だとノイマン達もオリバーに賛同するようにガルシアを含む兵士達をアークエンジェルから追い出す。民間人もいつ死ぬか分からない光景に泣き出す子供や半ばパニック状態になる大人が居る状態で、そのほとんどがノイマン達について行くのが正しいと判断した。このアルテミスは、安全ではない。こんなところに残ったら死んでしまうと理解したのだった。

 

 「ごめん姉さん。ストライクはまだOSのロックが解除できていない。ディザイア一機だけで大丈夫?」

 「俺もお前並みにモビルスーツ動かせるんだぞ、任せとけ」

 「体は?俺が出てもいいが?」

 「ブリッツがどうせアルテミスの傘を壊しまくってんだ。背後にあと3機居ることも考えてまぁ俺の方がいいだろ。ディザイアにはまだまだフレイも知らない機能があるってことで。艦長達が戻り次第、アークエンジェルは発進していいからな」

 

 キラとフレイがそれぞれ心配してくるが、オリバーは大丈夫と行ってディザイアの方に向かう。

 ぼそっと呟いたその言葉ははっきりノイマン達に聞こえた。

 

 「持ち場に急げ!」

 「あの、俺達も何か手伝えることはないか?!さっきは野暮なこと聞いてすまなかった……」

 「知らないことがたくさんあったのですからお互い様ですよ。そうですね、多少揺れるかもしれないのでなるべく安全な場所……各自部屋で待機してください!慌てず、なるべく落ち着いて行動してください!」

 

 民間人も、多少はこの騒動で落ち着いた様子だった。キラやトール達が彼らの移動を手伝った。オリバーもディザイアまで辿り着き、搭乗することができた。

 

 「ディザイア、発進する!」

 

 ハッチを飛び出し、ディザイアは進んでアークエンジェルを先導する。どうやら爆発騒ぎに便乗して艦長達も戻って来られたようだった。姿を表したブリッツがアルテミスの傘を破壊していて、出陣したメビウスを破壊しながらアークエンジェルを見つけ出した。その目の前に、ディザイアが飛び出す。

 

 「黒いのか!あいつ、今日こそ!」

 

 牽制と言わんばかりに、ディザイアを見つけたブリッツがグレイプニールを使って攻撃する。グレイプニールは有線式のロケットアンカーだ。クローを武装した腕が垂直に伸びて突撃してくる。

 

 「俺はお前相手に戦うのは初めてだけどな。悪いけど、どいてくれねぇか」

 「なに?!」

 

 右手に持つ大剣状の『ミーハの剣』の他に、ディザイアを中心にしてドラグーンの様に細剣状のミーハの剣が複数展開される。その数はざっくり数えて10はあるだろう。剣先から容赦なくブリッツ目掛けてビームが繰り出され、グレイプニールは破壊されてしまう。

 

 「そんな、前回戦った時はあんな武装、なかったのに……?!うわあああ!」

 

 次々に繰り出される『ミーハの剣』よる攻撃。当然、ブリッツは回避することができない。被弾してしまい、その場からの脱出を余儀なくされた。その様子はアークエンジェルでも確認できた。

 

 「あの武装は……?!とにかく、他の3機もいつ来るか分からないわ。ディザイアを戻して。反対側の港口からアルテミスを離脱します!」

 「オリバー!戻ってきて!アークエンジェル発進します!」

 『了解、ま。妥当だな』

 

 ミリアリアがオリバーに戻ってくるよう促す。オリバーもそれに同意する。

 ブリッツの攻撃で元々半壊状態だった港は爆風と共に次々に崩壊していく。無事にオリバーはディザイアをアークエンジェルの看板の上に乗せることができた。爆発に、飲まれる前に、アークエンジェルはアルテミスを脱出することに成功する。

 

 ■

 

 戻ってきて早々だが、マリューは困惑を隠しきれない。自然と、あの機体を操縦できるフレイの方に視線が集まる。

 

 「あんな機能があるって、ディザイアは教えてくれなかったぜ……というか、どこにもそういうものを操縦するシステムがなかった。」

 「ありゃ、戻ってきたら一度嬢ちゃんに全部聞いた方がいいな。あの感じだとまだ他にもありそうだしな」

 

 そう話すのはムウだ。フレイがそうだなと納得する。

 

 「っていうか、開発した艦長達が知らないってどういうことだよ。俺はディザイアに操作方法を教えて貰いながらやってるだけだから全部を把握してる訳じゃないんだよ」

 

 その言葉に、マリューが申し訳なさそうに説明する。

 

 「あの機体は本当に特別性で……知らなかった、では済まされないわね。ごめんなさい。私が現在ディザイアの武装を把握しているのは、ごく僅か。主力武装の『ミーハの剣』と『ミーハの剣を経由してのビーム装備』、あの機体にはフェイズシフトが搭載されていないということぐらいだわ。ミーハの剣が消えたり、出現したりするのは知っていたけれどまさか剣の数まで増えることまでは把握してなかったの。他は……ディザイアの主力エンジンになっているスフロン水晶が独自に武装を開発してしまっているのかもしれないということ。これが原因で、パイロットや整備士達が次々に死亡してしまっていると私達は推測しているわ。何らかの有害な物質を任意で排出することができるのは間違いないみたいだし。それが、まさかあんな高性能な武装を造り出せるなんて。増えた剣も、どこかにしまわれるんじゃなくて、また消えてしまったみたいだし。それから分かるのは……スフロン水晶が、知的生命体に近い思考能力を持ち、それがモビルスーツに感情、すなわち人格があるということになっているのも理解しているわ。私達はディザイアに対して話をすることすらできないけれど、フレイさんとオリバーさん、すなわち適応者であれば話すことができるというのも理解しているの。……初めて会った時から、彼女は俺の方が詳しいって言ってそういえば聞かなかったものね。機体の整備方法だって彼女は知っていた訳だし。体調が悪くて、最近はその話事態がうやむやになってしまってたけれど……。体調が悪いで思い出したわ。彼女、ディザイアに乗っても大丈夫なのかしら?!高熱が続いてたのよね!?なんで乗せたのよ」

 「ブリッツが攻めて来ると言って聞かなかったんです。この事態にいち早く気付いたのも彼女でした。」

 「ああなるとオリバーの奴意固地になって聞かないから俺も言うだけ無駄だなって、聞くだけ聞いて任せてしまった。多分、大丈夫だと思うんだが……ミリアリア?」

 

 ノイマンとフレイが説明する。その説明に、マリューとムウが天を仰ぐ。

 フレイは、ミリアリアがオリバーに呼びかけているのに気付く。

 ミリアリアがはっとしてディザイアの帰投を知らせる。彼女は彼女で、オリバーが心配で呼びかけ続けていたのだ。

 

 「ディザイア、収容確認しました。ただ、応答がないです。ごめんなさい、続けますね。……オリバー、大丈夫なの?!聞こえてたら返事ぐらいしてよ!……ちょっとやばいかもしれません」

 「俺、行ってくる!」

 「キラも既に行ってると思う!艦長……」

 「この区域まで出たらもう大丈夫でしょう。行っていいわよ。医療班の準備してあげて」

 

 ミリアリア、サイもフレイに続けてブリッジを飛び出す。皆、アルテミスを脱出できて安心していたがオリバーのことが心配だった。





 やっぱりあの状態でもガルシア司令官は生きてると思います。(爆風に飲み込まれても生き残ってる男、ガルシア)恐ろしいぐらい動かしやす過ぎて一周回って好きになりました。
 マードックの話を聞いた民間人がどんな反応するかって書いてみたくなった回でした。オーブに返還してもらえる約束まで出来たのですけど、結局すぐ攻撃されちゃってアークエンジェルに残る選択をしちゃったんですねぇ。
 彼らが生き残るかどうかは謎です。とりあえずアラスカまでは平和な感じでやりたい
 
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