このすばらしい仲間と恋愛を! 作:てつろう
イチャイチャとシリアスってどれくらいの比率で混ぜればいいんでしょうか。そんなことを考える今日この頃
翌日。俺たちは犯人が仕えていた国へ行くため馬車に揺られていた。その国の名前はバルバトス。海に面しており漁業が盛んらしい。今回の件が上手く行けば報酬も弾むそうだ。
「アイリスも付いてきて大丈夫だったのか?」
いつものパーティメンバー4人にゆんゆんとアイリス、クリスを加えた計7人でバルバトスに向かっていた。相手国を助けるためとはいえ一国の王女様が易々と他国に出向いていいのだろうか。
「お兄様たちだけで行かれるとまた無理をしてお兄様が死んでしまうかと思ったのです。クレアとレインに説得して何とか許してもらいました」
レインはともかくあの白スーツが許すとは思えないのだが……アイリスが強引に決めたに違いない。
「…………」
「…………」
どうしよう。ちょっと気まずいな。バルバトスまで行く馬車が無かったため自分達で馬車を借り、御者台にはダクネスとアクア、客席に乗る俺、両隣にアイリスとクリス。反対側にめぐみんとゆんゆんがいる。アイリスの求婚を断ってからアイリスが俺にどんな気持ちで接してきているのかよく分からない。以前は純粋に慕っていたが、あの夜からアイリスとちゃんと会話していない。
あれこれ考えているとアイリスが俺の肩に顔を乗せてきた。俺は黙って肩を貸す。アイリスから清香が漂ってきた。本当にアイリスは可愛い妹だよな……
「ちょっとアイリス、下っ端の分際で何をイチャついてるのですか。私のカズマから離れてください」
「私はお兄様と親睦を深めているだけです。それにカズマ様には振られてしまいましたし、これくらい良いじゃありませんか。」
アイリスの声が馬車の中に響く。
俺がアイリスを振ったという爆弾発言の投下によりその場の空気が凍った。見れば御者台にいるダクネスとアクアもこちらを見ている。お前らは前を見ろ!ぶつかったら危ないだろ!
「あー、その、あれだ。振ったというかアイリスはまだ恋をよく知らないから保留したというかな?別にアイリスのこと嫌いって訳じゃなくてだな」
俺は早口で捲し立てるように喋る。目の前のゆんゆんは分かりやすくおろおろし、めぐみんは信じられないとばかりに目を見開いている。
「ふふっ」
めぐみんが笑い声を漏らす。笑い声を聞いたアイリスは一瞬ではあるが感情をあらわにしたのを俺は見逃さなかった。
「そうですか。なら仕方ありませんね。下っ端の役目を見るのはお頭として当然ですから。好きにして構いませんよ。」
「ありがとうございます。めぐみんさん、私の好きにしますね」
めぐみんとアイリスの間には目には見えない火花が散っているようだ。俺に振られたが芯が通っていて逆境に強いアイリス、俺に振られていないが逆境に弱いめぐみん。2人の決着はどうなるだろう
「お兄様、私が膝枕して差し上げましょうか?」
アイリス、その提案はすごく魅力的だがこの状況でできるほど俺の肝は据わっていない。俺に振られたと皆に公言したのに甘えてくるアイリスに驚く。
「流石に今ここで膝枕するのはちょっとな……」
「では、手を繋ぎませんか?」
「……そ、それくらいなら」
俺とアイリスは恋人繋ぎで手を結ぶ。アイリスは俺に求婚してから更に大胆になったようだ。めぐみんを見ると俺達の恋人繋ぎを見ても未だ笑顔のままだ。アイリスが振られた事が余程嬉しかったのだろうか。いくらめぐみんでもアイリスを傷つけるようなら俺も容赦はしない。
「お兄様、顔がこわばってますよ?」
知らず知らずのうちに顔に感情が出ていたようだ。
「悪い、ちょっと考え事しててさ」
「カズマ様が悩んでることなら私にいつでも話してくださいね。王族の力を使って解決してみせます!」
俺の小さな悩みにそんな力をわざわざ使わなくて大丈夫だ。もっと他のことに使ってやってくれ。
「カズマくん、アタシとも手繋がない?」
クリスがそんな事を言ってきた。アイリスの要求を呑んだ手前クリスだけ断ることもできない。
「……お、おう。いいぞ」
俺は王女と女神様という二人の華と両手を繋いでいる。両手が塞がっていて俺は少し不自由な状態だ。
「お兄様」
「ん?……んっ!」
アイリスが俺の事を呼んで振り向き様に俺にキスをしてきた。唇どうしが触れ合うだけの軽いキスだ。俺は両手をクリスとアイリスと繋いでいるのでまともな抵抗も出来ずにキスしてしまった。
「……あ、アイリス?」
「クリスさんではなく私の方も見てくださいね。」
周りからの視線を感じる。かなり恥ずかしいんだけど……よく見たらアイリスも少し耳が赤くなっている。アイリスも実は頑張ってやってるんだな
「なっ!!アイリスそこまで許可した覚えはないですよ!クリスも手を離してください!」
めぐみんが俺の膝の上に跨り同時にクリスとアイリスの腕を掴み離そうとする。力比べなら王族のアイリスが圧倒的だ。アイリスはもう片方の手でめぐみんの腕を掴んでそのままめぐみんの背中に回しめぐみんを伏せた。
「いだだだあああ!!」
「下っ端だからといって舐めないでくださいよ。私は勇者の末裔なんですから」
アイリスは先程笑われたことへの仕返しなのかめぐみんを痛めつけていた。普段強気なめぐみんがこうして組み伏せられているのを見ると加虐的な嗜好がそそられる。
「私馬の扱いが出来ないからカズマさん達の方に移りたいんですけど。なんだか向こうの方が楽しそうじゃない。」
「あれは女同士の戦いだ。部外者の私達は邪魔しない方がいい。」
「アイリス様みたいに私もめぐみんに勝てる日が来るかしら……」
「いだああああ!!!助けて!助けてくださいカズマぁ!!」
馬車に揺られているとやがて大きな山の麓に着いた。所々岩が露出しており進むのに苦労しそうだ。この辺りは道の舗装も十分でなく、馬車の揺れも酷い。
「あれ、今そこの岩が動いたような……」
「何を言っているのですか。ぼっちを拗らせすぎて幻覚まで見るようになったんですか?」
「ぼっちじゃないから!!私の気のせいかしら……」
ゴゴゴゴゴゴゴ
突如地響きが鳴る。何事だ。眠りかけていた俺はすぐに意識を覚醒させ外の様子を見る。周りの岩が吸い寄せられているのか、重力を無視して転がっていく。
「うわあああ!!助けて!私日頃の行いはいい筈なのにぃ!!」
「落ち着くんだアクア、とにかく何が起きているのか確認しよう」
沢山の岩は1箇所に集まっていく。やがて岩は大きな人の形を作った。それはゴーレムのような姿だった。
「おらあああぁぁぁ!!!何もんじゃわれええええええ!!!」
そんなチンピラみたいなことを目の前の岩が喋っている。なんだろうこの岩……すごく小物っぽい
「主らはなにもんや?わてはこの火山の主、大地の精霊や。あんまり舐めとると痛い目見るでえ!」
精霊が叫ぶと後ろの火山が火を噴く。火口からはマグマが噴き出ている。この精霊が怒ると後ろの火山も噴火するのか?
「ここは私が叩き切ります!」
アイリスが剣を持って精霊の前に対峙する。
「待って!相手が大地の精霊でも話し合えるならきっと友達になれると思うの!お願い!まだ殺さないで!」
ゆんゆんがアイリスのことを必死にとめている。ゆんゆんは本当にぼっちを拗らせているようだ。植物と友達になろうとしていたこともあったし、今更ではあるが
「はぁ?わてがお前なんかと友達になる訳ないやろ。わては精霊やで。あんた頭大丈夫か?」
ゆんゆんはその言葉を聞いて膝をついて泣き出してしまった。そんなゆんゆんをクリスが背中を撫でて介抱している。
『エクステリオン!』
轟音と共に目の前の精霊が真っ二つに切られる。が、すぐに岩どうしがくっつき元の姿に戻った。
「だから言うてるやろ。わては精霊や。物理攻撃なんか効かへんで。」
このメンバーの中で最強クラスのアイリスの攻撃が効かないとなるとちょっとヤバいかもしれない。
「大地の精霊さん?お怒りのところ悪いんだけど俺達はここを通して貰いたくてどいてくれませんかね?」
俺がやんわりと説得してみる。
「おうおうお前えらい生意気やの!今のわては頭から火吹き出るくらい怒っとるわ。文字通り火吹き出てるんやが。わての怒りを収めん限りここは通さへんで!!」
そう答えるとまた後ろの火山が火を噴く。怒りを収めるって一体どうすればいいのだろう。そもそも精霊って何をしたら喜ぶんだ?適当にお祈りでもすればいいのか。
「アクア、お前水の女神だろう?何か精霊を操ったりとかできないのかよ」
「ふふん、遂に私の力を見せつける時が来たようね。ここは私に任せなさい!私の宴会芸で喜ばせて見せるわ!」
「いや何で宴会芸だよ!そこは女神の力を使うところだろうが!!」
「そんなちゃちな芸……いや、かなり高尚な芸だがそのくらいで俺の怒りは収まらんわい!」
アクアの唯一の取り柄とも言える宴会芸は精霊相手にも凄いものらしい。宴会芸なんかで許してもらえるのかと思ったがこの調子だともう一押しだな。
「大地の精霊様、あなたを怒らせてしまって申し訳ありません。何か私達にできることがあれば教えてくださいませんか?」
女神モードのクリスが精霊と対話する。アクアと違って本物の女神様は頼りになるようだ。クリスの言葉を聞いた精霊は少し考える素振りを見せて、
「ほな、そこのパツキンの姉ちゃんと胸元が空いてる子で野球拳してや。わてはそれを最後まで見守ったらここを通してやるわ。」
ダクネスとゆんゆんが野球拳をするように要求された。この精霊の要望は中々センスがあるようだ。仲間が敵に仕方なく服を脱がされるなら男としてその勇姿を見守るしかないだろう。
「お兄様、顔が気持ち悪いですよ」
アイリスから指摘されて真顔になる。俺そんなに気持ち悪い顔してた?だって目の前で女の裸を拝めるかもしれないんだぞ。そりゃ鼻の穴の一つや二つ膨らませてもしょうがないはずだ。
「くっ、私はこのくらいで屈したりしない!お前はこのまま裸になった私を舐め回すように見つめ、熟れた体で私に自慰をしろと言うつもりだろう!体は好きにできても心までは支配できないと知るのだな!」
ダクネスは今日も平常運転だ。変態レベルが高すぎてかける言葉が見当たらない。やめてよ、ここにはアイリスもいるんだぞ。俺の可愛い妹にそんなエッチな話聞かせられません。
「な、なんやわれ……見てくれはいいのに中身が酷いやないか……まあええわ、そっちの胸元が空いた子も頼むで」
「むむむ、無理ですよ!なんで私なんですか!か、カズマさんだっているのに!ちょっとカズマさんこっちをチラチラ見てるのバレてますからね!絶対見ないでくださいよ!」
「よく考えるんだゆんゆん、この精霊が本気を出したら俺達は一溜りもないだろう。でも野球拳をするだけでここを通れるんだ。それにジャンケンに勝てばゆんゆんは服を脱がなくても良いかもしれないじゃないか。」
「ううっ……でも恥ずかしいんです……せめてカズマさんはあっち向いててください。それでなら勝負しますから」
2人の野球拳の勝負は拮抗していた。ゆんゆんは上の服とパンツだけ、ダクネスはブラとパンツだけになった状態だ。次の勝負でどちらかの秘所を拝むことが出来る。
「はぁ、はぁ、後二勝すれば終わり。二回勝てば私は服を脱がなくて良い。大丈夫、きっとできる。」
ゆんゆんは自分を安心させるようにブツブツ言っている。ダクネスの裸は一度見たことがあるし個人的にはゆんゆんの裸を見てみたい。そういえばゆんゆんにはバーコードが恥ずかしい位置にあるらしい。是非確認しなくては。
「か、カズマ!流石に私もそんなに堂々と見られると恥ずかしいというか……」
相変わらずダクネスの羞恥心はどこにあるのか分からない。
「そんなに見られるのが嫌だって言うならもっと見たくなっちゃうなあ。」
俺はそう言いながら手で輪っかを作り両の目で穴を除きながらダクネスを見る。ダクネスは俺の言葉を聞くと、これ以上触発しない方がいいと悟ったのか何も言わなくなった。
「ほな次行くでー、じゃーんけーん」
「「ぽん!!」」
結果はゆんゆんがパー、ダクネスがチョキだ。
「ううっ……カズマさんは向こう向いててください!」
俺はゆんゆんの指示に素直に従い背を向ける。やがて後ろから僅かな衣擦れの音が聞こえる。しばらくして振り返るとパンツだけになったゆんゆんが両胸の先端を片手で隠していた。
「きゃああああ!!こっち見ちゃダメですって!!」
ゆんゆんが抗議しながらもその場で身動きできずにいる。俺は真の男女平等主義者、仲間が頑張っているのならたとえゆんゆんでも見守る。眼福だなあ
「そっちの幸薄そうな子より、グラマラスな姉ちゃんの裸が見たいねんけど。まあこれはこれでええわ。わての溜飲もだいぶ下がってきたわ。ほなじゃーんけーん」
「「ぽん!!」」
結果はゆんゆんがグー、ダクネスがチョキだ。
「くっ……これくらいで私は屈したりしない!」
ダクネスは嬉しいのか恥ずかしいのかよく分からないがブラを取り始めた。胸の先端はゆんゆんと同じくガードしているのだが、胸が大きくその肉が腕に収まりきってない。こうしてみると若干ゆんゆんよりダクネスの方が大きいようだ。
「クリスさん、冒険ではこれくらい普通のことなのですか?」
「そんな訳ないでしょ!ちょっと、これは王女様には教育に悪いよ!」
「今のゆんゆんを見ていると何だか心がスカッとしますね」
前から思ってたけどめぐみんは結構Sっ気があるみたいだ。
「とうとう次で最後か……ええ勝負やなあ。ずっとこの時間が続いて欲しいわあ……」
「「「じゃーんけーん」」」
「「ぽん!!」」
結果はゆんゆんはチョキ、ダクネスがグーだった。ゆんゆんが全裸になることが決定した。
「なんでよおおお!!!」
ゆんゆんは左腕で胸を隠しつつも膝から崩れ落ちた。
「「「ぬーげ!ぬーげ!」」」
俺と精霊とめぐみんはゆんゆんに向けて脱げコールをしている。そんな俺たちを他の女性メンバーは非常に冷ややかな目で見ている、ダクネスを除いて。
「めぐみんも裏切るんじゃないわよ!!お願いですからカズマさんは向こうを向いててください!そしたら脱ぎますから!」
ゆんゆんを気の毒に思ったのかクリスが俺の前に立ち塞がる。
「カズマくん、勿論あっち向いてくれるよね?アタシ以外の女の子のことエッチな目で見る気?」
クリスの剣幕に気圧され俺は素直に後ろを向く。目の上からクリスが両手を乗せてきた。俺はそれをどけることもせずただゆんゆんがパンツを脱ぐのを待つ。そしてしばらく経つとクリスの手の上に更に俺の手を乗せ『ドレインタッチ』を発動した。
「きゃあ!」
クリスはいきなり何をされたのか分からず俺から手を離す。その瞬間に俺は後ろを振り向くとゆんゆんが生まれたままの姿でそこに立っていた。両胸と股を手で隠してはいるが
「きゃああああああ!!!」
ゆんゆんの一際大きな声が山に響いた。