※この作品はR-18です。

このすばらしい仲間と恋愛を!   作:てつろう

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エタる前に最終回まで書き上げたい。





この辺鄙な街で観光を!

 

 

 

 

 

船に揺られること二日、遂に俺達の船旅は終わろうとしていた。

 

 

「おい、街が見えてきたぞ!」

 

 

他の冒険者の声で俺はすぐさま起きる。遠くにうっすらと陸が見える。俺は『千里眼』スキルで街を見る。徐々に遠くの景色が見え始め、細部まで見ることができるようになる。港付近には沢山の漁船が停泊している。やがて船は陸に近づきギシギシと大きな音を立てながら止まった。俺達が船から降りると官吏らしき人が5人ほど出迎えてくれる。

 

 

「佐藤カズマ様、その他御一行様。此度は誠に申し訳ありませんでした!」

 

「「「申し訳ありませんでした!」」」

 

 

船を出るなりいきなり謝罪された。俺達何かされたっけ?俺の疑問をよそに官吏達は頭を下げたまま続ける。

 

 

「謝って解決する問題とは思っておりませんが謝らずに解決させようとも思っておりません。重ね重ね申し訳ございません!」

 

「「「申し訳ございません!」」」

 

「こちらつまらない物ですが……」

 

 

そう言って官吏たちが渡してきたのは魔王討伐の時にお世話になったマナタイトだ。しかもこの量、これは相当お金がかかったのではないだろうか。

 

 

「そんないきなり謝られても俺達にはなんの事だかさっぱりなんだけど……」

 

「私達が謝罪しているのは先日王都でカズマ様を暗殺しようとした輩がいたことです。彼は私達の方で国外追放の処分に致します。それどころか私達の国を助けるためにこうして来訪して下さること。心より感謝申し上げます。」

 

 

そういえば俺殺されそうになったんだっけ。考えてみれば俺を殺そうとした人がいる国に助けに赴くなんてかなり変なことしてるよな。

 

 

「ふっ、カズマに感謝することですね。もしカズマがあなた達を許さなければ今頃私の爆裂魔法の消し炭になっていたでしょう。」

 

 

めぐみんが相手が下手(したて)に出たと見るや調子に乗り始めた。しかし、ここまで謝られると気が引けてくる。

 

 

「まぁ過ぎたことだしそんなに謝るなよ。俺は結局無事なんだしさ。」

 

「いいのかカズマ。貴族の私だから分かるが普通ならここは相手から金を取れるだけ取るのが外交の手段だぞ。」

 

 

このマナタイトだけでも充分高額だと思うのだが。しかしダクネスをそんな薄汚い貴族に育てた覚えはないぞ。

 

 

「まあいいよ。あんた達も勇者に敵対する国ってのは他の国と付き合う上で大変だろ?お互い水に流そうぜ」

 

「「「ご厚意誠にありがとうございます!」」」

 

 

俺は柄にもなく相手を簡単に許した。これは俺が平和ボケしてるからとか謝られたら何でも許してしまうからとかじゃない。ただ俺を殺そうとした張本人がエリス教徒だったことが心残りなのだ。クリスの前であの男を断罪する気にはなれなかった。

 

 

「それでは改めまして」

 

「長い船旅お疲れ様です、勇者様。ようこそおいで下さいました、船と海の国、バルバトスへ!」

 

 

恭しく挨拶される。その発言にアクアが気を良くしたのか胸を張りながら答えた。

 

 

「この私、水の女神が来たからにはもう安心よ!私の力でこの国の危機を救ってみせるわ!」

 

 

水の女神を自称する人を見て官吏の人の顔が強ばる。いくら有名なパーティで女神を名乗っても信じて貰えないようだ。

 

 

「女神を自称してる残念なやつなんです。そっとしておいて下さい」

 

 

俺がそっとアクアをフォローしてやる。官吏は俺の言葉を聞いて我を取り戻したのか丁寧に頭を下げた。

 

 

「なんでよーー!!私本当に女神なのに!めぐみん達も何か言ってよ!」

 

 

めぐみん、ダクネス、クリスも分が悪いと思ったのかサッと目を逸らす。

 

 

「さ、左様でしたか。早速ですが宿へ案内致します。来るべき決戦の日に備えて今日はごゆるりと寛いでくださいませ。」

 

 

官吏達は街の中を歩き始める。俺達はそれに続いて後ろからついて行く。港付近では、どこも魚を売っている。そのどれもが採れたての新鮮な魚だった。

 

 

「あんた達冒険者か?ほらこの活きのいい魚あげるよ。」

 

 

店先に魚を並べているおっちゃんがゆんゆんに魚を投げてきた。ゆんゆんは返すことも出来ずそれを受け取る。

 

 

「ああ、ありがとうございます!」

 

「いいってことよ。今は魔王の娘が近くに住み着いてるからな。冒険者だけが頼りなんだ。この街を守ってくれよ!」

 

「ちょっとあんた達、こっちの魚もあげるから魔王の娘を頼んだよ!」

 

 

今度はアイリスが魚屋のおばちゃんから魚の入った袋を受け取る。

 

 

「ありがとうございます。民のため誠意を尽くしますね。」

 

 

アイリスはこのような扱いに慣れているのか丁寧に対応していた。流石は王女様だ。

 

 

「そのように大荷物になると大変でしょう。こちらに台車を用意しているのでご利用ください。」

 

 

なんと手際のいい官吏だろうか。もしかして俺達がこのような待遇を受けることも知っていたのだろうか。

 

 

「はい、魔王の娘が来てからというもの冒険者達に対する期待が強くなってきてましてね。最近はこうして沢山物を渡されるのです」

 

 

口に出してもないのにこちらの心の機微を察してくる。この男かなり優秀な人じゃないだろうか。もしかしてお偉いさん?

 

 

「私はそこまで偉い立場ではありませんよ。一応丞相(じょうしょう)の身分ですが」

 

 

再び何も言わずとも答えてくる。丞相って何だ?俺は政治に疎いから役人の身分とかよく知らないんだ。本人も卑下してるからそこまで偉くないのかな?

 

 

「カズマ、丞相とは君主を補佐する最高位の役人だぞ。王様の次に身分が高い人と思っていい。くれぐれも無礼のないようにな」

 

 

めちゃくちゃ偉い人じゃないか。俺が目の前の役人に体が強ばっているとめぐみん達は次々と物を貰っている。それだけ冒険者に魔王の娘討伐を願っているのだろう。役人の一人がその場を収めようやく落ち着いた。その後俺達は逃げるように宿へと急いだ。

 

 

+

 

 

俺達が着いた宿は国のお偉いさんご用達の宿だそうだ。ロビーには巨大なシャンデリアが螺旋階段の中央に飾ってあり、壁は水槽になっており魚が沢山泳いでいる。この宿が高級であることは疑いようがないだろう。俺はここに来る道中で大量に貰った魚を宿の人におすそ分けした。その代わりとして俺に魚を捌く料理スキルを教えてもらうことにした。これは俺達が魔王の娘を討伐しに来たからご厚意にしてもらったのだろう。宿で料理スキルを教えて貰っていた俺と異なり観光に行ったアクア達はアクア・ゆんゆん、めぐみん・アイリス、ダクネス・クリスの三組に別れて出かけて行った。

 

 

「ただまー……」

 

 

アクアとゆんゆんが宿に戻ってきた。アクアはどこか覇気がないというか、目が虚ろになっているというかとにかく普段の元気な様子がない。何かあったのだろうか

 

 

「元気ないけどどうかしたのか?」

 

「実はアクアさんが……」

 

「聞いてよ!カズマ!私みんなを喜ばせようとしたのに……!みんなの為にしたのに……!うわあああん!」

 

 

ゆんゆんの言葉を遮りアクアが俺に縋り付いてくる。イマイチ状況が飲み込めない。またアクアが何かやらかしたのだろうか。

 

 

「一体どうしたんだ?ほらこの変な形をした石ころあげるから元気出せよ」

 

 

アクアを慰めようとするが泣き喚くばかりで一向に説明しようとしない。仕方なくゆんゆんに説明を促した。

 

 

「実はアクアさんが川の前で魚を呼ぶ宴会芸をしてしまったんです。その影響で海にいた魚達も川の方に上ってきて近くの海で魚が一時的に取れなくなったそうで……この街は漁業で成り立ってるからか漁師達がそれはもう怒ってしまって……」

 

 

まあアクアならやりそうな事だな。俺も長いことアクアと一緒にいて感覚が麻痺したのかこれくらいで動じることはなくなった。

 

 

「アクア、今から漁師達に一緒に謝りに行こう。悪気があった訳じゃないんだしきっと分かってくれるさ」

 

「うぐっ……かじゅましゃん……!」

 

 

アクア達と一緒に出かけようとするとロビーでめぐみんとアイリスと鉢合わせた。

 

 

「カズマじゃないですか……アクア達はどうかしたのですか?」

 

「まあちょっと漁師達に迷惑かけちゃってな。今から謝りに行くところだ。お前達は何か問題起こしてないよな?」

 

「も、問題なんて起こしてませんよ。そうですよねアイリス」

 

「はい、喧嘩の売り方を教えてもらってとても楽しかったです。」

 

 

……喧嘩の売り方だと?めぐみんの方を見ると目を逸らされる。こいつらも厄介事を持ってきたのか

 

 

「めぐみん、一体何をしてきたのか正直に言わないとここでスティールするぞ」

 

 

めぐみんは観念したのか恐る恐る話し始めた。

 

 

「と、特に大したことはしてませんよ。ただ店の前に居座って次々と来る客に対して『この魚が欲しければ私を倒してから行くのですね』と言ってたら店を追い出されただけです。それが三回くらい続いただけですよ。」

 

「充分大したことじゃねえか!アイリスも何めぐみんに付き合ってるんだよ!お店にも謝りに行くぞ!」

 

「めぐみんさんが言うには喧嘩を売られるのは大変名誉ある事だそうですよ。それだけ相手に力があると見られている証拠らしいです」

 

「お前、何俺の可愛い妹に嘘吹き込んでる訳!?純粋無垢なアイリスが汚れちまうだろうが!」

 

「いはい、いはいです!ほおをひっはらないへくだはい!」

 

 

紅魔族は喧嘩っ早い一族だ。売られた喧嘩は買い自ら喧嘩を売ることもある。特に冒険者ともなれな一般人など喧嘩の相手にもならないだろう。至急謝りに行かないといけない。ロビーを出るとダクネスとクリスがいた。クリスはダクネスにおんぶされ背中で泣いている。何かあったのだろうが聞きたくないな……

 

 

「カズマ、今からどこか行くのか?」

 

「漁師とお店に迷惑かけたから謝りに行くところだ。その……後ろのクリスはどうかしたのか……?」

 

「聞いてよ!カズマくん!」

 

 

クリスは涙ながらにダクネスの背中に乗りながら話し始めた。

 

 

「ダクネスがその……SMプレイができるっていうエッチなお店に行っちゃって、いつまでもダクネスが出てこないから様子を見に行ったらお客さんと勘違いされてさ。必死に抵抗したんだけどそれもプレイの一種と思われて結局最後まで……ううっ……」

 

 

客と勘違いされてSMプレイを受けたのか……今回はクリスが不憫だな……俺達のメンバーは全員問題事を起こして帰ってきた。全く世話のかかるやつらだ。

 

+

 

 

アクア達の尻拭いをするべく漁師や店に謝りに行った。めぐみんが迷惑をかけた店は少なかったが漁師の数はかなり多く一軒一軒回る頃には日が暮れていた。ほとんどの漁師達に謝罪が済み宿に着いた。

 

 

「はあー疲れた」

 

「お疲れ様です。カズマはいつも頼りになりますね」

 

「褒めても何も出ないぞ」

 

 

そんなことを言いつつも結構嬉しかったりする。めぐみんはいつも直球で褒めてくるからやりづらいのだ。俺達は各自の部屋に戻ってお風呂に入ることにした。ご飯はお風呂を出た後みんなで食べに行く予定だ。

 

俺は手早く着替えとタオルを袋に詰め風呂場へと向かう。風呂場には右手に男湯、左手に女湯、そして真ん中に混浴があった。混浴……。俺は迷わず最短ルートである混浴へと入る。ただ近くにあった所を選んだだけで決してやましい気持ちなどは無い。ないがもし女性が居たらその姿を見届けてやらねばならない。俺は服を脱ぎ捨て脱衣所のドアを開けた。なんとそこには……!

 

誰もいなかった。

 

うん、別にやましい気持ちはないから女の子が居なくても全然悲しくない。本当だ。俺の幸運値が高いって話はやっぱり嘘なのだろうか。

 

 

しばらくお湯に浸かっていると脱衣所のドアがガラガラと開けられる。そこに居たのはバスタオルに身を包むめぐみんとアイリスだった。なぜここに?めぐみんはともかくアイリスまで混浴に入ってくるのは意外だ。俺の幸運値は確かに高いようだ。ありがとうエリス様!アイリスは恥ずかしいのかタオルをガッチリ手で押さえている。

 

 

「お前ら入るところ間違えてないか?ここは女湯じゃないぞ。」

 

「ちゃんと分かった上で入ってますよ。背中を流します、カズマ」

 

「わ、私もお手伝いします……」

 

 

しかし、こうして二人を見るとアイリスの成長が著しいことに気がつく。身長が伸びたことは勿論胸がめぐみんより若干大きくなってるのだ。めぐみんが確か15歳でアイリスが13歳。このままいけば形勢は逆転するだろうな。

 

 

「おい、今私と下っ端を見比べて思ったことを正直に言ってもらおうか」

 

「妹の成長を実感してただけだよ。」

 

 

俺はそう答えながら温泉から出る。アイリスは俺の返事を聞いてしばらく考えた後意味を理解したのか胸に手を当て隠すようにした。アイリスはまだまだ初(うぶ)なようだ

 

 

「それで体を洗ってくれるのか?ならお願いするよ。」

 

 

俺はズカズカと歩き風呂椅子に座る。めぐみん達がタオルを手に取り俺の両腕を洗い始めた。体を誰かに洗われるのって結構気持ちいいんだな。時折控えめなめぐみんの胸と僅かに存在感を主張するアイリスの胸が腕に当たる。

 

 

「気持ちいいですか?お兄様」

 

「ああ、凄くいいよアイリス」

 

 

俺はできるだけ心を平常心に保つ。だがそれでも俺の息子は反抗期なのか中程度に硬くなり始めた。俺は前かがみになりバレないように心がける。

 

 

「カズマ、そろそろ前も洗いたいのですが」

 

「ばっ!子どもにそこまでさせられるかよ!」

 

 

俺が思わず突っ込むとめぐみんは怪訝そうな表情をして

 

 

「何を勘違いしてるんですか?私は体の前面を洗いたいと言っただけですよ。もしかしてカズマが洗って欲しい場所って……大きくなってるそこですか?」

 

 

めぐみんの言葉にアイリスが気づいたのか顔がほんのりと赤くなる。必死に隠してたのにバレてたのかよ!

 

 

「ち、違えよ!いや大きくしてて説得力無いかもしれないけど本当に違うから!これは不可抗力だから!」

 

「何を今更それくらいで恥ずかしがってるのですか。それより体を洗いますよ。」

 

 

めぐみんは横から俺の胸板を洗い出す。前から積極的だとは思ってたけどここまで堂々とされるとは思わなかった。アイリスは恥ずかしいのかチラチラと俺の息子を見てる。

 

 

「どうしたアイリス、俺の子どもに興味があるのか?」

 

「そんな訳ないですよ!ただ出っ張ってるので目につきやすいだけです!」

 

 

見ていることは否定しないんだな。アイリスとめぐみんは無言で俺の体を洗っていく。二人の姿が視界に入るようになったことで目のやり場に困る。

 

 

「…………」

 

「お兄様、そんなに見られると恥ずかしいのですが……」

 

「お構いなく」

 

 

アイリスはより一層俺へのガードを固める。

 

 

「カズマ、そんな下っ端より私の方を見てくださいよ。」

 

「アイリスにはあるけどめぐみんには無いからなあ……」

 

「私を馬鹿にしているのならその喧嘩買いますよ!何が私には無いのかはっきり言ってもらおうじゃないか!」

 

 

めぐみんは俺の肩を揺さぶりながら問い詰めてくる。そんなに近くに来られると俺の剛直がめぐみんの足につんつんと当たってしまう。

 

 

「さっきからこの子は誰に対して反応してるんでしょうね。これが体は正直というやつですよ。」

 

 

そんな言葉をどこで覚えてきたのか聞きたいところだがこんな事されると俺も我慢の限界だ。

 

 

「わ、悪いけど俺はもうあがるぞ。お前らには魔性の女という名誉ある称号を授けてやるよ」

 

「逃がしませんよ!」

 

 

めぐみんは俺の後ろからしがみつき、俺を離さない。そんな風に裸で密着されると余計に興奮してしまう。

 

すると脱衣所のドアがガラガラと開けられる。そこに立っていたのは宿の人と思しきおばさんだった。

 

 

「お客様、混浴風呂でそのような行為はご遠慮願います。」

 

「「「すいません!」」」

 

 

俺は逃げるように風呂を出た

 

 

 

 

 






カズマはいつ一線を超えるのかということですが、私も早く越えさせたいんですけどキャラとの掛け合いを考えていると中々越えられないという状況です。多分いつかは越えると思います。
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