このすばらしい仲間と恋愛を! 作:てつろう
「なら、今日は私と一緒に寝なさい。」
…………え?
「……今なんて?」
「『私と一緒に寝なさい』って言ったのよ。それと今日は私の言うことも聞いてもらうからね」
「アクア、お前どうしたんだ?頭にヒールかけてもらった方がいいんじゃないか?」
「失礼ね、ヒキニート!せっかく女神であるこの私があんたと寝てあげるって言ってるのよ?素直に感謝しなさい」
まぁ一緒に寝るくらいなら馬小屋で寝泊まりする時にしてたから特に問題ないが、なぜ今になって一緒に寝ようなんて言い出したんだ?まさか一緒に寝たことを口実に俺がアクアに夜這いをしたなんて噂を立てるつもりか?そんな事を考えていると、
「あと……もう1つお願いがあるんだけど……」
「おう。なんだ?」
「ぎゅってしていい?……」
そう言いながらアクアは俺に真正面から抱きついてきた。アクアと俺の身長は同じくらいだからアクアの双丘がちょうど俺の胸板に当たる。青髪からは春夏を感じさせる爽やかな風のような匂いがする。
何この甘酸っぱい展開!?え、なんでアクアがこんなしおらしい事お願いしてくるの?しかも胸が当たってきて理性が飛びそうなんですけど!?ヤバい。正確には俺のちゅんちゅん丸がエクスプロージョンを唱えそうでヤバい、一旦離れよう。
「あ、アクア!急にそんな事されると俺も緊張するっていうか、童貞には刺激が強すぎるっていうか」
「なーにカズマさん、私で興奮しちゃったの?年中発情してるカズマさんにはまだ早かったわね。プークスクス」
こんのアマー!!
「誰がお前になんか興奮するんだよこの駄女神が!急にしおらしくなったから驚いただけだよ!」
「あーっ!!また駄女神って言った!またふざけた発言したら今度こそ追い出してやるからね!」
ーーーーーーーやっぱりアクアはこれくらい元気で居てくれないとな。
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時刻は夕方。ダクネスとめぐみんは爆裂散歩に出かけたらしく家にはいなかった。あいつらにも俺が屋敷に入ってもいいのか一応許可を取らなきゃいけないのだが……
「ねぇ、カズマさん?」
「はい、カズマだよ」
「かーずまさん?」
「カズマですよー」
先程からアクアが俺に抱きついて離れずカズマカズマと連呼してくる。さっき真正面で抱き合った時と違い、アクアが右側から抱きつくように寝転がってるから俺のちゅんちゅん丸は左手を上に置くことでなんとか防いでいる。勿論ちゅんちゅん丸は既に元気な状態だ。
「かずま〜」
「おい、もういい加減にしてくれよ。何でもするって言ったけどそろそろめぐみんやダクネスが帰ってくるだろ?」
「んへへ、ダクネス達にも見せつけてあげればいいじゃない。」
「ただいま、帰りましたよー」
ヤバい、めぐみんが帰ってきた!
「おいアクア、もし抱きつくのをやめてくれたら後で高級シュワシュワ奢ってやるぞ」
「そんな物で釣ろうだなんてそうはいかないわよ。いい?これは女同士の勝負なの。絶対にここから動かないんだから!!」
いつもなら『ジャイアントトードの唐揚げも付けてよね』と言って離れてくれるのに……本当にどうしちまったんだこいつは……
「今、かえり……まし……たよ……」
リビングのドアの向こうにはめぐみん、ダクネスそしてクリスの姿もあった。
「ち、違うんだ!お前ら、これには訳が……」
「あ、アクア!?いつの間にそんなに大胆になったんだ……」
「アクアさんがこんな風になるなんて……」
「ちょっとアクア!これはどういう事ですか!ちゃんと自分の意思を伝えるべきだとは言いましたがまさか色仕掛けで落とすとは思いませんでしたよ!!」
「た、助けてくれー!めぐみん、クリス、ダクネス!」
主にダクネスの協力により無事アクアを引き剥がすことに成功した俺はクリスを交えてお説教の最中です。
「それで、さっきのアクアはどういうことだ?カズマ」
「そ、それは今日屋敷に入れてもらうために俺が何でもするよとアクアに言ったらアクアの好きなようにされてしまったというかなんというか……」
隠してもしょうがないし正直にダクネスの質問に答える。若干声が裏返ったが大丈夫だろう。
「ええええ……!?アクアさんの方から誘ったの!?てっきり助手くんがアクアさんにセクハラしたのかと思ってたよ」
「おいなんだその風評被害は」
「あの、私から誘ったっていうか……たまたま抱きつく事になったっていうかね?別に色仕掛けした訳じゃないのよ?」
どの口がそれを言うんだ、今さらヘタレたのかと思うが、これ以上めぐみんやダクネスの視線に耐え切れないし、話題を変えなくては
「そんな事より夕飯にしようぜ。もうお腹空いたんだ。」
「ま、まだ話は終わってませんよ!?」
「今日の料理当番はめぐみんだろ。もう遅くなるからさっさと作ってこいよ。」
「うー……分かりました。もうほとんど料理は出来てるのですが、その代わり後で絶対に話してもらいますからね。」
そう言ってめぐみんはキッチンへと駆けていく。
「それで、クリスはどうしたんだ?家に来るなんて珍しいじゃないか。」
「んーまぁちょっとね……」
「クリスは魔王を討伐してからというもの、働きすぎでな、ろくに寝るところも無いらしいから家に連れてきてしっかり休養を取ってもらいたいのだ。」
なるほどな。クリスは女神としての仕事で忙しかったのか。クリスは寝るところなんて天界で寝泊まりすれば済む話だ。
「寝るところはあるんだけど、ダクネスには言えないっていうかなんというか」
「ご飯が出来ましたよー」
めぐみんの掛け声でみんながテーブルに着く。着いたのだが……
「んへへ、カズマさん」
「なんでお前隣に座って抱きついてるわけ?」
アクアが俺の右隣に座ってきた所までは良かったのだが、アクアがそのまま俺の方に倒れてきて抱きついてきたのだ。
「ちょっとアクア!みんなの前でこれ見よがしにイチャイチャしないでください!」
「えー別にいいじゃない。これくらいいつもやってるわよ」
「食事中はマナーが悪いですよ!ちゃんと食べてください」
「もうお子様はこれだから困るのよね」
「誰がお子様ですか!喧嘩を売ってるなら買おうじゃないか!」
ーーーーーーー相変わらずうちのパーティは騒がしいな。
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〜夕食後〜
さて、ご飯も食べたしお風呂にも入ったし後は寝るだけか……それにしても今日のアクアのやつどうしたんだ。急に抱きついてきたり一緒に寝ようと言ってきたり。そういや今日アクアと一緒に寝るんだよな……
こんこん
ドアがノックされた。アクアが来た!
「入っていいぞー」
ドアが開かれそこに立っていたのはアクア…………ではなく寝巻き姿に着替えたクリスだった。ショートパンツに布面積の小さな水色の胸当てを身につけている
「やっほー助手くん遊びに来たよー」
「なんだ……クリスか……」
アクアではなくクリスが来たことで緊張が一気にほぐれたのが自分でもよくわかる。アクアに緊張するなんて俺らしくないと呆れてしまうが
「なにさ?アタシじゃ不満なの?」
「いや、てっきりアクアかと思ってな」
「アクアさんって……ねえ助手くんはアクアさんのことが好きなの?」
「な、何言ってんだ!?アクアはヒロイン枠じゃなくてペット枠だろ。それにあいつも俺を恋愛対象として見てないだろう。」
急なクリスの質問に狼狽えてしまう。
「ふーん、でもアクアさんは助手くんのこと好きなんじゃないかな。」
「どうしてそう思うんだ?」
「だって、アクアさんが助手くんと話してる時本当に幸せそうな顔してるよ。あれは恋する乙女の顔だね。」
恋する乙女……か……アクアは実年齢で言ったら乙女ではなく相当のババアなんじゃないかと思うがなんとか言葉を呑み込んだ。
「なあクリス……」
「なにさ?」
「おれ、本当にハーレム作っちゃうかもしれない」
「最低だよ!!君は!」
そんなこと言われてもなあ。俺もあいつらの好意にきちんと答えなきゃ行けないから困ってるんだよなあ……
こんこん
ドアがノックされた。今度こそアクアだ!
(クリス、悪いがクローゼットに隠れてくれ!今日はアクアと一緒に寝る約束をしてるんだ)
(ええええ……!?2人ともそんな所まで行ってたの!?めぐみんやダクネスの事はどうするのさ!?)
矢継ぎ早に話してくるクリスを何とかクローゼットに押し込む。
「は、入っていいぞー」
ドアが開かれそこに立っていたのはアクア……ではなくめぐみんだった。めぐみんはピンクを基調としたパジャマに身を包んでいた。
「なんだよ!またかよ!俺のドキドキした気持ちを返せ!」
「なっ!ど、どうしたのですかカズマ」
俺はなんでいつもこんな目に遭うんだ。俺の幸運値が高いってのは嘘だったのか?
「いや、こっちの話だ。それでもうすぐ寝る時間だがどうしたんだ?」
するとめぐみんは恥ずかしいのか少し俯きながら頬を朱に染めて、
「それは……ほら……魔王を討伐する前に『帰ったら凄いことをしましょう』と約束していたではありませんか?」
凄いこと……?……ハッ!そうだ、そんなこと言ってたな。凄いことって、もしかして遂にやることやるのか……!?でも、今日はアクアと寝る約束があるんだよな、なんて間が悪いんだ……
「なあめぐみん、今日はちょっと忙しくてな、その凄いこととやらはまた今度の機会に……」
こんこん
ドアがノックされた。本当に今度こそアクアだ!
(め、めぐみん。悪いがクローゼットの中に隠れていてくれ)
(か、カズマ?凄いことするんじゃなかったんですか?)
(悪いが今日は既に先約が入っていてな。)
そう言いながらめぐみんがクローゼットを開けると中にはクリスがいた。
(クリス!こんな所で何してるんですか!)
(ち、違うよ、これは助手くんが勝手に)
(いいから急いで入れ!)
半ば強引に2人をクローゼットの中に押し込む
「入っていいぞー」
ドアを開けるとそこにはパジャマ姿のアクアがいた。風呂上がりだからか髪を下ろしている。
「か、カズマ。今日はよろしくね?」
うおおおお!なんでそんな健気な態度で接してくるんだ。いつものおっさんぽい言動はどうしたんだ
「あ、ああ、とりあえず中に入れよ」
俺とアクアは1つのベッドに俺が左、アクアが右側で並んで座る。
「ねえカズマさん……」
「おう」
「またぎゅってしていい?」
そう言ってアクアは1度立ち上がり俺の膝の上に乗って抱きついてくる。ヤバい、丁度アクアの胸が俺の顔面に当たってる。一旦離そうとするもアクアは俺よりステータスが高いからか強い筋力で、より密着しようとしてくる。
「離れちゃダメよ、カズマさん。今日は私の言うことを何でも聞いてもらうんだから」
アクアの胸が柔らかい。アクアと俺はかなり密着している為、アクアの顔が俺の左肩に乗っている。そのままアクアは俺の首筋の匂いをすんすんと嗅ぎ始めた。アクアからはお風呂上がりの洗剤のような匂いが漂う。やっぱりこうしてみるとこいつ抜群のプロポーションしてるんだよな……
俺が大人しくアクアの胸を堪能していると、やがてアクアが手を離し……
「ねぇ、カズマさんちゅーしてもいい?」
何このウブな反応!?勿論大歓迎ですけど!?
「よーしアクア、目つぶってくれ」
そう言うとアクアは目をつぶり俺からのキスをじっと待つ。俺はようやく覚悟を決めいざ顔を近づけて……
「そこまでです!」
突如、クローゼットのドアが開き中からめぐみんとクリスの姿が現れる。
「アクア、抜け駆けしようなんてそうはいきませんよ!今日のカズマは私と一緒に寝る予定があるのです!分かったら早く引き下がってください!」
「なんだよ、今からいい所だっていうのに」
「この男……!!」
後ちょっとでキスできるって所で邪魔が入りお預けを食らってしまった。
「ふわああ!!アクアさんがカズマくんと……!!」
1人だけ恋愛事情に疎いクリスは置いておいて
「カズマ?今日は私と一緒に寝るよね?何でも言う事聞くって言ったものね?」
「カズマカズマ、私と凄いことしてみたいんじゃないですか?アクアのことは放っておいて私と一緒に寝ませんか?」
まずい、これはどうすればいいんだ?めぐみんを選ぶにしてもアクアを選ぶにしてもどちらか一方を傷つけることになるし。目の前で悲しまれたら流石に心が痛む。ここは2人を平等に扱うべきだろう。つまりここで答えるべき最適解は…………
「よーし、お前ら今日は仲良くみんなで寝よう。それで文句ないよな?」
「文句しかないわよ!」
「そうですよカズマ、ちゃんと誰と寝るのか選んでください。」
みんなで寝るという案にも納得しないか……我ながら完璧な案だと思ったのに……しかし、どうするか。俺としてはまだこのハーレム状態を続けてみんなとイチャイチャしていたい。だから今ここでどちらかを選んだりはしたくないんだよな。それなら……
「よし、分かった。誰と寝るのか決めればいいんだな?」
「む、珍しくちゃんと引き下がるんですね。それで誰と寝るんですか?」
「俺が今日寝る相手は…………」
「クリス!!今夜は宜しくな!!」
アクアルートに行くと見せかけてのまさかのクリスルートです。