このすばらしい仲間と恋愛を! 作:てつろう
久しぶりのほのぼの回です。約11000字あります。
一方その頃王城では…………
「よう、アイリスの下着を狙ってるクレア」
「き、貴様ぁ!デタラメな事を言うなっ!」
俺が屋敷を出てから一週間が経った。王城での生活は快適だ。昼過ぎまで寝てても誰にも文句を言われないし朝昼晩の食事はどれも豪華なもの。ベッドもフカフカだしメイドさんにはお仕置きも出来る。
「クレア、今お兄様が言った事は嘘なのですよね?」
「ももも、勿論です!この男の言う事を真に受けてはいけません!はぁ……アイリス様もどうしてこのような男を好きになってしまわれたのか……」
俺がこの城に来た時、クレア達には俺がちゃんとアイリスの婚約者だと話した。その為これからは王城で暮らす事もクレア達は知っている。最初この話をした時は、
『殺してやる!貴様、よくもアイリス様をぉ!!殺す!絶対殺す!』
と狂犬のように暴れ回ったクレアも少しは大人しくなった。と言っても今でも俺を見かけるたびに本気で殴りかかってくるしその都度アイリスに怒られている。
「はっはっは、アイリスは俺にベタ惚れだからなあ。」
「べ、ベタ惚れじゃありません!ちょっと好きなだけです……」
アイリスが恥ずかしそうに俯きながら否定してくる。そんな王女の顔をニヤニヤしながら覗き込むがアイリスが手で顔を隠してしまった。
「よし、殺す」
俺達がイチャイチャしている様子を見て腹を立てたのかクレアが鞘に収めていた剣を抜き俺の方に構えた。
「待て待て!お前簡単に人を殺そうとし過ぎだろ!そんなんじゃアイリスの護衛を首になるぞ!」
「安心しろ、私が殺そうとするのはお前だけだ。」
「クレアもお兄様もやめてください!まったく、どうして二人はいつも喧嘩ばかりするのですか。」
クレアと喧嘩をするのがこれが初めてではない。この城に来てまだ一週間だが二十回くらい喧嘩をした。大抵俺がクレアに話しかけてそれを聞いたクレアが怒って…………あれ?もしかして喧嘩の原因は俺なのか?
「私は喧嘩するつもりなどないのですが、この男がいつも的確に私の神経を逆撫でしてくるのです。」
「お前が短気すぎるんだ。お前も貴族の端くれならもっと上品に振る舞えよ。いつも殺す殺す言いやがって」
「なんだと……ならいっその事本当に殺してやろうか?」
「ひっ……!暴力はいけないぞ!俺を殺したらアイリスが悲しむぞ!」
「二人ともいい加減にしてください!」
とうとうアイリスに怒られてしまった。いや、さっきから怒られてはいたのだが今度は本気で怒ってるやつだ。俺もクレアもこれ以上アイリスを刺激しないように黙る。
「最近のお二人は仲が悪すぎます。今後はお兄様もこの城に住むことになるのですからお二人の関係が良好でないと困るのです。」
「申し訳ございませんアイリス様……」
「すいません……」
昨日の敵は今日の友で俺とクレアは揃ってアイリスに頭を下げていた。アイリスがいる以上、一旦クレアとの口喧嘩は停戦だ。今はアイリスの機嫌を損ねないようにしよう。
「という訳でお二人に私から命令です。今日一日はお二人で一緒に過ごしてください。そしてちゃんと仲直りすること。いいですね?」
「え……流石にこいつと二人きりだと俺殺されるかもしれないし嫌なんだけど」
「分かりましたアイリス様!必ずやこの男を仕留めてみせます!」
「もう本当に怒りますよ!」
アイリスに怒られながら俺はしぶしぶ命令を受け入れるのだった。
+
アイリスの命を受けて俺はクレアと二人で歩いていた。二人で過ごすように言われていたが俺は予定が何も入ってなくてーーー勿論昼寝とかアイリスにちょっかいかけるとか大切な用事はあるのだがーーー基本的に忙しいクレアについて回った。
「まずはここだ。」
「ちょっと待て」
クレアに付いていき、どこに行くのかと思えば最初に来た場所はアイリスの部屋。今この部屋の主であるアイリスはレインの授業を受けている為不在だ。
「なんでいきなりアイリスの部屋なんだよ。やっぱりお前は変態で、本人が居ない間にアイリスの私物でスゥハァするやつだったのか?」
「…………ち、違う!私はアイリス様の部屋を清掃する役目があるのだ。アイリス様の私物を漁ったりなどしてない!」
これは絶対漁ってるな。俺とクレアはアイリスの部屋の中に入る。中は随分と豪華な作りだがきちんと整理整頓されており清掃の必要もないように思われた。それでもクレアは慣れた様子でベッドのシーツを交換していく。
「あっ!こんな所にアイリスのパンツが!」
「なにっ!?」
勿論アイリスのパンツなんて落ちてない。だが、クレアは俺の発言を聞いてベッドメイキングを止めて胸倉を掴みながら言ってきた
「貴様ぁ!よくも嘘をついたな!」
「お前やっぱり変態だったんだな。うわあああ!剣を振りかぶってくるのはやめろ!本当に死ぬから!」
未だ荒い息を吐くクレアをなんとか宥める。
「それ以上攻撃するつもりなら俺にも考えがあるぞ?今ここでスティールを使ってもいいんだぜ」
「き、貴様……!そのような卑劣な手ばかり使いよって……!男ならもっと正々堂々勝負したらどうなんだ!」
「俺は真の男女平等主義者、女の子相手にもドロップキックを食らわせた男。ひっひっひ、俺のスティールが火を吹くぜ!」
俺は挑発するように手のひらをうねうねと動かしクレアに威嚇する。
「いや、私が悪かった。この通り頭を下げるからどうか水に流してくれないか?」
クレアは珍しく下手に出て頭を下げる。いきなり謝られて拍子抜けしてしまった。
「きゅ、急にどうしたんだよ。その……俺も悪かったよ。パンツが落ちてるなんて嘘ついて変に期待させちまったな」
「べ、別に期待などしてないが!………まあ仲直りの印として握手でもしよう。アイリス様も私達に仲良くなって貰いたいそうだしな」
クレアは俺に右手を差し出す。喧嘩ばかりしているがこいつは俺と同じアイリス愛好家だ。ちゃんと仲直りした方がいいだろう。俺も右手を差し出し握手しようとした所で………
「油断したな!」
クレアが俺の腕を締め上げてくる。俺は突然の事に反応する事も出来ずに技を食らってしまった。
「お前、汚いったああああ!!折れた!もう折れてる!あああごめんなさいいいいい!!!」
俺は泣きながら許しを乞うた。
+
俺はクレアに”腕ひしぎ十字固め”をかけられた。クレアは相当鬱憤が溜まっていたのか十五分程絞め技をかけた状態だった。あまりの痛さに俺は途中で涙を流したほどだ。クレアもやり過ぎたと思ったのか俺を解放してくれたが俺の心の傷は癒えてない。
「クレア怖いよぉ………もうクレアと一緒に居たくないよぉ………」
時刻は夕方。俺とクレアはアイリスの所に来ている。仲良し作戦の進捗を報告に来たのだ。だが、俺が泣きながらアイリスの所に来たので何があったか説明しなければならない
「クレア、これはどういう事か説明して貰えますか?」
「ち、違うのです。元はと言えばこの男がアイリス様の下着があると嘘をついたのが原因で………あっ……」
クレアがしまったという顔をする。
「し、下着……?」
アイリスが何を言っているのだとクレアの顔を見る。クレアの口からは言いにくいだろうから俺が気を利かせて説明してあげる事にした。
「ぐすっ……クレアはアイリスの部屋に入って私物を漁ったり下着を探し………」
「ぬわああああ!!!違います!この男はいつもデタラメな事を言っているのです!!」
クレアが俺の言葉を遮ってくる。
「おい白スーツ、本当の事を言われたくなかったら俺の言う事を聞くんだな」
俺はアイリスに聞こえないように小声でクレアと話す。アイリスは訝しげな様子で俺達を見つめてくる。
「なな、なんだ?アイリス様にだけは嫌われたくないのだ。頼むから変な事を言うな!」
やはりこいつの弱点はアイリスだ。アイリスの前でならクレアは下手な行動に出れない。今後もアイリスを盾にして散々いじめてやろう。
「なら、アイリスの部屋から盗んだ物を俺に見せろ。」
「ぬぬ、盗みなどしてない!」
俺とクレアはいがみ合っているが、同じアイリス愛好家だ。だからこそ分かる事もある。俺がクレアのようにアイリスの部屋を清掃する機会があれば間違いなく私物を漁る。
「ほーん、あくまで白を切るつもりか……。ならこういうのはどうだ?もし盗んだ物を見せてくれるなら代わりにアイリスのパンツをプレゼントしてやってもいい」
「なっ!?そ、そんな事出来るのか……?」
やっぱり下着に食いついたか。流石にクレアでもアイリスのパンツは取れてないんじゃないだろうか。
「おいおい、俺はアイリスの婚約者だぞ?パンツを盗む機会はこれから沢山ある。もし手に入れたら真っ先にお前にプレゼントしてやろう」
「はうっ!さ、最高だな!分かった、私が何年も集めてきた秘蔵のコレクションを見せてやろう!」
「お二人とも、何の話ですか?」
ずっと俺達の様子を不審に見てたアイリスが言ってくる。
「大人の話だよアイリス。子どものアイリスにはまだ早いからこの話は言えないぞ」
「私はあと一ヶ月で結婚できるようになるんですよ!もうほとんど大人です!」
アイリスがプンスカ起こる姿も可愛らしい。クレアも同じ事を思っているのか嬉しそうな目でアイリスを見ていた。
コンコン
アイリスを見て和んでいるとドアがノックされる。
「失礼致します。カズマ殿、ちょっとお話があるのですが宜しいでしょうか?」
ドアから顔を出したのはレインだった。俺は二人に軽く礼をして部屋を出てレインの元へ行く。
「どうした?レインもアイリスのパンツが欲しいのか?」
「はい!?そんな事全く思ってませんよ!それより私”も”ってどういう事ですか?まさか誰か他にアイリス様のパンツを狙ってる人が居るんですか!?」
「まぁそこは企業秘密だ。それより俺に話ってなんだよ。」
「ちょ、ちょっと待ってください!その話の方がずっと気になるのですが……」
「詳しい事は言えないんだよ。あ、この事はアイリスには内緒で頼む。」
「そんな事アイリス様に言えるわけないでしょう!!」
その後もアイリスのパンツを狙う者が誰なのか暫く押し問答を続ける。レインとしてはそのような物騒な人物をどうにか聞き出したいようだが、クレアの事を裏切る訳にはいかない。俺は頑なに口を閉ざし秘密を守り抜いた。
「それで話って?」
レインが俺に話があると言っていたので早くその話が聞きたい。
「実は今日もアクア殿が王城に訪ねて来まして」
「またか……」
レインから聞いた話によると、俺が屋敷を出てからアクアが何度も王城にやって来ているそうだ。『私達を見捨てた薄情者のカズマを出しなさい!』とか『カズマー!もし帰ってこないつもりならお尻からアロエが出る呪いをかけるわよ!』とか言っているとか。
「今日は、『カズマの部屋に大事にしまってあったえっちい本を渡しに来た』と言って門番の兵士にこれを……」
「ちょおおおおおお!!!」
俺は急いでレインから
「カズマ殿も大変ですね。次来たら身柄を拘束するようにしても構いませんがどうなさいますか?」
「おお、それはいいな。アイツが泣いて謝るまで牢屋の中に入ってもらおう。」
俺は下卑た笑みを浮かべながらアクアへの復讐に燃えるのであった。
+
俺はクレアに連れられて夜の城を歩く。夜と言ってもまだ八時くらいだ。寝るには少し早い時間。向かうはクレアの部屋。アイリスの部屋から盗んだ物を見せてもらいに来たのだ。
「着いたぞ、ここが私の部屋だ。」
ガチャとドアを開け目に入ってきたものは…………壁に飾られた大量のアイリスの写真、それも盗撮したように見える物が沢山飾ってあった。確かにクレアは変態だと思っていたがこれにはドン引きだ。
「お、おふう……こ、これは凄い部屋だな……」
「私のお気に入りの写真はこれだ!この上目遣いがたまらなく可愛いだろう!」
クレアの手には少し潤んだ目でカメラを見るアイリスの顔が写っていた。今よりも少し幼いが、端正な顔立ちは見る者を魅了するものがあった。
「可愛いなあ……」
思っていた事が口から漏れる。小さい頃のアイリスを見る事が出来たのは大きな収穫かもしれない。
「こっちの引き出しには何が入ってるんだ?」
「ま、待てっ!そこには…………」
引き出しを開けると熊さんの刺繍が入った小さなパンツが入っていた。これは……アイリスが使っていた物か?
「通報するわ」
俺はすぐさま部屋を出る。こいつは犯罪者予備軍だ。このまま放っておいたらアイリスの身が危ない。
「待てえええ!!違うのだ!これはアイリス様が大きくなってもう履けなくなったから仕方なく私が持っているのであって!」
後ろから付いてきたクレアが俺の腰にしがみつく。
「おい、そこ掴んだらズボン脱げるから!放せって!」
「お二人とも何をなさっているのですか?」
角から出てきたレインが俺達に声をかける。俺に必死に縋りついているクレアは、我に返ったのか身なりを整えてレインに向き直った。
「こいつが良からぬ事をしようとしていたのでそれを止めようとしていただけだ。」
「その言葉そのままお前に返すよ。」
キッと俺を睨みつけるクレア。こ、怖い……。
「まぁ、いいです。それとクレア殿に重要なお話があるのですが……」
「?」
そこまで喋ると一呼吸置いてレインがチラリと俺を見て話し始める。
「カズマ殿から聞いたのですが……何者かがアイリス様のその……ぱ、パンツを狙っているようなのです」
「うぐっ!」
ほう、丁度いいタイミングだ。レインに白スーツが変態である事を教えてあげよう。
「そのパンツを狙っている奴なんだけど……実はそれクレ……」
「どわああああ!!!」
クレアが俺に向けて剣を振りかぶってきた。俺は自動回避スキルでスレスレで避けるが頬に小さく傷が入ってしまう。
「く、クレア殿!?急にどうしたのですか!?」
「やはりこいつは生かしておけない!今この場で始末する!」
『逃走!』
俺は逃走スキルでクレアから逃げた。
+
「チェックメイトです!」
「うーん……」
夜の九時頃。クレアから逃げた俺はアイリスの部屋でボードゲームをしていた。ゲームの行方は俺の劣勢、俺が居ない間にアイリスも腕を上げたらしい。
「私の勝ちではありませんか?」
「いや、俺がまだ気づいてないだけで、どうにか王様が逃げ切れるはずだ。だから負けじゃないぞ」
まだ負けてないと言いつつも正直どこにも王様が逃げる場所がない気がする。うん、詰みだな。だがここで簡単に負けては兄としての威厳に関わる。上手いこと切り抜けないと
「あっ!なんだあれは!」
俺は何もない所を指差す。どうしたのかとアイリスが後ろを振り向いた間にボードの上の駒を動かした。
「もう俺は駒を動かしたから次はアイリスの番だぞ。」
「なっ!?狡いですよお兄様!私が見てない間にズルしましたね!」
アイリスは俺の高等テクニックに納得してない様子だ。しかし、俺も大人として社会の厳しさをアイリスに教えてやらなくてはならない。
「おっと、言いがかりはやめてもらおうか。大事なゲームの最中に油断する方が悪いんだぜ。」
「こうなったらもう一度チェックメイトしてみせます!」
「ほい、チェックメイト」
アイリスが渋々俺のズルを受け入れた矢先にチェックメイトする。今度こそ俺の勝ちだ。
「ああっ!狡いですよ!」
「はっはっは、これが大人の勝ち方だ。子どものアイリスには難しかったかな?」
「もう一回です!あと一回だけやりましょう!」
「あーなんだか急に眠たくなってきたなあ。今日はもう寝ようかなあ」
「卑怯です!勝ち逃げなんてさせませんよ!」
アイリスにガクガクと肩を揺らされて無理やり起こされる。
「でも、もう夜も遅いしまた明日な?これからも遊ぶ機会は沢山あるだろ。」
「むう……分かりました……明日こそ勝ちますからね!」
時刻を確認するともう十時だ。俺は夜更かしするのに慣れているが健康的な生活を送るアイリスは寝る時間だろう。
「じゃあそろそろ寝るか。俺も自分の部屋に戻るよ」
「待ってくださいお兄様、今日はここで一緒に寝ませんか……?」
まさかアイリスから一緒に寝ようと誘ってくれるとは。アイリスも魔性の妹になりつつあるな。お兄ちゃんとしては嬉しい限りだ。
「クレアにバレたら怒られそうだけど……それでもいいなら一緒に寝るか。」
「はい!」
俺とアイリスはさっきまで遊んでいたボードゲームを片付けてベッドに並んで座る。隣に座ったアイリスは感慨深そうに声を漏らした。
「私達、本当に夫婦になるんですね……」
夫婦か……。急にそんな事言われると恥ずかしい。というか今はまだ恋人のはずだ。いつの間に夫婦の話になっているんだ?
「夫婦って気が早くないか?アイリスもまだ結婚出来ないんだろう?」
「結婚は一ヶ月後に出来るようになります。実はその事で一つ話しておかないといけない事があるのですが……」
アイリスはそこまで話すと少し言いづらそうに口を紡ぐ。
「来月の誕生日に結婚式を挙げたいとレインに言ってしまいました。」
「……マジで?」
結婚式って……もう俺達結婚するのか?ちょっと待ってくれ。まだ心の準備が出来ていない。
「私と結婚するのは嫌でしたか……?」
アイリスが少し上目遣いで俺に聞いてくる。
「そんな訳ないだろう。ただいきなり結婚って聞いてびっくりしただけだよ」
王女様が結婚するとなると国を上げて祝福するのだろうか。それに俺は魔王を倒した勇者だしな。勇者と王女が結ばれるとなるときっとみんな喜ぶだろう。
「結婚するなら今のうちに一線を超えておくか?」
「こ、今夜ですか?私もまだ性についての知識は疎いのですが、お兄様がどうしてもと言うなら……」
軽い冗談のつもりだったけど、アイリスは満更でもないのだろうか。
「あ、いや……今のは冗談で……」
「えいっ!」
ヘタレた俺とは対照的にアイリスは思い切って俺を押し倒した。
「す、少しはしたなかったでしょうか?」
アイリスは耳まで赤く染めながらおずおずと聞いてくる。まだ幼い少女だけれどステータスの差は圧倒的で彼女の方がずっと力が強い。
「いや、俺はアイリスがこういう事に積極的で凄く嬉しいぞ。」
俺の言葉を聞いて妹は恥ずかしいのかそっぽを向いてしまった。俺の上に覆いかぶさっているが、体重をかけないように配慮してくれている。彼女のさりげない優しさが嬉しかった。しかし、俺を押し倒しただけでそれ以上アイリスは何もしてこない。
「俺がリードしてもいいか?」
ここからどうしていいのか分からないのだろう。アイリスの様子を窺い助け舟を出す。
「お、お願いしてもいいですか?色事にはあまり詳しくなくて……」
上に乗っているアイリスを押し倒し今度は俺が上になった。アイリスはじっと俺の目を見ている。俺は両手をアイリスの指と絡ませ、そのままキスをする。啄むようなキスだ。そっと口を離すとアイリスの目からは少し情欲が見えた。
「可愛いぞアイリス」
そのまま二回、三回……とキスを重ねていく。何度も唇を重ねるごとに舌が絡まり合い、唾液が絡まり合う。そろそろ頃合かと判断し、アイリスの服を脱がせていく。今のアイリスは就寝用のネグリジェを身につけていて、肩の部分は紐になっており簡単に脱がせることが出来た。
「そんなにまじまじと見ないでください……」
「わ、悪い……あまりに綺麗で……」
俺は露わになったアイリスの胸を触る。ダクネスやアクア程大きくないが、めぐみんより大きい胸だ。そっとアイリスの胸に手を置く。先端には触らず焦らすように乳首の周りを触っていく。
「んっ……」
時折アイリスから何かを我慢するような声が聞こえる。モジモジと股を内側に曲げて顔も赤くしている。
「どうした?トイレに行きたいのなら今のうちだぞ」
「違います!」
アイリスは怒って否定するが、俺はアイリスが何をして欲しいのかちゃんと分かっている。でも、少し意地悪してみたくなって俺はまだ手を出さない。
「んんっ……お、お兄様。胸ばかりじゃなくてその……下……の方も触ってくれませんか?」
「下?下ってどこの事だろうな。ちゃんと言ってくれないと分からないな」
「で、ですからその……お、おま……ん……」
「ほら、もっと大きな声で!」
「もう!意地悪しないでください!」
アイリスがバシバシと俺の頭を叩く。仕方なく俺は腹まで脱がしていたネグリジェを下まで降ろす。アイリスはパンツだけになった状態だ。
「あの……私一人だけじゃ恥ずかしいので……お兄様も脱いでくださいよ……」
俺はアイリスに言われて初めて自分だけ服を着ている事に気がついた。俺は手早く服を脱ぐとすっぽんぽんでアイリスの両足の間に座る。
「お兄様はまだ興奮されていないのですか?」
アイリスが言うように俺の息子はしなしなと下を向いていた。こんな状況なのに立たない事に少し焦りを感じてしまう。
「興奮はしてるんだけど……先にアイリスを気持ちよくさせるよ」
正直言うと立たない理由には心当たりがあった。原因はめぐみんとの情事だ。アイリスと一線を超える前にめぐみんと背徳的な事をしてしまった事に罪悪感を感じているから、立たないのかもしれない。
「……じゃ、じゃあ触るぞ?」
「……優しくお願いします。」
何とかめぐみんとの事を忘れないと。今はアイリスに集中するんだ。俺は下着の上からアイリスの秘所をトントンと軽く叩く。
「んんっ……!」
一定のリズムで叩いているとアイリスが体をくねらせる。時折、秘所を撫で回すような動作も交えながら少女の興奮を高めていく。暫く同じ動作を続けていると下着が湿ってきた。
「パンツも脱がしていいか?」
「はぁい……」
予想以上に蕩けた声にドキッとする。が、俺の息子はまだ立たない。必死にエッチな妄想をしながらパンツを脱がせていく。
アイリスの秘所は毛がうっすらと生えていた。まずは鼠径部を円を描くように触っていく。
「ああっ……何だか気持ちよくなってきました……」
俺の息子はまだ立たない。俺の焦りにアイリスは気づかないでされるがままだ。アイリスへのスキンシップを続けながら左手で自分の肉棒を擦る。
「ちょっと刺激を強くするぞ」
散々焦らしてきたが遂にアイリスの恥部に手を伸ばす。初体験だからアイリスを怖がらせないよう優しく刺激した。
「ああっ……!それっ……!来ます……っ!」
ビクンと彼女の腰が小さく震える。先程より愛液の量が増えた気がする。俺はアイリスの液を手に馴染ませながら再びクリトリスを刺激する。
「あひい゛っ!……ま、待って!〜〜〜ダメっ!」
どうやら軽く絶頂してしまったようだ。潮を吹いたアイリスはぐたっと脱力する。そろそろ挿入してもいい頃だろう。
「お兄ちゃんのを私の中に入れてください……」
アイリスが媚びた声で俺を誘惑する。いよいよ俺も一線を超えるのか……!
俺は自分のものを挿入しようとする…………が、まだ息子が硬くなっていない。
「お兄様?」
「ちょ、ちょっと待ってくれアイリス」
俺は自分の手で息子を刺激して何とか戦闘態勢に入ろうとする。しかし、俺の息子は依然として下を向いたままだった。
「ごめん、挿入はまた今度にしよう」
「何か不安な事でもあるのですか?そのせいで興奮出来ないんじゃないですか?」
「……いや、別にそういう訳じゃ……」
「心配しなくて大丈夫です。次は私がお兄様を気持ちよくさせる番ですよ。」
アイリスは膝立ちしている俺の股をそっと触りだした。俺は初体験なのに上手く挿入できない自分により一層焦りを感じていた。
+
「ダメだアイリス。多分今日は立たない日なんだよ。」
アイリスが俺の股を刺激する事約十分。ずっと手で扱いてくるアイリスの姿がめぐみんに襲われた事を思い出させる。そのせいで余計に罪悪感を感じてしまい俺は益々立たなくなっていた。
「そうですか……でも、気にする事はないですよ。これからも行為をするチャンスは沢山ありますからね。」
少女はまだ十代に過ぎないにも関わらず、俺の事を気遣ってくれた。彼女に感謝しつつも何か恩を返したいと思ってしまう。
「じゃあ今日はアイリスを一方的に気持ちよくさせるよ。百戦錬磨の俺を舐めるなよ?」
「……お兄様は他の女の人とこういう事をした事はあるのですか?」
不安そうな目で聞いてきた。そんな目で見られたらアイリスの事を抱きしめて安心させたくなってしまう。
「いや、ないぞ。こういう事するのはアイリスが初めてだな。」
一応夢の中ではそういう事をした事もあるのだが。そのおかげでサキュバス達からいくつか性に関する技を教えて貰うことが出来た。少し使ってみるか。
「アイリス、ちょっと刺激が強いかもしれないけど我慢できるか?」
少女はコクコクと頭を振る。俺は見逃さなかった、その少女の目に僅かな期待が含まれている事を。
『ソードバイブ!』
「〜〜〜いやっ!こ、声が……!押さえ……!へおぉぉ!」
普段の可愛らしいアイリスからは想像もつかない程獣らしい声が出てくる。俺が使ったスキルは日本で言う所の電動マッサージ器のようなものだ。
「まだ威力は弱めなんだがな。もう少し強くするぞ」
「〜〜〜待っ……って!イッ……!ううぉぉ!!あ゛あっっ!」
アイリスは上半身をくねらせ快楽から逃れようとする。その姿が少し滑稽で俺は嗜虐心を刺激される。純新無垢な少女を俺の手で汚したくなってしまうのだ。
アイリスのクリトリスにそっと手を当て振動を強くする。アイリスはベッドのシーツを掴んで何とか我慢しているようだ。
「〜〜〜ひぎいいい!!あ゛あああ゛っ!だ、駄目!」
アイリスの股からプシュっと愛液が漏れ出る。潮を吹いているのだろう。溢れる潮をひとしきり眺めた後、俺はそっとアイリスの頭を撫でた。
「イってるアイリスも可愛いな。めっちゃ可愛い。えらい、えらいぞ。」
「んへへ」
だらけた表情の少女を見ていると普段は隠している素顔を見ることが出来たようで興奮してきた。
「じゃあまだまだ続けるぞ。今日はとことん気持ちよくなってもらうから」
「へ?待ってください。これ以上やられると私おかしくなっちゃいま……」
『ソードバイブ!』
「んぎいいいっっ!待っっっ!ああああっっ!」
俺はひたすらアイリスを気持ちよくさせる事にした。
〜十分後〜
「あひいいいい゛っ!いぎいいいい゛っ!」
「まだまだ愛液は出てるみたいだな。よし、もっと振動を強くするぞ」
「待ってぇぇぇぇ!イきましたぁぁ!イったからあぁぁ!」
〜三十分後〜
「ダメぇぇぇ!狂ううぅぅ!うぐぅぅぅ!!!」
「愛液の量も減ってきたな。よーし、最後にいっぱい出して終わろう。じゃあ、強めのやつ行くぞ!」
「ああああ゛っっ!!」
〜一時間後〜
「…………」
「流石にやり過ぎちゃったか?おーい、大丈夫かアイリス。」
「あっ……」
アイリスが小さく声を上げると同時に黄色い染みがベッドに広がる。失禁してしまったようだ。初体験で失禁なんてしてアイリスのトラウマにならないといいのだけれど……
ベッドは汗やら愛液やら尿やらが染み込んでいて酷い有様だ。
「おもらししてるアイリスも可愛いなあ」
我ながら凄く変態的な発言をしてしまった。アイリスは恍惚とした表情で寝転がっている。
「えへへ、お兄ちゃんだっこ」
ずっと股を弄ってたせいかアイリスが赤ちゃんのようになってる。俺は妹を抱きかかえるとベッドにピュリフィケーションをかけ綺麗なシーツに戻した。この魔法は本当に便利である。
「愛してますよ」
「……お、おう!?その…………俺もアイリスの事好きだぞ」
急なアイリスの愛情表現に戸惑いながらも俺の気持ちを伝える。妹は幸せそうにはにかんでいる。
「今夜の事クレアにバレたら俺殺されるかもな」
「……物騒な事言わないでください」
どうにかクレアにバレないようにしないといけない。その事を考えているうちに次第に意識が微睡み始めたーーーー。
行為中に失禁するネタ使いすぎたので暫く封印しようかな。