このすばらしい仲間と恋愛を! 作:てつろう
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「クリス!!今夜は宜しくな!!」
「ええええ!?アタシ!?」
そう、俺が選んだのはアクアでもめぐみんでも無くクリスだ。
「ちょっと!何でクリスなんですか!そこは私かアクアを選ぶ所でしょう!」
「そうよ!今日は何でも言う事聞くって言ったじゃない!」
文句を言うアクアとめぐみん。だが、俺もここで引き下がる訳にはいかない。
「お前たちが誰と寝るか決めろって言ったんだろうが。俺はそれに従ったまでだ。それに今日寝ないとしても明日も明後日もチャンスはあるだろう?」
「うー……なら明日こそ一緒に寝ますからね」
「えー……私も一緒に寝たいんですけど」
そう言ってアクアとめぐみんは素直に出て行った
「よし、じゃあよろしくな!クリス」
「よろしくなじゃないよ!!どういうことさ!なんで私が助手くんと寝ることになってる訳!?」
「なんだよ、そんなに嫌なら一人で寝るけどさ。あ、それならアクアかめぐみんの部屋にこっそり突撃すればいいのか」
「うー……アタシとしてはダクネスの恋路を応援してるからそれは出来ればやめて欲しいんだけど……」
「ならクリスと寝るしかないな」
「もう!分かったよ!一緒に寝ればいいんでしょ!」
そう言ってクリスは俺より先にベッドに横になる。しかし、クリスとこんな間近で寝ることになるとは……。これは近いうちにサキュバスのお世話になりそうだ。
「言っておくけど、もしエッチなことしてきたら覚悟しておいてよね。めぐみんやダクネス、アクアさん達もいるんだから」
「おいおい、俺はヘタレのカズマさんだぞ?そんな簡単に手を出してたらとっくに童貞卒業出来てるって」
「なぜかすごく説得力があるんだけどさ……」
「じゃあ電気消すからな」
「うん」
電気を消した俺はクリスの左側に並んで横になる。こういう時って何か喋った方がいいのか?今までネットで培ってきた知識を思い出せ……なにか気の利いた言葉を言うべきだ
「カズマくん、さっき来た時に言いそびれたんだけどさ」
「なんだ?」
クリスから話し出してくれるとはありがたい。
「みんなの気持ちにちゃんと答えてあげなよ?ダクネスだけじゃなくてめぐみんやアクアさんの気持ちにも」
「確かにそうだな……でも、俺なりにあいつらの好意には誠意を持って答えてるつもりだ。時々その場の雰囲気に流されてしまうこともあるけど。それに厳密にはまだ誰とも付き合ってない。だから誰と何をしようとまだ大丈夫……なはずだ。」
「その理論はどうかと思うけど……それじゃあカズマくんは誰を選ぶつもりなの?」
「それは……」
「俺は誰を選べばいいんだろう」
「一番最初に告白してきたのはめぐみんなんだ。だから異性として1番意識してきたのはめぐみんだし、俺の中であいつの存在が1番大きくなってると思う。だが、そこでダクネスが俺に告白してきた。その時は、俺にはめぐみんがいるからってその告白を断ったけど……最近になってダクネスのことも異性として意識し始めてるような気がして……しまいにはアクアも俺に好意を持ち始めてるし……」
「俺はあいつらの事を傷つけたくないんだ。出来ることならトラブルもあるけどみんなで騒がしくする今まで通りの日常を過ごしていたい。だから…………まだ選べない。ずっと今のままがいいんだ」
「ふーん、君がそこまで考えてるなんて思わなかったよ。私の心配は不要だったみたいだね。」
「なあ、前から思ってたんだけどさ」
「なにさ?」
「クリスやアクアって俺たちよりずっと長生きしてるんだろ?それなのに今まで恋愛とかしてこなかったのか?」
「私たちは人と関わる機会が極端に少ないからね。だから恋するほど相手のことを知ることもないんだよ」
「でも、私は好きな人がいるよ」
………………え?…………
「マジで?俺の知ってる人か?それとももう死んじゃってたりする?」
「その質問に答えて貰いたいなら私のお願いを聞いて欲しいな」
そう言ってクリスは仰向けの体勢を変え右足と右腕を俺の上に乗せ抱きついてくる。
「く、クリス…………?」
「今日はこのまま寝させてくれないかな?」
「お、おう。そんな事ならいいぞ」
どういう事!?なんでクリスは俺に抱きついてきたわけ!?アクアと言いクリスと言い俺は女神様から好かれる体質にでもなったのか?
「ねえ……カズマくん。ちょっといい?」
「あんまりよくないかな」
「その……なんか硬くなってるんだけど……」
「仕方ないだろ、こんな状況童貞には刺激が強すぎるんだ。しかも毎回いい所でお預け食らうし俺がどれだけ苦悶してるかクリスにも知ってもらいたいよ」
「男の子は大変なんだね。この事はもう忘れて寝よっか」
こんな状況で寝れるか!!そっと横を見るとクリスは目を閉じ身動き一つ取らない。えー……このまま寝るのか……
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どれくらい時間が経っただろうか。窓からは朝日が差し込んでいる。確か昨日はクリスと一緒に寝て……?横を見るとクリスが寝ている。昨晩とは異なりクリスが抱きついてきていないが俺の反対側を向いている。俺は起き上がり何気なくクリスの方を見ると…………
パンツが見えている
正確にはズボンが下にズレてクリスの純白の下着が見えてる。どうしたものか。勿論このまま放置してさっさとリビングに逃げることも出来る。だが、クリスが起きる頃には自身の状態を見て自分のパンツを見られたと悟るだろう。まぁ俺は何度かクリスのパンツを取ったことがあるが。それでもクリスは落ち込むことになるだろう。ここはクリスの為にもズボンを元に戻してやろう。
俺は意を決してクリスのズボンに手をかける。そしてカタツムリの如くゆっくり、ゆっくりとズボンを上にあげる。頼むから起きないでくれよ!クリス
「んっ……!んーっ……!!」
起きてしまうか?
………………
大丈夫そうだな。作業を再開しよう。そして俺がまたクリスのズボンに手をかけた所で……
「何してるのさ?助手くん」
「きゃああああああ!!」
「きゃああああ!はこっちのセリフでしょ!!」
「く、クリス、これには深い事情が!あるんだ!」
「ちょっと待って!私のズボンがズレてパンツが丸見えになってるんだけど!!まさかカズマくん、私が寝てる間に…………!」
「ち、違う。むしろ俺はクリスを助けようとして!」
この後クリスの誤解を解くのにかなり時間がかかった。
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時刻は昼過ぎ。俺は魔王を倒した勇者様だ。勇者というのは来たるべき決戦の日に備えて英気を養い、いざという時にその力を発揮する。だから、俺が今家でゴロゴロしているのも必要な事なわけで……
「助手くん、クエストに行こうよ」
「断る」
「クリスたちがクエストに行くならついでに私も爆裂魔法を撃ちたいのですが」
「俺は行かないからな」
「なら私もついて行って良いだろうか。魔王を倒してからというもの、また重い一撃を受けてみたいのだ……んっ……!想像しただけで武者震いが……!」
「はー、どうせめぐみんが感情が高ぶって衝動を抑えられなかったとか言って爆裂魔法を撃つ流れだろ?そしてその音に引き寄せられたモンスター達が集まってきてダクネスがそのモンスターの群れに突っ込んでいくんだ。そして俺は動けなくなっためぐみんを背負いダクネスを無理やり連れていく。うん、想像しただけでも行きたくない。」
俺がクエストに行くとどうなるか、名推理をしていると
「そんなこと言ってカズマは魔王を倒してから1度もクエストに行ってないじゃないか。魔王を倒した勇者に憧れる人も多いだろう。その人たちの応援に応えたいと思わないのか?」
……確かに俺の事を純粋に応援してくれる人たちの気持ちには応えたい。うーん……だがもう魔王を倒したんだしとてつもなく社会に貢献しているだろう。そんな俺にこれ以上何を望むって言うんだ……するとめぐみんが耳打ちしてきて
「カズマ、今日一緒に行ってくれたらもっと凄いことしてもいいですよ?」
「……どうせまた寸前でお預け食らうんだろ」
「そんなことしませんよ!今日はカズマの気持ちに応えようと思ってますし……」
昨日のクリスで悶々としてることだし、めぐみんと遂に大人の階段を登ることができるのなら……
「しょうがねえなぁぁぁ!!」
ーーーークエストに行くしかないだろう
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「ちょっとみんな、私のこと忘れてない?危うく置いていかれる所だったんですけど」
30分後、ギルドで手頃なクエストを探しているとアクアが遅れてやってきた。そういえばアクアのことすっかり忘れていたな……
「カズマ、これなんてどうでしょう?強敵を我が爆裂魔法で蹴散らしてあげます!」
クエストの張り紙には、サラマンダー討伐につき60万エリスと書かれていた。
「なぁ、サラマンダーってどんなモンスターなんだ?」
「サラマンダーは炎を操る精霊だね。ただ、ものすごく足が速いから爆裂魔法を当てるのは難しいと思うけど……」
ダメじゃねえか。
「カズマ、これなんてどうだ?一撃グマの討伐、あの重い攻撃を喰らうことが出来るとは……んっ……!」
「そんなもん俺たちが攻撃喰らったら即死じゃねえか。却下だ」
相変わらずこいつらは無理難題なクエストを選びすぎなんだよ……
「ねえ、このクエストはどう?オーガ討伐一体につき50万エリスだってよ」
クリスが目をつけたクエストを見る。巨人族のオーガが農作物を踏み荒らしたり家畜を食べたりしているらしい。それにしても巨人か……踏み潰されたら一溜りもなさそうだな……まあめぐみんの爆裂魔法で不意打ちすればいけそうだな……
「よし、このクエストにしよう。」
一時間後、俺たちは今オーガの被害に遭ったという農場から少し離れた森の中にいる。ここからなら敵が現れたら俺の千里眼スキルですぐに発見することができるからだ。
「ふあぁぁ、ねえカズマさんちょっと退屈なんですけど。何か1発芸でもしれくれないかしら。」
「する訳ないだろ。そんなに暇ならめぐみんたちに構ってもらえ。」
「なあカズマ、オーガが現れたらめぐみんの爆裂魔法を撃つ前に私を前に出させてくれ。1度でいいから巨人族の攻撃を受けてみたいんだ。」
「お前、真面目な顔してなに変態発言してるんだ。いいか、今日はめぐみんと俺の2人だけでやるからな?くれぐれも邪魔するんじゃないぞ?」
「くっ……!この雑な仕打ちも悪くない……!!」
ダクネスを適当にあしらっているとやがてオーガと思わしき者が現れる。ヨウ素液に浸したじゃがいものような色をした肌で黒の棍棒を持っている。上半身はムキムキに鍛えられており下半身には野暮ったい布を巻き付けている。
「オーガが現れたぞ、それじゃ予定通りめぐみんと…………」
「行ってくりゅ!!」
「ダクネス!」
俺の忠告を無視したダクネスとそれを追いかけるクリスがオーガの元へ向かう。あいつ……だから敵に突っ込んでいくなとあれほど……!くそ、こうなりゃ全員で援護するしかない!
「アクア、めぐみん行くぞ!」
「えー私も行くの?」
「いいから来い!」
オーガの方を見るとこちらの様子に気づいたみたいだ。ダクネスは硬いから死ぬことは無いだろうが、めぐみんの爆裂魔法を喰らっても生きていられるかは分からない。なんとかダクネスを引き離してめぐみんに爆裂魔法を使わせないと……
「めぐみんはここで詠唱しておいてくれ!俺とアクアでダクネスを引き止める!」
めぐみんに指示を出し、俺はアクアと一緒にダクネスを追いかけて…………
「ハァ…………ハァ…………アクア……ハァ、俺に支援魔法を……」
「ちょっとカズマさん、これくらいでばてるなんて貧弱すぎない?ほら『パワード!』」
アクアから受けた魔法のおかげか身体がみるみる軽くなる。よし!これなら行けるぞ!
「ダクネス、それ以上は行かせないよ!『バインド!!』」
クリスが前方を走るダクネスに追いつきなんとかダクネスを拘束させることに成功したようだ。あとはダクネスを背負って撤退し、めぐみんに爆裂魔法を打たせれば討伐完了だ!
「よくやった!クリス!後は俺たちでダクネスを担いで撤退するぞ!」
そしてダクネスを持ち上げようとした所で…………
ビクとも動かないんですけど……
「おいダクネス、お前重すぎないか?」
「ダクネス、こんなに重いなんて予想外だよ。」
「なっ!私が重いのではない!鎧が!重いんだ!その言い方だとまるで私が太ってるみたいじゃないか!」
ってこんなことしてる場合じゃない!もうオーガが目の前まで迫ってきている!オーガの歩く姿は一見ゆっくりしているように見えるが歩幅が大きいからか俺たちより何倍も速いスピードでこちらにやってくる。
くっ……!こうなったら……!
「おいアクア!この前使った敵をおびきよせる魔法使ってくれ!」
「ちょっと待ってカズマさん、私はそこまでバカじゃないわ。今ここで使ったら間違いなく私が狙われるじゃない。」
アクアのことをバカだと思っていたが、流石にそこまで単純ではなかったようだ。
「大丈夫だ!その魔法は俺にかけてくれ!アクアはその場でじっとしてればいい!」
俺がオーガを引き付けて、いざ捕まりそうになったらテレポートで脱出する。そして残ったオーガをめぐみんの爆裂魔法で倒してもらおう。
「そこまで言うなら分かったわ!『フォルスファイア!』」
アクアが放った魔法のおかげで俺の体…………ではなくアクアの体が青白く光り、
「ちょっとカズマさん!なんで私の方にオーガが来るのよ!この魔法って自分以外の人には使えないじゃない!」
自分にしか使えない魔法だということを忘れていたのか、相変わらずアクアはバカなようだが、これで窮地は脱した!
「よーしめぐみん。後はアクア諸共爆裂魔法をぶっぱなしてやれ」
「ちょ!それだとアクアが死んじゃいますよ!いくらカズマの命令とはいえそこまで出来ません!」
はぁ……仕方ないな……
「おーいアクア、俺の方に来い!そしたらお前のことを助けてやれるかもしれない!」
「かじゅましゃーーーん!!!」
泣きながらアクアが俺の方にやってくる。俺は今のうちにめぐみんたちから距離を取り、アクアと一緒にオーガから逃げる。こうしてみるとオーガの迫力すごいな!怖すぎて腰が抜けそうなんですけど……
そして十分めぐみんたちから離れたことを確認すると、
『テレポート!』
俺はアクアと一緒に天界へと逃げた。