このすばらしい仲間と恋愛を! 作:てつろう
キャラの心情の深掘りがホントに苦手です。
『テレポート!』
視界がぐにゃりと曲がり周囲から眩い光が発せられる。思わず目をつぶって待っているとやがて周りの空気が変わったのが肌でわかる。そっと目を開けると懐かしの天界が広がっていた。どうやら今はエリス様は不在のようだ。
「うぐっ……かじゅ……かじゅましゃん……」
泣きながら腰に抱きついてくるアクアの頭を撫でてやる。
しばらく撫でていると次第にアクアは泣きやみ、やがて俺の匂いをスンスンと嗅ぎ始める。
「おーい泣き止んだならそろそろ離れろよ暑苦しいだろ。それよりめぐみんたちがどうなったか心配だからそろそろ戻ろうぜ。」
「ダーメ、まだカズマさんと一緒にいたいんだから」
困ったな……まあでもアクアがそうしたいなら素直に従っておくか。
「あっ!」
「どうした?」
「大事なことを忘れてたわ!そういえば昨日の夜ちゅーしてないじゃない!カズマさん、今ちゅーして!」
「ちゅーってお前、あれするの結構恥ずかしいんだからな!そんな簡単にしてあげられないぞ!」
「この麗しい女神とちゅーできるのよ?そこは喜んでちゅーする所でしょうが!」
「さっきから何回ちゅーちゅー言うんだお前は!それに女神は女神でもお前は駄女神だろうが!どうせキスするならエリス様とがいいよ!」
「私をお呼びですか?」
声がした方を見るとさっきまではいなかったエリス様が立っていた。
「え、エリス様?いつからそこに居たんですか?」
「さっきから何回ちゅーちゅー言うんだって辺りから居ましたよ、それで私とキスしたいのですか?」
そりゃ勿論したいけど、アクアの前でやるのはちょっと恥ずかしいんだよな……
「ちょっと、パッド女神!カズマとちゅーするなんて私が許さないわよ!」
「誰がパッド女神ですか!それにカズマさんが誰とキスしようとカズマさんの自由ですよね?ささ、カズマさん私とキスしましょう。」
そう言ってエリス様はこちらへ歩いてくる。するとさっきから俺にまとわりついていたアクアがさっと離れエリス様の前へ俺を守るように立ち塞がる。
「ちょっとエリス!あんた先輩から男奪うつもり?いくら後輩のエリスでも許さないわよ。」
「いつカズマさんが先輩のものになったんですか。カズマさんはまだ誰とも付き合ってないですよね?それなら誰がどんなアプローチをしようと文句を言われる筋合いはありません。」
うわー……これが女同士もとい女神同士の修羅場か……普段の2人の様子を知ってるからか今の2人はとても怖い。何とか穏便に済まさなければ
「あー2人とももうその位にしておこうぜ。それとエリス様に聞きたかったんですけどあの後めぐみんたちはどうなったんですか?」
エリス様に尋ねると、エリス様はアクアに向けた怒っていた表情とは打って変わって慈愛に満ちた表情へとなる。
こわっ!!何その急な表情の変化!怖いんですけど!
「心配しなくても大丈夫ですよ。カズマさんたちが引き付けていたオーガはめぐみんさんの爆裂魔法で跡形もなく消え去りました。ダクネスはめぐみんさんを背負ってアクセルの街へ戻っている最中です。」
あれ、クリスはあの後どうしたのだろう。そんな俺の訝しげな表情を読み取ったのかエリス様が、
「私ならオーガを倒したあと急用が出来たと言って先に帰ったんだよ。それでダクネスたちとお別れした後にここに来たのさ」
そんな怪しい行動してダクネスが納得したのだろうか。ダクネスはクリスの正体がエリス様と薄々勘づいているしな。正体がバレるのは時間の問題か。
「それでカズマさん?私とちゅーするわよね?」
「カズマさん、自分の気持ちに正直になってください。私はいつでもあなたとキスしますよ。」
……詰んでるなこれ。アクアを選んでもエリス様を選んでも、選ばれなかった方の目の前でちゅーするんだろ?絶対地獄みたいな空気になる。……とにかく今はこの2人を引き離さないといけないな
「と、とりあえずキスの話はまた今度な。今は早くダクネスたちと合流しないとな。」
「逃げるつもりですか?カズマさん」
そう言ってエリス様はじろりと俺を睨む。だから怖いって!
「え、エリス様!どうか落ち着いてください!本当にキスは後でしますから!!」
「言いましたね?約束ですよ。」
エリス様は怒った表情から途端に笑顔になる。これはエリス様を敵に回すと最後は刺されるかもしれないな……早いうちに対処しなければ……
「じゃあ行くぞアクア」
「はーい」
『テレポート!』
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目を開けると目の前にはアクセルの街が広がっていた。まずはダクネスたちとの合流が先だ。時刻は夕方だし、もうギルドへ報告は済ませているかもな。それなら屋敷に帰るか……っと、そういえば今日の夕食担当は俺だった。帰りに何か買って行くか
「アクア、俺は屋敷に帰る前に買い物していくがお前はどうする?」
「なら私もついていくわよ」
そう言ってアクアは俺の隣を歩いてくる。今日の夜ご飯はどうするかな。肉じゃがはこの前作ったし今日は鍋にするか……となると野菜を買いに行かないとだな。そんな事を考えていると
「ねえ、カズマさん」
「なんだ?俺は今、夕食の献立を考えるので忙しいんだ。どうでもいい事なら後にしてくれ」
「手、繋いでいい?……」
「……お、おう。いいぞ」
アクアは、指をからめてくる。
これ……恋人繋ぎってやつでは……!ダメだ、全然夕飯のこと考えられねえ!さっきからちょこちょこ知り合いの冒険者に会うがみんなニマニマしながらこちらを見てくる。
ちょっと恥ずかしいんだけど……
そう思いアクアの方を見ると今までにないほど笑顔だ。この時俺は気づかなかった。背後から俺たちを見るゆんゆんの姿に
あの後恋人繋ぎをしたまま買い物を終え、無事屋敷へと帰りついた。今は夕飯を食べ終えお風呂に入っている所だ。
「はぁ……」
俺は湯船に浸かりながらうっかりため息をついてしまった。勿論悩んでいる内容はアイツらのことだ。めぐみんにアクア、ダクネスそしてクリスと4人から好かれている。正直言って俺の身には有り余る。あの中から1人を選ぶのか……多分、選択を誤れば間違いなく恨みを買うだろうな……俺刺されて死んじゃうのかな……そうなったらアクアに蘇生して貰うか……
そんなことを考えていると脱衣所に人影が現れた。入浴中の札は掛けておいたはずだ。となると、わざと俺の入浴中を狙ってるな?お風呂場まで突入してくるとは相当なむっつりスケベだな。俺も健全な男の子だしそろそろヘタレずにやることやるか。やがてお風呂場のドアが開き…………
そこに立っていたのはバスタオルに身を包んだダクネスだった。
「や、やあ、背中を流そうと思って……」
「お前かよ……」
思えばこうしてダクネスと同じ風呂に入るのは3回目だ。わざわざ俺の入浴中に入るとは、そろそろダクネス改めエロネスと呼ぶべきだろうか。
「なぁエロネス、せっかくだし相談に乗ってもらってもいいか?」
「うむ、私で良ければいつでも相談に乗るぞ。…………ん?今何といった?」
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「……うっ……くっ……!」
「どうだ?気持ちいいか?」
「あっ……そこっ……気持ちいい!……エロネス……!」
「だから私はエロネスじゃない!ダクネスだ!それよりも……」
「うっ……ダメだ……これ以上は耐えられない……!!」
「さっきからお前の発言が卑猥な内容にしか思えないぞ!それはわざとやってるのか!」
おっとバレちまったか。今俺は風呂から上がりダクネスに背中を洗ってもらっている所だ。背中を洗ってもらいながらまるで行為を致しているような声を出していた。
「それで?私に相談したいことがあるんじゃなかったのか?」
そういえばそうだったな。
「あー、その前にダクネスはアクアやクリスが俺のことを好きなのは知ってるか?」
「なっ!?アクアがお前のことを好きなのは知っていたがクリスまで!?クリスは私の恋路を応援してくれてるのではなかったのか!?」
「そこは俺も驚いてるんだけどさ、昨日の夜なんて俺に抱きつきながら一緒に寝たし今日も私とキスしましょうなんて言われたんだぜ」
「なな、なぜクリスがお前と一緒に寝たんだ!?しかもキスだと!?本当にクリスなのかそいつは」
「それで相談したい内容ってのは、俺が誰と付き合うべきかってことだよ。多分このままだとクリスかめぐみん辺りに刺される気がするんだ。」
俺が一通り今の状況を説明し、ダクネスに相談するとダクネスは期待と不安が混じったような顔をして、
「……なぁ、カズマの中では私はもう完全に彼女にする気はないのか?」
いきなり痛い所を突かれたな……もうこれ以上悩みの種を増やしたくないんだが……そう思いやんわりと俺を諦めることを勧めてみる
「いや……そんなことは無いけど……でもお前はそれでいいのか?俺のことを好きな人は結構いるぞ?わざわざ俺を選ばなくてもお前の理想に叶う人はほかにいるんじゃないか?」
「前にも言っただろう、最初は私のタイプに合うのがお前だったが、今ではお前自身が私の理想の男になってしまったのだ。それに私はお前と付き合いたいから縁談を全部断っているのだぞ?」
「そうか……」
俺が想像してたよりダクネスって一途なやつなんだな。まぁなんだかんだ言ってこいつは乙女な部分があるし簡単に好きな人を諦めることが出来ないのかもな
「さて、後ろは粗方洗い終わったぞ。次は前を洗ってやろうか?」
そう言って俺の前面に回り込んだダクネスの視線が1点に集中する。そうタオルで隠された俺の股の所に。
「カズマ……その……大きくなってる所が気になってしょうがないのだが……」
「仕方ないだろ、ほぼ裸の美人なお姉さんに体洗われたら誰だって元気になるって。ほら、俺は抵抗しないから昔あったように好きにしてくれて構わないぞ。」
流石にヘタレの俺でもやる時はやる男だ。今までずっと寸前でお預け喰らってきたし最近はサキュバスの店にも行けてないしでもう我慢してられない。
「好きにしろって言われても……私もこういう事はあまり詳しくないのだが……」
「お前今まで夜這いとか俺を襲ってきたりとか散々してきただろ?こういう時はまず体を密着させ合ってからやるんだよ。」
「そ、そんな過去のことをいちいち蒸し返すな!……ほら、こ、こんな感じか?ちょっとカズマ!これだとお前の硬くなってる部分が私に当たるんだが!」
ダクネスは椅子に座っている俺に正面から抱きついてくる。俺の股間に当たるのが嫌なのか、へっぴり腰になっている。ああ……やっぱりハグっていいな。なんか安心するって言うか、俺このまま童貞卒業しちゃうんだろうか。最初の相手がダクネスかぁ、流石エロ担当なだけあるな
そうやってしばらく抱き合っているとダクネスが意を決したように俺の顔を見つめ、
「そ、それではいいのだな?触るぞ?」
そしてダクネスは俺の股のタオルに手を当てようとして……
「何してるんですか」
暗く冷たい声が浴室に響く。声がした方を見ると浴室の扉が僅かに空いて脱衣所からめぐみんが冷めた目でこちらを見ていた。今の俺たちは互いにタオル1枚でほぼ抱き合っている状況。俺の脳は素早くフル回転し、この状況を打破しようと試みる。
「きゃああああ!!痴女に襲われるうううう!!」
「おま、お前ってやつは!なんでいつもこうなるんだ!!」
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俺とダクネスはアクアとクリスが隣で酒を飲むなか、めぐみんの説教をうけている。
「ダクネス、あなたは本当にいやらしい貴族ですね!もういっそのことエロネスと名乗ったらどうですか?」
「ま、待て。確かに私がカズマのいる風呂に入ったのは認めるが、カズマも満更でもなく私を誘ってきたのだぞ」
「おい俺は無実だ。ダクネスの猛攻に抵抗虚しく襲われたんだよ。」
そんな俺をめぐみんがジト目で見てくる。うっ……そんな目で俺を見ないでくれ。
「俺も一応正座しときますね」
「殊勝な心がけだと思いますよ」
視線に耐えられなくなり俺も正座してダクネスの横に並ぶ。
「ねえカズマさん、ダクネスやめぐみんとはお風呂に入ったことあるけど私だけ一緒にお風呂に入ったことがないの。おかしいと思わない?」
「もしかして俺と一緒に風呂に入りたいのか?悪いが俺は明日外泊してくるぞ。風呂も向こうで入ってくる。ココ最近お前らの相手で俺は我慢の限界なんだ。」
そう、例のサキュバスサービスを受けないとこいつらの前で理性を保てる自信が無い。いざという時にがっつきすぎないようにする為にもサキュバスの店には定期的に通わなければならないのだ。
「それではカズマ、私たちはもう寝ましょうか。」
…………私たち……?寝るなら1人で寝ればいいじゃないか?何故俺も一緒に寝ることになってるんだ?
「カズマ、まさか昨日の約束を忘れてませんよね?」
…………あっ……そうだ。昨日クリスと寝る際に明日一緒に寝ると約束したんだった。まためぐみんに男の子の気持ちを手玉にとって弄ばれるのか……それに、最近のめぐみんはどんどん大胆になってきてるな。前は一緒に寝る時はこっそり俺の部屋に遊びに来てたのに今はみんなの前で堂々と宣言してるんだもんな
「ちょっとカズマさん、私とはいつ寝るのよ!私もずっと待ってるんですけど!」
「はいはい、じゃあお前は俺が外泊から帰ってきてから一緒に寝ような」
そう言うとアクアは上機嫌に鼻歌を歌い出した。
「では行きましょうか」
俺とめぐみんはリビングを抜け一緒に2階の俺の部屋へと歩いていく。こんなふうにみんなが俺を取り合うのは正直言ってかなり嬉しい。これは俺もついにハーレム系主人公に成り上がったのだろうか。でも、まだ童貞なんだよなあ……
そんなことを考えていると、俺の部屋へ着き中に入る。
「カズマ、やっと二人きりになれましたね。」
「お、おう。そうだな」
ヤバい。緊張してきた。昨日めぐみんがもっと凄いことしましょうって言ってたし遂に一線超えるのかな。もしそうならバニルに貰った避妊薬を飲まなければ。ベッドに腰掛けるめぐみんの隣に座る。
「魔王を倒してから初めての2人きりの時間です。今日はカズマは我慢しなくていいですよ?私が全部受け止めてあげますから」
そう言ってめぐみんは俺を押し倒してくる。めぐみんの顔まで僅か数十センチほどだ。めぐみんの頬に手を当てるとめぐみんはそっと目を閉じる。そして俺はめぐみんにキスをした。めぐみんとの2回目のキスは不思議な味だなあと考えているうちに互いの唇は離れていた。キスをしたあとは勿論……
「め、めぐみん本当にいいんだな?」
「ええ、構いませんよ。カズマの好きにしてください」
俺の好きなようにするってこれから何をすればいいんだ……とりあえず脱ぐのか?いや、脱がせるのか?ちくしょー、引きこもりにこんなこと出来るわけないだろ!!そんな俺の様子を見ためぐみんが、
「やっぱりカズマは最後まで締まりませんね。ちょっと服を脱ぐので待っていてください。」
そう言ってめぐみんは自分のパジャマのボタンを1つずつ外していく。俺はその様子を唾を飲みながら見守る。そしてとうとう、めぐみんの下着が現れる。
『黒だ』
そう、めぐみんのブラは黒色で妖艶な艶やかさを放っていた。
………………ん?…………
今、誰が喋った?
そっと隣を見るとクリスが空いた窓から中を覗き込み、こちらを見ている。
「やぁ、お取り込み中だったかな?」
「きゃああああああぁぁぁ!!!」
めぐみんの甲高い悲鳴が屋敷に響いた。