負けヒロインになりそうなので全員娶ります 〜極悪ふたなりチンポで最後は幼馴染の鈍感主人公も女の子にしちゃいます〜 作:吹夜
「会長は随分と消極的ですね」
「……なんの話かな?」
夕方の帰り道、舞花が呟くようにそんな事を言ってきた。彼女の顔を見ると、私を試すような面持ちで見つめ返してきた。奏についての話であることは容易に推察できるが、あえて聞き返す。
「このままだと本当に奏君が取られちゃいますよ?」
「分からないな。君は千鶴の為に自分を諦めているだろう?それでいて私も気にかけるのか?」
舞花が妹の恋を応援しているのに私の心配をする矛盾、そして言外に彼女自身の恋心を指摘する。
「会長……気づいていらしたのですか」
「あぁ、誰かさんが仕事の補助にかこつけて奏に密着してその胸で誘惑していたものでな」
つい出来心で意地の悪い指摘をしてしまう。すると、最初は何を言われているのか分からず固まっていた舞花の顔がみるみると赤くなっていく。
「へぅっ!?ち、違います!あれは……その、奏君が私を頼ってくれて……嬉しくて……誘惑だなんて……そんな……うぅ」
思い当たる節が見つかったのか、舞花は羞恥のあまり悶え始めてしまった。いや、うん。彼女もわざと誘惑紛いの事をしていたのではなかったのだろう。私は最初から信じていたぞ。
「それで?そんな君が私の心配か?」
「えぇ……会長は、私たちよりもずっと前から奏君の事を……違いますか?」
「そうは言ってもな……君達が思っている以上に私はイリーナを、千鶴を、そして君を評価しているんだ。女性として、な。私などでは敵わないんじゃないかと思うほどに」
私は千鶴のような気配りはできないし、舞花ほど世話好きでもなければイリーナのような親しみやすさもない。経済力や将来性、才能で負ける気はさらさら無いが、逆に言えば私の魅力なんでそれくらいだろう。
……そんな力で奏を手に入れたくはないし、彼がそんな物に靡くような人間ではないことはよく知っている。そんな所に、惹かれたのだから。
「そんなこと……むしろ奏君は会長を……」
舞花が何か言いかけたところで、突然私達の前を妖しく輝く光のようなものが横切り、路地へと消えていった。
「む……?舞花、今のが見えたか?」
「え、えぇ。……何だったのでしょう……?」
「少し、追いかけてみようか」
「は、はい会長」
光が消えた路地へ行くと、まるで待ち構えていたかのようにその光はそこに留まっていた。路地が仄暗いせいか、光が一層不気味に見える。
「……どうやら幻覚ではなかったようですね」
「あぁ。超常現象の類には肯定的ではなかったが、どうやら考えを改める必要が……っ!舞花!下がれっ!」
そこまで静謐を保っていた光が急に動き出しこちらに向かって突っ込んでくる。狙いは間違いなく、舞花の身体だ。咄嗟に私は彼女を下がらせ、庇うように前に出る。
「会長!」
ドン、と鈍い衝撃が走る。が、その痛みも数秒で嘘のように消えてしまう。そして、私にぶつかってきた光もまた、どこにも見当たらなくなっていた。
……衝撃を受けた部分をさする。特に異常はない。いや、異常がないはずがない。
「……まさか、私の中に?」
そんな憶測が浮かび上がる。あの光の存在自体が測り知り得ないものなのだ。どんな事態が起きていてもおかしくはない。
「……会長?大丈夫ですか?」
「あ、あぁ。問題ない」
「本当ですか?……やっぱり心配です。念の為、ご自宅まで付き添いますから」
「そんな大事では……いや、わかった。頼むよ」
あー、いかん。変に気を遣わせてしまったようだ。今のところ身体に異常は見られないが、不測の事態が起こるかもしれない。正直、付いてきてくれるのはありがたい。そして何より、舞花はこうなると頑固だ。世話好き、と言ったが、裏を返せば心配性ということだ。
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「相変わらず立派な家ですね……」
「……あ、あぁ。緊張しないで寛いでいってくれ」
給仕達には下がらせて、舞花を自室に迎え入れる。私は一息つくと、胸に手を当てて先ほどから感じている身体の異常を探る。症状は微熱のようだが、自己管理は徹底しているし、風邪ではないはずなのだ。考えられる原因は……あの光か。
「会長、本当に大丈夫なんですか?」
「っ!あ、あぁ。平気だとも。すまないな、少し顔を洗ってくるよ」
心配げにこちらを見つめてくる舞花に背を向け、部屋を出る。私の身を案じてくれる使用人たちを宥め、私は人気のない空き部屋まで来ていた。
急いだせいかもわからないが、熱がまた少し上がっているのがわかる。一体なんだというのだろう。
『随分と辛そうだね』
ふと、やけに呑気な声が響く。外からではない。私の身体の内からだ……あの光か。
「大したことはないさ……で、何者だ?」
『へー、驚かないんだ。話が速くて助かるよ。実はボクにも時間がないんだ……悪いけど早速、貰うよ』
瞬間、意識が濁る。物理的な感触でこそないものの、確かに異物が自分の中を掻き乱している感覚があった。
『あー、やっぱりボクの今の力じゃこれが限界か……まぁ、これなら最低限なんとかなりそうだなぁ』
「貴様、何を言って……っ!」
『ふふっ、“種”は仕込んだし、ボクは限界だから眠るよ。後はよろしくね』
「だから、何の話だと……!?」
質問に答えることなく、声がしなくなったと思えば、感じていた違和感がスッと消えていった。代わりに。
「ま、股が重い……?なんだ、これは……ま、まさか!?」
新たな違和感を感じて股間を弄ってみれば、どしりと重い突起物。間違いない、これは。しかも、知識よりも何倍もグロテスクな、男性器。