リーリャという女性は、後宮付きの近衛侍女であり、水神流の中級剣士だった。クソが付くほど真面目で、受けた恩には報いることを忘れない義理堅い性格。眼鏡が似合う真紅の髪を持った美女は、その有能さをもって重宝されていた。
だがある時、様々な偶然が重なった結果、足に毒を負って満足に戦うことが出来なくなってしまった。彼女がいたのは後宮だ。跡継ぎ争いか、単純な暗殺者か。どちらにしろ仕事をすることが出来なくなったリーリャは仕事を辞めた。
後宮のものに消されることを恐れたのだ。戦う手段を失った彼女では、自分の身を守ることも難しい。遠くへ、出来るだけ後宮から遠くへと離れた辺境にまで行ってしまおう。
「はぁ……まだ、追ってきてるみたいですね……」
そう思っていた矢先に、彼女が乗った荷馬車は襲撃を受けた。野盗の類に見せかけているが、装備が良く連携が取れている。おそらく差し向けられた追手だろう。そうまでしてリーリャを亡き者にしたいのだ。
物陰を移動しながら、何とかして逃げようとするが、足に残った毒が彼女の動きを阻害する。
剣を持っても、満足に振れるか怪しい所だ。息を切らしながら走ると、特徴的な音が聞こえてしまう。それに気が付かれるのも当たり前だった。
見つけたぞ、囲んでしまえ、逃がすな。
七人の男たちが彼女を囲み、下卑た視線を向けてくる。薄く動きやすい服装では、豊満な乳房や脂の乗った尻のラインが良く分かる。きっと彼らの脳内では、始末する前の報酬として何度もリーリャを犯す算段が立っているのだろう。
そんなことはさせてたまるか。慰み者になるくらいならば、いっそこの場で自害してやる。
剣を首筋に当て、誇りを守るために命を絶とうとした。
だが、実際に飛んだのは彼女ではなく、男の首だった。一つ、また一つと斬り飛ばされ、抵抗する暇もなく全滅する一党。新種の魔物の仕業か。まさかお伽噺のスペルド族でも現れたのか。身体の震えを抑えながら周囲に警戒をしていたリーリャの視界に、黒い外套を纏った人影が現れた。
隙間から見えるのは手入れのされていない甲冑で、黒く濁っている。握られた細身の曲刀も同じだ。追手たちの血で赤く濡れているが、刀身は元から黒く染められている。
幽鬼の剣士、表現するのが正しいだろうか。兜の下に隠れた瞳が紅く揺れ、へたり込んだリーリャを捉える。身を竦ませる眼光は、彼女から戦う意志を削いでいった。刃についた血脂を払い、鞘へとしまうとガシャガシャと鎧を揺らせながら近づいてきた。
「ッ、と、止まってください!」
何をされる。彼が追手と同じようにリーリャをそういった目的で助けた可能性もある。胸元を片腕で抑え、もう片方の腕は刃を構えて牽制する。疲弊と恐怖に晒されているせいか、剣を握る手は震えている。
勝てないと直感が叫んでいる。逃げても追いつかれる。
絶望が歩いてくる。
「まさかとは思ったが、リーリャか」
目を瞑り、覚悟を決めた彼女だったが、訪れたのは残酷なる凶刃でも、欲に塗れた要求でもなく、どこか懐かしい、安心できるような声だった。
顔を上げれば、人影が兜の留め具を外して顔を見える様にしてきた。精悍な顔立ちには様々な経験を積んで年を重ねながらも、どこか少年のようなあどけなさが残っている。そこには、リーリャが過去に出会った懐かしい面影も残っていた。
「あ、り、リョウマ、さん……?」
アスラ王国の片田舎にあった水神流の道場。若かりし頃の二人はそこで出会った。若くして剣神流の剣聖であり北神流の北聖でもあった彼は、三つ目の水神流を身に着けるために足をはこんだ。真面目で実直。筋は良くないが絶え間ない努力を重ねたリョウマは直ぐに中級まで成長した。
そんな彼を、道場主の娘であるリーリャは好ましく思っていなかった。いや、彼と言うよりも男性という生物全てをだ。原因は同時期に蒸発したパウロという男に原因がある。不真面目で才能に胡坐をかき、悪事ばかりで金を稼いでいた奴は、年を重ねるにつれて女性らしさを増したリーリャに眼を付けた。
夜遅く、彼女の口をふさぎ、動けないようにしてから性欲の捌け口にしたのだ。快楽など感じるわけがない。いつか好きな相手のためにと残していた処女を、身勝手な行為によって散らされたリーリャが抱いた痛みは、夜な夜な彼女を苦しめた。
誰かに相談したかったが、信じてもらえなかったらどうしようと恐れ、訪れるパウロに強姦され続けた。心が砕ける直前に奴はいなくなったが、心の傷が癒えるはずもない。やり場のない怒りは、次第に男性への拒絶へと変わっていった。
このままではいけないと分かっていても、簡単に事が運ぶわけがない。
その矢先に現れたのが、水聖の称号へと駆け上がったリョウマだ。
「本当に驚きました。まさかこんなところでリョウマさんと再会できるなんて」
「そうか」
「S級冒険者になったというのは本当ですか? 噂は聞きますよ」
「そうだな。ありがたい話だ」
「相変わらずの口下手ですね。そこは変わらないみたいで、安心しました」
「そうか?」
新しくきた馬車に並んで座った二人は、昔話や世間話で花を咲かせていた。男性不信になっていたのも過去の話だ。その傷も、リョウマが何も言わず傍にいてくれたおかげで大分薄くなっている。
信頼できる誰かがいたという記憶は、刷り込みのように彼女をリョウマへと懐かせた。彼が道場にいた頃は、姉弟子であるにも関わらず逆に慕ってきたものである。
「お前こそ、何があって騎士もどきなどに追われていた。あの程度の相手に追い詰められるのも解せん」
だがふとした問いかけで会話は途切れる。基本的にリョウマは聞かれたくないことを感じ取り、聞かないことが出来る男だが、聞かなければいけないことは聞いてくる人間だ。もしもリーリャがなにか良からぬことに巻き込まれているのなら、何かしらの対処をしなければならないという考えなのだろう。
「……お見通し、ですね」
疲れた笑みを浮かべたリーリャの話を、リョウマは何も言わずに聞いていた。何をしてきたのか、どんな目にあったのか。聞くだけでも身が竦み上がるような話だったが、リョウマは何も言わずに黙って聞いている。
それが嬉しい。文句もいたわりも、今の彼女が受け取るにはつらいだけだ。
「だから、今は職を探しているんです。軽々しく、実家にも帰れませんし」
「もうすぐ冬だからな。山越えをするにしても時期が悪い」
雪の中、寒さの中を負傷した女性一人で旅するのは難しい。だから季節が変わるまで出来るだけ身を潜めようとしていた矢先にこれだ。せめて村落のところまで辿り着ければ話は違うのだが、そこまでリョウマに頼るのは心が痛んだ。
「ここでいい。ありがとう」
馬車の主に代金を渡したリョウマは、考え込むリーリャをよそに手早く荷車から降りた。ずっと座っていたせいで身体が固まったのだろう。伸びをし、柔軟を繰り返す。彼にとってのリーリャは、久しぶりに出会えた友人の一人でしかない。
だがリーリャにとっては掛け替えのない御仁だ。心の中に思い続けた恩人。それほどの存在と再会し、別れるのは一瞬だ。
「それでは、お会いできてうれしかったです。リョウマさん」
だが我儘を言ってはいけない。彼には彼の道がある。S級冒険者というだけで必要とされる存在なのだから、引き止めず、別れを告げるだけでも彼女にとっては良い思い出へと変わるのだ。
だが彼は何処にもいかない。いや、正確に言えば待っているのだ。手を差し出し、首を傾げる。
「来ないのか? 職を探してると言っただろう」
「っ、なにを、言っているのですか?」
「丁度、給仕係を探していたところなんだ。後宮に務めていたお前が来てくれるのなら、助かる」
こんな人だっただろうかと、リーリャは面食らう。優しい人であることは確かだったが、だがここまで素直に言葉を繋ぐような類の人では無かったはずだ。もっと不器用で、不愛想で、剣呑とした空気を纏っていたような気がする。
だが真っすぐ伸ばされた手を払う理由などどこにもない。今は、彼の優しさに甘えてしまおう。
「もし、よろしいのでしたら」
「だから、初めからそう言っている」
そういえばそうだった、とおかしくなり、思わず笑い声を漏らしてしまうリーリャ。こんなふうに笑ったのはいつぶりだろうか。ただただ嬉しく、楽しいこの瞬間のことを、きっと彼女は忘れることは無いだろう。
**********
「リーリャ、あとでお買い物に付き合ってくれる? 今日はお肉にしようと思うの」
「ゼニス様、それでしたら私が。町まで遠いのですから任せてください」
リョウマに給仕係として雇われてから数週間が経過した。中央都市から少し離れた所にあった屋敷は、一人で住むには大きく、案の定、数人の同居人と彼は生活していた。
その一人が、リーリャへ買い物に付き合ってほしいと言ってきた女性、ゼニスだ。
金髪を一つに纏めた、あどけない笑顔を浮かべる美女。誰もが目を引くのは美貌もそうだが、真に注目されるのはその下、細身ながらもたわわに実った巨乳と尻だ。
どんな男でも一度は犯してやりたいと思うほどの異性を惹きつける肢体。
それを持ちながら、身持ちは硬いようで、今では夫一筋の生活をしている。
そう、ゼニスはリョウマの妻なのだ。
彼がリーリャを連れてきたときは烈火のごとく説明を求めた彼女だが、事情を聴いた結果涙ながらに受け入れてくれた。中でも、パウロに強姦された話は効果が大きかった。後から聞いた話だと、以前はリョウマとではなくパウロと交際していたゼニス。世間というものは狭いものだと驚くと、様々な文句を酒の席でリーリャへと零した。
浮気性で自分勝手で、文句を言えば逆切れして手を上げる。そんなことが続いたある日、ついにゼニスが仲直りのためにと取った部屋に別の女を連れ込んだのだ。
流石に嫌気も差す。冒険者を辞め、仲違いしていた実家に帰省しようとした彼女を引き留めたのは、今の夫であるリョウマだった。
ゼニスもリーリャも、パウロというロクデナシに苦しめられた者同士だ。意気投合するのに時間はかからなかった。明朗快活な性格も、朗らかで素敵な笑顔も、警戒心を解くのに十分すぎるほどの効果がある。
結婚している事実は衝撃的だったが、だからと言ってお暇する余裕もない。
「おいリーリャ、私の酒を知らないか。買いだめしていたはずなんだが」
「ギレーヌ様、それなら井戸の方に持っていきました。冷やしているので、後で取りに行きます」
だが、同居人はゼニスだけでは無かった。褐色肌の筋肉質な美女、ギレーヌだ。ビキニの上にジャケットを直接羽織り、ズボンの前は半ばまで開けられて秘部を隠すパンツが見えている。刺激的な恰好をした獣族の女性は、ここに住み込みの剣客として居座っていた。
ゼニスと共にパウロのパーティーに所属していたのだが、度重なる不貞行為に加え謝罪の一つもしない無神経さ。彼女とも関係を持ったが、悪いのは発情期をねらったパウロだ。殆ど強姦に近い。
冒険者としては認めていたが、自らの非を認めない奴についていくほど間抜けじゃない、と言い放ってパーティーを抜けた。
読み書きもできない彼女が身を寄せたのは、友人として信頼できるリョウマのところで、今となっては住み込みで警備のようなことをしている。
最初こそ露出度の高い恰好に驚いたリーリャだが、女を感じさせないギレーヌなら、リョウマと不貞を働き、ゼニスを困らせることも無いと納得している。
「リーリャさぁん♪ 私の下着、もう乾いておりますぅ?」
「……エリナリーゼ様、机の上に置いてあるので取りに来てくださいとあれほど」
三人目だ。ゼニスよりも長い金髪を縦ロールにした、これまた露出度の高い美女。ギレーヌのように無頓着なのではなく、男を誘惑するために設計された服装。二人より背が低く、胸も小さいが、巨尻と経験豊富な笑みで数多くの男と交わっている、いわゆるビッチ。
呪いを受け、定期的に交わらなければいけない身体なのは分かっているが、それを楽しんでいる時点で淫乱なのは確定だ。
彼女までもパウロと同じパーティーだったと聞いた時は本当に驚き、彼女ならパウロのロクでなしも容認したのだろうと思った。もっと言えば浮気相手は彼女かとも思ったリーリャだったが、予想を超える冷静な判断力とヘイトコントロールの上手さに驚愕した。
そんな彼女だから、面倒を見切れないと決断するのも早かったのだろう。今では立派な居候だ。
「帰った。賑やかさが増したな」
そしてようやく、家主の帰還だ。ギルドから様々な高難易度のクエストを押し付けられる彼だが、いつも深夜に行って夕方には帰ってくるという形を取っている。
ゼニス達がいた黒狼の牙は、当然ながら解散した。前衛2人に治癒術師を欠いた状態ではS級の依頼をこなすのは難しい。そして見合った実力を持つ冒険者は、既に他のパーティーに所属しており、引き抜くこともパウロにはできなかった。その後、何処かの村で駐在の騎士になったと聞くが、どうでもいい話だ。
解散した彼らが請け負っていた分を、今ではリョウマがこなしている。時としてギレーヌやエリナリーゼも連れていくが、基本的に現地の冒険者と臨時のパーティーを組んでの仕事だ。
達成した後は、外泊もしなければパーティーの仲間と酒を飲むこともなく真っすぐ帰ってくる。少しくらい遊んでも良いとゼニスたちは言うのだが、夫とは妻を一人にしないものだと言って聞かない。
そんな言葉に心を打たれるゼニスもどうかと思うが、リーリャも少しドキリとしたのだから人のことをバカにできない。
「お帰りなさいませ、リョウマ様。よろしければ手入れしますので鎧を……あの、なにか?」
「ん、いやすまん。お前に様を付けられるのは慣れないと思ってな」
こそばゆい感覚は、何度言われても慣れない。大きくなった青年が親から、ちゃんやくんを付けられるようなものに近いのだろう。敬われる経験のなかった分、それは余計に強かった。
「慣れてください。家主はあなたで、私は使用人なのですから」
「それは、そうだな……いや、鎧はいい。自分でやる。それよりも」
ゼニス、と妻の名を呼ぶリョウマ。家事が一段落するのを見かけたのだろう。手を拭いて近づいてくる。駆け足だったからか、彼女の胸がタユン♡と弾む。
ゴクリとリョウマが生唾を呑んだ音をリーリャは聞き逃さなかった。
「はぁい♡ おかえりなさい、あ・な・た♡ んちゅぅ♡」
「あ、ああ……ただいま……」
擦り寄ってくる彼女をリョウマは少しだけ遠ざけようとしたが、すぐに受け入れた。血糊や錆び付いた鉄の匂いなど気にしない態度に負けたのだろう。
兜の下にある頬へとキスをされ、紅潮している。
「リョウマ、後で酒に付き合え♡ いいのが手に入った」
「リョウマさまぁ♪ この下着、いかがですかぁ♪ スケスケでいやらしいですわよね♪」
仲睦まじく擦り寄っている夫婦の間に割り込むギレーヌとエリナリーゼ。空気を読むということを知らないのか。
リョウマへ擦寄る二人を見かねたリーリャが咳払いをし、ニッコリと笑みをうかべる。
「ギレーヌ様、エリナリーゼ様、旦那様はお疲れですので、ゼニス様に任せてお休みしていただきましょう。よろしければお手伝いをお願いします」
さりげなく促せば、渋々ながら離れる二人。リョウマもどこか安心したように息をつき、いつもの場所に太刀を置いた。
ここから先は夫婦の時間だ。リーリャ達が割り込んで良い場所では無い。
「それじゃぁ、俺とゼニスは地下にいる。何かあったら呼んでくれ」
「じゃあ、夜までお願いね♡」
寄り添いながら二人は階段を降りていく。激しい戦闘を行っただろうに、疲弊しきった様子はなく、寧ろ家事をしているリーリャを気遣うところまである。これが男としての差なのか。人間性の差だとでも言うのか。
ペコリと一礼をしたリーリャは、頬を染めながら家事を再開した。文句を垂れる二人の居候を嗜めるのも彼女の仕事だ。そんな面倒な仕事ですら楽しく、充実した日々を送っている。
「今日も、夜まではゼニスが独り占めだな」
「仕方ないですわ。大本命の正妻さまですもの」
たった一つ、たった一つだけの大きな不安点を除けば、の話だが。
**********
地下には大きな部屋がある。これは、エリナリーゼの友人である魔術師に頼み込んで作ってもらった特別な部屋だ。かなりの労力と金銭を使ったと言っていたが、そんなことをしても惜しくないほど、リョウマたちはこの部屋を大事にしている。それはリーリャも知っていた。
だからこそ可能な限り清潔に室内を保ち、いつでも地下室を利用できる状態にしている。
「さっきの様子からすると、今日はたぶん、もう……」
メイド服の長いスカートを摘みながら降りていくと、部屋前のランプに灯りが付いているのが見えた。少し大きな扉がこちらを迎えており、ゴクリと唾を飲んだリーリャはそっと推し開いた。
それと同時に。
“すぷっ♡ どちゅ♡ パンパン♡ ずりゅりゅ♡ どちゅ♡ ぐちゅ♡”
『あっ♡ ん♡ お゛ふっ♡ リョウマぁ♡ おく♡ きっ、もち♡ っはぁ♡ おく♡ ついてぇ♡』
「ッ……!」
地下から漏れ出る淫らな声に慌てて中に入ったリーリャは、ゆっくりと扉を占める。彼女の前に拡がっているのは仄かな明かりしかない廊下だ。
ここはリョウマ専用の部屋であり、彼がいない間に立ち入りを許されているものは一人もいない。特に豪奢なものがあるわけではないが、唯一目を引くものがある。それはガラス張りになった奥にある大きな円形のベッドだ。
『リョウマぁ♡ きす、きすしよぉ♡ んちゅ♡ ちゅぱ♡ れろぉ♡ ぢゅる♡ ぢゅるる♡ あ♡ ちくび、すきぃ♡ れろれろ♡ ぢゅぅ♡』
つい先ほどまでの貞淑で働き者な妻は何処にもいない。揺れる巨乳を支えられ、淫らに実った尻たぶを振っている。彼女と対面座位の状態で舌を啜っているのは、鎧もインナーも脱いで、引き締まった傷だらけの身体を摺り寄せているリョウマだった。
“ぐちゅ♡ ぐりゅっ♡ ばちゅん♡ パンパン♡ ぐりゅりゅ♡ どちゅどちゅ♡“
『いい♡ すきぃ♡ いいんだよ♡ んちゅ♡ もう♡ うんぅ♡ きに、しないでぇ♡ あひゅっ♡ はらませて♡ ね♡ いきゅ♡ いいん、だよぉ♡ あ♡ イったぁ♡』
揺らした乳房を揉まれ、刺激を受けながらもまだ淫らに腰を振り、子供を望むゼニス。女性ですら見惚れてしまう絶頂した彼女の淫靡なダンスは、見ているリーリャの下腹部を熱くさせた。痙攣して仰け反った彼女を抱き寄せ、腰を振る速度をリョウマが早くする。この動きを望まれていると知っているのだ。
揺れるゼニスの身体を貪る肉棒は、未だ硬さを失くす気配を見せない。
『きて♡ きてぇ♡ おくに♡ リョウマのぉ♡ 種付けせ~し♡ あなたのものってあかしぃ♡ しあわせちんぽで、ねっとり孕ませてぇ♡』
娼婦でも淫魔でも太刀打ちできないゼニスの誘惑にリョウマの身体が震え、我慢していた精液が一気に彼女の中へと解き放たれる。
暴れまわる肉棒の脈動に耐えることが出来ない膣からは潮が噴かれ、ベッドの上を淫臭で埋め尽くした。
“どぼびゅっ♡ びゅぐっ♡ ぶっっびゅるるる♡ どくっ♡ どぷっ♡ どっぷん♡ びゅっ♡“
『あ゛、んふぅ♡ すきぃ♡ もっと♡ りょうまのせーし♡ もっと♡ ちょうだ、いっ♡』
『ああ……わかった』
深い絶頂に包まれたゼニスだったが、それでもリョウマを求める。彼もそれに応えた。再び始まる性交、いや、もはや雄と雌に堕落した二人の交尾を見て耐えきれなくなったリーリャは、掃除を後回しにして部屋を出た。耳を立てれば微かにゼニスの喘ぎ声が聞こえてくる。
「っ、ふぅ~♡ まったく♡ なんで、あんなに♡」
これがリーリャの抱えている唯一にして最大の不安点だ。リョウマは毎日のように部屋で性行為を行い、一日だって欠かすことなく満足させている。終わった直後には雄の臭いを巻き散らせ、近くにいる雌を高確率で発情させていた。
それは当然、居候の二人にも適用されている。
『お゛っっごぉ♡ おにゃっ♡ しっぽぉ♡ つかむなぁ♡ あ゛ぁ♡ ま、まってくれ♡ わかった♡ くちごたえ、しないか、らぁ♡』
ある時は、女戦士として鍛え上げられたギレーヌの身体を弄んでいる。硬くしなやかな筋肉は、肉棒に突かれすぎて柔らかな雌肉へと変わっており、騎乗位で挑んでもすぐに形勢を逆転されている。
『あぎゅ♡ しりあ、なはぁ♡ お゛っひゅ♡ け、けつあなぁ♡ あなるぅ♡ けつまんこ、くださいぃ♡』
膣だけでなく、排泄用の穴すらも性感帯として開発されたのだろう。指で散々弄繰り回され、簡単な魔術によって清潔にされた尻穴を肉棒でかき回され、同時に膣と胸を弄ばれる。獣族に相応しい雄叫びは、夕食を終えた深夜にかけて部屋から聞こえてくる。
だが、まだ終わらない。
『きゃふぅん♡ みみ、こそばゆいですわぁ♡ こえも、ひびいて♡ あ♡ しきゅうきたぁ♡ きこえますぅ♡ しきゅう、なかまで♡ おかされてる、おとぉ♡』
ある時は、百戦錬磨のビッチであるエリナリーゼを思うがままに啼かせている。目かくしされたままの彼女を後ろから突き、長耳族の耳を啜ればぐちゃぐちゃにとろけ切った彼女の声がこだまする。普段から挑発しているお返しだとでもいうようだ。
『いぎゅ♡ おしおきぃ♡ すぱん、きんぐはげしいぃ♡ もっと、もっとくださいぃ♡ はげしく私をいじめてぇ♡』
ひどい扱いを望む嬌声は、普段の余裕な笑みを張り付けた彼女からは想像できないほど快楽に濡れていた。同居人の性癖などできるだけ聞きたくなかったのだが、それにはリーリャに与えられた部屋の位置が悪かった。
ちょうど地下にあるリョウマの部屋の向かい。そこでは扉が開いていなくとも壁伝いに振動と合わさって聞こえてきてしまう。夕刻から夜までされるゼニスとの交尾を終え、雄の臭いを巻き散らしたリョウマに発情した二人が深夜に交尾する。
そんな繰り返しを毎日されれば、彼女の奥で眠っていた雌の本性が目を覚ましてしまう。部屋の配置換えを望むなど出来ず、せめてリョウマがいないときでも掃除をしていいかと聞いたが、色々と危ないからダメだと断られてしまった。
「あ♡ んぅ♡ はぁ……♡」
一日の仕事を終えた深夜。指を使い、剣の柄を使った自慰行為。濡れそぼった膣をかき回し、それらしい大きさの柄を何度も出し入れする。過去に経験してしまったパウロのよりは大きい。だが、見てしまったリョウマの物には到底及ばない。
「んはぁ……♡ だ、めぇ……♡」
声を押し殺して慰めるが、どんなにやっても満足することは出来ない。これでは駄目だ。絶頂するどころか、朝の仕事に支障をきたす。
暑くなり邪魔になったパジャマのズボンを脱ぎ、胸元のボタンを上から四つまで開ける。ゼニスほどではないが、綺麗な形をした巨乳の乳首を少しだけ隠し、部屋を出て階段を上る。
いまなら上には誰もいないはずだ。
(水でも飲んで、頭を冷やしましょう。これでは眠ることすらできない)
熱っぽい吐息を漏らしながら木製の階段を上ると、灯りの消えたリビングに出る。我ながら綺麗に片付いていると笑みを浮かべた。
そんな彼女の耳に、ギシリと床が軋む音が聞こえた。いったい誰が、と目を向けるが、すぐに不安は消えてなくなった。
「リョウマ、様……」
深夜に遭遇したのは、下の部屋で女を啼かせていたはずの家主だった。どうやら彼もリーリャに気づいたようで、切れ長の瞳を向けてくる。本人は目つきが悪いと自虐的に言ってくるが、その刃のように鋭い目つきすら彼女にとって、いや、彼女たちにとっては魅力だった。
「リーリャか。こんな時間に何をしてるんだ?」
「リョウマ様こそ、どうしたんです……ッ」
放った問いかけの最後で咄嗟にリーリャは息を呑んだ。臭いにやられたのだ。暗がりで良く見えなかったが、今の彼は何も纏っていない。鍛え上げられた肉体に宿る雄の強さを振りまき、そこに流れる汗が、余計にリーリャの中にいる雌を呼び起こした。
仄かに湯気が立つ身体から、今さっきまで彼が何をしていたのかは明白だった。
「俺は、まぁ、いつものだ。やりすぎて、ゼニスたちを気絶させてしまって、水を汲みに来た」
応えたリョウマの前にリーリャが立つ。気が付けばこんなにも近づいていたのか。彼という存在に引き寄せられ、夢見心地な気分になりながら歩いてしまっていた。
距離としては目と鼻の先で、少しでも前に進めば固くなった乳首がリョウマの胸元に触れそうだ。力をなくして半勃ちになっている肉棒にも目が行ってしまう。
「ふぅ~♡ ふぅん♡」
「っと、すまんな。こんな格好で。何かを履くべきだった」
「っ、い、いえ、ここはリョウマ様の家なんですから、そんな」
居候である自分を気にする必要などない。本来ならばここは、ゼニスとリョウマ、ギレーヌとエリナリーゼ四人が使う愛の巣なのだ。やめろというつもりもないし、身なりに気を付けて性行為をしてほしいなど、口が裂けても言えない。
(それに……♡)
視線が再び少しだけ下がる。今の今までゼニスの膣内を掻きまわしていたという肉棒。完全に硬くなっていないのに、そこから感じる熱は子宮を熱くし、漂う臭いは膣口を濡らした。剣の柄でも、指でも、パウロのそれでもない、リョウマの雄の象徴に、彼女は発情していた。
「きに、しないでください♡ リョウマさんの家なんですから、リョウマさんの好きにすればいいんです♡ 私も、こんなはしたない恰好をしているのですから♡」
声に甘さが乗り、一歩リョウマの方へと踏み出したリーリャ。シャツの隙間から大きくまろび出た乳肉が胸板に潰され、肉が乗った太腿に肉棒が当たる。
誘っていると思われても仕方のない淫靡なふるまい。事実、彼女はリョウマを誘っていた。
(ゼニスたち……そう言った♡ なら、彼と一緒にいるのは、私だけ♡)
熱い吐息がリョウマの肌を叩き、出された舌が乳首を舐める。男の乳首を舐めるなど、淑女の行いではないと理解しているが、今の彼女はただの雌だ。発情し、強い雄を求める雌なのだ。他の雌たちが意識を失っているのなら、彼を満たせるのは自分しかいない。
「ちゅ♡ ちゅる♡ れろぉ♡ んじゅ♡ んはぁ♡」
段々と硬さを取り戻していく肉棒にそっと触れると、今まで以上に子宮がズクン♡ と疼いた。これだと言っているような、これ以外にないと言っているような疼き。
この雄に奉仕せよと、彼女の侍女として持つ矜持が叫んでいる。
「この淫乱誘惑メイドにぃ♡ ご主人様のバキバキS級チンポの♡ お世話をさせてください♡」
言いながら跪いたリーリャは、三つ指をついて深々と頭を下げた。そのせいで尻が付き出され、膣口から愛液が零れる。せっかく掃除した床を濡らしたが、彼女にとっては優先順位が違った。
「……顔を上げろ」
少しの沈黙の後、顔を上げたリーリャが見たのは萎えた肉棒ではなく、懇願に応え逞しくそそり立つ肉の槍だった。臭いを嗅ぎ、近づけられただけで息が荒くなり、生唾で溺れそうになる。これが答えだ。彼は、リーリャの誘惑を受け入れた。
「ありがとうございます♡ 誠心誠意、ご主人様の性欲を発散させていただきます♡」
ご主人様呼びはエロい。間違いない。
読むなら誰を読みたい?
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ゼニス
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ギレーヌ
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エリナリーゼ
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リーリャ
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その他