※この作品はR-18です。

寝取られる黒狼の牙   作:ハルカ

7 / 9
とりあえず完結。

久方ぶりに呼んで未熟さを思い出せました。


四舞の雌神楽

 

「では♡ まずチンポさまにご奉仕を♡」

 

ギシリと床を鳴らしたリーリャがそそり立つリョウマの肉棒に手を添え、晴れ上がった亀頭に指を這わせた。鈴口から漂ってくる精液の残り香に頭をクラつかせながらも、淫らな笑みを浮かべた口でキスの雨を降らせる。

 

“ちゅ♡ はむ♡ ちゅぞ♡ れる♡ じゅずず♡ ぢゅるる♡ れろぉ♡“

 

「んはぁ♡ すごいあつい♡ これで、いったいどれだけの女を啼かせたんでしょう♡ れるれる♡」

 

舌を這わせ、啜っていけば段々と本気の硬さを取り戻していき、射精を我慢した汁が口を濡らす。生臭く、苦味を持った味が舌に乗ると、喉を通って体内に摂取される。これをゼニスたちは何十という回数飲み干したのだ。本番になれば、もっと濃いものが出てくるだろう。

 

“じゅぽ♡ ぢゅる♡ ずるる♡ ぬぽっ♡ ぢゅるるる♡“

 

「はぁ♡ つたない口マンコでもうしわけありません♡ こんどは、こちらでしつれいしまぁす♡」

 

膝立ちになったリーリャが硬くなった乳首にひっかかったシャツをはがすと、ゼニスに並ぶ巨乳がブルンッ♡と揺れる。ほんのりと熱くなった乳房に指をうずめて持ち上げると、両脇からリョウマの肉棒を挟んだ。手や口ではなく、性感帯に直接触れた熱さに身体が震え、包み切れなかった亀頭が顔を出し、唇を叩く。

咥えろと命令してくるのが、言われずとも理解できた。

 

“ずぷっ♡ ぬぷっ♡ ぬぷぷぷっ♡ ちゅず♡ じゅぽ♡“

 

「あは♡ チンポすてきです♡ わたしの乳マンコでびくびくして♡ ん♡ 精液のぼってきてますね♡ いいですよ♡ 出してしまってもいいんですよ♡ んきゅぅ♡」

 

乳肉を上下させながら肉棒を扱く。挟まれ、断続的な刺激を与えられるリョウマは、壁に寄りかかって息を漏らした。フェラチオでは足りず、手淫でも満足できないそれを、俗にいうパイ摺りで刺激してくるリーリャの笑みは美しく、暗がりでも彼を興奮させた。

亀頭が膨らみ、ビクビクと震えるが、どうやら射精するには足りないようだ。

 

“ぱんっぱんっ♡ ずちゅ♡ にゅちゅ♡ パンっ♡ パンっ♡”

 

「さきっぽ膨らんでますね♡ そろそろですか♡ 本気射精、くださるのですか♡ 私のような卑しいメイドに♡ あんっ♡ ご、めんなさい♡ 下等な雌が煽ったりしてごめんなさい♡ 受け止めます♡ ん♡ ぜんぶ、うけとめさせていただきますぅ♡」

「ッ、リーリャ……!」

 

エリナリーゼには届かない挑発だったが、射精を誘発するには十分だった。胸を揺らす手が鈴口を摩り、舌先でほじくる。彼女に性行為の経験は殆ど無い。だが、後宮で行われていた行為を目撃し、友人たちと耳年増になった経験だけはある。

肉棒が脈を打ち、赤くなった亀頭が最大まで膨らんだときが、その瞬間だということも、当然ながら知っていたのだ。

 

“びゅっ♡ びゅっ♡ びゅるるる♡ びゅくっ♡ どくっ♡ どくんっっ♡“

 

「んぷ♡ はぁん♡ すごい量ですね♡ それにすごく濃くて、あつい♡ れろぉ♡ ふふ♡ まだ硬いままです♡」

 

巨乳を越えて顔まで放たれた精液は重くのしかかり、熱く湯気を立たせる。指で掬い、口に含んだ精液を咀嚼する。噛み切れずに飲み込めば、子宮の疼きを抑えきれなくなってしまう。これ以上は良くしてくれたゼニスに悪いとも思うが、耐えきれるわけもない。

立ち上がり、机に手をつくと、足を肩幅に開いて尻を突き出す。見せつけられた膣穴からは愛液が止めどなく垂れ落ち、床に水たまりを作っていた。

 

「ふぅ……♡ ふぅ……♡ ご主人様ぁ♡ もし、ご満足いただけないようでしたら♡ どうぞこちらをお使いください♡」

 

左右に尻を振るリーリャは、尻たぶを開いて中を見せつける。ここならば先ほどよりもより大きな快楽を得ることが出来ると誘っているのだ。決定権の全てをリョウマに与え、自分は奉仕するための道具でしかないという従者の精神がにじみ出た誘惑。

指で膣穴を濡らし、尻肉を柔らかく歪めた姿に、リョウマは僅かに萎えた肉棒を復活させた。

 

「私のマンコを♡ ご主人様のチンポさまに屈服する気満々の♡ あん♡ 誘惑雑魚雌マンコを♡ んぅ♡ あなた専用だと分からせてください♡」

 

淫らな熱い吐息が交じり、とろけた瞳でされた懇願にリョウマは負けた。誘惑され、望まれれば応えてきたのが彼だ。リーリャの腰に手を乗せ、膣口に肉棒を宛がった次の瞬間、三人の美女に毎夜毎晩するように、力強く自らの腰を叩きつけた。

 

“ずちゅ♡ ずぷぷ♡ くちゅ♡ ずりゅ♡ どっちゅっん♡“

 

「は♡ あぁッ♡ ほぉッ♡ お゛っほ♡ んんんっ♡ お゛っ♡ おきぃ♡ こんなの♡ あ♡ し、らないぃ♡」

 

彼女が経験したのは、自分の指と、剣の柄と、不本意ながらパウロの物だけだ。粗末で、奥にまで届かず、膣内を圧迫もできないものばかりを相手にしてきたからか、リョウマの一突きは衝撃的だった。

カリの出っ張りが腟内の襞を抉り、引っかかった角度によって快感の強さが違う。

 

“ずりゅりゅ♡ どちゅっ♡ ぐりっ♡ ごちゅっ♡ ぐちゅ♡ ぎちゅ♡“

 

「お゙っ♡ あ゙あ゙っ♡ きたぁ♡ イ、きますぅ♡ はぁッ♡ んぐっ♡ひゃっ♡あっ、あっ、あッ♡」

 

もっともリーリャが感じる場所を見つけたようだ。ニヤリと笑みを浮かべたリョウマが重点的にその場所を突き、気を飛ばしてしまいそうなほどの快楽を与えてくる。だがそんなことはさせない。

膝が笑い、倒れてしまいそうな脚を抱えると、半開きになったリーリャの口に舌をねじ込む。

思えば、二人が唇を合わせるのは初めてだった。

 

「ちゅ♡ ちゅぱ♡ ちゅぷ♡ れろ♡ れろぉ♡ ぢゅぞぞ♡ んれぁ♡ だ、めです♡ ゼニス様に、悪いですぅ♡」

 

下の口で激しく交わっているというのに何を今さら、と思われるかもしれないが、彼女にとってキスという行為はそれだけ重いものだった。パウロに強姦された時も、それだけはと拒み続け、男性恐怖症になっていたのだから相手もいない。

そんな中でのキスが持つ比重は、きっと彼女にしか分からないほど重要なのだろう。

舌を絡め、啜り、歯茎をなぞる濃厚なキス。その初めてをリョウマにささげることが出来た。些細なことなのに、心が満たされていくのをリーリャは感じた。

 

“パン♡ パンパン♡ どちゅ♡ ごりゅ♡ パン♡ どちゅ♡ ぎりゅりゅ♡“

 

「あっ♡ はっ♡ あ゛ぁ♡ ご、しゅじんさまぁ♡ イグっ♡ んくっ♡ こしふり、上手すぎてえ♡ あぐっ♡ イっ、てしまいます♡ はっ♡ あぁん♡ 待ッ♡ んあっ♡」

 

膣内を押し上げ、自分の形にしようとする肉棒が膨らんでいくのが分かる。再びの射精が近づいているのだ。半身になった状態で太腿を抱えられたリーリャは、より一層舌を絡め、膣を出来る限り締め上げる。

乳肉だけではない。口内だけではない。自分の奥底にも精液を出してほしい。従者だというのに浅ましくねだる彼女を、リョウマは否定せずに突き上げる。

 

“びゅっ♡ びゅるるる♡ どくっ♡ びゅるっ♡ どぷっ♡ びゅる♡ どくんっ♡ ぐりぐり♡“

 

「ぁ、んふ♡ す、てき、です♡ ご主人様の……♡ チンポ……♡ まだっ♡ あつくって♡」

 

脈動する肉棒の熱さに蕩けながらも、彼の名前を呼ばない。いや、呼べないのだ。主従の関係から再び個人の関係へ戻ってしまえば、今度こそ不貞から眼を逸らすことが出来なくなる。

自分は性欲処理をするための備品であり、決して彼の女ではない。そう自分に言い聞かせて肉棒を引き抜こうとしたリーリャ。

 

しかし。

 

“どっちゅん♡ ぐりゅりゅ♡ ぐいっ♡“

 

「はぎゅっ♡ ご、しゅじ、んさまぁ♡ なにを♡」

「すこし、来てもらう」

 

肉棒を再び突かれたリーリャの身体が軽々と担がれ、駅弁と言われる体勢に変わる。彼女の体重が直接のしかかり、硬いままの肉棒が子宮を深く抉る。決して彼女の体重は軽くない。ギレーヌほどの筋肉は無いが、しっかりと鍛えられた体躯を持ち上げるリョウマの膂力は計り知れない。

 

そのまま歩き出し、階段を下りるのだからなおさらだ。

 

“ずちゅん♡ ばちゅん♡ ずちゅ♡ ぎちゅ♡“

 

「あ♡ あ♡ あ♡ つ、か、れてぇ♡ どこ、に♡」

 

二人分の体重がかかり階段が大きく軋む。名のある魔術師に作ってもらったとはいえ、壊れてしまわないか不安だ。と、意外と余裕そうな思考に思われるが、それもこれから向かう先のことを考えないようにしているだけである。

地下に部屋は二つしかない。一つは物置を再利用してつくられたリーリャの部屋。住み心地は高級宿レベルにまで達している。

 

そしてもう一つは、リョウマの、いや、リョウマたちの部屋だ。硬く閉ざされていたはずの扉が大口を開けて用意され、入ってくるのを待っている。

 

誰を? 決まっている。リョウマと、リーリャをだ。

 

「いらっしゃい♡ 今夜くらいだと思ったけど、ぴったりだったね♡」

「すごい声だったな♡ ここまで響いてたぞ♡」

「それでしたら私たちも同じですわ♡ 毎晩、よく耐えたものですわよ、リーリャさんは♡」

 

待ち構えていたのは、三人の雌だった。円形のベッドに腰を掛けた三人は、膣口から漏れた精液を舐め、運ばれてくるリーリャを眺めていた。これはいったい、どういう状況なのか。突かれ、動くだけで快楽に溺れてしまう今の彼女では、理解することは出来なかった。

 

「お゛ぉっ♡ こ、れはぁ♡ あ♡ っほふ♡ なに、が、はぁっ♡ はふ……♡」

 

ベッドに横たえられ、四つん這いになったリーリャに突き立てるリョウマ。彼に応える気配はない。だが元々いた三人はクスクスと笑みを浮かべてにじり寄ってくる。ゼニスは突かれるたびに揺れる乳肉を捏ねまわし、ギレーヌは明け透けにされた尻穴に指をかけ、エリナリーゼが耳に舌を這わせる。

 

“ぐりゅっ♡ ぐちゅ♡ パンパンパン♡ どちゅ♡ どちゅ♡ どっちゅん♡“

 

「わぁ♡ リーリャも、おっぱい気持ちいんだね♡ ちょっと揉んだだけでビクビクしてる♡」

「ひぅっ♡ あっ♡ 待って♡ やめ、て♡」

「こっちも中々だ♡ 弄ってないみたいだが、すぐにこしを浮かしてるぞ♡」

「おひっ♡ おし、りぃ♡ あきゅ♡ だ、めぇ♡」

「ちゅぞぞ♡ 耳もきもちいいでしょう♡ 音が響いて聞こえてきますものね♡」

「んきゅぅ♡ だめ♡ こ、んなの、イ、きゅぅ♡」

 

三人の雌に性感帯を弄繰り回され、滅茶苦茶に快感を与えられ絶頂しても、リョウマの肉棒も止まらなかった。もうコツを覚えたと言わんばかりにリーリャの子宮を責め立て、奥に奥にと先ほど出した精液を刷り込んでいく。貪り、食らわれる姿は、獣のソレに近かった。

 

「リョウマがあなたを連れてきた日にね♡ みんなで話したの♡ あなたも、堕としてしまおうって♡」

 

ゼニスが語るのは、薄れかける意識を覚醒させるのに十分すぎるほどの真実。身体を揺らしながらも顔を上げ、視線を向けた先にいたゼニスは、淫靡な笑みを浮かべて舌なめずりをしていた。乳首を弄り、胸部からの快感にリーリャが身もだえる。

 

「経験したのがパウロだけと聞いてな♡ あんなのが初めてなら男嫌いになるのも無理はない♡」

 

ギレーヌが繋ぐ。尻尾を揺らしながら尻穴に長い指を差し込み、ゆっくりと拡張していく。自分がそうされたことがあるからだろうか、十分な広さがどの程度か分かっているのだ。嬲り、腸液を垂らした指で、さらに奥へと突き刺していく。

 

「だからぁ♡ 教えて差し上げたかったんですのよ♡ 女を確実に堕とす絶倫チンポを♡」

 

耳を引っ張り、ちゅくり♡ と舌を這わせてくるエリナリーゼが囁いてくる。彼女特有の言葉責めに背筋へぞくぞくと快感が走り、電流のように全身を支配していく。啜り、嬲ったことによって音だけでも大きな快感になることを経験上しっている動きだ。

 

ここまで来てようやくリーリャは理解した。誘っていたのは自分ではない。誘われていたのはリョウマではない。誘っていたのは彼女たちで、誘われていたのはリーリャ自身だ。

毎日のように行われる激しい交尾も、部屋にリョウマがいる時しか入れないのも、リョウマが雄の臭いを隠さないのも、全てが彼女を雌に堕とすための布石だったのだ。

 

「そんな♡ そ、んなのって♡」

 

そんなことがあるのなら、そんな風にここに来た日々が調整されていたのだとしたら。

 

垂れた口元に笑みが浮かびあがり、困惑していたアメジストの瞳に淫靡な光が宿った。いや、今まで隠していたものが、堰を切って表に出てきたのだ。

 

「そうでしたならぁ♡ あん♡ 早くいってください♡ わたしは、始めから♡ んぎゅ♡ リョウマさんに、ご主人様にぃ♡ 堕としてほしかったんですからぁ♡」

 

自分からも腰を振り始めたリーリャに、リョウマの肉棒が締め上げられる。我慢しなくていいと聞いた瞬間の変わりようといったら、淫乱なメイドを体現したかのようだ。ならばリョウマも躊躇うことはしない。求められるならば、我慢しなくても良いのなら、満足させ、満足するだけだ。

 

“どぼびゅっっ♡ びゅるるる♡ どく、どく♡ どびゅびゅるるる♡ ぐりゅっ♡ ぐりぐり♡”

 

「はぁ♡ はぁっ♡ あっ♡ ぐりぐり♡ きもち、いいですぅ♡」

 

いつまでも身体を支配していた疼きは止むことは無いが、以前のようにどうしようもないわけではなくなった。彼がいる。彼がいてくれる。それならば、自分を満たしてくれる存在がいるのであれば、きっと自分は大丈夫だ。

 

ゴポリ♡ と漏れ出る濃い精液の温かさに身を委ねながら、リーリャは瞳を閉じて、久方ぶりの深い眠りについた。

 

     **********

 

「おいリーリャ、リーリャじゃないか!」

 

中央都市。珍しく近くの村ではなく、そんなところまで来ていたリーリャは、ふと自分を呼んでくる声に振り返ると、途端に顔を顰める。

出来ることならば、これから先の人生で二度と会いたくなかった顔があったからだ。

 

「パウロ……ですか」

「ああ、久しぶりだな! 元気だったか?」

 

どの口が言っているのか、と殴り倒してやりたくなったが、ここは公共の場だ。周りに見られて痴話げんかの類に見られても余計に気分が悪くなる。買い物袋を抱えなおしたリーリャは、極めて冷静な態度で話しかけてきたロクでなしに対応した。

 

「ええ。元気でしたとも。あなたに強姦されて、男性不信になっても何とか立ち直って、今では信頼できる方の侍女として仕えています」

「お、おう……そうなのか……」

 

いやぁ、あの時は俺も若かったから、などとボソボソ呟く姿を見てると、こんなにも小さい男だったかと首を傾げる。当時であれば圧倒的な力の差に怖れ、反抗することすらできず嬲られていた。だが、いまなら掴まれた瞬間に殴り返すだけの自信がある。

 

「ま、まあ元気そうでよかった。どうだ、久しぶりに酒でも」

「貴方とお酒を飲んだことはありませんし、いまは仕事中です。邪魔をしないでください」

「いいだろ仕事なんて、ちょっと飲んで、昔話に花でも咲かせようぜ」

「……話を聞かない人ですね」

 

一歩下がり、ギロリとパウロを睨みつける。本気の拒絶にたじろぎ、間抜けな声を漏らしながら伸ばした手を戻す。こんな男に自分は汚されたのかと思うと、腹が立って仕方がない。剣があったら抜いて突きつけているところだ。

 

「いいですか。私は話すことなんてないし、話したいとも思いません。強引に話を進めて、相手を思いやらず、自分語りしかしないから色々な人に愛想を尽かされるんです」

「な、そ、それは」

「第一、私を強姦したことを謝りましたか? そもそも悪いと思っているのですか? そちらにとっては若気の至りでも、私にとっては一生の傷になるかもしれなかったんです」

「だ、だけど」

「自分の過ちと向き合わず、正当化して相手のせいにする。いつまでも成長できない大人の典型ですね。よくそれで冒険者パーティーのリーダーなど出来たものです」

 

いや、出来なかったからこうなったのだ。言い返すことも出来ないパウロは、今にも剣に手を掛けそうなほど顔を真っ赤にして震えている。図星、正論、それらすべては時として、罵倒よりも人を怒らせるのだが、関係ない。

ふんっ、と鼻を鳴らしたリーリャは、再び視線をきつくして宣言する。

 

「私は謝罪などいりません。これ以上私の人生に関わらないでください。今の幸せな日々に、あなたみたいな人は必要ありません」

 

明確な拒絶の言葉にパウロは何も言わない。リーリャも、これ以上は何も言わなかった。襲い掛かってきても知ったことではない。全てが本心なのだから。

ドクドクと早鐘を打つ心臓を抑えながら待ち合わせの場所に向かう。するとそこには、太刀を腰に差したリョウマがいた。甲冑は無く、兜もマフラーもない。軽そうな服を着て、リーリャを待っていた。

 

「お待たせしました、リョウマさん。すこし手間取ってしまって」

「いや、いい。買えたのか?」

「はい。おかげさまで。これなら外の畑も良くなります」

 

彼女が買ったのは作物を育てるための肥料だった。最近になって畑を耕し始めたリーリャは、足りないものを買いたいと頼み、護衛としてリョウマについてきてもらっていたのだ。どうせならとゼニスたちからお使いを頼まれたせいで、荷物の量は予想外に多くなってしまった。

 

それを隣にいたリョウマが奪い取る。

 

「あ……」

「俺の物もあるからな。壊されるとかなわん」

 

ありがとうも、いけません、も言わせない早い返答。そう言われてしまったら文句を言うことは出来なかった。並んで歩く二人の姿はどう映ってるのだろう。

恋人か、主従か、はたまた夫婦か。

応えはすべて外れで、すべてが正解なのだ。

 

「あ、お帰りなさい二人とも。都市はどうだった?」

 

二人だけの帰り道は直ぐに終わる。家に着けばリーリャ以外にも三人の美女が待っているのだから、隙を突いて彼の隣に立つことも出来なかった。

いち早く迎えるゼニスの姿は正に正妻。完璧な淑女といって差し支えない。

 

「おい、酒はあるのか。頼んだだろう」

「ああ。だが飲みすぎだ。夜まで待て」

「あらあら、媚薬はどこですの? 私、頼みましたわよね?」

「誰が買うか。そもそも媚薬なんてものは動悸と発汗を誘発するだけの手品みたいなもので」

 

ギレーヌとエリナリーゼは別だ。まるで友人のように騒ぎ立てている。これが夜になれば淫らな雌になるというのだから、表向きな姿だけでは分からない。

ふと、リーリャがリョウマの袖を引っ張り耳打ちをする。

 

「そろそろ、お渡ししても良い頃合いかと」

「あ、ああ……そう、だな」

 

軽く咳払いをしたリョウマが三人に向き合う。緊張しているのか、変な汗を流しながら口を開閉していた。何が始まるのかとギレーヌはニヤニヤとし、エリナリーゼも楽しそうにわらう。ゼニスだけが、リョウマの体調を危惧して不安げだ。

 

「その、まぁ、なんだ。みんなに、これが渡したくて、だな。知り合いに作らせた」

 

出されたのは、一つ一つ綺麗に小箱へ入れてあった指輪だ。中にはそれぞれの名前が刻まれており、エンゲージリングの類だと分かる。

プロポーズか、と笑い飛ばしても良かった。だが誰もが真剣にそれを受け取り、抱きしめる。

 

「ありがとう……本当に、ありがとう、リョウマ」

 

心の底からの感謝は、ゼニスが代表して言葉にした。涙をこらえ抱き合う四人からリーリャが一歩下がる。ここには自分の居場所などない。自分は従者だ。その程度でいい。すると、リョウマにその腕を掴まれる。

 

「あ、えっと、リョウマさん?」

 

何を逃げているんだという行動に顔を上げれば、そこには彼女の分の指輪も用意されていた。彼の分を含めて合計で五つ。指輪など安いものでは無い。変に見られることもあっただろう。だが彼は、全員に指輪を渡したかったのだ。

輪の中に加わり、四人の美女が左手の薬指にそれぞれ指輪を着ける。

これで名実ともに、彼女たちはリョウマの女となり、雌となった。

様々な紆余曲折があったが、だとしても辿り着いたのは、この場所だ。

 

「「「「幸せに、してくださいね」」」」

 

重なった四人の言葉に、たった一人の彼は、初めて分かりやすい笑みを浮かべて頷いた。




そう言えばこの頃はハートマーク控えめだったなぁ

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