サーヴァントとマスターの垣根を越えて結ばれた二人の、日常の話。
同作をpixivにも投稿しています。

注意点
EXTRA(無印)、CCC、EXTRA漫画版を自分なりにいいとこ取りした世界観です。
聖杯戦争終結後の話です。
作中におけるオリ主は、無印基準の名無し男主人公です。

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R-18パートは2番のみです。それ以外はR-18要素のないパートになっています。


幾多の薔薇よりも貴方が居れば

1.

「余は悔しいぞ奏者よ! アレさえ倒せていれば、優勝は余達のものだったのだぞ!」

 マイルームに帰る道すがら、セイバーは本日三度目の痛恨の念を吐き出した。

 今回の聖杯戦争は、エネミープログラムを倒した数を競うバトルロイヤルルールで行われたのだが、その決勝戦の終わり際に事は起こった。残るエネミーを巡って同率一位の狐の耳と尻尾を持った妖術師と小競り合いをしている間に、赤い外套を纏った射手に最後のエネミー三体全てを同時に射抜かれてしまい、そこで試合終了。結果、三位だった射手の逆転を許し、自分達は同率二位で終わってしまったのだ。

 現在、SE.RA.PHにて行われている聖杯戦争は過去の物とは在り方が変わり、マスターとサーヴァントのありとあらゆる強さを競い合う場となった。勿論、“あの”聖杯戦争を倣った生きるか死ぬかの戦いではないし、一対一の決闘だけでなく様々なルールでの戦いも行うようになった。報酬も優勝だけでなく上位の成績を収めた組には賞金のPPTに加え、様々な副賞も与えられ、会場には観客も入るという、過去の物に比べればかなりお祭り色の強いものになった。無論、だからといって緩い雰囲気では決してなく、皆優勝の栄冠を目指し切磋琢磨し合っている。

 そして、自分のサーヴァントであるセイバーは当然そのような催しに黙っている大人しいサーヴァントではなく、出場資格の在る物には得手不得手関わらず片っ端から出場する日々が続いていた。

「しかし、あの二人は前回の戦いでは見なかったが、まだ見ぬ強者もまだまだ居るということよな……。あの赤いのがあれほど精密な弓の腕を持っていると知っていれば、あの狐の呪法が厄介だと知っていれば……」

 セイバーは決勝戦を振り返りながら腕を組み、むうと大きく唸る。得手不得手関わらず片っ端から、とはいえ彼女自身が多芸なこともあり自分達の総合成績はかなり高いのだが、数々のマスター達と競い合う聖杯戦争が一筋縄で勝てるはずもなく、優勝以外に甘んじることも珍しくない。今回が正にいい例だ。

 故に優勝への道のりの険しさは彼女もよく知っているので、ここまで不満を漏らすことはかなり珍しいことだった。目前に迫っていた優勝を鮮やかに頂かれたのがよっぽど悔しかったのだろう。とはいえ、彼女の口ぶりこそ不機嫌全開ではあるが、実際はそこまででもないのは分かっていた。

「む、何を笑っておるのだ奏者よ!」

 思わず表情を緩ませていたところをセイバーに突っ込まれる。どうやら優勝出来なかったことに不満気な様子を笑っていると思われたらしい。

 この日々が楽しいから、つい。と、笑った本当の理由を正直に伝えると、彼女は一瞬呆気にとられた後、うむ、と大きく頷いた。

「当然だ。何せ余と共に舞台に立ち、共に舞っているのだ。楽しくないわけがないであろう! 勿論、それは余も同じ想いだ。この日々が、ひたすらに愛おしい」

 まるで本当に舞台に立っているかのように、歩きながらくるくると回りつつ、セイバーは不遜に言う。しかし、同じ想いと続けた後半の声色はとても穏やかで、心からそう思ってくれているのだろう。

「それに、奏者とこうしていつまでも舞えるのであれば、敗北の味に胸を焦がすのも、うむ、時々なら悪くない。……いいか、時々、だからな! 次こそは必ず優勝するのだぞ!」

 そんな叱咤激励の言葉を聞きながら歩みを進めていると、やがて自分達のマイルームがある建物に着いた。

 現在の霊子虚構世界では、マイルームは以前のような学校の一教室ではない。それもそのはず、今自分達が住む世界の規模は学校なんかをはるかに超え、一つの国とほぼ変わらない。そうなれば当然マイルームはもはやマイホーム、家と変わらなかった。しかし、家屋のデータを店で購入するのはやはり非常に値段が高く、実際は何人ものマスターのマイルームがいくつも集まった、いわば集合住宅型が一般的だ。集合住宅といってもいわゆる大家は居らず、賃貸料金なんてものも無い。空いている部屋に登録申請をすれば即自分の部屋として使えるし、出て行くのも自由という非常にお手軽な物だ。

 中には自らの霊子ハッカーとしての技術で好みの外見の持ち家を零から建築した者、喧騒を離れ光速通販すら届くか怪しい所に居を構えた者もいるらしいが、自分達は月海原学園近くのアパートに住んでいる。

 アパートの階段を上って二階に上がってから廊下を奥へ進み、一番端の扉に端末をかざす。すると、僅かな音と共に扉が横にスライドして開き、自分達を迎えてくれた。

 無事我が家に帰ってきたところで、さてこれからどうしようか、とセイバーに問い掛ける。何を言うかは分かっているのだが、念の為に。しかし、やはり彼女はいつもと何も変わらない口調で、いつもの台詞を口にした。

「うむ、奏者よ。早速だが、湯浴みがしたい」

 

 マスターやサーヴァントの趣味嗜好、能力、コンビの在り方等々色々な要因でマイルームの内装は千差万別に変化するが、まず自分達が――主にセイバーが――真っ先に賞金の投資先に選んだのは浴室だった。

 浴槽は白い長方形という極めてシンプルなデザインで、大きさも二人で入っても手狭にならない程度とどこにでもありそうな物だった。だが、既存の物はどれも彼女は納得せず、セイバー直々に発注することになった。曰く、二人で入った時に絶妙な距離感になる調整が施されているらしい。

 しかし、そんな拘りの浴槽以外は案外普通で、洗い場を二人用に少し広げた以外はデフォルト設定から大きく変えてはいない。彼女の性格上、ひたすらに広く豪華絢爛な内装を好みそうではあるし覚悟もしていたのだが、自分と離れていた期間が長かったためしばらくはこのくらいの触れ合える広さがいいとのことだった。

 そう、この浴室は、自分達二人が一緒に入るための物。過去の聖杯戦争当時はとても一緒になんて入れなかったが、今や二人で隣り合って入浴するのが日課になっている。

「うむ、やはり湯浴みはいい。何より、そなたも一緒なのがいい」

 浴槽の中で隣り合うセイバーはしっとりと落ち着いた声で言いながら、傍らに二輪浮かべた赤い薔薇のうち、片方を掴んで指先で遊ぶ。この薔薇は携帯端末ワンタッチで出し入れ可能な電子模造花で、これも彼女の浴槽プロデュースの一つだ。

「しかし、一つつまらぬのは、そなたの反応よな」

 だが、セイバーはそう続けると、小さく溜め息を吐く。もしや知らず知らずのうちに冷たい態度を取っていたかと思い返したが、その記憶は無い。なので、何かしてしまったかと正直に聞いてみると、彼女は手に持った薔薇の花びらでこちらの頬を撫でた。

「以前はそなたも入らぬのかと誘っただけでこのように頬を染めて断っておったのに、今となってはとんとそんな様子は見せぬ。それだけがつまらぬ」

 先の文句の真意は、セイバーらしい無茶な可愛らしい我が儘。このパターンは本当に不満に思っているわけではなく、本人も理不尽だと分かった上での物言いなので流してもいいのだが、今回はこちらから仕掛けてやろうと思う。

 思い切って彼女の肩に手を回して、こちらにぎゅっと抱き寄せる。そして、今じゃないとこんなことは出来ないと言葉を返す。少し頬が熱くなったが、これは湯で血行がよくなっているだけだと自分に言い聞かせながら。

「……ふふ、確かにこのようなことは今のそなたにしか出来ぬな。そなたの困った顔が見たくて意地の悪いことを言ってみたのだが、どうやら甘かったようだ」

 決して早くは無いけれど、自分だって成長している。こんなやり取りでそんなことを言っていいのかは分からないがそう続けると、セイバーはこちらに寄りかかり、小さく頷いた。

「うむ、そうであったな。そなたの歩みは常に成長の連続であった。そんなことを失念し、過去を羨み今を憂うとは、つまらなくなったのは余の方だったらしい」

 セイバーは伏し目になると自嘲気味に笑う。ちょっとした意趣返しのつもりだったのだが、予想以上にしおらしくなってしまった。これはフォローした方がいいのだろうか慌てて思案するが、答えを出す前に彼女はむっとした顔をこちらに向けた。

「そなたは察しが悪い! 愛しい者が落ち込んでいる時は、こうして花でも差し出して『この花よりも君の方が美しい』とでも囁けば良いのだ!」

 セイバーは浮かべた薔薇を一輪摘んでこちらの顔に突き付けたかと思えば、やたら気障な台詞に合わせぽいと放り投げてしまう。いや、今の状況でその発言は普通出てこないと思う。

「まあよい。それこそ、そなたの成長に期待しよう。さて、湯浴みの途中であるが、此度の聖杯戦争のことだが……。何、再三繰り返した反省ではない。総括だ」

 セイバーは普段通りの口調に戻ると、体ごとこちらの方に向けて正面に構えた。

「今回の戦いは、優勝の杯を手にすることは叶わなかった。とはいえ、奏者はとてもよく働いた。だから、褒美をやらねばな。そ、それにだ、余もと~っても頑張ったのだ! だから、余も褒美が欲しい!」

 しかし、尊大な口調は長くはもたず、後半は甘えた声になっていた。こちらを上目遣いに覗き見る緑色の瞳はほんのりと熱っぽいが、湯浴みの所為だけではないことは分かっていた。

「そなたよ、楽しみにしておくぞ?」

 こちらに抱き着くようにセイバーは体を寄せると、口角を少し上げて、可愛らしい笑みを浮かべた。

 

 

 

2.

 二人揃っての湯浴みを終えた後、自分は下着のみを履いて脱衣所を跡にし、セイバーは髪を乾かすために脱衣所に残る。その間に自分はペアのコップと水差しを寝室に用意する。暫くするとセイバーが寝室に来るので、また二人の時間が始まる。というのが毎日の習慣だ。

 今日もそれは変わりなく、ベッド脇に置かれた小さなテーブルに準備を済ませてベッドに腰掛け注いだ水を飲んでいると、セイバーが寝室の扉を開けて入ってきた。その出で立ちはバスタオル一枚だけと、非常に扇情的な姿だ。

 浴室には彼女なりの拘りを見せていたセイバーだが、湯浴みを終えた後の服装には意外なほど頓着しない。というのも湯浴み後のセイバーはバスタオル一枚で暫く過ごすことも多く、時にはそのまま眠ってしまうことすらある。

 最も『余の肉体に見られて恥ずかしい場所など存在しない。むしろ、そなたにならばもっと見られてもよい』と豪語しているので、どんな格好でも美しく在れるという自らへの自信の表れなのだろう。今もそうだが髪はきちんと結んでいることからも、湯上りは気が緩んで美意識が低くなる、という訳では無さそうだ。

 セイバーがこちらに来るまでの間に彼女のコップに半分程度水を注ぎ、隣に腰を下ろして一息吐いたところでそれを手渡す。セイバーは小さく「すまぬな」と呟くとコップを受け取り、両手で持ってこくこくと静かに飲み始めた。可愛らしくもどこか色っぽいその姿を見ながら、自分も飲み掛けだった分を一気に呷る。

 程無くしてセイバーも飲み終わると、ふう、と一息ついて、コップをテーブルの上に置いた。そして、こちらに向き直ると、自身の右手を持ち上げる。

 その右手を下から持ち上げ、手の甲に口付けを落とす。続けて、次はセイバーの赤い唇に触れる程度のキスをする。この二つの口付けは、彼女と交わる前の恒例のキス。

 しかし、触れる程度のはずだったのだが、セイバーはこちらの後頭部に両手を回して抱き寄せ、熱烈なキスを返してくる。実際は、ここまでが恒例と言った方が正しいかも知れない。

 十秒に届くかどうかくらいでセイバーはゆっくりと唇を離すと、小さく口角を上げてふふっと笑い、自らの身を包む布をはらりと解く。

 自身の体を覆っていたバスタオルをヘッドボードに掛け、生まれたままの姿を晒すセイバー。透き通るような白い肌は勿論のこと、小柄ながら乳房は豊かに実り、中央では小さな突起とその周辺が淡紅色に染まっている。腰は細すぎない程度にきゅっと締まり、股を緩く閉じて座る脚はすらりと伸びている。自身の体を至高の芸術とセイバーは評するが、決して過大評価ではないだろう。

「……見ているだけで満足なのか? 私は既に待ち焦がれ、火照っているというのに」

 そんな美しい体にしばし見惚れていると、セイバーは不満気に口を尖らせる。

 つい、セイバーの体に見惚れていた。と正直に今の気持ちを伝えると、彼女はふふんと自慢気に笑う。

「なんと、思わず手を止めるほどとは私も罪作りよな。しかし、私はそなただけのもの。何度見惚れても構わぬからたっぷりと時間を掛けて、五感、いや、なんなら六感まで全て使って存分に味わうがよい」

 自らの胸の前に手をかざし、自信満々な得意顔を隠しもしないセイバー。彼女がそこまで言ってくれるのであればその言葉どおり――六感はともかく――、五感全てで彼女を味わわなければ不敬というものだろう。

 ならば早速と、セイバーの呼吸に合わせ微かに動く乳房を、それぞれ両手でやんわりと掴む。

「……んっ、そうだ。もっと触れて、私の熱を感じて欲しい。そなたの熱を感じさせて欲しい」

 セイバーは乳房を覆う手の平に自らの手を重ね、そう呟く。求められるままに指に力を加えると、柔肉はその通りに指を沈ませつつ確かな弾力を返す。

「んっ、はぁっ……、ぅん……」

 そのまま二回、三回と乳房を揉むと、次第にセイバーの口から漏れる声と息には色が付き、少しずつ昂っているのが分かる。

 彼女の小さな手では勿論、自分の手でも少し持て余してしまう乳肉を好き勝手に揉み、柔らかさを堪能する。

 十二分に揉み解したところで乳房を下から持ち上げるように掴み、親指と人差し指の二本の指にきゅっと力を込めて乳房に指を沈ませる。そうして、その間に位置していた膨らみつつある乳首と鮮やかに色付いた乳輪をぷくりと浮かび上がらせた後、それに口を寄せて迷いなく咥え込んだ。

「あぁんっ、く、ぁっ……」

 周りの乳輪ごと蕾を吸い、舌先で乳頭をころころと弄ぶ。舌での愛撫に乳首が大きく膨らめば、またちゅうちゅうと吸い、口内で刺激し続ける。

「まるで乳飲み子のように熱心に……。本当にそなたは私の胸が好きだな」

 苦笑交じりの彼女の言葉に、存分に味わえと言ったのはセイバーだ。と返しつつ、言われたとおり赤子の如く乳を吸ってはもう片方の乳房にも口を伸ばし、両方を交互に責める。空いている方は手による愛撫を再開し、唾液で滑りの良くなった乳肌を入念に捏ね回す。

「あぁっ! く、ふあぁっ!」

 高まる性感を隠しもせずに大きく声を上げ、快楽を伝えてくれることを嬉しく思いながら、手を腹、腰と下方に滑らせて、脚の付け根に位置する割れ目に触れる。すると、ぬるりとした熱い液体が指に絡みついてきた。予想通り、こちらも既に頃合いのようだ。

「んんっ! ふっ、あっ……」

 胸から口を手を離した際に物欲しげな声が漏れたが、胸愛撫を止めたのは次なる行為のためと分かっているから、セイバーもそれを糾弾することはない。

 セイバーに目線を送ってから彼女の体を抱きすくめて、そのまま前方にそっと倒れると、彼女も何一つ抵抗せずにベッドに身を預けた。

「さて、私を押し倒して、次は何をしてくれるのだ?」

 答えは知っているだろうに楽しげに聞いてくるセイバーの頬を軽く撫でて無言の返事をして、体を離し居住まいを正す。そして、秘部を隠すように閉じられた脚に手を掛け、開脚させる。

 それにより眼前に曝される、一切の毛が生えていない滑らかな彼女の秘部。大陰唇は透き通るような白い素肌と殆ど変りなく、その間では赤く色付き始めた陰唇と僅かに顔を覗かせる小さな陰核がとろりとした蜜に濡れ、薄い桃色をぬらぬらと輝かせていた。

 そんな見る者全てを魅了する美しい光景に誘われるまま、両手を脚の根本へ向けて滑らせつつ前屈みに体勢を変え、左右の陰唇に親指を添えて大きく開く。

 ぬちゃあ、と粘ついた水音と共に一対の花びらが割り開かれ、小さな膣穴が露わになる。ぱくぱくと収縮を繰り返す膣口からは淫らな涎がとろり、とろりと零れ落ちていた。

「むう……、確かに時間をかけてとは言ったが、そんなに見るでない……」

 恥ずかしげに言うセイバーにここも綺麗だからと伝えると、可愛らしく唸ってふいとそっぽを向いてしまった。

 性器から漂う雄を誘う雌の匂いは湯浴みを終えていようとも消しきれず、その芳香に股間の疼きが一段と強くなる。

 赤く色付き、蜜に溢れ、惹き込まれる香りを放つ秘部はどんな果実よりも甘く熟して見え、それを好き勝手に貪ってしまいたいという欲望が一気に込み上げる。その欲に抗うことはせず、躊躇なく彼女の膣穴へ舌を伸ばす。

「ふあぁっ! くぅんっ、あっ、んっ!」

 舌と膣穴、粘膜同士が触れ合った瞬間にセイバーは腰をびくんと跳ねさせ、大きく喘ぐ。膣穴周辺を舌先でちろちろと解し、奥から湧き出る蜜ごと夢中で舐め続ける。

 苦いような、甘酸っぱいような蜜は次々にとろとろと溢れ、どれだけ舐め取っても枯れることはない。しかしそれでも己の体と脳はまだ足りないと更なる蜜を求め、一際敏感な陰核を舌でつついた。

「くぅん! ふあっ、あんっ!」

 つつかれる度に大きく腰を跳ねさせ、子犬のような可愛らしい声を上げることにも厭わず陰核と膣穴を交互に責め続ける。もはやセイバーの秘部は自分の唾液と彼女の愛液の混合液でびしょびしょに濡れてしまっていた。

 敏感な箇所を絶え間なく舐められる快感にセイバーの手はシーツをぎゅっと掴み、腰はがくがくと揺れて、無意識なのか脚を閉じようとする。だが、陰唇を開いた両手でしっかりと抑えているので閉じることは叶わず、そのまま舌愛撫をし続ける。

「あっ、もうっ、あぁん! あっ、あああぁっ!」

 そして、クリトリスを舌でつついた瞬間、セイバーは大きく声を張り上げると体をきゅうと縮こまさせる。抑えていた脚と腰はしばし小さく律動させていたがやがてくたりと脱力し、眼前の膣穴の奥からは白く濁った愛液がどろりと溢れ出る。どうやら、彼女が絶頂を迎えたことは間違いないだろう。

 分かってはいても、気持ちよくなってくれたかを尋ねると、セイバーは荒い呼吸の間を縫いながら、返事をした。

「ああ、とても、気持ちよかった……。よかったが、やりすぎだぞ……」

 セイバーは息を整えつつ、こちらに右手を伸ばす。その手を取ると、彼女は体を起こしてぺたりと座り、やれやれと息を吐く。

「あれほど執拗に貪るとは、そなたは本当に羊の皮を被った狼よな……。しかし、やられっぱなしは性に合わぬ。そなたよ、そこに腰を下ろすのだ! 無論、脚を閉じてはならぬぞ!」

 すっかり調子を持ち直したセイバーに促されるまま、彼女の指差した箇所に言われたまま腰を下ろす。そうして、既にがちがちに勃起した陰茎をセイバーの前に曝け出すと、彼女は腹這いに寝転び、肉棒の前に構えてにやりと笑う。

「次はこちらの番だ。覚悟するがよい! ふふ、涎が出ておるぞ。待ちきれないのか?」

 セイバーは鈴口からぷくりと溢れた先走り汁を指先で弄び、亀頭に塗り付けて手のひらですりすりと撫でる。

 たったそれだけの刺激でも思わず声が漏れてしまい、それを聞いた彼女は嗜虐的な笑みを見せた。これは調子に乗って責め過ぎたかな、なんてことを考えていると、セイバーは左手を根元に添えて固定し、右手では感触や大きさを確かめるかの如く軽くさすり始める。

「いいか、すぐに射精してはならぬぞ? 我慢するのだ」

 柔らかな手で陰茎を緩く扱きながらの言葉に、善処する旨を伝える。

「うむ。私がよいと言うまで、出来る限り耐えてみよ。すぐに出してしまうよりも、その方が気持ちいいであろうしな」

 そんなことを提案しつつもセイバーは我慢させる気などさらさら無いらしく、射精を促す動作を止めることはしない。彼女の緑の瞳は、新しい玩具を買って貰った童子を思わせるほどに楽しみの色に輝いていて、どうやって自分を責めてやろうかと考えているに違いない。

「では、始めるぞ?」

 そう言うが早いか、セイバーは竿を少し横に傾けて側面にかぷりと噛みついた。但し、噛みつくといっても歯ではなく柔らかくぷるりとした唇によるもので、そのままはむはむと甘噛みを続ける。当然その間も手での奉仕は止まっておらず、今は陰嚢を指先ですりすりと撫でられていた。

「んっ、む、はぁっ……」

 セイバーは何度目かの甘噛みを終えて口を離す。だがすぐに口を開けると赤い舌を伸ばし、先程まで噛んでいたところに舌を這わせていく。ぬるついた生暖かい粘膜が触れたことで陰茎がびくんと跳ねてしまうが、彼女はそれにも構わず舐め続ける。更に舌先でカリ首と茎の境目をなぞり、傘の下に沿って舌を這わせ、少しずつ、少しずつ外周を回っていく。そうして一頻り片面を舐め終えると次は反対側に移り、また唇での甘噛みを始める。

 決して激しくはない。しかし、絶え間なく続く快感に確実に昂られ、鈴口からは透明な汁が一層溢れてしまう。

 セイバーはもう片側も甘噛みと舌による奉仕を終えると手の方も中断し、ペニスの正面に構え直して口を大きく開く。そして、亀頭を躊躇なくぱくりと咥え、そのままゆっくりと肉棒を飲み込んでいく。

「ん、んぅっ、じゅ、ぷっ……」

 肉幹の根本に向かって唇を滑らせながら口内に陰茎を収めていき、幹の中ほどに差し掛かったところで一旦動きを止める。しかし、すぐさま頭を前後に動かして口腔全てで男根を扱き、彼女の唾液と自分の我慢汁の混合液がじゅぽじゅぽと卑猥な水音を奏で始める。同時に温かくぬるつく口内では亀頭を優しく包まれ、裏筋はざらついた舌で撫でられと、下半身を多大な快感が駆け巡る。

 セイバーの口奉仕に射精欲を無遠慮に押し上げられ、このまま彼女の口内に射精してしまいたい、絶頂してしまいたいと脳が叫ぶが、先の我慢せよという命を守るべくそれを何とか抑え込んでひたすらに耐える。

 だが、そんな葛藤を知ってか知らずかセイバーはこちらの腰に両手を回して抱き付くように体を寄せ、肉棒を根本まで一気に呑み込んだ。突然の深いストロークに急速に射精欲が込み上げるが歯を食いしばってどうにか耐え切ると、セイバーは顔と口を大きく引き上げて、ぷはっと息を吐いてペニスから口を離した。

「むう、まだ射精しないとは随分と耐えるではないか。うむうむ、先の言いつけをちゃんと守るとは、私は嬉しいぞ」

 労いの言葉と共に亀頭を手のひらで包み込み、よしよしと撫でるセイバー。射精寸前まで高められた性感にはそれすらも危ういが、褒賞を止めるのは野暮と遮ることはしない。やがて彼女が亀頭を解放したところでやっと一息吐き、ここまで来たのならセイバーがいいと言うまで頑張る意思を表明した。

「うむ、よくぞ言った! ならばどこまで耐えられるか、見せてもらうぞ?」

 自らの胸をぐいっと持ち上げ、よく実った乳房を誇示するセイバー。恐らく、これから行われる奉仕は自分の想像と相違ないだろう。

「これだけ濡れていれば、準備は要らぬな」

 セイバーは乳房を左右に広げて隙間を作ると、唾液と我慢汁に塗れた肉棒を両脇からぎゅうと挟み込む。

「ふふっ、そなたよ。我慢しているが故なのは分かるが、これほど大きく膨らんでは、全ては包めぬぞ?」

 にやにやと意地悪く笑いながら彼女はぎゅっ、ぎゅっと繰り返し乳房を寄せ、押された柔肉はペニスの硬さを示すようにむにゅりと形を変えつつも、抜群の弾力を返してくる。ハリのある胸の谷間で陰茎を押し合っているだけでも十二分に気持ちよく、気を張り詰めなければあっという間に射精してしまうだろう。

「びくびくと震えているな……。まだ始まったばかりなのだから、もう少し頑張るのだ」

 セイバーは嗜虐的な笑みを見せつつ言うと、肉幹を挟む力を少し緩める。気遣いの小休止か、と緊張の糸を緩めた瞬間、それを見計らっていたのかすぐさま男根を潰してしまうほどに強い圧を加えてきた。

 不意の責めによる快感が下半身を襲い、抑えていた射精欲が再び顔を出す。だが、意地でそれも堪えると、セイバーは感心の声を上げた。

「おお、正直これで出してしまうと思っていたが、先の言葉に偽りは無さそうだ。では、ここからが本番だぞ?」

 彼女は意地の悪い奉仕に悪びれもなく楽しげに笑うと、そう宣言して再び乳房を押さえる力を少し緩める。だが、それは先のようなことを繰り返す為でなく、彼女の言う『本番』の為だろう。

 セイバーは強すぎず弱すぎずの程よい加減で改めてペニスを包むと、乳肉を上下に揺らして谷間で肉棒をこすり始める。先程までの挟むだけとは違う、本格的な乳奉仕が開始されたことで、自分も気合を入れ直す。

 柔らかくも弾力のある、みっちりと詰まった柔肉がたぷたぷと弾み、射精を促そうと陰茎を扱く。元来のきめ細かな乳肌が潤滑油で更に滑らかになっている上、両側からの圧迫によって肉棒に吸い付いてくるのだからたまらない。

「蕩けた顔をしおって……。胸でされるのがそんなに気持ちいいのか?」

 よほど腑抜けた顔をしていたのか、こちらの顔を見て呆れ顔で言うセイバー。だがその表情も声色も柔らかく、どことなく嬉しそうにも聞こえた。

 なので、肯定の返事と共にセイバーの胸を褒め、続けて奉仕技術も素晴らしいと文言を追加すると、彼女の顔がぱっと明るくなる。

「当然だ! そなたがどう責められるのが好きか、どこが気持ちいいのか、全て把握済みだからな! うむ、先程本番と言ったが訂正しよう。ここからが真の本番だ!」

 褒められたセイバーの喜びようは予想以上で、彼女の後ろで大きく燃え上るやる気の炎を幻視するほどだった。出来るだけ我慢するという約束を考えれば先の賛辞は正に火に油だったが、これほど喜んでくれるのであればそんなことは些細なものだ。それに、更なる奉仕を期待している自分がいるのもまた事実だった。

 張り切るセイバーは止まってしまっていた手を再び動かし、乳房での奉仕を再開する。

まずは今までと同じく両の乳肌で陰茎を扱き、次は乳肉を互い違いに上下させて男根を谷間で捏ね始める。加えて谷間に唾液を垂らすとそれを刷り込ませるように肉棒を捏ね回し、十分に行き渡ればまた両乳房のタイミングを揃えて扱きと、変化を付けて快感を刻み込んでくる。

「そなたはこうして交互に責められるのが好きであろう? それと、こうされるのもだな」

 そう言うとセイバーはペニスの根本を強めに圧迫し、上半身ごと体を動かして精液を絞り上げるように亀頭まで擦り上げていく。そして、亀頭に辿り着けばまた根本に戻ってと長いストロークでの奉仕を繰り返す。

 時には亀頭まで辿り着いてもすぐには戻らず、鈴口から溢れた我慢汁を谷間で亀頭ごとにちゃにちゃと捏ねる。

 丹念な乳愛撫で責められ続けて我慢に我慢を重ねていた欲望は既に決壊寸前で、彼女の乳房がもうひと往復したところで、肉体も精神も遂に降参の白旗を上げた。

 もう、限界だ。声を振り絞って何とかそれをセイバーに伝えると、彼女は手を休めないまま口を開いた。

「限界か? うむ、そなたはよく頑張った。そなたの好きな時に、好きなだけ出すがよいぞ」

 彼女はここまで耐えたことへの称賛と、待ちに待った射精の許可を出すと、上目遣いで柔和な笑みを向ける。暖かく抱擁されるかのような笑顔に張り詰めていた精神は完全に陥落し、全身を巡る快感に身を任せて思い切り精を吐き出した。

「ん、んっ、そなたのが、私の胸の中でびくびくと跳ねて……」

 放精をしている間もセイバーは緩やかなパイズリをし続ける。それは更に精を絞る行動ではなく、ここまで我慢したことを労る優しいものだった。これまで耐えた分の全てを取り返すほどに長い射精が終わる頃には彼女の谷間は白く染まり、大量の白濁に溢れかえっていた。

「随分出したな……。見よ、胸がそなたので真っ白だ」

 セイバーは両乳房を抑えたまま陰茎を引き抜くと、乳肉を左右に広げて改めて自らの吐き出した精液を見せつける。彼女の美しい肌に、豊かな乳房に欲望の塊がべったりと張り付き、互いに糸を引き合う光景は非常に淫靡で、同時に征服欲を強烈に刺激してくる。しかし、それ以上に汚したままにしておくことを悪く思い、枕元のティッシュで精液を拭き取ってやる。霊子の世界でも便利なものは便利だ。

「む、もう拭いてしまうのか? では、私もそなたのを綺麗にしてやらねばな。私の言い付けを守り、我慢した褒美だ」

 セイバーは未だに精液が付いた男根を一息に咥え込むと、亀頭、カリ首、幹と丹念に舌を這わせ、白濁を舐めとっていく。そして、最後に鈴口にキスをすると、尿道の中の精液まで吸い上げる。

「ちゅっ、んっ……。ふふ、まだこれだけ残っていたぞ」

 あーんと口を開けて舐めとり吸い上げた精液を見せ付けると、それをこくりと飲み込んだ。

「んむ……。これくらいであればそつなく飲めるのだがな……。まあ、いずれはそなたが胸に出したくらいの量も容易になろう。その時を楽しみに待つがよい」

 やり切った顔でうんうんと頷くセイバー。全く嫌がることなく飲精を行っているが、彼女と初めて行為に及んだ時から、彼女はずっとこうして飲精を行ってくれていた。

 最初はまさか飲むことまでするとは思っておらず、慌てて、気持ちはとても嬉しいが決して無理はしなくてもいいと伝えた。しかし、『そなたが生きている証を、そなたからの愛の全てを、私は受け入れたいのだ』という、自分の持つ全てを独占したいという貪欲さと、それ以上に自分の全てを認め包み込む包容力の篭った返事と、その時の穏やかな笑顔は、ずっと忘れないだろう。

「さて、それはそれとして。まだまだ打ち止めではなかろう?」

 少し昔を思い出していると、セイバーは射精を終えたばかりの肉棒に手を添えて言う。体力に余裕があろうと本来ならば射精後はいくらか萎えてしまうものだが、セイバーの口腔による淫らな掃除でペニスは既に硬さを取り戻していて、彼女の手の中でびくびくと脈打っている。

 セイバーの期待する言葉に頷きを返すと、彼女は体を一度起こして座り直すとそのまま後ろにぱたりと倒れ、ベッドに体を預けて自ら脚を開く。

 見せつけるように開かれた無毛の恥部は愛液でしとどに濡れそぼり、赤く色付いた二枚の花弁は既に開き始めていて、膣口が僅かに姿を覗かせる。それを更にセイバーは両手の人差し指と中指を陰唇の左右に指を掛けて、大きく広げる。

 全てを曝け出された秘部の奥では、小さな膣口が物欲しそうに開閉を繰り返してとろりとした涎を溢れさせながら、ここに収まるものを待ち望んでいた。

 準備万端の性器を前にして一気に高まる欲望と、これから始まる行為への期待に思わず生唾を飲み込む。逸る気持ちを抑えつつ開いた両脚の中央へ体を構え、左手はセイバーの腰を掴み、右手は分身の根元に手を掛けて、膣口に亀頭を宛がう。

「そなたのは熱いな……。まるで炎のようだ」

 セイバーのも同じくらい熱いと返すと、彼女は一緒だな、と口角を少し上げ、それに釣られて自分も笑う。

 二人して静かに笑い合っていると、セイバーの右手が腰を掴む左手に伸びてきて、手を重ねると僅かに頷いた。

 それに自分も頷きだけで答えてゆっくりと腰を突き入れると、ぱくぱくとひくついていた膣口が、ぷちゅりと歓喜の水音を上げた。

「あ、あぁっ、んっ」

 入り口は侵入を拒むかの如く狭くきついが、一度中へ入ればとろとろの膣肉がすぐさま絡みついて陰茎を歓迎する。肉幹が半分も埋没する頃には膣口もすっかり馴染み、殆ど抵抗なく異物を呑み込んでいく。

 柔肉を割り開きながら腰を押し進めていくとやがて亀頭は最奥の行き止まりに辿り着き、そこで一旦腰を止めた。

「ん、あ、ふあっ……。ふふっ、全部、入ったな……。私の一番奥まで、そなたのでいっぱいになっているぞ……」

 セイバーは己の膣を満たす肉塊を下腹部越しにすりすりと撫でさすると、色っぽい吐息を吐いて体をぶるりと小さく震わせる。

 ペニスの根本から亀頭の先端まで全てを咥え込んだ膣内では肉襞が異物を柔く締め付け、動かずとも僅かな脈動だけで甘い痺れが全身を走る。

 しばしの間、腰同士を密着させたまま彼女の膣内の温かさと感触を堪能していると、セイバーはもどかしそうな声で口を尖らせた。

「そ、そなたよ、意地が悪いぞ。もしもこのまま動かぬつもりなら、今すぐ私が上になるぞ?」

 あまりに何もしないものだから、焦らしていると思われたのだろう。攻守交代を提案するセイバーに、膣内の気持ちよさに思わず浸ってしまったと正直に伝えると、彼女は顔に不満を残しながらも、少し頬を和らげた。

「むう……。それならば、よい。不問とする。だが、私のここはずっと疼いていて、もう待ち切れんのだ……」

 下腹部をさすりながら蕩けた声でねだるセイバー。それなら早速と両手で彼女の細く引き締まった腰をしっかりと掴み、動くよ、と声を掛けると、こちらの腕に添えられた彼女の手の力も僅かに強くなった。

「んっ、はっ、あ、はあぁっ……」

 陰茎に纏わりつく膣肉を、幹とカリ首の両方で反り上げながらゆっくりと腰を引く。それは遅々とした動きながら確実に互いの性感帯を刺激し、セイバーは鼻にかかった切なげな吐息を零しては体を小さく揺らす。方や自分は、肉棒から伝わる快感に身を震わせながらも引き抜いていく。

 ペニスの半分ほどまで抜いたところで、再び同じくらいの速度で腰を押し込む。今し方まで分身が収まっていた膣内をにちにちと割り開きながら最奥を目指し、子宮の入り口を優しく叩く。そして、次はさっきよりも早い速度で、長いストロークで腰を引き、また突き込む。

「あ、あっ、んっ、そなたのがっ、私の中を、あんっ、掻き回してっ……!」

 そうして緩い抽送から徐々にペースを上げていき、やがて膣の入口から最奥までを突き上げる本格的なピストン運動を開始する。その動きに合わせて彼女の口からは甘い喘ぎがリズムよく溢れ、互いの腰同士がぶつかる度に部屋に響く弾けるような乾いた音を官能的に彩っていた。

「あっ、んっ、そんな、浅いところばかり、ああぁっ! くぅんっ!」

 時には速度を落として同じ箇所を何度も短く往復し、時にはがむしゃらに腰を振りたくって荒々しく蜜壺を捏ね回す。責め方を変える度にセイバーは体をびくびくと跳ねさせるほどに大きく反応し、膣肉をきゅうきゅうと収縮させて肉棒を食い締め、精液を絞ろうと脈動する。それが更にこちらの欲望を昂らせ、彼女を貫く動きに一層熱が入る。

「はぁんっ! 奥っ、もっと突いてっ、あぁっ、ふあぁっ!」

 特に子宮口を執拗に責めると、セイバーはシーツをぎゅっと掴んでかぶりを振るほどに乱れる姿を見せ、膣肉の締まりが一段と強くなった。

 そうやってお互いに性感を与え合い、高め合っていると、緑の瞳の端に涙を潤ませたセイバーが息を切らせながらに尋ねてきた。

「どうっ、だっ? んっ、あっ、私の、中はっ? 気持ち、いいか?」

 その質問に湧き上がる射精欲を抑えつつも腰を止めないまま、当然だと、これ以上無いくらいだと答えると、彼女は快感によって少し崩れた笑顔を見せる。

 そんな彼女に次はこちらから、同じ質問を仕返す。自分との行為で、気持ちよくなってくれているか、と。

 すると、セイバーはこちらの顔に両手を伸ばすと頬を掴み、彼女の顔と体から目を離さないように視線を固定される。

「今の私を見れば、いくら鈍感なそなたでも察しがつこう。そなたが私の膣を掻き回す度に、子宮まで貫く度に、体は喜びに震えてはしたない声が漏れ、心は暖かなもので満たされてそなたの声を聞きたくて仕方なくなってしまう。……これ以上の言葉は、野暮であろう?」

 そして、営みの最中とは思えないほどに穏やかな微笑みを浮かべながら囁くと、こちらの頬を掴んでいた手で、そのまま頬を優しく撫でられる。

 はっきりと気持ちいいと言うよりもずっと恥ずかしく、同時にこれでもかというほど彼女の想いが伝わってくる台詞を言われ、気が付いた時にはセイバーに覆い被さり、その唇を奪っていた。

「んんっ! ふっ、んぅ、んむっ、くちゅっ……」

 突然の口付けに彼女も最初は驚いた様子だったが、すぐに順応すると向こうからこちらの口内に舌を伸ばしてきたのでそれに応え、舌同士を絡ませて愛撫しあう。

 互いに相手から与えられる快感がどれほどのものかを伝え合うやり取りは体だけでなく心まで繋がりあっていると実感させ、目の前の彼女を愛しく想う気持ちが止めどなく溢れてくる。

 このままいつまでも、永遠に繋がり合っていたい。だがそれと同時に、彼女の最奥に全てを注ぎ込みたいと、白黒する脳が叫んでいた。

 まるで灼熱のように体を巡る熱い快感に思考を溶かしながら、限界が差し迫っているとセイバーに伝えると、彼女も息を切らしながら返事をする。

「そうかっ、好きなだけ、射精するがよいっ! 私も、もうイクからっ、そなたの愛を、全て、私の中にっ……」

 セイバーは子宮への射精をせがむ言葉と共に両腕をこちらの肩に、脚を腰に絡ませ、離れないようにぎゅっとしがみ付いてくる。

 膣内射精を求めるその行為に応えるため、彼女に全ての愛を注ぐため、脚で抑えられながらも可能な限り腰を引いて、最奥に打ち付けた。

「あっ、あん、イクっ、あ、あああぁっ!」

 その突き込みは二人を同時に絶頂へ押し上げ、今日一番の嬌声を上げて全身を震わせる彼女の子宮へ向け、自分はただひらすらに精液をどくどくと送り込む。本日二度目の射精ながらその勢いはさして衰えておらず、陰茎の脈動に任せるまま、胎内を白濁で染め上げていく。

「んっ、そなたのがたくさん、入って……、あぁ、んっ……」

 セイバーの膣内もそれを望むように収縮を繰り返し、子宮内に精液が継ぎ足される度に彼女は小さな喘ぎを漏らし、ぴくん、ぴくんと体を律動させる。

 やがて吐精が終わりを迎えるが、セイバーは手も脚も離すことはなく、むしろ更にこちらの体を抱き寄せると、耳元で囁いた。

「もう少しだけ、このまま……。そなたの熱を、感じていたい……」

 そんな可愛らしい我が儘に頭を撫でて了承を返し、彼女に求められるまま、永く抱き締め合っていた。

 

 

 

3.

「む、奏者よ。ムーンセルからメールが届いているぞ」

 営みを終えた後、ベッドに体を預けて気怠さに微睡んでいると、傍らのセイバーがそう呟いた。

 早速端末に手を伸ばして確認すると、今日の聖杯戦争の賞金と副賞が添付されたメールがムーンセルから届いていた。

「そうか! では、早速着なければなるまい!」

 そのことをセイバーに伝えると、彼女はほぼ裸の姿のまま元気よく飛び起きる。そして、あれよあれよという間に寝室から追い出されてしまった。

「覗いてはならぬぞ?」

 ドアの隙間から悪戯っぽい笑顔を覗かせるセイバーにはいはいと返事をする。

 彼女の、着てみる、という言葉が示すように、今回の副賞はマスターとサーヴァント用の服、それも、普通の服ではない。水着だ。

 どうやら以前の聖杯戦争の舞台だった月海原学園のモデルになった国が、現実世界では夏真っ盛りの海水浴シーズンだから、ということらしい。一般的な水着データ自体はマスター用もサーヴァント用も購入出来るのだが、この水着は聖杯戦争の副賞というだけあって、勝ち抜いたペアの外見や人柄に合わせたムーンセル直々の限定モデルなのだ。そんなレアな一品にセイバーが興味を示さないはずが無く、此度の聖杯戦争に参加した目的の大部分はこの副賞のためだった。

 セイバーの着替えを待つ間、楽しみを取っておくために彼女の水着データは見ないように注意しつつ、自分の方の水着を確認してみる。……どこからどう見ても、普通の海パンだった。確かに派手な柄物や目立ちそうな形状の物は自分には分不相応だと自覚しているが、あまりにシンプルではなかろうか。

 それにしても、水着を着るだけなのに随分時間が掛かっている。元々下着、それもショーツのみの半裸なのだから、少なくとも脱ぐ時間は殆ど掛からないはずなのだが。

 結局、ドアノブが回る音に少し遅れてドアが僅かに開いたのは、次回の聖杯戦争の日程と詳細を確認し終えた頃だった。

「……いいか、奏者よ。目を閉じて余の手を取って、こちらに入って来るのだ。いいか? 絶対に、ぜっ~たいに目を開けてはならぬぞ! いいと言うまで閉じたままだ!」

 しかし、セイバーは顔すら見せないままドアの隙間越しに叫ぶと、片手だけを出してきた。言われたとおり目を閉じてから彼女の手を取り、案内されるまま寝室に戻る。大体ベッドの脇辺りまで移動したであろう頃、彼女は手を放した。

 だが、少し待ってみてもセイバーから目を開ける許可は下りてこない。もう開けてもいいか、とこちらから聞いてみるが、「も、もう少し、もう少し待ってくれ……」と、蚊の鳴くような声が返ってきた。それからセイバーは深呼吸でもしているのか、すーはーと大きな呼吸を二三回すると、威勢のいい声を上げた。

「い、いいぞっ! 目を開けるのだ!」

 ようやく許可が下りたところで、ゆっくりと目蓋を開ける。瞳を閉じていた時間は短かったとはいえ、照明の光に眩しさを覚える。そして、視界に飛び込んできたセイバーの水着は――。

「ど、どうだ?」

 一言で表すなら、紐だった。隠すべきものを最低限覆うだけの、細く赤い紐。

「その、いくら余でも、これは、流石に、な……」

 もはや水着の枠を超えた扇情的な姿に加え、非常に珍しい、羞恥に頬を染めたいじらしくもじもじとしたセイバーの仕草。

 愛しい者のそんな姿に湧き上がる感情を、抑える術は自分にはなく。

「そ、奏者よ。そろそろ何か言って……あっ!?」

 後ろのベッドに目掛け、セイバーを押し倒した。

「ど、どうした奏者よ!? だ、駄目だ奏者……ふあぁっ! お、落ち着け! 落ち着くのだー!」

 彼女の慌てふためく制止など耳に入らないまま彼女を愛し、次は逆襲という名目で彼女に愛され、二人の睦み合いは朝まで終わることは無かった。


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