俺の診断結果はサキュバスなんだけど、これは聞いてない 作:サンゴ珊瑚
診断。最近ちょくちょくSNSでトレンドに上がったりしているやつ。
診断が好きな人、嫌いな人、そもそもしないし、信じない人。
それは人それぞれ。まあ診断に限った事じゃないだろうけど。
結構俺も診断好きなのでちょくちょくやっていて、今日もそんな診断を楽しんでいる時だった。
「異世界種族診断?ほー面白そうじゃん」
スマホの液晶画面を操作して質問に答えていく。最初は異世界の常識とか考えたが、素直に診断をしてみることにした。
結果。
「えぇ…俺サキュバスなの…?もっとエルフとかさー…人間…いやハードモードかもしれないし…」
そんなありもしない異世界へ想いを馳せているとスマホが光を放つ。
突然照明が付けられた部屋の明かりなんて比ではなく。
「目が!目がァァァァ!!」
スマホから思わず手が放れ両目を守るようにして小さくなった手のひらで目を覆う。
何か体が変だけど、今は光を放ち続けるスマホをなんとかしないと。そう思い手を伸ばそうとしたけど。
「両手塞がってるぅぅー!」
なんか声が高い気もしたけど、気のせいだろうと思いつつ光が収まるのを待つ。
ご近所迷惑になっていないのかが物凄く気になる所だが壁ドンもないし、多分、恐らく大丈夫。
そうして約一時間ほど経った頃ようやくスマホピカーンが収まった。
手で目を覆っても分かる光。いや、ほんとなんだったんだろうか。
「ったく…まぶ……あれ?」
197cmある俺の視点がやたら低い。うん。………うん??ば、バカな俺自慢の高身長が、こんな低い視点になるなんておかしい!
「あ、あー…。あ、い、う、え、お」
ふむ。喉仏どこいった?さっきから喉を触っているのだが、俺の逞しい喉仏どこいったの?なんか髭もないし、なんかツルツルなんだけど。おかしくね?低音ボイスが高音ボイスだし。
「…………気のせいだ。そうきっと気のせい。だからさっさと寝よう」
元々寝る前だったし、何故かブカブカのパジャマを着たまま俺は寝た。
ーーー
鳥のチュンチュンと鳴く声に目を開ける。理想的な目覚めだ。
アラームよりも先に起きるなんていつぶりだろうか。
飛び起きることもなく、カーテンから差し込む日差しがとても心地よい。
上体を起こし、両腕を上に伸ばす。良い朝じゃないか。
顔を洗って歯を磨き、スマホでニュースを確認して、着替えて出社。
そんなルーティンをしようと立ち上がり一歩目。
「ふぎゃっ!?」
余りに余ったパジャマの下。ズボンの生地を踏んで盛大にずっこけた。
「〜〜〜〜!!」
顔面からモロに床へダイブ。クッションも、手をついて緩和することも出来ず。あまりの痛みにのたうち回る。
「い、いった…くっそ…朝からツイてねぇ…」
とりあえず顔洗わないと…そう思い寝室から何とか移動して洗面所へとやって来たのだが。
「か、鏡見えねぇ…」
腰を痛めないように選んだものなので、現在の俺には見えない高さに鏡はある。仕方ないので小さな踏み台を持ってきて、上に乗る。
「…………は?」
鏡に写った少女。いや、ほぼ幼女が顔を引き攣りながら鏡を見ている。
寝癖で少し髪が暴れてるけど、ピンク色の髪でセミロング。
目もピンク。20代後半の俺にはちょっとキツイ。
鏡から視線を自身の体へ移し、下を見れば男の時にはなかった大きな双丘が。胸デカ過ぎね?この体型からして小学生くらいなのに中学生どころか高校生くらいまでの大きさの胸。
「んっ…」
胸を両手で触ると自分の声とは思えないほど甘ったるいメスの声が聞こえた。これ何カップあるんだ?
「はんっ…あっ…」
胸を揉んでいるだけなのに、何故かいけない気分になってきて。体が熱を帯びてきて、鏡に写るピンク髪の幼女は頬を上気させ、目尻が下がりトロンとしている。
「あっ、ちくび…しびれて…」
少し刺激に変化をもたらしたくて乳首をパジャマの上から弄る。上からだろうとすぐに乳首と分かるほどに隆起していて、布を挟んでいても甘く、鋭い快感にびくりと体を震わせてしまう。
昂っていた熱が解放されたがっている。そう思って乳首を摘もうとした時だった。
ピンポーン。
「!?」
「せんぱーい。そろそろ行かないと遅刻しますよ〜」
扉の向こう。いつも一緒に出社している後輩の一人である
ヤバいと思ったのがいけなかった。焦って踏み台を降りようとした俺は盛大に倒れた。降りる時にズボンを踏んでしまったのだ。
「せ、せんぱい!?大丈夫ですか!?」
ドンドンと部屋を少々荒々しく叩く武藤。俺は痛みに悶えながら返事をしてしまった。
「だ、だいしょうふ…」
緊張と痛み、そのせいなのか上手く口が回らなかった。だけど気にするところはそこじゃない。
「せ、先輩?なんか声おかしくないですか?」
扉越しだというのになんて聴力してんだコイツとは思いつつも、とにかく着替えをと思い寝室へ移動する。
「せ、先輩?後五分返事がなければスペヤキー借りて開けますよ」
やべぇ。案の定合う服がねぇ。スーツが合うわけもなく、私服が合うわけもなく。てか顔とか歯磨きとかも出来てない。クソッ。俺のルーティンが!
背に腹はかえられぬというわけか。ぶっかぶかのTシャツ一枚を着て玄関へと移動した。
ーーー
「よ、よぉ…悪いな来てもらって…」
先輩の部屋からピンク髪の幼女が出てきた。しかも先輩のTシャツを着て
僕は無言でスマホを取り出し、110番をした。
「あ、もしもし警さ「てめぇ!何やってんだ!」
「大丈夫だよ、お嬢さん。悪いお兄さんは警察さんとお話しするだけだから、ね?」
「ね?じゃねぇんだよ!誰が人攫いじゃ!そんなことするわけねぇだろうが!一回切れ!話を聞け!」
「いつかはすると思ってました」
先輩がギャーギャーうるさいので電話を切る。警察の方には申し訳ないことをしたけど仕方ないと思う。だって大好きな先輩を迎えに来たら男から幼女になってるとかこうなるでしょ。まあ知ってたけど。盗聴器と監視カメラでばっちりとね。
「心臓に悪い事するんじゃねぇよ!こんバカ!」
真っ赤な顔でそう抗議する小さな先輩超可愛い。服の上からでも分かる乳首ちゃんに真っ白な太ももに細い足。たまらんなぁ…。映像よりも実際に目で見る方が断然エロい。ほんと最高。
「えー先輩。それは無理がありますって」
「取り敢えず説明するから中入れ」
バツが悪そうな顔をしながら先輩は僕を部屋に招いてくれる。これで351回目になる先輩の部屋。ふぅ…落ち着け、落ち着くんだ。僕は後輩、無害な後輩。
「はーい。お邪魔しまー…」
「ん?どうした?」
「い、いえ。なんでもないです」
先輩がサンダルを脱いだ時に音を殺ししゃがむとそこには絶景が広がっていた。まんまるで小ぶりなお尻に見えた秘裂。秘境見つけたり。
「あー…ちょっと散らかってるかもしれないけど気にすんな」
いえ、最高ですありがとうございます。というか先輩の部屋の空気吸えて最高です、マジでありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。
「お茶とコーヒーどっちがいい?」
リビングへ通された僕はソファへと腰を下ろして犯罪臭が凄い先輩を見つめる。幼女になった先輩超可愛い。はぁ…ぺろぺろしたい。好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き。
「む、武藤?」
「え、あ、はい。先輩で」
「は?」
「あっ…。コーヒーで」
「お、おう…」
ドン引きさせちゃった…。あ、もう終わった。僕の人生終了だ…。先輩に嫌われたら死ぬしかない…。
嫌いにならないで。嫌いにならないで。嫌いにならないで。何でもするから。何でもするから。
「お、おい。大丈夫か?真っ青な顔して」
「え、あ──。好き」
「え?」
「い、いえ、なんでも…コーヒーありがとうございます」
僕の心配してくれるなんて先輩優し過ぎるよ。こんなの勘違いしちゃう。
先輩、愛してます。例え世界がどうなろうと、ね。
ーーー
何か武藤の様子がおかしい。コイツとは小学生の時からの付き合いだが、今日は今まで見てきた様子よりおかしい。
視線が熱く、なんかうっとりしてると思ったら急に青ざめたり、表情がコロコロ変わる。
取り敢えずコーヒーを渡してテレビをつける。
武藤鉄平、なんて名前をしているけどコイツはれっきとした女だ。
手入れが行き届いた黒髪を一つで纏めて結んでいて、いつ見ても艶があるし、天使の輪っかもある。
シミもニキビもない白く綺麗な肌。オフの時は眼鏡なのだが、仕事の時は基本コンタクト。俺はどっちでも可愛いから、武藤が楽な方でいいと思うと言ったらこのスタイルになったのだ。
目は所謂アーモンド型。端正な顔立ちで本当に美人なのだが、コイツの家が男として育てたため、最初は男装した女子でしかなかった。
コイツと関わって数年経った辺りで俺が武藤の父親と決闘して分からせした。とは言っても超ギリギリの勝利だったし、ハンデマシマシだったが。
そのせいで武藤の父親は俺に娘を任せるとか言い出したし、許嫁にさせられそうになっていたので、また決闘して俺が勝ってやめさせた。
なお武藤の父親は娘である鉄平に土下座して何年も許しを欲しているが、全く相手にされていない模様。
名前変えたら?って言ったら、『変える時はもう決めてます』って言ってたけど、いつなんだろうな。
女として成長した武藤は巨乳に当たり前のように細い腰に引き締まったお尻。そのせいでナンパや悪い男たちに何度も捕まりそうになっていた。
そんな所に何故か俺がよく出会して、武藤を守っていたけど、いい加減いい人を見つけて欲しいとも思う。
大事な妹分みたいなもんだし、幸せになって欲しいところだ。
「先輩、今貯金いくらありますか?」
唐突にそんなことを聞いてきた。武藤はテレビで流れる情報番組を気にもせず、真っ直ぐ俺のことを見つめてきた。
「えっと…3千くらいだけど…」
「じゃあ会社一緒に退社しません?」
「え?」
聞き間違いかと思い、自身の聴覚を疑う。退社?はい?
「寿退社ってやつです」
「ちょ、え?」
「先輩、結婚しましょう」
「待て待て!いきなり過ぎだろ!どうしたんだ急に」
「父親も先輩の事は認めてますし、先輩のご両親には何度も挨拶してますし、了承も貰ってますので後は先輩次第です」
「は?え?ちょ、え?」
なんで俺の親に了承もらってんの?俺いつの間に外堀埋められてたの?え?両親はそんなこと一言も言ってないぞ?
「お友達も僕のこと彼女だと思ってますし、先輩と関係のある方々は全て知っておりますのでご安心ください」
「………は?」
もう乾いた言葉しか出てこない。もう外堀なんてレベルじゃないぞこれ。
なんか最近友達が付き合い悪いなと思ってたけどそういうことだったわけ?てかどうやって?え?
「僕が先輩を養いますし、僭越ながら貯金は2億ありますし、新しい働き口も見つけてますのでご安心を」
「………もう、好きにしてくれ」
もう男としてのプライドっていうか、もうバキバキにへし折られた。根回し、貯金額、容姿、もう負けたよ。うん。貯金額すら負けるって何なの?コイツ俺の一個下なのに。最近やたら会社で活躍してるなと思ってたけど。俺無駄な出費もしてないのに。なんだよそれ。バカバカしくなるじゃん。
「では今すぐ指輪を買いに行きましょう。その後お昼も食べてラブホに行きましょう」
「…会社どうすんの」
「もう連絡済みですので、有給消化にもちょうど良いと思います」
「服ないけど」
「痴女のようなことをさせるのは心苦しいですが、指輪ついでに服と下着も買いましょう」
「……任せる」
「では行きましょう」
ーーー
「ぅぅぅ…」
「はぁ〜先輩可愛い。これも買いですね!好き好き!」
スクール水着、ゴシックロリータ?、ワンピース、セーラー服、ブルマ、
パーカー、メイド服、セーター、バニーガール、サンタ、ほぼコスプレな気もするがそんな感じで着せ替え人形にされた。
「先輩は白が似合いますね…。あ、黒のレースもいいかも」
今度は下着で、もう恥ずかしさで顔から火が上がりそうだ。
「そんなモジモジして……先輩は僕の理性を殺すつもりですか?」
「恥ずかしいんだよ!察しろ!」
「乙女の恥じらう顔ほどエロいものはないんですよ先輩」
「お前も乙女だろうが…」
「ほら次行きましょう」
結果爆買いをした合計金額に俺は目が飛び出たが、武藤は気にすることなく俺の手を引いてお店を後にした。
店員さんは超ニコニコだった。
続きいる?