※この作品はR-18です。

バトランティスの覇王   作:歩輪気

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文章を一部変更しました。


2話

 

 ──────────────────

 

「………………191……192……」

 

 三百メートルはあると云われている本部、その上階にタイガの自室がある。壁に掛けられたいくつもの灯りが、やや広めで家具の少ない部屋の中をオレンジ色に照らしている。そのなかで、親衛隊隊員であり、魔導装甲『トラム』の使い手である魔導騎士タイガは、自分専用に作らせた男性用下着1枚の逞しい姿で淡々と接続改装後の腕立て伏せをしていた。

 

 彼はその名の通り、虎のような猛獣の覇気と目付きを持ち合わせており、それは『トラム』にも虎柄の装甲という形で表れていた。この世界に虎がいるかどうかも含めて、彼の過去については今は話す必要ないのでここで語るのは省かせてもらう。

 

 しかし、一応言っておくと、彼に対する帝国内の評価はまあまあ別れている。

 

 

 

 

 例えば、ある征伐軍将軍と隊員からは

 

『前線では何かと世話になっているからな。元々は敵だが、あの人のことは軍人として尊敬している。

 性行為? 男としたことは当然ないが、抱かせろと言われれば恐らく拒否はしない。あの、下半身のあれは、見るだけで緊張するが……アルディアが煩いからな』

 

『タイガぁ? あー、あの上官さんね。私はあんな馬鹿なんて好みじゃないわ。私が好きなのはグラベルだけ、そして私を抱いていいのも……なのに、あんなのにグラベルが体を許してもいいだなんて、殺したくなるぐらい嫉妬しちゃう』

 

 また、ある親衛隊隊員2名からは

 

『あたしに質問? え、タイガ様。あー、あの人……あたしは無理よ、あんな脳筋男、暑っ苦しいったらありゃしない……どうしてゼルシオーネ隊長はあんな出身すら分からない輩を……』

 

『あの人は、女じゃないから……お母さんにはなってくれない。けど優しいし…………会った時から可愛がってくれてたから、ナユタ様がくれた本に書いてあったお父さんか……お……おむ……さんになら。でも、ナユタ様と喧嘩はしないで……ほしい』

 

 またまた、ある皇帝と科学者からは

 

『彼奴は悪い男ではないと思うぞ、物心ついた時から姉様と妾の良い遊び相手になってくれていたからのう。今でもいなくなった姉様の名を呼んでは泣いておる。昔は泣き声が煩くてこっちが寝不足になったものだ。

 それに占領地の者たちも彼奴には心を開いているうえ、我が帝国にとっては欠かせない男じゃ。妾も男なんて彼奴しか知らぬがな。

 色恋沙汰? うーむ、それに関しては少々頑固でめんどくさい男じゃからなぁ……あやつらがドギマギしているのは妾でも察せられるぞ。ヴァルデはちとベクトルが違う気もするがな。

 全く、男というのはああいう生き物なのか。レムリアにも男はいると聞いたが、どんなものか拝見したいものじゃ』

 

『とりあえず今は放置ですね。いつかあの体をきちんと調べてみたいけど、彼に嫌われているようですから』

 

 ついでに、親衛隊一番隊隊長と二番隊隊長からは

 

『タイガ様ですか? そうですね……いつも暴れるような戦い方をしているせいでみんなから誤解されてるようですけど、本当は優しい人だと思います。私もメルクリアも入隊した時からお世話になっていますから、あの人には感謝しきれません。剣術だって、あの人から学んだことは沢山あります。この前、久々に稽古をつけてくれた時も、前よりも強くなったって褒めてくれました…………え、あ、決して疚しい気持ちはありませんからね?』

 

『あの人は、貴族出身でもなければ女でもない。かといって周りの貴族からの影口や評価も気にすることなく、己を磨いてきた。そういうのも含めてあの人のことは恩師として尊敬しているぞ。まあ、ハーキュラスのことを考えると少し複雑だがな』

 

 

 

 

 と云った具合である。

 総合的に言えば、良くも悪くも帝国の者からは何のかんの云って受け入れられている(?)らしい。当の本人にとって、女性達からの好感度など二の次だが。

 

「…………ふぅ」

 

 丁度1時間程で接続後の軽い運動を終えたタイガは立ち上がり、ベッド脇に腰を下ろして息を整え、タオルで顎を滴る汗を拭う。

 ふいに横を向くと、ベッド横のミニテーブルに置かれたクマのぬいぐるみに視線を向けた。これは半年程前に彼が指揮官の1人として参加した日本のとある地域の軍事侵攻の際に、偶然にも自軍の魔導兵器の攻撃から庇った母親連れの女の子から貰ったぬいぐるみである。

 彼は兵器、武器を持って立ち向かってくる人間に容赦はしないものの、できるだけ無抵抗な一般人は殺さないというやり方を好んでいた。これは長年、帝国に仕えてきた彼だからこそできる芸当であり、他のものではまず考えないだろう。

 そんななか、彼は目の前で自軍の魔導兵器が放った火球に炙られそうになった親子を助けた。幸いトラムは頭部全体を覆うタイプの魔導装甲だったので、2人には素顔を見られることなく、寧ろレムリア側の人間と勘違いされてしまい、こんなぬいぐるみを貰ってしまったのだ。

 この一件で、彼は皇帝から阿呆者と怒鳴られ、ゼルシオーネから鞭打ちの刑(という名の彼に対する日頃のむしゃくしゃ晴らし)を受けたのは言うまでもない。

 

「……馬鹿だな」

 

 幾つになっても変わらない自身の甘さに嫌気を差しつつ、今頃あの子は元気にやっているのかと思いながら、タイガは人差し指でぬいぐるみの鼻をツンとつく。

 

 …………ああ、そういえば、何時だったかは忘れたが、あんな感じの女の子を助けたような。なんか緩い口調で話していたなぁ、いい子に成長してればいいなぁ。と、タイガは薄ら思い出した昔を懐かしむ。

 

『タイガ様、あたくしです。開けてもよろしいですか?』

「ああ」

 

 ドア越しにエルマの声が聞こえ、扉が開かれる。外には、普段の親衛隊服姿ではなく、何一つ身につけていない裸体に、胸元の谷間を大胆に晒すバスローブを纏ったエルマが立っていた。一風呂終えたのか、長い白髪は潤い艶々としている。

 

「お隣、よろしいでしょうか?」

「おう」

 

 タイガの返事にエルマは軽く頭を下げて部屋に入り、彼の隣まで歩いて空いたスペースに腰をかける。ほんのりとした甘い花のような匂いが彼女の髪から漂い、彼の鼻奥を甘さで刺激した。

 

「向こうのシャンプー使ったのか?」

「あら、気づきました?」

 

 うふふっ、とエルマは嬉しそうに微笑む。最近のエルマは、タイガがレムリアの占領地から頂戴してきたバス用品を使うことが多い。こういった土産物は事前にタイガが安全かどうかを確認してから使用しているので、今の所これといった問題は発生していない。

 

「初めは髪質に合うか心配しましたが、使ってみたら思いの外良いものでしたわ。あたくし、気に入りました」

「そうか、気に入ってもらえて良かった」

 

 髪先を指でいじりながら笑うエルマに、タイガは口角を上げる。このように任務外は上官と部下ではなく、恋人として触れ合うのが2人の恒例行事になっている。

 

「今日は代わりにやってくれてありがとうな、おかげで助かった」

「これくらいお易い御用……と言いたいところですが、内心ハラハラしていますのよ? なにせわざわざ向こうに出向くのですから。襲われたら大変」

「悪かったって」

 

 タイガは軽く笑いながら、猫をあやすようにエルマの動物の耳のようにはねた白髪を撫でる。

 彼女は今日、タイガから頼まれたとある任務を遂行しにレムリアに足を運んでいた。と言っても、他国の侵略や反逆者の粛清といった物騒な任務ではなく、占領地であるレムリアの民達に炊き出しをご馳走するというものであった。バトランティス帝国でも、侵略した土地や崩壊から逃げてきた人々に対して金品や食料を恵むことはしているが、レムリア人に対してこういった支援を行っているのは、今の所タイガだけであった。

 そしていつもならタイガが出向いて、向こうの人間の口にあった食材を使って調理しているのだが、今日のように諸事情で行けない時は、エルマが代理として出向いているのだ。

 

「ならもっと撫でてください、愛情を込めて、深く愛するように、力強く、嬲るように潰してください」

「おう、分かった」

「ああ、気持ち……あ、もう、もっと優しく撫でてください」

「力強くって言ったのはお前だろ? ほら」

「きゃっ、意地悪」

 

 要求通り、タイガは深い愛情を込めて力強くエルマの髪をわしゃわしゃと掻き回すように撫でる。エルマはエルマでムッとしながら文句を言いつつ、満更でもないと云ったようにその愛撫を受け入れた。

 

 そんなやり取りをしながら、しばらくの時間、タイガとエルマは2人きりの時間を過ごした。

 

 暫くして、2人は肩を寄せ合い、部屋のどこでもない遠くを見つめながら、ふと昔の話、懲罰四剣の面々と出会った時のことを話し始める。

 

 ルノーラとの出会いは、タイガがゼルシオーネに死神の名を持つ戦士へのスカウトという名のナンパをしにコロッセオまで付き合わされた時のことであった。驚いたことに、2人が円形闘技場の待合室でルノーラを見つけて声をかけるや否や、彼女は泣きながら突っ込むようにタイガに抱きついてきたのだ。

 何でもその昔、まだルノーラが物乞いをして生活していた時、餓死寸前だったところをタイガに助けられ、飯を奢ってもらったとの事。その際タイガが『次会うことがあったら、俺が面倒見てやるよ』と軽い約束を交わした。タイガはそのことを忘れていたが、ルノーラは金持ちをカッ捌いてからも数年間、忘れずに覚えていたのだ。

 その後、彼女は二つ返事でスカウトを受け入れ、タイガがゼルシオーネから睨まれたのは苦い思い出である。

 

 ラムザとの出会いは、彼女を処分しようとしていた処刑場にタイガとゼルシオーネが襲撃者のように押しかけた時のことであった。

 彼女は魔力を炎に変換させる特殊な力を有しているのだが、その力のせいで親に見捨てられ、収容されていた施設すら燃やしてしまい、危険人物として殺されかけていた。そこへ彼女の噂を聞きつけた2人が、レムリアで云うヤクザの如く押しかけ、処刑人の奴らを拳やら刃物に任せて叩きのめして彼女を無理やり連れ出した……というのは大嘘であり、実際は輩を半分脅して彼女を連れ出した。

 初めは自らの能力で傷つけることを恐れて心を開かなかったが、ゼルシオーネや周りの隊員との触れ合いの中で、徐々に硬い壁を砕かせていった。特に世話役を任されていたタイガには来て早々に懐いていたようで、今では彼のことを親のように慕っている。近頃はそれ以上の感情が湧き上がってしまっているが。

 そしてこの件で彼がゼルシオーネに睨まれたのはこれまた苦い思い出である。

 

 クレイダとの出会いは、ゼルシオーネが彼女を親衛隊に連れてきた時であった。ルノーラとは違い、彼女はゼルシオーネが1人で円形闘技場に出向き、直々にスカウトして親衛隊に向かい入れた。剣士として何十人もの相手を相棒の三日月剣(セレーネ)とともに屠ってきた彼女の殺気は凄まじいもので、リーダーのタイガにさえ、戦場でもプライベートでも常に鋭い眼差しを向けていた。

 しかし、今度こそは自分の女にとゼルシオーネが思っていた矢先、クレイダは何故かタイガに懐いてしまい、そのまま彼の取り巻き状態になってしまった。

 何故こんなことになったのか、いつこんなになってしまったのか、タイガが分からないのは言わずもがな、ゼルシオーネも他の隊員ですら全くもって分からないらしいが、唯一理解しているエルマ曰く『淑女は相手の思わぬ行動に靡いてしまうものですわ』とのこと。

 

「……タイガ様、ゼル様以上の女たらしですわね」

「そう言われてもなぁ……」

 

 本人はそのつもりがなくとも、ふとしたきっかけで3人は彼に惹かれた。最早、運命によるものと言っても過言ではないのだ。

 

「あら、あたくしとの出会いはお忘れですか?」

「覚えてるに決まってるだろ」

 

 そして最後にエルマとの出会い。彼女との出会いは、タイガが過去に親衛隊の卵となる子どもを指導していた時のことであった。まだ幼く卵の1人であったエルマは、当初は太古の昔に滅びたはずの男である彼を訝しんでいたが、彼の教えを受けていく中で段々彼に一途な心を燃え上がらせ、必死の努力の末、彼のいる親衛隊に入隊した。

 そして1話で説明した通りの流れの末、童貞と処女を散らした2人はこうして並んで時を過ごしているのだ。一途な乙女の勝利である。

 ゼルシオーネが彼女を狙っていたのは言うまでもない。

 

「初めて会った時、お前、俺の事あからさまに嫌な目で見てたよなぁ。小さいのに愛想笑いは上手だったな」

「もう、あの時の御無礼は忘れてください」

 

 本人も思い出したくない記憶をほじくり返され、エルマは頭の髪耳をピコピコさせながら、珍しく頬を膨らませてぷりぷりする。

 

 これが彼と四天王の出会いであり、ゼルシオーネから彼女達を横取りするまでの経緯である。

 その結果、皇帝からは『お主は《バトランティスの覇王》じゃな』と皮肉を込めた二つ名を与えられ、ゼルシオーネからは『私が狙った女を悉く横取りして……貴様の方こそ女癖が悪いじゃないか! この寝取り覇王が!』と酒の場で毎度罵られてしまっているらしい。もちろん扱いが酷いだけで、四天王はゼルシオーネのことをちゃんと慕っている。

 

「(とはいえ、あいつのおかげで此奴らと出会えたんだ……ゼルには感謝しきれないな)」

 

 少しの間、タイガはぷりぷりするエルマのご機嫌を取りつつ、密かにゼルシオーネへの感謝を述べた。

 

 そしてエルマが落ち着いたところで、2人は再び昔話を始めた。

 

 その昔、タイガとゼルシオーネが親衛隊隊長として候補に上がっていた頃の話。

 2人は当時の親衛隊の中でも相当の実力を有していたようで、特にタイガは世にも珍しい雄な上に、何者にも負けを知らないその暴れっぷりと経験から、彼が親衛隊隊長になるのではないかと隊員達の間では専らの噂であった。

 

「けど、タイガ様は自ら辞退なされた……どうしてですか?」

 

 不思議そうに首を傾げるエルマに、タイガは正面を向きながら答える。

 

「……俺は大勢の部下を纏めれるような性格じゃないからな。俺よりもゼルの方が頭は回るしカリスマ性もある、容赦もない、隊全体を纏めるならあいつが上に立った方がいい」

「随分信用されていますこと」

「あいつとは付き合い長いから……それに俺、前のレムリア侵攻みたいなことをやらかすしな」

「ふふっ、何を今更。昔からあなたはそういうお人です。ゼルシオーネ様もそう仰っていましたわ」

 

 エルマはふわりとした笑みをタイガに向け、彼の頬を少し赤くさせた。

 

「けど、あたくし達にもその任を分けてください……あたくしはあなたの部下なのですから」

「……おう」

 

 エルマは寄り添うようにタイガの方に頭を乗せる。何をするにも1人で背負わず、部下である自分達を頼って欲しい、そうエルマは遠回しに訴えた。それは同時に、恋人である自分にもその辛さを分けて欲しいという言葉でもあった。

 二人の間にしんみりとした静寂が流れ、しばらくしてエルマが小さく欠伸をして口を開いた。

 

「……ねえタイガ様」

「なんだ?」

「あたくし、今日はちゃんと任務を遂行して来ましたのよ」

「ああ、さっき言ったな」

「それで……タイガ様にご褒美を頂戴したくて」

 

 エルマはもたれ掛かるようにタイガの胸板に顔を埋める。密着したことで彼女の大きな乳袋が彼の体に押し付けられ、ぐにゅりと広がるように潰れる。

 わざわざ魔力供給のできないレムリア側に赴くのだから、たとえ衝突面付近で短時間だとしても、その消費量は激しいものになるだろう。それこそ激しく抱き合い、愛し合う純度の高い接続改装でもしないと見合わない。

 

「……今日は、たっぷり愛してくださいませ」

 

 エルマは顔を上げ、上目遣いで甘えるようにタイガを見つめる。

 

「んっ」

 

 見つめあう2人は顔を近づけ合うと、そのままお互いの唇を重ね、キスを交わす。もう何度目か分からないキスだと言うのに、エルマは女同士でするものとは違った未知の感触に心を高鳴らせた。

 

「んっ、んんっ…………ちゅっ」

 

 エルマはタイガの唇を啄むように覆うと、そのまま口内に自分の舌を押し込む。緩く品のある見た目と違い、彼女の舌は獲物を貪る獣のように彼の舌先を捕え、強引に絡ませる。

 

 ちゅ……ぢゅむっ♡

 

「んっ!? ……んっ、ぇぁっ♥」

 

 しかしタイガも一方的にやられっぱなしのはずもなく、彼も同じようにエルマの口内に自身の舌を奥深くまで押し込む。両者ともに押し合い引き合い、時折唇を離してはお互いの唾液を混ぜ合い、舌を絡ませ合い、粘り気を持った卑猥音を隙間から漏らす。

 しばらくすると、小さくて硬い、熱を持った何かがタイガの胸板で蠢いた。

 

「ぁっ…………タイガ様ぁ」

 

 一旦唇を離したエルマは、唾液の糸を引きながら、物欲しそうな声でタイガの名を呼ぶ。いつものようなお嬢様のような気風はなくなり、目はとろんと緩み、バスローブは肩まで肌蹴ている。そして何より彼の目を奪ったのは、大きな乳房の先で隆起している2つの突起物であった。

 

「あたくし、先程からここが疼いてもどかしいの……どうかあなた様の手で治めてください」

 

 エルマは肩まで肌蹴たバスローブを降ろし、何一つ纏わない裸体を露わにした。大きな乳袋は弾力のある菓子のようにぷるんっと弾み、勃起した薄桃の乳頭が上下に揺れる。

 

 ……………………むにゅっ♡

 

「あんっ♥」

 

 目の前の果実に興奮したタイガは息を飲むと、無言で両手をそれに伸ばして鷲掴みにする。

 

「んあっ、そんな、もっと優しく……はぁんっ♥」

 

 タイガは豊乳に指を沈ませ、円を描くようにまさぐる。握りつぶすように力強く揉みしだき、指と指の間に乳首を挟ませてぐにゅりと潰す。

 その強引で手加減のない力強い掴みに、エルマは胸からの刺激に甘声を漏らし、体をピクピクと跳ねさせる。

 

「……硬くなるの、早くないか?」

「それは、いつも……あっ、タイガ様がお揉みになるせいですわ」

 

 タイガはエルマとの行為の際は、彼女の大きな胸を毎回のように嬲っている。そのせいか、最近では少しでも胸を弄られるとすぐさま充血して固くなってしまうのだ。いつも上品を被る彼女も、彼に対しては皮を剥がれてしまう。

 

「あっ、やっ、あぁっ」

 

 指間で乳頭をこりこりと抓りながら、タイガは覆い被さる形でエルマの体をベッドに押し倒すと、日々の疲れを癒すように風呂上がりで蒸れた彼女の谷間に顔を埋める。

 

 れろっ、れろっ♡

 

 タイガが谷間の底を舌の表面で下から上に何かを塗るように水気を舐めとると、少ししょっぱい水気が彼の舌に伝わる。それが彼の脳内の奥にある本能をちょびっと刺激し、興奮を煽った。

 

「そ、そんな周りばかり攻めるなんて……意地悪ですわぁ」

 

 肝心な箇所を攻めずに周りばかり舐め回して焦らすタイガに、エルマは甲声をあげながら、太腿を擦り合わせて彼に強請る。

 しかしタイガは無言で顔を動かし続け、両乳を寄せて薄い色の乳輪をメビウスの輪を描くように舐める。突起物にはギリギリ触れないように、意地悪に。

 

「だ、ダメ、ですわ……あ、頭の中が、焼けて……」

 

 唾液の生暖かさと乳輪に走る刺戟に、エルマは頭の中が白く焼ききれるような感覚に襲われながら、腹の中を疼かせる。併せるように、瞳は魔導装甲のコアと同じ色に輝き始める。

 

 むにゅっ、むにゅんっ♡むぎゅうぅっ♡

 

 それを見たタイガは、豊乳を根元から掴み、乳先にかけて絞り出すように揉み絞り始める。光は瞳にとどまらず、2人の体からも湧き始めた。

 

「エルマ」

「あん、まさか……や、あっ…………」

 

 ぢゅぅぅぅっ♡

 

「い、あぁぁぁっ♥」

 

 両乳首を合わせるように寄せると、タイガは大きく口を開けてそれを頬張り、千切る勢いで豊満な乳を吸い上げる。

 その瞬間、エルマは輝く目を見開き、シーツを掴みながら背中を仰け反らせ、喉の奥から甲高い声を吐き出す。

 その声は数秒続き、その間にも部屋中に2人のコアの色をした光が混じり合う。

 そして光が治まると、エルマの浮いた腰がベッドに深く下ろされる。

 

「はぁ……はぁ……タイガ……様……」

 

 白い肌を火照らせながら、催淫状態になったエルマは涙目でタイガを見つめる。白くふんわりとした長髪はベッドに流れるように開き、シャンプーの甘い香りを蒔いた。

 その香りと汗の蒸れる淫乱な姿に、タイガの鼻奥まで届き、彼が唯一纏っている下着が覆う秘部を刺激し、盛り上がるように膨れ上がらせた。

 

「エルマ……」

 

 そう言うと、タイガは膝立ちになり、パンツの紐を解いて脱ぎ捨てる。

 

「まあ……」

 

 そして脱がされたと同時に、彼の一際黒い陽物が弾けるように竿を揺らして姿を現した。女性しかいない現在のアトランティスにおいて、唯一男であるタイガのみが持っているそれは、竿部分の血管を浮き上がらせ、まるでエルマの体を求めるかのように龍亀の如く首を伸ばし、膨れた亀頭から汁を溢れさせていた。その大きさは、彼女の胸で挟んでも余裕で谷間から頭をはみ出させてしまうほどだ。

 大きく禍々しい龍亀を直視したエルマは何度目になるか分からない静かな驚声を上げつつ、口角を上げて二ヘラとした卑猥な表情を浮かべた。

 

「ふふふ、いつ見ても素敵ですわぁ」

 

 興奮する陽物に向けてエルマは股を開くと、両手でキレイに毛の剃られた股間の唇を広げて、愛液を垂れ流しながら獣棒を求めてひくひくと呻く肉穴を露わにさせた。

 

「さあ、タイガ様…………今宵もあたくしをめちゃくちゃにしてください」

 

 男に向かって股間と秘部を見せつけるという気品とは程遠い姿勢のエルマに、タイガの性的本能は刺激され、より獣棒を硬く勃起させた。

 タイガは誘われるように彼女の体に覆いかぶさり、獣棒の頭を蜜壷の穴にあてがうと、意地悪そうに周りを撫でて、エルマにくすぐったい声を上げさせる。

 

 ……ずぶっ♡

 

 そしてある程度弄ったところで、タイガは穴の中へ獣棒を押し込むように挿入させていく。前戯によって彼女の肉穴の中はすっかり蜜で満たされており、ずぶぶっという水気のある音を立てながら彼の物を受け入れる。

 

「んっ♥あっ、んぁっ♥」

 

 もう何度も味わっているはずの挿入行為だというのに、エルマの体にはあの時と同じ、酔いの勢いと共に初めて穴を貫かれた痛みと快感が走っていた。男の物で穴を貫かれた経験者など、恐らく今のバトランティスでは彼女だけだろう。

 

 …………どちゅんっ♡

 

「んきゃんっ!」

 

 獣棒が根元まで挿入されると、先が肉壁の一つを突き上げ、彼女に間抜けな声を上げさせた。

 と同時に、エルマはビクンと体を震わせ、壺をキュッと締める。

 

「え、エルマ? 大丈夫か?」

「へ、平気ですわ……あたくしのことはお気になさらず、どうぞ揺らしてください」

 

 エルマの言葉に従うように、タイガは腰を動かし始める。何度も貫かれた彼女の壺中は、彼の獣棒の形を完全に記憶している。そのため、獣棒が中を擦る度に、肉壁で蠢いている無数の舌が竿と頭に吸い付き、その形に合わせた肉筒へと変化する。

 

「んっ、んんぅっ♥……あっ♥あんっ♥」

 

 突き刺すようにタイガは前後に体を揺らし、エルマの肉壁を引き出すように擦り上げる。長い竿よりも幅の広い頭の先は、雁首で襞を押し広げながら奥にある性感帯を何度も軽く突き上げ、彼女の喉から喘ぎ声を洩れさせる。

 

「んあっ、ふぁっ、ぁんっ♥タイガ様の、おちんぽがぁ♥あたくしの中をぐちゃぐちゃにぃ♥)」

 

 ずちゅ、ずちゆっ、と肉が描き混ぜられるような水気のある卑猥音を拾いながら、エルマは脳まで突き上げられるような刺激に頭を狂わせ、レムリアで別称を付けられているタイガの陽物の名を喘いだ。

 腰を深く突かれる度にエルマは声を上げ、頭の耳をビクビクと跳ねさせる。

 

「あっ、んひゅっ♥ああっ……はぅっ♥」

 

 既に前戯で溢れていた愛蜜は2人が愛し合ったことによって更に溢れ出し、タイガが腰を引くとその一部が外へ漏れだし、エルマの太ももと贅肉を持つ臀を伝い、ベッドへ垂れる。

 

「いうぅ、タイガ様の……気持ちいいですわぁ、あんっ♥」

 

 普段の気品溢れる口調も忘れて、エルマは溶けた飴細工のように身体をよがらせ、タイガとタイガの獣棒の虜になった。そんなエルマを見て、タイガもノリに乗り出し、彼女の腰回りに手を伸ばしながら腰振りを加速させる。

 雌に跨り、子作りという名目の元で玉袋を振るいながら無我夢中に雌穴を突き上げる肉食獣のように、相手の骨を砕く勢いで腰を揺らす。その一撃一撃は力強く、腰がぶつかる度にエルマの尻肉が波を打ち、豊乳がぶるんぶるんという音を立てながら前後に揺れる。そこに追い討ちをかけるように、彼の両手はエルマの腰骨に沿って臀の谷間まで撫で反る。

 

「んぁ、あっ、はぅんっ♥」

 

 両手が腰をなぞると、エルマの体にピリピリとしたくすぐったさが走る。

 腰を砕かれる快感とビリつく刺激、乱暴ながらも愛を流し込む彼の攻撃に、エルマは到底人前では見せられない崩壊させたアクメ顔を晒す。

 

「……エルマ、そろそろ」

 

 途中、鼻息を荒くしていたタイガが口を開き、エルマに声をかける。こういう状態で彼女に声をかけるのは、彼が絶頂を迎える寸前である。それはつまり、男が女の中へ生に詰め込んだ子種を外へ吐き出すということである。

 

「んん、だ、駄目ですわ、こんな姿勢で……もっと貴方と密着しながら、ふぁ……お願い」

 

 エルマは両手を広げ、物欲しそうな駄々を捏ねる子どものように、涙に濡れた瞳でタイガを見つめる。

 タイガは応え、腰を揺らしたまま両手で彼女の腰をグイッと持ち上げ、自身に抱きつかせて対面座位にさせる。

 

「ぁっ、深いぃ♥」

 

 先程よりも血液に充血し、硬さを増した獣棒がエルマのさらに奥深くにある蜜口に目掛けて突き進む。彼女の腰 を浮かせ、彼が腰を動かして幾度もピストンを繰り返す。愛液がじゅぶじゅぶとした水音を立てながら混じり合い、エルマの秘穴から漏れ出す。

 

「ぅんっ、あんっ……あぁっ」

 

 エルマは長い白髪を淫らに揺らしながら声を漏らしつつ、しがみつくようにタイガの首元に腕を回し、甘く蒸れた白い吐息をかける。それに応えるように、タイガも彼女の柔らかい尻肉を掴みながら体を抱き寄せる。

 

「んんっ……ふぁんっ!」

 

 なんの前触れもなく、タイガは自身とエルマのあいだで揺さぶる豊乳の乳頭にかぶりつく。彼との交わりで体の内から濡れきった彼女の胸先は、獣のようにかぶりつきながらも、赤子のように優しく吸い上げる彼の口の中をほんのりとした甘い味が包み込んだ。

 

「はぁっ、あんっ……んんっ♥」

 

 すぐさま離すと、タイガはそのままエルマと口付けを交わす。舌と舌が畝りあい、歯茎をなぞるように舐めながら、彼女から搾った乳液を分け合う。母乳など出ていないはずなのに、2人の口にはそれに似た甘味が広がり、頭の中を白で埋めつくした。

 

 そしてタイガの獣棒が限界まで膨れあがり、頭と竿で内側から圧力をかけると、2人は激しく揺さぶり合い、上と下の口の中をかき混ぜる。絶頂の間際ということもあって、2人の体からは先程と同じく、魔導装甲のコアと同色の光粒子が湧き上がり、ディープキスを交わす舌先のように絡まり合う。しかしそんなことはお構い無しに、タイガとエルマは愛し合う恋人のように交わり合う。

 

「んんっ、ちゅっ、はむっ……ちゅっ」

 

 エルマは無我夢中に舌を暴れさせつつ、離れぬように両腕両膝でタイガの体をホールドする。

 

 ぢゅぶっぢゅぶっ…………ぢゅぶんっ♡

 

「んんんんんんぅぅぅっっ!?!? …………♥」

 

 そしてタイガが獣棒の根元を押し込み、エルマの奥口を突き上げると、亀の口から白く濁った生液が放たれ、奥深くにある胎内へ注がれる。その焼けるような熱さの体液と敏感な奥口をノックされた快感にエルマもまた絶頂を迎え、手足をきつく締め付け、腰を震わせ、彼の口内に絶頂声を響かせた。

 それと同時に、2人の体から湧いていた光が絡まり合い、部屋中を淡い色に染め、体へ溶け込む。

 

「んっ……………………んふっ」

 

 光が収まってもなお、獣棒は脈を打ち続けて胎内を白く満たし続け、2人はお互いの口を重ねて身体を震わせ続ける。この数千年以上も続くアトランティスの歴史において、絶滅した男と女の交わりがまたこの場で行われているのだ。

 しばらくして、タイガとエルマは口元を離し、粘ついた唾液の糸で舌先を繋ぐ。そして糸が切れた頃、タイガは俯くようにエルマの谷間へ顔を埋め、淡い臭いを吸い込むように深い呼吸を何度も繰り返す。

 

「ふふふっ、可愛いですわぁ」

 

 純白で傷のない艶やかとした果実を受け入れるように顔を埋めるタイガの姿に、エルマは瞳にハートを浮かばせながら、火照った表情を緩ませ、赤子を慰めるように彼の頭を抱き寄せ、細い指で自身よりも硬い髪を撫でる。

 肉質のあるやんわりとした彼女の体に包み込まれるような感触に、タイガの意識は煙のようにゆらゆらと揺れる。

 

「さあ、どうぞ。あたくしの中でお眠りください」

「ああ……」

 

 エルマが耳元で夢魔のような、子を寝かしつける母親のような甘い囁きを呟くと、タイガは誘惑に堕ちるように意識を遠退かせ、深い闇の中へ落とした。

 

 

 

 

 

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