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帝都ゼルティスの夜。帝国民曰く、夜を迎えたこの街の光景を一言で言えば、芸術品そのものとのこと。
そんな美しい帝都を持つバトランティス帝国内にある大きな円形の建物。そこはレムリアで云うところの円形闘技場に酷似しており、帝国内でも『コロッセオ』という名で人々に浸透していた。
黒色の石で造られたコロッセオでは、闘技の見世物が開催されており、試合に出場する戦士の多くは大罪を犯した犯罪者、又は敵の捕虜である。無論、もとからコロッセオでの死闘を生業にしている剣闘士も少なくない。
そしてこのコロッセオでの試合で最も人気を博しているのが、魔導装甲を身につけた魔導騎士同士のバトルである。ここに訪れた多くの人々は、魔導装甲や剣の破片、流れ弾、血飛沫、戦士の雄叫び、様々なものが飛び散りながら激しい火花が上がる光景を観戦し、絶対領域に守られながら、毎日のように熱狂に包まれていた。
そして、コロッセオとは別の場所にある広場に設置された大型テント。難民キャンプの役割を果たすここには、各地方から避難してきた多くの女性や子どもが身を寄せ、パンやスープなどの無料で提供されたものを口の中へ運んでいた。
設置された大型スクリーンからはバトランティス帝国制作のバラエティらしきものが放送されており、司会が笑えば人々もまた笑い、飢えを凌ぎながら束の間の休息を楽しんでいた。
「ねえ、あれってまさかルノーラ様?」
「え? ちょっと待って本物?」
「どうしてあのお方がここに?」
そのテントの中にとある集団が列を作って入ってきたことで、周囲は一瞬にして静まり返った。
彼女達はバトランティス帝国の親衛隊員達で、その中央にいる女性は、親衛隊ではゼルシオーネ直属の部下『懲罰四剣』の1人として恐れられ、コロッセオ界隈でも『死神』の異名を持つ歴戦の剣闘士、ルノーラであった。姫君のような容姿の美しさとは裏腹に、それをアンバランスに映す体の至る所に付けられた生々しい傷跡が、今までの彼女の激闘と勝利を物事っている。
そして彼女の横に並んでいるのは同じく『懲罰四剣』の1人である赤髪の少女、ラムザである。
突然のゲストの登場に人々はざわつきに包まれる。
「…………」
一方で、その光景をルノーラは今にも泣きそうな瞳で見ていた。真顔で鋭い目つきをしているが、これでもかなり耐えている方だ。
「ほら、ルノーラ」
「わ、分かってる……」
見かねたラムザが赤い髪を揺らしながらルノーラの背中を優しく叩く。
ルノーラは小声で答えると、キリッと表情を変えて声を上げた。
「諸君」
ルノーラの声にテント内の人々の視線が一気に彼女に集まる。その突き刺すような感覚に、ルノーラは後退りしそうな足をその場に踏ん張らせながら口を開く。
「しょ、諸君らはバトランティス帝国に助けを求めてここまでやってきたのだな? 遥々遠方から歩き続けて、嘸かし疲れているだろう。ご、ご苦労だった……ところで、今日のわたしの試合は見て貰えたかな?」
ルノーラからの質問に、テント内の数十人の女性が手を挙げる。
「わ、私、見ました。この前捕獲した小国の魔導兵器、そして魔導騎士3人との四連戦ですよね?」
「結果は全戦全勝」
「すごく感動しました」
タイガとの接続改装によって生み出された魔力による創世の御柱起動、その実験が行われる数日前に、バトランティス帝国は小競り合いをしていた国の1つをその手に治めた。今度の国はアトランティスの中でも比較的小さな小国であり、その捕らえられた魔導騎士及び強力な魔導兵器を相手にルノーラは双剣を抜き、見事勝ち抜いたのだ。コロッセオから離れて親衛隊に入隊した彼女だが、その腕は未だに衰えていなかった。
「ルノーラ様万歳!」
「ルノーラ様最高!」
誰かの掛け声と共に次々と湧き上がる人々の声。その声援にルノーラは口元を無理やり釣り上げながら、内心顔を真っ赤にした。
「そ、そう! そして今日はその祝杯ということで、稼いだ賞金、商品を諸君らに分け与いたい! さあ、今日はわたしの奢りだ、遠慮なくにょづ……あっ」
視線が集まる中、大事なシメで盛大にセリフを噛んだルノーラ。ただでさえギリギリだったというのに、噛んだことで隠していた恥ずかしさが一気に湧き上がり、顔を赤くしながら瞳に涙を浮かべる。
「にょ、にょづ、にょ、にょ」
「はーいみんなー! 死神のルノーラに感謝を込めて拍手ー! そしてカンパーイ! 波に乗ったつもりで好きなだけ飲んで食って歌ってー!」
にょおにょお噛むルノーラの代わりにラムザの声が響く。その直後に魔力で造られた紙吹雪が宙を舞い、人々も釣られるように乾杯と声を上げ、持ち込まれた酒や料理に飛びついていく。
「…………」
「あーあ、肝心なところで噛んじゃったねぇ」
「うぅっ」
今日は緊張せずに言える、そう自信を持って挑んだルノーラだったが、最後の最後で失敗してしまった。これにはラムザに返す言葉も見つからず、俯いてただ唸るように落ち込むしか無かった。
「まぁ、最後の方まで言えたのは偉いと思うよ」
「……そ、そうか?」
「そうだよ。だってルノーラったらいっつもあがり気味で、初っ端から何も言えてないんだもん。こんなんじゃ死神の名が泣くよ」
ケラケラと笑いながら揶揄うラムザに、ルノーラは口を閉じたまま拗ねるような表情でそっぽを向く。
「あのー……」
「んー? ああ、みんなも飲んでいいよ。はい」
「本当にいいんですか? 隊長から叱られるんじゃ……」
「大丈夫だって、ゼル様からはちゃんと許可貰ってるもん。こーいう時ぐらい羽目外しとかないと」
「じゃあ……」
ラムザが脇に置いていた酒瓶を差し出すと、2人に付き添っていた隊員達は順にそれを受け取っていき、張り詰めた表情を緩めて仲間内で談笑を交わし始める。
ここ最近の彼女達は難民の受け入れで重労働の日々を送っていたため、今回のように目出度い祝いごとの時ぐらいは羽目を外していいと、ゼルシオーネから許可が降りたのだ。
「……」
「ルノーラ、いつまで落ち込んでんの。主役がそんなんじゃ折角の宴が冷めるでしょ」
ラムザはいつまで経っても立ち直れないルノーラの肩を叩き、酒が並々まで注がれたジョッキを差し出す。
ルノーラは諦めたかのようにふうっと息を吐くとそれを受け取り、ちびちびと飲んでいく。
「美味しい?」
「……うん」
ほんのりとしたほろ酔い顔で『ああ』ではなく『うん』と年相応の少女のような受け答えをするルノーラ。そんな彼女の言動に、ラムザも思わずニッコリと笑い、腕に抱きついた。
ふいに、ルノーラは辺りの様子を確認する。普段の難民キャンプというと、何時も誰かしらの泣き声が響き、何処かで重苦しい空気が漂っている。
しかし今宵は違う。少なくともここにいる彼女達は、ルノーラが勝利して得た賞金や商品を分け与えられ、さらには豪勢な料理を食すことができている。いつも激務と紛争で板挟みな隊員達も、今日だけは表情を緩めている。
彼女達の幸せそうな姿を見て、ルノーラはほんのちょっぴり微笑んだ。
「ルノーラ様!」
突然、ルノーラの名を呼ぶ声が聞こえたかと思うと、彼女の目の前に1人の少女が立っていた。背格好からしてまだ10代になったばかりだろう。その小さな手には、筒状の瓶を持っている。
「どうかしたのか?」
「その……これ、良かったら飲んでください」
「なにこれ?」
「私の故郷の名物なんです。こっちに来ても飲めるようにって持ってきたけど、ルノーラ様に良くして貰ったから、せめてお礼をって……」
「……そうか、ありがとう」
ルノーラはジョッキをラムザに預け、少女の頭を優しく撫でると、差し出された瓶を受け取る。
「良かったねー。ところでさぁ、これってホントなに?」
「えっと、確かプレシアの……」
少女の説明を聞いたラムザは顔を青ざめ、即座にルノーラの方を見る。
しかし最早手遅れ、ルノーラは瓶に口を付けるとそのまま傾け──────
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「で、プレシアドリンクを一気に飲んだってわけ」
「プレシアドリンクかぁ」
祝杯の次の日の夜。
親衛隊本部の地下にある特秘部屋、今日も桃色の光が室内を包み、相変わらず高級なオブジェや家具が部屋中を彩る。その部屋に置かれた一際大きなキングサイズのベッドの上で、タイガは接続当番のラムザから肩揉みをされながら、ルノーラの珍体験の一部始終を聞かされていた。
ここにいる全員、衣服は下着のみを身に纏っており、同じく当番のルノーラは今、ラムザとタイガに背を向けてへたり込むように項垂れている。
「その子には悪いが、よく吐かなかったな」
「いや、ちゃんと吐いたよ」
プレシア……それはアトランティスの海水に生息する、大昔のレムリアに存在したとされる首長竜によく似た生物であり、人懐っこくて穏やかな性格として名を知られている。
そんな大人しいプレシアの『例のアレ』は人の舌を選ぶ味をしており、海藻の風味が効いた『例のアレ』をペーストにして甘味を加えた『プレシアドリンク』は、バトランティス帝国、更にはアトランティスで好きな人しか好んで飲まないと言われる程の不味……珍味であった。取り扱っている店も限られている。
そしてその味はルノーラの舌には合わなかったようで、少女の前では笑みを崩さなかったものの、テントの外に出るやいなや、彼女は誰にも見えない場所で口から鮮やかな虹を吐き出した。
「あれはそんなに美味いものじゃないからなぁ……酒のつまみにはちょうどいいが」
「タイガ様も飲んだことあるの?」
「ああ、昔ゼルと一緒にな。サービスで出されたんだが、癖は強いが不味くはなかった。あいつは盛大に吹いたけどな、全部俺にぶっかけてきやがった」
サラッとゼルシオーネの恥ずかしい過去話を聞いたラムザはあはは、と無邪気に笑う。プレシアは食うよりも共に遊ぶ、それがこの世界の常識なのだ。多分。
「…………」
「ルノーラ?」
タイガはいつまでも黙っているルノーラに顔を向けて声をかける。しかし彼女からの返答はない。何時ぞやのエルマに似ている気もするが、単に恥ずかしくて顔を上げられないだけである。
「……タイガ様」
「なんだ、ラムザ」
「いや、ルノーラはさぁ、本当に頑張ったんだよ? 魔導兵器と魔導騎士3人を相手に休みなく連戦して勝って、稼いだお金も全部みんなのために使って……おまけにセリフも最後の方まで言えたんだから。ここは……ね?」
いつの間にか背中から横に移動してぬるりと顔を寄せると、ラムザはタイガを見つめながら微笑で小首を傾ける。タイガは一瞬呆然とするものの、直ぐに『ああ』と軽く頷く。
「ルノーラ、ちょっとこっち来い」
タイガの呼び掛けにルノーラは小さな声で「……はい」と応えると、ゆっくりと体を反転させ、軽い膝歩きでヨチヨチとタイガの前まで移動する。その顔は俯いているものの、明らかに恥ずかしさと申し訳なさに包まれていた。
「よく頑張ったな」
色々と励ましの言葉を投げようとしたタイガだったが、今のルノーラの姿を見てたった一言、そう言って彼女の頭を撫でた。
「……タイガ様」
青い長髪を少し力強くわしゃわしゃと撫でられる感覚に、ルノーラは下に落としていた視線を上げ、潤んだ瞳をタイガに向けた。
「良かったねルノーラ。今日はこのままタイガ様にご褒美沢山貰お? ついでに一緒にコロッセオにゲスト出場してもらうとか」
「お前、俺が出禁食らってること知ってるだろ」
「冗談、言ってみただけ」
お日様のように明るい笑顔を浮かべるラムザに、タイガはルノーラの頭を撫でながら苦笑を向ける。
出禁と云うのはその昔、まだ懲罰四剣の4人が揃うずっと前、さらにはルノーラがコロッセオ主催者に声をかけられる前、タイガは1度だけ公式試合に出場したことがある。バトランティス帝国の一魔導騎士であり、世界でたった1人しかいない男として知られていたタイガ。そんな彼の姿を一目見ようと、その日の観客は満員御礼のすし詰め状態だった。
しかし、それが彼のコロッセオでの最初で最後の試合となった。
と云うのも、久々の手加減なしの殴り合いということで、タイガは手加減どころか力加減まで無視してしまい、数百メートルもある闘技場を穴だらけひび割れだらけとめちゃくちゃに破壊してしまったのだ。観戦していたゼルシオーネ曰く『相手が魔導兵器じゃなければ、今頃辺りは血の海だっただろう。あの日ほど絶対領域に感謝したことはない……あの馬鹿』とのこと。
結果、コロッセオは暫くの間使用不可になり、タイガはコロッセオ管理者から出禁を言い渡されたのだ。これには幼かった現皇帝も大笑いしたとか呆れて何も言えなかったとか。
だが決してすべてが最悪だった訳ではない。当時観戦していた観客は、獣のように拳と爪を振るい、龍魂丸で次々と魔導兵器を真っ二つにかち割り、己の肉体を用いた技を駆使して力の限り暴れ回るタイガの姿に夢中になり、最後まで熱狂を絶やさずに楽しめたとのことで、この話題は今でも語り継がれている。
「(──アイネス嬢ちゃんが生きてるなら)」
あれから数年、タイガ自身もコロッセオの試合に出る気はない。
けど、今は亡き真の主、死んだのか生きているのか分からない本当の皇女……もしも、なんて期待は持たないと昔から決めていたが、ゼロスが向こうの世界にいることが確認された今、もしあのお方が生きて帰ってきたら……もう一度、あの広いフィールドで大暴れしてもいいかもしれない。
タイガはラムザにもルノーラにも知られることなく、そう思った。
「タイガ様……」
そんなことを考えていると、ルノーラが名を呟く声が聞こえる。タイガが視線を下ろすと、いつの間にか目前にルノーラの顔が迫っていた。息が彼女の前髪を揺らしてしまうほどの近さで、ルノーラは甘える子猫のような半目でタイガを捉えている。
この先、ルノーラが自分と何がしたいのか、エルマや彼女達と何度も抱き合ってきたタイガには直ぐに分かった。
「あの……その……」
しかし、ルノーラは口を籠もらせ、恥ずかしそうに股をモジモジとさせる。コロッセオで死神と恐れられてきた彼女、その異名からは想像もできない恥顔、そのギャップが彼女の人気の理由の一つなのはコロッセオ界隈の秘密である。
彼女の様子を見かねたラムザが彼女の体に寄りかかり、口を開く。
「ダメだよルノーラ、ちゃんと自分の口から言わなきゃ……頑張ったご褒美がほしいって」
「で、でもラムザ……」
「あたしがいつでもフォロー出来るわけじゃないんだから、ほら」
ねっとりと耳元で囁くラムザに、ルノーラは唾を飲んで黙る。暫くして、ルノーラは顔を上げて紡いだ口を解いた。
「きょ……今日は、たくさん愛して欲しい……です」
ルノーラの全身の熱を上げながらの告白、それに対してタイガは軽く頷き、左手で彼女の肩をそっと掴み、右手で頬に触れて顔を上げさせる。
「タイガ様」
今にも消えそうなルノーラの小声を聞くや否や、タイガは姫君の唇を塞ぐ。突然の口付けに目を見開いて動揺するが、直ぐに受け入れるように瞼を閉じ、タイガの体に身を寄せた。
「んっ、んちゅ……はむっ、んんっ♥」
強く吸い付くタイガとルノーラの唇。タイガは舌先を入れてルノーラの口内で暴れさせ、歯茎を丁寧に舐めていく。上、下と順番に一本一本を舐めまわすタイガの舌を、ルノーラは反射的に止めようとする。が、タイガは一度食らいついた獲物を逃さない野獣のように、彼女からの押しも軽くいなし、それどころか今度はルノーラの舌を絡め始める。
「んふっ、ふぁっ、あむっ」
まるで本物の蛇が宿ったかのように、タイガはルノーラのものを絡め合い撫でる。そして仄かに伝わる口内の唾液の甘味、これが彼の性欲のスイッチを刺激した。
「あっ、んっ……」
ルノーラも負けじとタイガの体に密着し、胸板に柔らかい胸を押し付けながら、餌を求める雛鳥のように柔らかい唇と舌先で対抗する。
ふと、ルノーラがタイガの肩付近に視線を落とすと、肌の一部が赤くなっていることに気がつく。いや、実は先程から気づいていて、それは肩もみをしていたラムザも同じであった。
まるで何か熱いものでもかけられたような痕。ラムザは思わず手を伸ばしてそれに触れてしまう。
「ねえ、タイガ様、これは?」
「ああ、これか? 別に大したことないぞ」
「んっ……何か、熱いものでもかけられたんですか?」
「いや、本当に大したことないって。自分でスープを吹っ飛ばして被っただけだ」
タイガは作り笑い、何があったか応えようとしない。他人から見れば、いつもと変わらない態度を取っているようにしか見えない。しかし彼の部下であり、体を重ね合い、愛しているラムザとルノーラの瞳には、その表情がどこか落ち込んでいるように映った。
「(ラムザ)」
「(うん)」
2人は視線で一言交わし、タイガに何があったのかをすぐに察した。
この軽い火傷の痕……これは恐らく、レムリア人から付けられたものだろう。
タイガはレムリアに赴いては、自身が収めている占領地で暮らすレムリア人に炊き出しをご馳走しており、今日もそのためにレムリアを訪れていた。それは彼が独断で行っていることで、現在そのようなことをしているのは彼ぐらいだろう。その甲斐もあってか、少なくとも占領地民はタイガに心を開いている。
しかし、全ての者がそういうわけではない。中には異世界を憎み、大切なものを奪った帝国の1人であるタイガに対して怒りをぶつける者も少なくなかった。
だが、元はと言えばバトランティス帝国が始めたレムリアの占領。家族を、財産を、全てを失い、それを理由に異世界を憎んでいるものは少なくない……いや、寧ろ殆どのレムリアの民が心の中では殺したいほどの憎悪を抱いているだろう。それは、今まで侵略してきた隣国の民達の中にもいるに違いない。たとえ、相手が一般人に極力被害が出ないやり方をする者であっても。
タイガはそれを理解し、分かった上で彼らへの支援を続けているのだ。
「タイガ様ー……あたしら、エルマみたいにタイガ様の心までは癒せないかもしれない……けど」
「……せめて、身体だけでも」
そう言うと、2人は火傷の痕に顔を寄せ、舌を伸ばして赤くなった箇所を舐めていく。ペットの動物がぺろぺろと飼い主を舐めるように、2人のさらついた舌表面がタイガの火傷を擦る。範囲はそれほど広くなく、治りかけてはいるものの、舐められるとヒリヒリとした痛みが走る。
その刺激は徐々に快感へと変わってタイガの脳内に伝わり、彼の性欲を駆り立てた。
「……ありがとう」
タイガが傷を舐める赤と青のロングヘアを撫でると、2人も嬉しそうに目を細める。
しばらくして、ルノーラは自身の腹部辺りに何かが押し付けられていることに気がつく。硬くて熱く、自身の股を求めているかのように密着する……それが何なのか、何度もそれを奉仕してきた彼女にはすぐに分かった。
「れろっ……硬いものが……」
ルノーラは体を少し離すと、視線をタイガの股間辺りに移す。そして下着が盛り上がっていることを確認すると、細い指で下着紐をつまみ、するりと脱がせる。
「ありゃ、そんなに気持ちよかったの?」
「……大きい」
弾けるように姿を現したタイガのものに、ラムザとルノーラは目を少し見開きながら、うっとりとした淫乱顔で凝視する。太く、長く、生きた生物のように脈を打つそれは、天井に向かって背を伸ばし、獲物を求めるかのように獣頭と首を揺らしている。これには思わず2人の隠された穴も疼いた。
「そんじゃ、こっちも準備っと。えい」
「きゃっ、お、おい」
ラムザはいきなりルノーラの下着を掴むと引き剥がすように脱がし、隠れていた裸体をさらけ出させる。脱がされると同時にルノーラの大きな胸部がぷるんと震え、股を隠していた下着には透明な愛液が染み込んでいた。
「うわぁ、もう濡れてるし……もう立ってる」
「こ、この……」
露わになったルノーラの痴態に、ラムザは意地悪そうに微笑む。
ルノーラの2つの果実の先に付いた薄色の隆起、その先端は既に固くピンと立っていた。また、股に隠れる秘部からも、溢れんばかりの蜜が漏れ出ている。どうやら先程のなでなでとキス、肩舐めで身体のスイッチが入ってしまったようだ。
「よーし、あたしも脱ごっと」
ラムザは胸と下半身を覆っていた下着をベッド上に脱ぎ捨てる。彼女の果実も歳の割にはかなりの豊かさを持っている。胸元と下腹部に彫られたハートのタトューが彼女の好戦的な性格と無邪気さをより際立たせている。
「タイガ様……あの」
…………かぷっ
「んあぁ♥」
今日も身体の奥をついて欲しい。そう言おうとしたルノーラだったが、その前にタイガが先に動き、前置きなしに彼女の左乳へとかぶりついた。
「あっ、はぁっ、そんな、いき、あぅっ♥」
突然のことにルノーラは混乱する。だがそんな彼女のことはお構い無しに、タイガは左乳の甘みを味わう。唇を窄めながら先端を吸い上げ、舌先で敏感な箇所を弄る。その刺激にルノーラは姫声をあげる。
「はぁ、ひうっ、んんっ」
ルノーラはあまりの快感に意識が白くなり始める。それを見計らったのか、タイガは果実にしゃぶりついたまま彼女を寝かせ、彼女に覆い被さる形で攻めを続ける。
「い、やっ、んっ、んっ♥」
漏れそうな悲鳴を、ルノーラは咄嗟に口に手を当てて抑えようとする。その姿に、タイガは意地悪く横腹から臍辺りにかけて指先ですぅっと愛撫し、痺れるような刺激を彼女に伝える。
「ルノーラったら、震えてるよ」
必死に耐えているルノーラだが、体はビクビクと震えている。目に涙を溜める可愛らしい姿を、ラムザは悪戯な笑みをしながらじっくり見つめる。いつも一緒にいる友達があられもない姿を晒す光景は、ラムザの腹の奥をキュンとさせた。
「んんっ♥や、んぁっ♥」
「美味しそうだなぁ、ルノーラのこれ。食べちゃいたい」
「ら、ラム……?」
「……はむっ」
「ひゃぁっ!?」
耐えきれなくなったラムザは、タイガに遊ばれずに余らせている右乳にぱくりとかぶりつく。
「んっ、ちゅぅっ、んむっ」
ラムザはタイガと共にちゅうちゅうと音を立てながら、甘い汁を搾るようにルノーラの乳袋に吸い付く。薄色の小さな突起から周りの輪までを口の中に頬張り、歯型が残らない程度に優しく歯を立てて噛み揉む。口の中に残った突起は、舌先を畝らせて撫で回す。
「んぁっ、ダメ♥吸っちゃぁ♥」
愛する人と友達からの胸部への思いがけない攻めに、ルノーラは甘い悲鳴をあげ、思わず逃げようとする。だが、タイガはルノーラが逃げないように彼女の体に抱きつき、ラムザも手伝うように右手と右脚を押さえつける。
「あっ、ふぁっ、ぁあっ」
逃げることなどできない。そう察したルノーラは体の力を抜き、2人からの搾乳を受け入れる。熱が上がったせいか、目の前で灯る光はぽーっとぼやけて映っている。
…………くちゅりっ
「んひぃっ!」
呆然としているのも束の間、タイガは指を下へと降ろし、そのままルノーラの秘部に触れ、穴の中へと指を入れる。穴からは既に蜜が溢れており、内腿までも濡らしている。
「ひゃ、い、やめっ……あぁっ♥」
「んちゅ……可愛い声だしちゃって……れろっ♥」
嬌声をあげるルノーラに、ラムザは小悪魔のような微笑みを浮かべ、舌先で固い先端を舐め上げる。舐め上げられる度に、先端はふるりと小さく揺れる。
「ら、や、だめっ」
「んちゅっ、はむっ……チュゥ」
ただでさえ激しいタイガからの一方的な攻めに加えて襲い来るラムザのイタズラ……ルノーラが絶頂を迎えるのに早々時間はかからなかった。
「ら、らめっ……あ、あぁぁぁぁぁぁっ♥」
2人が激しく突起を吸い込んだ瞬間、ルノーラは体を仰け反らせながら甲高い喘ぎ声を轟かせた。
数秒後、ルノーラは力が抜けたかのように腰をベッドに沈める。
「ぷちゅっ……あらまぁ、ルノーラったら盛大にイッちゃった」
絶頂を迎え、火照った顔をするルノーラに、ラムザは腰を上げて不敵に笑う。
「……ルノーラ」
タイガはルノーラを呼ぶと、体を起こし、下半身のものを彼女の下腹部に当てる。乙女の悲鳴を聴いた彼の獣はより一層固くなり、ルノーラを求めるように震えている。その禍々しい姿を目にしたルノーラは、ぽっとした顔のまま口角を上げた雌顔を晒す。
そして黙ったまま両手を自分の秘部へ伸ばし、2つに別れた小さな丘をくぱぁっと開く。中に隠れていた穴からは大量の蜜が溢れ出しており、今すぐ欲しいとタイガの獣に向かってヒクヒクと動いている。
「タイガ様……ください」
ルノーラの小さなお強請りに、タイガは答えるように穴に獣の頭をあてがい、そのまま中へ押し込む。
「あっ、あぁっ、んんっ♥」
数回目の挿入。
初めは仲間達とタイガを罠に嵌めた時、あの時は身体が裂けてしまいそうなくらいの激痛ながら、今まで感じたことの無い快感に脳を焼かれた。あれから数回に渡って奥をつかれてきたが、それでも尚、ルノーラの肉道はキツキツに締まっており、初めてと同じように獣棒を絞めつける。奥へ進めば進むほど敏感な箇所を擦り、ルノーラは小刻みに声を出す。
「(入れただけなのに、もうイッてる)」
一見耐えているようにも見えるが、実は軽い絶頂をしていることを、ラムザは自身の穴を弄りながら即座に見抜いた。
…………つんっ
「あっ」
そして獣棒が根元まで挿入され、ルノーラの敏感な場所を突く。
「あっ……あっ♥ま、ああっ♥」
それを合図に、タイガはルノーラの太腿を掴み、腰を揺らして獣棒を動かし始める。血管の浮き出た硬い竿と亀のような太い頭がルノーラの中で暴れ回り、壺の中を絞めていた柔肉を解すように擦り上げる。
「た、タイガ様っ、激しい、あぁん♥」
何度か通したはずの獣なのに、もう慣れたはずの刺激なのに、ルノーラは初めて味わうかのように姫声を上げ、突かれる度にビクンと身体を跳ねさせる。
「いいなぁルノーラ。こんな姿、観客のみんなに見られたらどうなるかな?」
「や、やめろ、そんな話は……はぁっあっ!」
感じている最中に意地悪そうに耳元で呟くラムザをルノーラは眉を潜めて睨むが、獣棒の突き上げに直ぐにそれを解いてしまう。
こんな姿、もしも観客に見られてしまったら、自分を死神と呼んで讃えてくれている彼女達に見られてしまったら……恐らく一生立ち直れないだろうと思いながらも、そのとき感じるであろう背徳感がどんなものなのか、ルノーラは背中にゾクゾクとしたものを走らせた。
「ルノーラ」
「は、はいぃっ……」
タイガに呼ばれたルノーラは彼に目を向ける。その表情は獣のように鋭く、獲物に狙いを定めた肉食獣のように険しい。だが、その目は優しく、今は自分のことだけを見ている、ちゃんと愛を持って抱いてくれている、それだけでもルノーラの喜びを満たすには十分だった。
「あっ、やぁっ♥こんなの……あぅ♥」
タイガの揺れは激しさを増し、ルノーラの体も揺さぶられる。それに合わせて彼女の胸部の2つの果実も前後に揺れ、ピンクの突起が暴れ狂う。
「ああ、どーしよ。あたし、もう我慢できない」
「あんっ、ら、ラム……んぐっ!?」
観ているだけでお預け状態なラムザも、ルノーラの喘ぎにとうとう耐えきれなくなり、唇が自分の穴に当たるように彼女の顔に跨る。
「はぁっ、ルノーラ、吸って」
突然の奇行にルノーラは呻き声をあげようとするが、口を開けば、押し付けられたラムザの穴から溢れる蜜が口の中へ流れ込んで遮られる。吸えと言われているが、これでは嫌でも吸うしかない。
そんなルノーラの気持ちを知ってか知らずか、ラムザは自身の隠れた初な突起を指先で捏ね回す。
「んっ、んふっ……ふぅっ♥」
タイガの獣に抉られる快感、そして口の中に広がるラムザの酸っぱい味に、ルノーラの思考は停止寸前に追い込まれ、意識も朦朧としていく。
「(あ、もうすぐ)」
ルノーラは獣棒が激しさを増したことで、もうすぐタイガが絶頂を迎えることを感じ取る。あの熱くてドロドロとしてて臭いものが身体の中へ……ルノーラの赤子部屋に続く道は本能的に絞まり、タイガのものを飲み込む。
「あぅ、まずい。あたしももう……」
ラムザも腰の動きも速まる。彼女も絶頂を迎えるようだ。
────ずんっ!
「んふぅぅぅっっ♥」
「あっ、はぁぁぁっ♥」
タイガが勢いをつけて最後の一突きを放ち、ルノーラの奥底で疼かせていたものを押し突き、彼女の身体の中へ熱いものを解き放つ。
それと同時に2人も絶頂を迎え、身体からセレスとバエル、それぞれの魔導装甲のコアと同じ色をした粒子が湧き上がり、タイガの光と混ざりあって部屋中に広がる。
「ふっ……♥」
やがて光は落ち着いたかのように止む。が、タイガの肉のついたものは未だ震えて、種の詰まった熱いものを吐き出している。
「あっ、はぁ……派手にイッちゃった」
一足先にラムザが動き、ルノーラから股を離し、彼女の顔を確認する。
顔面をラムザの愛液で濡らし、脳内を白くはじけさせたルノーラは虚ろな目をして絶頂顔を晒していた。その瞳には、コアと同色の光が輝いている。
「……あぅっ……」
ようやく吐液が収まったタイガは獣棒を引き抜く。ちゅぽっという栓が抜けたような擬音が聞こえると、ルノーラの蜜穴から白い粘液が漏れ出す。
しかし終わるのはまだ早い。タイガの獣棒は次の獲物を狙うかのように既にその身を硬くしていた。
「うわぁ、タイガ様ったらもう勃ってる。早くない?」
「仕方ないだろ」
これが俗に言う、と云うよりはレムリアで言う絶倫なのか。そう思いながら、ラムザは倒れるルノーラを横に、ふふっと笑いながらタイガに飛びつき、対面する形でへたり込む。
「それじゃタイガ様、次はあたしを気持ち良くして。ルノーラばっかりずるいよ」
大人にもまだ成りきれていない生娘のような無邪気な笑いを浮かべるラムザ。自身の柔らかい胸部を彼のタイガの厚い胸板に押し付け、熱い息を吐きかける。その瞳はルノーラ同様、コアと同じ色の輝きを纏っている。
「……んっ♥」
タイガは当然と言わんばかりにラムザの唇を塞ぎ、熱烈なキスを交わす。あれだけルノーラのことを言っていたが、なんのかんの言って自分も恥ずかしそうに頬を紅く染めるラムザの口内に、タイガは舌を潜り込ませる。
「はむっ、んちゅっ♥」
ルノーラとは違って子どものように暴れるラムザの舌先は、タイガの舌先に絡まろうと螺旋を描く。
しかし彼女の攻めなど、タイガの敵では無い。必死に攻め落とそうとするラムザの臀部、柔らかい触り心地の尻肉を、タイガは両手で支えるように持ち上げる。
「あっ……もうやるの?」
ラムザはうるうると輝く瞳をタイガに向ける。キスを楽しみたいと思いつつ、早く来て欲しいと尻を獣に擦り付けている。
タイガは頷き、ラムザの臀を持ち上げて股の間の割れ目に自分のモノの先を当てる。
「はっ、んんっ…………♥」
次にラムザが腰を下ろしていく。ルノーラに負けず劣らず彼女の中もなかなかな締まりを保っており、ルノーラが狭さなら、ラムザの場合は無数の肉唇と云ったところだろう。
「(タイガ様の、相変わらず太い……)」
変わらない太さと長さ、それはラムザの中を半壊させそうなほどに逞しく、グロテスクなものだ。
「あっ、んんっ」
ある程度入ったところで、ラムザはゆっくりと腰を動かし始める。対面座位の姿勢で、ラムザがタイガの首に手を回してしがみついている。
「はっ、ああっ♥いいっ、これっ♥」
いやらしい卑猥な声を洩らしながら、ラムザは腰を上下に動かす。彼女の中の壁に付いた小さな突起は、獣棒の頭から竿の部分までを包み込むように覆い、隙間なく吸い付き、愛液で滑らせる。
「あっ、んあっ、あんっ」
普段なら、と云うよりはこの世界で一生体験でこることのないであろう、奥を抉られる感覚。その快感にラムザの笑顔はどんどん緩んでいき、いつの間にか快楽に浸った雌顔へと変わっていた。
「あ、くぅっ…………」
むにゅんっ♡
「ふぁっ!?」
タイガから体を離し、意識が飛ぼうとしたその時、ラムザの背中に柔らかい感触が走る。それと同時に、突如彼女の背中から2本の手が回され、彼女の柔らかい乳袋を鷲掴みにした。
「あ、る、ルノーラ?」
「…………」
背後から襲ってきた者の正体に、ラムザはぽけっと腑抜けた顔をする。その目には輝きが泳ぎながら、顔は怒り混じりな笑みを浮かべている。
「気絶してたんじゃ」
「……お前、さっきはよくも」
「ま、待って。流石にそんなことされたらあたし……」
むぎゅうっ♡
「んあぁぁっ!」
ラムザのお願いも無視して、ルノーラは彼女の胸を揉みしだく。指の一つ一つが乳肉にくい込み、それに合わせて柔菓子のような弾力がルノーラの手に跳ね返る。
「ほら、どうした。さっきみたいに笑え」
「ら、やらぁっ♥こんなの、笑える……はぁん!」
先程までの余裕は何処へやら、ラムザは瞳を潤ませ、助けを求めるような表情で涙を流す。そんな彼女を、ルノーラは淫らな笑みを浮かべなが吐息を吹きかける。親指と中指で先端の突起を摘むと、タイガのようにぐにゅりと潰し、人差し指でかりっと引っ掻く。
「だめぇ、こんな、許しへぇ……♥」
充血した獣棒の首が肉を引っ掛け、体内から肉を抉り出そうとする快感と、胸部を弄ばれるように揉みしだかれる痛みに、ラムザは涙とヨダレを流しながら許しを乞う。
しかし2人の猛攻は止まらず、寧ろ分かった上でさらに虐めるように激しさを増す。
「ラムザ……」
「タイガ様、思う存分ラムザの中に……」
ルノーラの声を合図に、タイガはラムザの腰振りを速めさせる。ルノーラも押し付けた突起でラムザの背中を擦り、彼女と自身の絶頂を促す。
「ふぁ、や……」
ラムザは赤髪を揺らし、途切れ声を漏らす。
「くっ…………!」
タイガはラムザの腰を下げさせ、獣を根元まで押し込む。
…………どちゅっ!
「んんっ、あぁぁっ♥」
「ふぁぁぁぁぁ♥」
凶悪な頭がラムザの奥深くで眠る敏感な口を容赦なく突き上げ、濁った白いエネルギーを流し込む。それと合わせて、ラムザとルノーラは嬌声を重ね、鳥のように赤と青の頭髪を広げる。
さらに3つの光が再び宙を舞い、3人の身体と室内を包み込む。
数十秒後、光が止んだ部屋には、息を荒らげるタイガと、ルノーラに背を任せるように全身の力が抜けた虚ろ目なラムザがいた。
「……あっ」
タイガは吐液を終えた獣を引き抜く。ぬぷりという水音が鳴ると、ラムザの蜜口からドロドロとした熱い濁った液が漏れ出し、シーツへと垂れる。
「はぁ……タイガ様ったら……こんなに出して……」
ラムザは二ヘラとした顔を浮かべながら、自身の中で暴れる温かいものを愛でるように腹部を撫でる。ルノーラも卑猥に笑い、彼女の手の甲に自身の手を重ねて一緒に撫で回す。
「……ん?」
ふと、息を整えていたタイガは違和感を覚える。
体の何処かが疼くような、何かが溢れるような、自分のものがまだ求めている……それはラムザとルノーラも同じであった。
「タイガ様……あたし、何かここが疼いて」
「わたしも……」
ラムザとルノーラは、自分の果実の先についたピンクの突起を指先で弄りながら、物欲しそうにタイガを見る。
「分かった。じゃあ」
次の指示を出そうとするタイガだったが、その前に2人が寄りかかり、火照った体を押し付けながら彼の体を押し倒し、仰向けに寝かせる。
「タイガ様、吸って?」
「わたし達でこれを握るから……」
タイガから見て、左からラムザが、右からルノーラが果実を寄せ合い、立った突起をコリコリと重ねる。
2人もそれぞれの片手をタイガの下半身に伸ばし、まだまだ固い獣棒を側面から触れ、お互いの指を絡めながら、1つの穴を作って竿部分を包む。
「はあっ、はぅっ」
「んんっ……あんっ」
2人は色っぽい声をあげながら突起を擦り合い、手を合わせてヌルヌルとした獣を扱く。2人の肉道を貫いた獣は愛液を纏い、暖かい指穴に血管が激しく脈を打つ。2回も出したというのに、萎える気配を全く見せない。
「……はむっ」
「「はうっ♥」」
タイガは目の前で震える果実に興奮し、2つの突起を同時に口の中へ含む。
ちゅっ、ちゅうっ♡
「あ、ダメっ……」
「あっ、ひゃうっ」
タイガは唇で突起を捕まえ、引っ張るように水音をあげながら吸い込む。ちゅうっと一音立てる度に、2人は喘声を漏らす。
獣棒の方からも、粘音を奏でながら裏の筋ごと擦る奉仕音が聞こえ、3人の興奮度を高める。
「あ、そんな強く吸ったら」
「あたし……もう」
3人の体からじんわりとした光が灯る。
「「ぁ……あぁぁぁぁっ♥」」
そしてトドメを刺すかのように、タイガは2人の体を引き寄せて果実に一気に吸い付く。2人の絶頂声がまたもや響く中、タイガの獣の口から3発目の生命液が解き放たれ、赤毛と死神を白濁に汚す。
その直後、3人の体から光の粒子が溢れ出し、部屋を突き抜ける勢いで空中で螺旋を描きながら絡まり、部屋中を包み込む。
3つの光は暫く輝き続け、やがて収まる。
「はぁ、はぁ……なんか、変な感じ」
「ああ、いつもと……違う」
「タイガ様ぁ、なんなのぉこれ?」
「……すまん、分からねえ」
ラムザとルノーラは挟むようにタイガの両脇に寝転び、息を荒らげて抱きつく。
何だか普段と違う、接続改装とは少し違う、連結した何かのような……なんて、分からないことは考えても仕方ない。そう思った3人は考えることを辞め、絶頂の余韻に浸った。
「タイガ様……もっとぉ」
「物足りない」
のも束の間、2人はタイガの体に胸部の脂肪を押し付けると、オネダリをするように腰をくねらせ、とろんと緩んだ目を向けて甘え声をかける。
ここまで来たら最後までやるか、そんなことを思いながら、タイガは両手で2人を抱きしめ、愛でるように頭を撫でた。
────────────
時刻は日の出前、まだ辺りが薄暗く、肌寒さを残したバトランティス帝国の夜明け。
ラムザとルノーラとの接続改装を終え、一足先に目を覚まし、着替えを済ませたタイガは、数百メートルある親衛隊本部内にある小さな展望場へ向かって足を進めていた。
「はあぁぁ……」
タイガは大きな欠伸を1つする。
数時間も2人の相手をしていたせいか、全身の筋肉は少しの悲鳴をあげ、眠気も残っている。
「……ん?」
展望場が見えてきたところで、タイガの目に人影が映る。この時間帯は親衛隊の者の殆どは就寝中で、展望場に来る者なんて自分しかいないだろう。
そう思っていたタイガだったが、どうやら今日は先客がいたらしい。その女性はヨーロッパ風な石柵に体を任せながら、片手に持ったグラスの中の酒を揺らし、物思いに耽るように遠くを眺めていた。タイガには、いつもの涼しそうな下着と紫の髪に見覚えがある。
「ゼルか」
「ん? なんだ、お前か」
タイガが声をかけると、ゼルシオーネは顔を彼に向け、つまらなそうな表情をする。
「珍しいな、こんな時間にお前がいるなんて」
「少々早く起きてしまってな。やることもないから、ここに来て朝の酒でも楽しもうかと思っただけだ。お前こそ、昨日はレムリアに顔を出して遊び呆けていたらしいが、夜はちゃんと働いたんだろうな?」
「ああ、ちゃんとノルマ分は造った。途中でアイツらがはっちゃけて大変だったけどな」
「いいじゃないか。それだけお前を愛しているんだ」
──本当なら今頃、その愛は私に向いていたというのに。
そんな台詞を心の中で呟きながら、ゼルシオーネはグラスに入った酒を1口飲む。
「隣り、いいか?」
「……好きにするがいい」
ゼルシオーネから許可を得たタイガは、彼女の隣に立つと、同じように石柵に体を任せる。
「レムリアはどうだ?」
「今のところは落ち着いてるぞ。占領地までは
「また変なものを貰ってないだろうな」
「いや、今回は何も」
「今回だけじゃなくて、今後も妙なものは貰ってくるな。私の部屋が菓子まみれになる」
「はは……悪い」
タイガは誤魔化すように目の前に広がる光景に目を向ける。
展望場からは、魔力供給で一時的にひび割れが治った空、城壁の向こうの昇りかけた陽の光が良く見える。
「…………変わんねぇ…………」
ボーッと気だるそうに景色を眺めるタイガに、ゼルシオーネは顔を動かさず、無言で飲みかけの酒が入ったグラスを彼に指し出す。突然のことにタイガは表情を変えずに、彼女に顔を向けた。
「甘やかしてばかりいると臀を噛まれると言ったはずだ。お前、レムリアで何か嫌なことでもあったのだろう?」
「…………熱いものをかけられただけだ」
「十分やられてるじゃないか」
「このぐらいじゃ大した事ねえよ」
言葉を返すと、タイガはグラスを受け取り、彼女が口をつけた酒を胃へ流し込む。ただの酒のはずなのだが、タイガにはほんのりとした、心の落ち着く味に感じられた。
「……なんで分かったんだ?」
「長年一緒にいれば嫌でも分かる。というよりお前は分かりやすい」
「……そうか」
出会って煽って殴られてから幾数年の付き合い。ゼルシオーネには、彼が落ち込んでいることぐらいすぐにわかってしまうのだ。
「1つ貸しだ、今度なにか奢れ」
「くれるんじゃないのか」
「私の酒はタダじゃない」
タイガは何か言い返そうとしたが、美しい紫の髪を風に靡かせるゼルシオーネを見て、黙って前を向いた。
そして2人は黙ったまま、しばらく同じ景色を眺め続けた。
────────────
「……んん」
時は少し遡り、タイガが目を覚ます1時間前。
一仕事を終えて、仲良く眠っている中、ラムザはパチリと意識を覚醒させる。室内の明かりはピンク色から暖色に変わっている。地下室なため外の様子は分からないが、体の重さと眠気からして、まだ朝でないことはわかった。
「ふぁぁ……あれ? ルノーラぁ?」
重たい体を起こしながら大きな欠伸をしたラムザは、隣で寝ているはずのルノーラがいないことに気がつく。
どこに行ったと寝ぼけながら後ろを向くと、タイガの枕元に座り、鼻息を立てながら眠る彼の顔を愛おしそうに見守るルノーラの姿が映った。
「何やってんの?」
「いや、こんなに近くでタイガ様の寝顔を見たのは久々だから、つい」
「あー、そういえばあたしら、いっつも先に気絶してるもんねぇ。それで朝起きたらタイガ様はいないか項垂れてるかトレーニングしてるかだし」
たまには起きるまで膝枕でもしてくれればいいのに、そう寝ぼけ声で零しながら、ラムザは重い体をてとてとと動かし、ルノーラと挟む形でタイガの枕元に座る。その寝顔は、まるで狩りで疲れた体を癒すために眠りにつく肉食獣のようだ。
「……昔、わたしが飢えて死にかけた時、タイガ様がご飯をご馳走してくれたことがあった」
「知ってる。それでどの料理も味が中途半端なのに、2人して美味しい美味しい言って周りからドン引きされたんでしょ?」
「ドン引きはされてない……それに、どれもホントに美味しいと思ったぞ」
その昔、まだルノーラが物乞いをしていた時のこと。
ある日、彼女は空腹で死にかけていたところを、偶然目の前を通りかかったタイガに背負われ、飯をご馳走して貰ったことがあった。それが彼女と彼の初めての出会いでもあり、彼女にとっての大きな転機の1つでもあった。
「……わたしを背負ってくれたタイガ様の背中は……とても温かかった」
「……あたしも、あそこから連れ出された時に、タイガ様に抱っこしてもらったっけ。温かくて寝ちゃったなぁ」
親から捨てられ、行き着いた場所すら燃やしてしまい、最終的に殺されそうになったラムザの目の前に現れたタイガとゼルシオーネ。連れ出されたラムザはタイガに抱き抱えられ、彼の温もりを感じながら眠りについた。
今思っても、彼女が心の底から安らいだのはあの時が初めてであった。
「あの時から変わってないなーこの人」
ラムザはタイガの頬を指先でつんつんとつつく。つつく度にタイガは眉根を顰めたり緩めたりを繰り返し、ラムザは思わず吹き出しそうになるのを堪える。
「だが、もしゼル様がわたしをスカウトしに来なければ、タイガ様と再会して、こうして隣に寝ることもなかった」
「ねー、ゼル様にも感謝しないと」
拾われた経緯はそれぞれ違う。だが、お互いにタイガとゼルシオーネには感謝してもしきれない恩を感じていた。
「ラムザ」
「どーしたの?」
「……わたしは、タイガ様とゼル様の傍を離れないつもりだ。何があっても、わたしはお2人についていく」
ルノーラの言葉を聞いたラムザはつつくのを辞めて「そっかー」と言葉を返し、暫く黙ってから口を開く。
「……あたしも同じ。大好きなタイガ様も、タイガ様に振り回されるゼル様も放っておけないもん。死んでも離れるつもりはないよ」
「……そうか」
「あーけど、死んだらタイガ様もゼル様も怒っちゃうから、死なない程度にやろっか」
「……ああ」
互いに顔を合わせて微笑むと、ラムザとルノーラは再び視線をタイガに向ける。そうして眠りにつくまで、2人は寝息を立てる彼を見つめ続けた。
グラベルとアルディアをどうしようか迷っています……
主人公の設定上、今の状況で懲罰四剣以外の女性を抱かせるのはなかなか難しいというか。