※この作品はR-18です。

隣の加賀さん。   作:カマケル

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1、初めまして

 

 

 

 

 

 

 

隣の加賀さん。

 

玄関前で、待っているのもなんか嫌だったので、

扉の音がしたら、開けようと思いながら、

何故か自らの玄関で待つこと15分。

11時30分ちょうどに、お互いのドアが開いた。

 

『こんにちは♪』

 

「……こんにちは」

 

初めての挨拶。

 

 

 

今日も、……美しい。

いつもよりも、より良く見えるのは、

色眼鏡つけた僕の目だからだろうか。

 

『では、……行きましょうか』

 

 

「はい、行きましょう」

 

あはは、相変わらずの無表情の彼女では有るが、

 

その足取り普段より、軽やかで、

 

雰囲気も普段の緊張感の有る面持ちが柔らかに感じられる。

 

あーまずい、解った気になってしまっている。

 

僕自身、気を引き締めないとイケナイ。

 

イケないんだけど、無理。

 

こんな人とデートできるのに、浮つかないなんて無理。

 

「あの…」『あの…』

 

あっと、話を切り出そうとしたら、

被ってしまった。

 

どうぞどうぞと譲り合う、

 

「分かりました。

 では、……先に。

 …今日は、予約してくれたとのことですが、

 予約の時に、コースも選ばれたりされてますか?」

 

『ああ、それは、

 どうしようかなと悩みはしたんですが、

 何を頼むか分からなかったので、コースは選んでいません。

 

 ちょっと待つ時間は、長くなるかもしれませんが

 現地で選んで注文する形にしました』

 

それで良かったでしょうか?と聞いてみる。

 

 

 

「お気遣いありがとうございます」

 

そっけなく、感謝の言葉を話す彼女。

 

その言葉の真意はわからないけど、

 

うん、多分間違えては無いと思う。

 

………

 

………

 

えーっと、終わりかな。

 

『じゃあ、僕から、

 えーっと、……

 初めまして。

 いや、まあ、何度も会ってるから、

 初めましてっていうのも可笑しいのかもしれないけど、

 初めまして。備速出って言います』

 

 

 

 

 

 

 

うん、知らないんだ。

 

名前も、何度も会ってはいるが、それだけだし。

 

部屋の表札や、ポストにも、お互い今どきらしく何も貼ってない。

 

 

「……加賀と申します」

 

うーん、可愛すぎか。

 

名前とかより、食い意地を貼ってしまった形になる彼女、

加賀さんは、初めて分かりやすく表情を変えた。

 

呆けた表情から、訝しみ、愕然とした表情を次々と見せる。

 

百面相かな。

 

 

『はは♪、

 気にしなくていいよ。

 名前も知らない相手を誘った僕のほうが可笑しいんだから、

 それに♪、

 選んだところが、それだけ、魅力的だったってことでしょ』

 

うん。このやり取りだけでもわかった。

絶対加賀さんコミュ障。

僕もそんなに、コミュ力有る方じゃないけど、コレは中々ですよ。

 

 

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