※この作品はR-18です。

入れ替わり回(Qruppo)   作:黒桐饅頭

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※時系列は文乃アフターで学園に在学中でかつ学年はそのままの設定です。



Part1. 「ぬきたし」NLNS編

★場所:橘家

 

【淳之介】

「…………」

 

【麻沙音】

「…………」

 

【奈々瀬】

「…………」

 

【ヒナミ】

「…………」

 

【美岬】

「…………」

 

【文乃】

「…………」

 

【淳之介】

「……くっそ! また負けた!」

 

【文乃】

「またわたくしが1位でございます……! ふんすっ……!」

 

【麻沙音】

「ほんっとに文乃マタブラ強いな……。これで何勝目だよおい」

 

【奈々瀬】

「何度やっても文乃とアサちゃんに勝てないのだわ……」

 

【ヒナミ】

「NLNSのトップ2だね!」

 

【美岬】

「淳之介くん。わたしたち、勉強だけでなくマタブラもワースト2ですよ……。今どんなお気持ちですか?」

 

【淳之介】

「お前とセットなのが納得いかない」

 

【美岬】

「何を言おうがわたしたちは運命の糸で繋がっているということですよ……!」

 

【淳之介】

「じゃあなんで聞いたの?」

 

【麻沙音】

「豚女はともかく兄って一回も1位になってないじゃん。弱すぎないか?」

 

【ヒナミ】

「トップ3にも入れてないよね、淳くん?」

 

【淳之介】

「文乃とアサちゃんは分かるけど奈々瀬までマタブラ強いのが意外だったなぁ……」

 

【奈々瀬】

「そう? 普通にピコピコやってるだけですけど?」

 

【麻沙音】

「おにゃぶたしぇんぱいみたいな言い方する奈々瀬さん……"良"い!!」

 

【文乃】

「これで……NLNSのマタブラ序列は決定のようですね……」

 

【淳之介】

「文乃とアサちゃんは今度からハンデありで頼むな」

 

【美岬】

「そうですよ! わたしたち雑魚豚にも慈悲をください!」

 

【麻沙音】

「豚は手前だけだろ人の兄を勝手に巻き込んでんじゃねぇぞ唯一無二豚が兄はただのクソ雑魚ナメクジなだけなんだから言葉を慎めよ」

 

【淳之介】

「どの口が言ってんの?」

 

【ヒナミ】

「奈々瀬ちゃん。あと30分ぐらいしたらお買い物行こっか」

 

【奈々瀬】

「そうね。もうすぐお昼だしスーパーでお惣菜かなにか買っていきましょ」

 

【文乃】

「わたくしもご同行致します」

 

●SE:玄関が勢いよく開く音

 

【桐香】

「みなさんお邪魔致しますSS代表水乃月学園生徒会長の冷泉院桐香でーす」

 

【奈々瀬】

「あら会長さん。お久しぶりじゃない。相変わらず元気そうね」

 

【ヒナミ】

「あ、今ね! みんなでマタブラやってたんだね! 会長さんもどうかな?」

 

【美岬】

「会長さんにまで負けたら自信失くしそうですね……」

 

【麻沙音】

「れ、冷泉院さんっ!? ど、どうぞお上がりください……今すぐお茶出しますのでえっへへへへ」

 

【淳之介】

「なんで誰も不法侵入をツッコまないの?」

 

【桐香】

「ふふっ実はですね、ちょっと面白いものを持ってきまして」

 

【文乃】

「それは……お飲み物、でしょうか」

 

【桐香】

「お薬ですね。これを飲むとエロゲみたいな萌え声になるらしいんです」

 

【奈々瀬】

「なんか怪しいわねそれ……」

 

【ヒナミ】

「でもいいね! 私もエロゲみたいな萌え声になってみたいね!」

 

【美岬】

「わたしたちってすでにエロゲみたいな萌え声じゃありません?」

 

【淳之介】

「触れにくいことを堂々と言うな」

 

【文乃】

「しかし麻沙音さんは比較的低めの声かと存じます……」

 

【麻沙音】

「ノーコメントで」

 

【淳之介】

「この話やめない?」

 

【桐香】

「せっかくですのでNLNSのみなさんで飲んでみてはいかがですか。先輩の萌え声も聞いてみたいので♡」

 

【淳之介】

「結局それが目的か」

 

【文乃】

「皆さんどうなされますか……?」

 

【奈々瀬】

「ま、いいんじゃない? まだ時間あるしちょっとくらいね」

 

【桐香】

「ちなみに効果は数十分で切れるそうですので、そこまでお時間はいただきません」

 

【美岬】

「だったら問題なさそうですね! 6人全員で飲んでみますか!」

 

【麻沙音】

「…………まぁいっか」

 

【ヒナミ】

「じゃあ早速飲んでみよー! いっせーの!」

 

●SE:嚥下音

 

【淳之介】

「…………」

 

【麻沙音】

「…………」

 

【奈々瀬】

「…………」

 

【ヒナミ】

「…………」

 

【美岬】

「…………」

 

【文乃】

「…………」

 

【桐香】

「……あ、あの皆さん。大丈夫ですか? ずっと項垂れてますけど……」

 

【麻沙音?】

「んん……。あぁいや大丈夫だ桐香。心配すんな」

 

【桐香】

「……麻沙音さん? 今『桐香』って――」

 

【麻沙音?】

「は? アサちゃん? 何を――ってなんだ? 声……いや、体? な、なんだこれは!? 体がアサちゃんになってるぞ!?」

 

【奈々瀬?】

「…………なんだぁ……さっきから私の、え? 体が大き、く? あっ奈々瀬しゃんの、服!? はぁ――――!!??」

 

【文乃?】

「ちょっと奈々瀬さんうるさいですよ……って、あ、あれ? 体が縮んで、いや着物? え、なんで? 声もちょっと変です!」

 

【桐香】

「こ、これは一体……?」

 

【ヒナミ?】

「……アタシ、なんで意識が……っ!? 声が……高く、いや、ちっ違う! から、体がロリになってるのだわ――――!!」

 

【美岬?】

「ロリじゃな……ん? え? な、なんか体重いな? お腹もちょっとな……、あっあれ!? これ、美岬ちゃんの服だな!?」

 

【淳之介?】

「むべ……何が、起きて……えっ股間部がなにか……!!! と、殿方のっ!! い、いえそもそも体が大きっ……ど、どういう……」

 

【桐香】

「……先輩? 何を言って――――」

 

【麻沙音?】

「おい、俺がどうした?」

 

【桐香】

「いえ麻沙音さんでなく……――っ!! ……もしかして――――」

 

【奈々瀬?】

「なっ奈々瀬しゃんの、か、体にぃっ!! はぁっ……はぁっ……!!」

 

【ヒナミ?】

「えっ!? 何で私の体がそこにあるのよ!? ん? でもいま、奈々瀬しゃんって……??」

 

【桐香】

「皆さん落ち着いてください。今から状況を整理しますので、一旦静かにしていただけますか」

 

【淳之介?】

「…………」

 

【麻沙音?】

「…………わけがわからんぞ」

 

【奈々瀬?】

「…………うぅっ……」

 

【ヒナミ?】

「なんなのよこれぇ…………」

 

【美岬?】

「…………奈々瀬ちゃん? 大丈夫?」

 

【文乃?】

「…………えぇっと……」

 

【桐香】

「……私の予想が正しければですが――――先輩、挙手を」

 

【麻沙音?】

「挙手?」

 

【桐香】

「…………麻沙音さん」

 

【奈々瀬?】

「…………ふっ、ふぁい……」

 

【文乃?】

「奈々瀬さん鼻血ひどいですよ。ほらティッシュティッシュ」

 

【ヒナミ?】

「文乃? 私は鼻血なんて……ん? 今の喋り方……」

 

【桐香】

「分かりました。皆さんの身に何が起こっているのか」

 

【麻沙音?】

「……なんだ? 教えてくれ」

 

【桐香】

「皆さんの魂が入れ替わっています。間違いありません」

 

【淳之介?】

「…………」

 

【麻沙音?】

「…………」

 

【奈々瀬?】

「…………」

 

【ヒナミ?】

「…………」

 

【美岬?】

「…………」

 

【文乃?】

「…………ははっ会長さん。そんなSFじゃないんですから」

 

【麻沙音?】

「異世界に行ったことがあるくらいだ。あり得ない話じゃない」

 

【ヒナミ?】

「あり得ない話であってほしいんですけど……でも、アタシもそう思う。じゃないと説明がつかないわ」

 

【麻沙音?】

「……その喋り方。見た目はヒナミだけど……お前、奈々瀬か?」

 

【ヒナミ?】

「えぇそうよ。アタシの魂はわたちゃんの体に入ってるってことじゃないかしら。で、そっちは淳?」

 

【麻沙音?】

「あぁ。橘淳之介だぞ。体はアサちゃんになってるが」

 

【桐香】

「……つまり、皆さんの喋り方から考えると、このように入れ替わっているのではないでしょうか」

 

◆入れ替わり関係まとめ

 ・奈々瀬   →ヒナミ

 ・ヒナミ   →美岬

 ・美岬    →文乃

 ・文乃    →淳之介

 ・淳之介   →麻沙音

 ・麻沙音   →奈々瀬

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「な、なるほどな……。一周する形で入れ替わってるってことなんだな」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「そうなるわねぇ…………はぁ。面倒なことになったのだわ……」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「……俺のっいや、文乃か。さっきから何を悶えてるんだ?」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「じゅ、淳之介さんの……かっ体……! それに、その、こ、この……だ男性器が、その……へ、変な感覚で……ううぅ……!!」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「あー…そうなるかぁ……。正直俺もこのおっぱいとか、アレがついてない、その、女体特有の感覚がな」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「あのー……、そこの奈々瀬さんボディの麻沙音さんですけど、なんか死にかけてません?」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「…………」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「ちょ、ちょっと!! 鼻血鼻血!! アタシが死んじゃうから!! アサちゃんしっかりして!! 起きて!!」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「ひ、ひとまず奈々瀬ちゃ……じゃなかった。麻沙音ちゃんをかいほーしないとだね」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「ほぉ……わたしの体が動いてるの見るとすっごいドスドスしてますね。……はっ! 今のこの文乃ちゃんの体であれば爆食いしてもわたしは太らないのでこれはチャンスでは!!?? ジュルッ!!!」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「本当にそんなことしたらマジで焼豚にするからな。あと文乃の体でその感じ出すのやめろ頭がおかしくなる」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「同じ兄妹なのでツッコミにあまり違和感ないですね」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「あさっ、じゅ淳之介さん……こ、”これ”……触ってみても、よろしいでしょうか……? ぬっへっへ……」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「俺の体でそんな気色悪い顔しないで! 見るに堪えない!!」

 

【桐香】

「混沌としてきましたね」

 

 

 

   ◆

 

 

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「…………はぁっ…、な、なんとか無事です」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「よかった……本当にアタシ死ぬのかと思ったのだわ」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「仕方ないのかもしれんが興奮しすぎだろお前」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「あっそうだおい兄なんだろ私の体で変なことしてみろこの抜群のプロポーションボディで蹴り回すからないやそれだと私の体が傷つくから兄の体を蹴ればいいのかでもそれだと文乃が――」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「奈々瀬が早口で喋ってる……」

 

【桐香】

「…………ごめんなさい」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「……桐香?」

 

【桐香】

「皆さん、本当にごめんなさい。まったく違う薬を持ってきてしまうとは。こんなことをするつもりはありませんでした」

 

【桐香】

「……虫のいい話ではありますが、どうかお許しいただけませんでしょうか」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「…………」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「…………」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「…………」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「…………」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「…………」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「……まぁ厄介事には慣れてるからな。悪気はないんだろ?」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「そうね。飲む前に確認しなかったアタシたちも悪いんだし、そんなに気に病まないで?」

 

【桐香】

「麻沙音さん、ヒナミさん……。ありがとうございます」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「私はこっちです」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「慣れないと間違っちゃうねこれ」

 

【桐香】

「早急にこの入れ替わりの解除法を調べてきます。皆さん、しばらく橘家でお待ちいただけますか。なんとか今日中には戻って参ります」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「はい! よろしくお願いしますよ会長さん!」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「当然です。あなたが元凶なのですから責任を持って遂行していただきます」

 

【桐香】

「ひぅっ!! ガタガタブルブル……!!」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「あ。やっぱ入れ替わってもダメなんですね」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「これどっちに反応したの?」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「多分両方じゃないの……」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「とにかく。会長さん、よろしく頼むわね」

 

【桐香】

「…………はい。では私はここで一旦失礼します」

 

●SE:玄関のドアが閉まる音

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「…………」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「…………」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「…………」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「…………」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「…………」

 

●SE:腹の虫が鳴る音

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「……そういやもう昼か。昼飯どうする?」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「そうねぇ……。このまま外に出るのも危険だし、ピザでも頼みましょうか」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「Lサイズ50枚でお願いします!」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「いろんな意味でふざけんなよ」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「美岬さん。わたくしの体でいつもの過食はお止めください」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「えへへ冗談ですよ。文乃ちゃんの体だからでしょうか。不思議とそこまで食欲ないんですよね」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「えっじゃあ今の腹の音って――」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「…………」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「……ヒナミさんのようですね」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「うぅ……実はさっきから空腹で苦しいんだよぅ……。美岬ちゃんの体どうなってるのさぁ……」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「くそっ……! 見た目が文乃だから全力で り飛ばせない……!」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「可哀想すぎるだろこれ」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「美岬ねぇ……ホントに一回ダイエットしなさいよ」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「…………なんか、すみませんでした……」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「わたくしが責められております……不思議な光景でございますね……」

 

■同日 昼頃

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「ふぅーー! お腹いっぱい! 大満足だよ!」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「けっこう食べたわねぇ……。やっぱ美岬だからかしらね」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「端から見てると完全にフードファイターでしたね」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「お前はそれをいつもやってんだよわかってんのか文乃おい」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「えっわたしでございますか……?」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「まだ間違えてるのアサちゃんだけなんだぞ」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「どうでもいいけど見た目が淳で文乃の口調は未だに慣れないのだわ……」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「人のこと言えないだろ。奈々瀬口調のヒナミ、割と怖いぞ」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「普段のわたちゃんとのギャップがすごすぎてグレたのかなって思っちゃいますね」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「お前は逆に変な薬でもキメてんのかって感じなんだよ文乃はそんなにラリってねぇんだよ」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「なーに言ってんですか麻沙音ちゃん。すでにキメてるじゃないですかぁ。全員で♡ むべっ♡」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「やめろテメェ!! 文乃でこれ以上遊ぶな!! 美岬のほうをぶっ飛ばすぞ!!」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「それだと私がボコボコになっちゃうよ淳くん! やめてぇ!」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「会長さん早く帰って来てくれないかしらねぇ……」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「!!!」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「……文乃? どうかしたか?」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「じゅ、淳之介さん……その……えっと……」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「? どうした? なにを詰まってるんだ?」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「……………………おトイレに」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「え?」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「で、ですから……! お、おトイレ、に……行きたく……」

 

【中身文乃以外の5人】

「「「「「!!!!!」」」」」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「…………そ、その……殿方の、用の足し方を……」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「…………」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「…………」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「…………」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「…………」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「……思わぬ弊害が生じたな」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「なんなんだこのいたたまれない空気は……」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「……淳。ついて行ってあげなさい」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「……やっぱそうなるよなぁ」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「…………」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「…………」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「…………」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「じゅ、淳之介さん……!!」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「くっ……わかった。い、いくぞ文乃……」

 

●SE:トイレのドアが閉まる音

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「す、すごい緊張感だったな……?」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「年頃の兄妹が同じトイレに入っていく光景そうそう見れませんよ」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「地獄ね……」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「ですね……。入れ替わるとこういうことが――――っっ!!!」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「どうしたの? アサちゃ……――えっ! ま、まさか!! 噓でしょ!?」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「……わ、私も……その、トイレに……」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「…………」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「地獄のバーゲンセールですね」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「な、なんて声かけたらいいんだろな……?」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「な、奈々瀬さん……」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「うん……」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「……いいですか?」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「……せ、生理現象だし? し、仕方のないことだから…………いいわよ」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「ほ、本当に……本当にすみません……」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「気にしないで……もうお互い様だから……」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「麻沙音ちゃん! ちなみにどっち――――」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「美岬」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「ごめんなさいさすがに今のはなかったです」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「でりかしーなさすぎだよ美岬ちゃん」

 

●SE:トイレのドアが開く音

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「…………」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「…………」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「あ。地獄から生還しましたね」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「な、奈々瀬さん……」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「えぇ……いいわよ行ってきて……」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「お前たちに1つアドバイスを送る」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「…………」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「……心を無にしろ。精神やられるぞ」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「うん…………」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「そうね…………」

 

●SE:トイレのドアが閉まる音

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「…………」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「…………」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「…………」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「……思ったんだけどさ。誰かついていかなくて大丈夫だったかな? また鼻血出しちゃわないかな?」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「麻沙音さんを信じましょう」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「えぇ…………」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「…………う、うん。そうだね……」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「…………」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「…………」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「トイレ行くだけでお通夜みたいな空気になることあります?」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「今はそんなツッコミすら心地良く感じるのだわ……」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「思ったより深刻ですね……精神ダメージ……」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「…………」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「…………なんかさ」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「……はい?」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「もはやここまで来ると悟りの境地に至らないか」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「そんなことあります?」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「なんとなくですが仰ることは理解できます……いっそのこと清々しい気分になると言いますか……」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「しょぎょーむじょーとはこのことなのかもしれないねぇ……」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「今なら涅槃に至れそうなのだわ」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「今のみなさんわたしより頭おかしいですよ?」

 

●SE:トイレのドアが開く音

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「…………た、ただいま戻りました……」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「おかえりアサちゃん。大丈夫?」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「は、はい……。あれ、なんか明るいですね……」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「ううん。なんかもう気にするのがバカらしくなっただけ」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「あぁ。俺たちみんな家族みたいなもんだ。よく考えたら大したことじゃないなって」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「そうだよ! 私たちの結束は固いからね! 気が滅入るのも違うってことだね!」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「…………」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「幾重にも辛酸を舐め、七難八苦を越え、艱難辛苦の果て、満願成就に至る――」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「……文乃?」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「わたくしたちはこれまで、あらゆる逆境を乗り越えてきました」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「わたしを助け出していただいたあのときも、逞しく勇ましい――」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「――……そんなあなた方のお陰で、今の自分がございます」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「たとえどんな姿でも、みなさんとこうして同じ時間を過ごせる――」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「――――それこそが、琴寄文乃の誉れでございました」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「文乃……!」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「文乃ちゃん……!」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「…………」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「……そうだね。私ももう気にするのはやめる。良いこと言うじゃん。文乃」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「ふふっ……。なんだか、アタシたちの原点を改めて思い返せたって感じね。案外こういう機会も……悪くないかもね」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「これトイレの話ですよね?」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「なんかスッキリしたな! これで俺たちも――――っっ!!!」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「……淳?」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「…………アサちゃん」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「ん? どうし――――えっ、まさか!」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「…………」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「…………マジで?」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「…………うん」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「スッキリしてないじゃないですか」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「嘘でしょ……兄に見られるのだけはホントに勘弁なんだけど……」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「仕方ないだろ生理現象なんだから! 女子ってどうやんだ!? 教えてくれよ!」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「うるさいよ! 『どうやる』とか言うんじゃないよ! なんで兄にそんなことレクチャーしなきゃなんないんだよぉ!」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「ええいじゃあ奈々瀬! 教えてくれ! どうすればいいんだ!?」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「は、はぁっ!? アタシの口から喋らせる気!? ホンットにデリカシーないわねこの男! スマホかなにかで調べなさいよ!」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「~~~っ! もういい! 文乃、頼む!」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「……しょ、承知致しました。では、参りま――」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「やめろ文乃ぉ! わかったから私がついていくから! その代わりアイマスクは絶対にしろよこのクソ童貞が! あと鼻栓と耳栓もしやがれぇ!」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「さっき気にするのやめるって言っただろうが! それに俺たち兄妹だろ! そもそもそこまで気にするような間柄じゃねぇだろうが!」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「これだからデリカシーのねぇ童貞は! 兄妹でも譲れねぇもんってのがあんだろうがよぉ!!」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「おぉ……。麻沙音ちゃんと奈々瀬ちゃんがケンカしてる構図だ……! なんか新鮮だな……!」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「麻沙音さんは普段より奈々瀬さんをお慕い申し上げておりますからね……」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「アタシはこれをどういう気持ちで見てればいいのかしら……」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「さっきの結束感はなんだったんですかね」

 

 

 

■同日 夕方

 

 

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「入れ替わってからだいぶ時間経ったわね」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「さすがにお互い体になれたんじゃないかな?」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「そうですねぇ。もう馴染んだというか違和感ありませんね」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「わ、わたしはまだ……」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「俺もまだだなぁ。それにしてもアサちゃんっておっぱい大きいよな」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「なに揉みしだいてんだこら。せめてブラとってからやれよ童貞」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「揉まれるのはいいんですね」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「そういや美岬ちゃん。お腹気にしてるって前に言ってたけど、そこまでじゃないと思うな?」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「え、そうなんですか……?」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「うん。お腹出てるってほどでもないし、しぼーも普通ぐらいじゃないかな?」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「……そう言ってくれるととても嬉しいです。わたちゃん、ありがとうございます」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「入れ替わって改めて気づくこともあるのね」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「それはあるな。アサちゃんの体ってけっこう怠いんだよな。不健康なのが実感として分かるし」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「否定はしないけどあまりそういうこと言わないでくれませんかねお兄様」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「奈々瀬の声で『お兄様』って言われるの……なんか"良い"な」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「なんだこいつ。気持ち悪っ」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「それは普通に傷つくからやめてくれ」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………へぇ。そうなんだ」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「……? 奈々瀬?」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「……別に。そんなに気に入ったなら今度言ってあげよっか」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「えっ……そ、その……いいのか」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「私の顔で照れてんじゃねぇよ見てるこっちが恥ずかしいわそんなに奈々瀬さんにお兄様って言われたいなら私が奈々瀬さんと結婚すれば合法で言ってもらえるだろうがどうだよそれなら奈々瀬さんは私の嫁だし兄の妹になるだろうがどうだ文句あっか」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「奈々瀬の品格が落ちるから早口でわけわからんこと言うのやめろ」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「…………」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「どーしたの文乃ちゃん?」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「……いえ。なんでもございません」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「もしかして嫉妬してるのかな? かわいいな?」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「……っ! い、いえそういうわけでは!」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「中身文乃ちゃんですけど男の嫉妬顔ってホント需要ないですよね」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「なんださっきからボロクソじゃないか俺」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「それにしてもいいよなぁ。美岬ちゃんこんなにおっぱい大きくて。ぽよぽよしてるよ。巨乳ってこんな感じなんだねぇ……」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「あの……優しくお願いしますね。なんか……ちょっと怖いんですけど」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「巨乳〇ね!」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「ほらやっぱり! ペチペチ叩かないでください! 痕ができちゃいますから!」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「……ロリも大変なのねぇ」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「ロリじゃないですけど!」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「醜い豚ですけど!」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「文乃の声でそういうこと言うのやめなさいよ……」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「あ、あの……奈々瀬しゃん……」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「……え? もしかしてまたトイレ?」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「わ、わらしも奈々瀬しゃんの体触りたいでしゅ!!」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「えぇ……」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「奈々瀬が本気で引いてるからやめなさい」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「後生のお願いです! 乱暴はしませんから! この機会を逃したらもう一生ないんです!」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「完全にリミッター外しましたね」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「うちの妹が本当にごめんなさい」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………はぁ」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「一回だけ殴っていいぞ。俺が許可する」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「自分の体だからしないわよ。…………わかったわ。いいわよアサちゃん。優しくね」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「許可出すんですね」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「どうしてもって言うならね。アサちゃんなら変なことしないと思うから」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「変なことをするやつなんだぞ」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「……!! あ、ありがとうございましゅ!!」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「あっ、でも…………"あそこ"はあんまり触らないでね?」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「!!!! ぶほぉっ!!!!」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「あ。また鼻血だ」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「救急箱はこちらにございます」

 

 

 

   ◆

 

 

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「……すみません。やっぱやめときます」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「そのほうがいいのだわ……」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「元に戻ったらレバーでも食って鉄分補給しとけよ」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「一日に二回も大量に鼻血を出すなんて生まれてこの方ないんですけどねぇ……」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「それにしても冷泉院さん遅いですね……」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「まだ調べるのに時間かかってるんじゃないかな」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「そろそろ夕飯の時間ですし、食べながら待ちます?」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「そうね。お昼のピザまだ余ってるし、それ食べて待ちましょ」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「でもそれだけだと栄養偏っちゃうからお野菜もほしいねぇ」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「たしか冷蔵庫にレタスとかトマトがあったはずだけど」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「そうでしたね。でしたらわたくしの方でサラダを作ります故……」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「淳之介くん筋肉ダルマですよ? その体で料理できます?」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「筋肉があると料理できないみたいな言い方するな」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「……どう文乃。切ってみた感触は」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「……おぉ! まったく力を入れずともサクサク切れます! さすがは淳之介さんでございます……!」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「そっか。こんなこともあろうかと鍛えておいてよかったよ……」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「こんなことねぇだろ」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「趣味でやってるだけでしょうが……」

 

 

 

■同日 夜

 

 

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「…………」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「…………」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「…………」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「…………」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「…………」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「…………さすがに遅くないか?」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「うん……。ちょっと心配だねぇ」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「……ねぇ淳、アサちゃん。今日泊まっていっても大丈夫? さすがにこのままじゃ家に帰れないし」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「うちは全然かまいませんけど……」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「これだけ遅いとなるとさすがに……」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「わたしちょっと今から自転車で会長さんのとこ行ってきますね!」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「おい無茶すんな。文乃の体だぞ――――」

 

●SE:玄関のドアが開く音

 

【桐香】

「はぁっ、はぁっ、はぁっ………」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「っ! 桐香! 大丈夫か!? 遅かったようだが、なんかあったのか!?」

 

【桐香】

「……い、いえ。単に調査に時間がかかっただけです。遅くなり大変申し訳ありません」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「大丈夫だよ! 会長さんの身になにかあったのかと心配しちゃったけど、無事でよかったよ!」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「……それで、解除法は分かったのですか」

 

【桐香】

「はい。無事判明しました」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「本当ですか!? よかったです! ずっとこのままかと思ってたので!」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「会長さん。私たちはどうすればいいのかしら」

 

【桐香】

「順序を追って説明しますね。まず、解除するには条件が一つあります」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「……条件?」

 

【桐香】

「――薬を飲んでから9時間以上経過していることです」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「えぇっと……お薬飲んだのはたしかお昼前だったから、そこは問題ないな?」

 

【桐香】

「……そうですね。なので条件はクリアしています。肝心なのは具体的な方法です」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「と言うと?」

 

【桐香】

「性器を舐めます」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「…………」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「…………」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「…………」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「…………」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「…………」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「……さすがに疲れたか? 茶でも飲んで休んで――――」

 

【桐香】

「いえ、冗談等でなく本気の話です。麻沙音さん」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「私はこっちです」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「淳之介だぞ」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「昼前も同じくだりやりましたよね」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「それで、性器って……どういうこと?」

 

【桐香】

「現在ご自身の魂が入っている人物の入れ替わり先の人の性器を3分間舐め続けます。その間、一度もイかずに継続できれば解除は完了します」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「何を言ってるのかさっぱりわからん」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「……わたしの場合であれば、麻沙音さんの体の女性器を舐めればよい、ということでしょうか」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「えっ」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「……マジで?」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「すごいな。文乃ちゃん理解が早いんだな」

 

【桐香】

「仰る通りです。今の例でお話しますと、文乃さんの魂は現在先輩の体に入っています。その先輩の魂は麻沙音さんの体に入っています。ですので、文乃さん(in 淳之介の体)は先輩(in 麻沙音の体)のおま〇こを3分間ク〇ニする、ということになります」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「頭痛がしてきたのだわ……」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「その言い方だと俺に女性器があることにならない?」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「まぁ今は麻沙音ちゃんのおま〇ことしてありますからね」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「なんだこの会話」

 

【桐香】

「つまり、構図としてはこうなりますね」

 

◆ク〇ニ先まとめ

 ・奈々瀬(in ヒナミの体) → ヒナミ(in 美岬の体)

 ・ヒナミ(in 美岬の体)  → 美岬(in 文乃の体)

 ・美岬(in 文乃の体)   → 文乃(in 淳之介の体)

 ・文乃(in 淳之介の体)  → 淳之介(in 麻沙音の体)

 ・淳之介(in 麻沙音の体) → 麻沙音(in 奈々瀬の体)

 ・麻沙音(in 奈々瀬の体) → 奈々瀬(in ヒナミの体)

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「『ク〇ニ先まとめ』って単語この世にある?」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「ってことは……6人で円環状になって、互いの性器を舐め合うってこと……? 冗談でしょ……?」

 

【桐香】

「そうなりますね」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「とんでもないことになってきたぞ……」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「ちょっと違うけど昔の5Pを思い出すねぇ」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「……?」

 

【桐香】

「では早速――」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「……あのー、ちょっといいですか?」

 

【桐香】

「……どうしましたか?」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「えっと……わたしの場合は相手が淳之介くんの体なんですけど」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「あっ……美岬さんはそうなりますね」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「じゃあ美岬だけフ〇ラ……ってこと……なのかしら……」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「でもア〇ルの場合もありますよね。会長さん、どっちを舐めればいいんですか? ア〇ルですか? ア〇ルでいいですよね?」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「なんで食い気味なんだこいつ」

 

【桐香】

「性器ですので男性器です。先輩のおち〇ちんをしゃぶってください。…………ちょっと羨ましいですけど、それが"最高"なのでWin-Winですね♡」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「やった!!!」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「えぇ……」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「…………」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「文乃ちゃんには申し訳ありませんがこれも解除のためですので! どうかあしからず! グヘヘヘヘヘ……」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「うわぁ……」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「うーん……でもちょっとだけ羨ましいかもな。おま〇こが嫌ってわけではないけど、私もおち〇ちんしゃぶってみたいな」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「わたちゃんも何言ってんの?」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………淳が……アタシの……」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「承知致しました。ですが美岬さん、殿方の感触は未体験です。果てるわけにはいきませんので、何卒優しくお願いいたします……」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「ご心配なく! わたしもおち〇ちんはしゃぶったことありませんので! そんなに上手くないので大丈夫ですよ!」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「……なぁ桐香。本当にその情報合ってるのか? マジでみんなでヤりあわないといけないのか?」

 

【桐香】

「たしかな情報です。私を信じてください」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「…………」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「…………みんな、覚悟を決めるぞ」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「……はぁ。仕方ないわねぇ」

 

【桐香】

「ではスタンバイをお願いします」

 

 

 

   ◆

 

 

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「…………」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「…………」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「…………」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「…………」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「…………」

 

【桐香】

「時間は3分間。私が計ります。くれぐれもイかないようにお願いします」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「本当にやるのか……」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「ボヤくな。心を無に。無我の境地に至れ」

 

【桐香】

「それでは、始めてください」

 

【麻沙音(in 奈々瀬の体)】

「…………っっ……あっ……!」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「…………んっ……ふぅっ…!」

 

【ヒナミ(in 美岬の体)】

「…………あっ……っ…!」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「…………ちゅぱっ……んちゅっ……じゅるっ…」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「…………はぁっ……はぁっ……あぁっ……!」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「……っ! くっ……! か、感度が……!」

 

【桐香】

「どうですか先輩。おま〇こも気持ちいいでしょう♡」

 

【淳之介(in 麻沙音の体)】

「は……はなっしっ……かけん……! ……うっ……あっ……!」

 

【美岬(in 文乃の体)】

「…………れろっ……ちゅっ……」

 

【文乃(in 淳之介の体)】

「んっ……あっ!! ……ううっっ……!」

 

【奈々瀬(in ヒナミの体)】

「はっ……はやっ…くっ……3分……たっ…経ってっ……!」

 

 

 

   ◆

 

 

 

【淳之介?】

「…………」

 

【麻沙音?】

「…………」

 

【奈々瀬?】

「…………」

 

【ヒナミ?】

「…………」

 

【美岬?】

「…………」

 

【文乃?】

「…………」

 

【桐香】

「ぐったりしているところすみませんが、どうです? 元に戻りましたか?」

 

【淳之介】

「…………あぁ、戻ってるよ……」

 

【奈々瀬】

「……えぇ。お陰様で」

 

【ヒナミ】

「……あ、ありがとね…会長さん…」

 

【麻沙音】

「…………け、けっこうキツかった……」

 

【奈々瀬】

「…………」

 

【奈々瀬】

「…………ねぇ。淳」

 

【淳之介】

「……どうした奈々瀬?」

 

【奈々瀬】

「…………ううんなんでもないわ。気にしないで」

 

【淳之介】

「……? そっか…………文乃? どうした?」

 

【文乃】

「…………っ」

 

【美岬】

「……淳之介くん。ごちそうさまでした♡」

 

【淳之介】

「やかまし――――っ! あっ!!」

 

【ヒナミ】

「……どうしたの淳くん?」

 

【淳之介】

「……ちょっとだけ…射精(で)てる…」

 

【麻沙音】

「えっ」

 

【奈々瀬】

「…………で、でも全員元に戻ってるのよね……」

 

【文乃】

「…………」

 

【美岬】

「……あのー……文乃ちゃん……もしかして」

 

【文乃】

「淳之介さん……申し訳ございませぬ……申し訳ございませぬ……申し訳ございませぬ……」

 

【淳之介】

「…………そっか。少しだけ絶頂っちゃったんだな……」

 

【文乃】

「は、初めての……感覚でしたので……その……本当に……」

 

【淳之介】

「いいよそんなに謝らなくて。あとで洗えばいいだけだし」

 

【美岬】

「わたしけっこう弱めにやったはずなんですけどねぇ」

 

【麻沙音】

「…………兄が早漏だったってだけの話じゃないの」

 

【淳之介】

「!!! 麻沙音お前!!!」

 

【ヒナミ】

「だったら仕方ないねぇ。淳くんの体の方の問題だねぇ」

 

【奈々瀬】

「アンタって男は……」

 

【淳之介】

「や、やめろよ!! 決めつけは良くないぞ!!」

 

【ヒナミ】

「でも美岬ちゃんは手加減したんだよね? なのに出ちゃったんだよね?」

 

【美岬】

「はい。そもそも処女ですから加減もなにもないんですけど」

 

【麻沙音】

「……兄。そんなんで文乃を満足させられてんのか?」

 

【奈々瀬】

「…………はぁ」

 

【淳之介】

「……うわぁああああん桐香ぁー!! みんながいじめるよ~~~!!」

 

【桐香】

「あらまぁ♡」

 

【奈々瀬】

「いや、だって……ねぇ?」

 

【文乃】

「ううぅ……ぐすっ……」

 

【ヒナミ】

「淳くん。筋肉もいいけどおち〇ちんも鍛えようね?」

 

【麻沙音】

「お前が悪いんだろうがお前が。文乃に恥かかせやがって」

 

【美岬】

「甲斐性ないですねこの男」

 

【桐香】

「皆さん少し言い過ぎでは? 人の心ないのですか?」

 

【淳之介】

「お前が言うな」

 

【桐香】

「号泣はどこにいったんですか」

 

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