「みんな、お疲れ様」
教室にチャイムの音が鳴り響き、教壇に立っていた
「終わったー」
「疲れたー」
背後から
これで中間試験が終わったのだ。
たった二日間なのに異常に長く感じた二日間だった。
国語、数学、理科、社会、英語のペーパーテストは花胡先生がこれから採点して後日返してくれるらしい。
一番心配していた保健体育実技は時間内に全員が射精させるのに成功したので、みんな合格だ。
できるかできないか、0か100かのシンプル過ぎる採点はどうなんだって思わなくもないけど、己紗の練習に付き合って頑張った甲斐があったわけで僕も嬉しい。
でも僕がちんちんを射精させる練習して何の意味があるんだろうって今でも思う。
◇◇◇◇◇◇
「それで中間試験も無事終わったし、明日からの体育の授業について改めて周知します。午前中は水泳の授業を予定していますので水着を忘れないようにしてください」
「え? 水泳?」
驚いて声を出してしまった。
5月末は水泳には早すぎないだろうか?
それに
まさか蓮ヶ集川で泳ぐのだろうか?
水はすっごく綺麗だから真夏なら気持ちいいんだろうけど。
「あれ? 和くんには言ってなかったかしら?」
そう言えば驚いてるのは僕だけだ。
周知されてたのを聞きのがしたかな?
「明日の水泳の授業は、市営スポーツセンターの温水プールを借りて行うのよ?」
「市営の温水プール? あー、東京でもプールの無い学校だと確かにそんな感じでしたね」
「プールを借りて授業をするので、比較的空いている時期じゃないと借りれないの。なので平日の午前中に半日単位で水泳の授業を行います。それで午後に学校に帰ってきてから遅めの昼給食になるんだけど、和くんは大丈夫かな?」
「ええ、大丈夫です」
「良かったわ。じゃあ明日水着を忘れないようにね」
◇◇◇◇◇◇
翌日。
朝の会を終えた後、みんなで校庭に並んで待っていると、スポーツセンターの送迎用に使われてるらしい青と白のカラーリングのマイクロバスが到着した。
「さぁ、みんな乗って乗って」
「はーい」
「あー、江莉夏さんたちズルい!」
と言いつつ一枝先輩が前の席に勢いよく座り、後頭部のポニーテールが可愛らしく弾んだ。
その隣の席はちゃっかりと捺那先輩が確保した。
「そう言えばみんな泳げるんです?」
山の中だとやっぱり泳ぐ機会が少ないから水泳が苦手、海辺の学校だとみんな水泳が得意って印象がある。
「まったく泳げないのは天子ちゃんだけじゃないかな? 私は100mくらいだったら泳げるよ」
右の座席に座った江莉夏さんが僕の右腕を抱え込みながら耳元で喋る。
「私も100mくらいなら泳げるけどね」
僕の左側の座席に座った祐里佳さんが僕の左腕を抱えながら同じく耳元で囁いた。
「うわっと。あの……お二人とも近すぎませんか?」
僕の両腕が江莉夏さんと祐里佳さんの大きなおっぱいに完全に埋もれてしまっているのだ。
花胡先よりも張りのある中学3年生女子のパツンパツンのおっぱいが僕の両腕に押し付けられている。
「教室だと、己紗ちゃんと天子ちゃんにいつも両脇を占領されてるから、今日くらいいいでしょう?」
きゅっと腕が肉に挟まれる。
14歳の弾けるような張りのある二人のおっぱいがぎゅーっとしてきた。
江莉夏さんと祐里佳さんは上級生なので、僕を男子というよりは弟みたいに扱ってる気がする。
接触があまりに無防備過ぎて、これじゃ家族の触れあいみたいだ。
「……あれ?」
不意に股間のあたりに違和感を感じた。
しかしすぐに消えてしまう。
気のせいかと思いつつ、僕は両腕をおっぱいに挟まれながら一枝先輩と捺那先輩のいつもの漫才みたいなやり取りに横槍を入れる。
──きゃあきゃあと騒がしい声をあげて賑やかなマイクロバスが、やがて山道を走りぬけてお隣の地方市に到着した。
◇◇◇◇◇◇
「はーい。みんなこの更衣室で着替えてね」
マイクロバスを降りて、花胡先生がスポーツセンターの施設の中を先導して歩いていき、『蓮ヶ集中学校御一行様』と書かれた張り紙の貼ってあった扉を開けた。
沢山のロッカーが壁沿いに設置されている。
団体向けの更衣室みたいだ。
みんなが肩に掛けてたり手に下げてたカバンを床において、適当に選んだロッカーの前でジャージを脱ぎ始めた。
「うわ、ちょっと待って。花胡先生!? 僕の更衣室はどこですか?」
「へ? 蓮ヶ集中学校で借りた更衣室はここだけよ?」
花胡先生はもう上のジャージを脱いで、その下のTシャツの裾に手をかけていた。
「いや、でも僕男子ですよ? なんでみんな平然と着替え始めるんです?」
天子ちゃんなんかジャージのズボンから脱ぎ始めて、白いパンツに包まれたお尻を僕に見せつけるように晒け出してる。
「……だって和くん一人だけ別の更衣室借りるのってのけ者にしてるみたいで寂しくない? みんなで着替えた方が絶対に楽しいし……それに裸とかは今更だしね」
花胡先生がそう言うと、女子のみんなも苦笑しながらうんうんと頷いてる。
いやいや、どのへんが今更なのか。
女子中学生がクラスメイトの男子に肌を晒すのが今更になんかなるわけない。
「かっちゃん? 別に見ても良いんだよ? そもそもあたしたちの方がかっちゃんのおちんちんを毎日見てるんだし」
己紗はとっくにジャージを脱ぎ終わったのか、青の縞模様のパンツとスポーツブラだけの姿で僕に口を挟んできた。
「うわ!? と、とにかく僕はみんなが着替え終わるまで外にいます!」
し、下着姿までなら百歩譲って水着とそんなに変わらないからアリだとしても、水着に着替える際にみんな全裸になるのだ。
そんなの絶対ダメに決まってるのに、花胡先生もみんなもどうかしてる。
更衣室から飛び出して、ドアをバタンと締める。
そしてそのまま床に座り込む。
「ど、どうしよう……」
バスの中で感じた違和感の正体が分かった。
僕のちんちんがほんのちょっとだけ勃起してしまったのだ。
引っ越してからは朝勃ち以外では勃起したことがなかったのに……。
いやそっちの方が変だったっけ?
そういえば小学校6年生のときは時々授業中に勃起してしまっていたな、と思い出していると己紗の下着姿と天子ちゃんの白いパンツに包まれた可愛らしいお尻が唐突に網膜にリフレインする。
「くっ。静まれー。静まりたまえー、なぜそのように荒ぶるのかー」
名もなく、どこかの主でもないモブのちんちんよ〜静まるのだ〜と廊下で怪しげな念仏を唱え続けているうちにみんなの着替えが終わった。
◇◇◇◇◇◇
「全員揃ったわね」
25mの温水プールの脇で花胡先生の周りにみんなが集まっている。
もちろん僕が一番最後だった。
みんなが水着に着替え終わった後、一人で更衣室で着替えたんだから仕方がない。
「あれ? 和くん、そのラッシュガード小さすぎない?」
「去年着てたんですけど、やっぱり小さいですよね?」
小学校6年生の時に使ってたちょっと大きめのラッシュガードだんだけど、1年前より身体が成長したからサイズが合わなくなってた。
昨日の夜、確認するのをサボって持ってきたけどやっぱりダメか。
「屋内プールだし、そんなきつきつのラッシュガードなんて無い方が泳ぎやすいわよ?」
花胡先生の言うことももっともなので、着ていたラッシュガードをプールサイドで脱ぐと、温水プールの部屋が一瞬ざわめいたような気がした。
ざわめいたと言うよりどよめいたと言った方が適切かもしれない。
「……あの、花胡先生? 二階の観覧席の人たちってなんなんですか?」
この市営の温水プールは、一階にプールがあって、二階の一部が観覧席になっているようなのだ。
そこになぜか女子高生らしき人たちが50人くらい座って僕たちを見ている。
「……あー、アレね。このスポーツセンターってプールだけじゃなくて、大型の体育館も併設されてるの。今日はそっちでたまたま市の高校女子バレー大会が開かれてるのよ」
「はぁ……そうなんですか」
「で、選手たちや関係者の休憩する場所が足りなくなっちゃって、プールの観覧席も休憩場所に指定するって言われてたの。まあ周知する必要ないかなってみんなには言わなかったけど」
花胡先生がごめんね? という顔をしてる。
なるほど、そういう事情か。
なら先生が悪いわけじゃないし、二階にいる高校生の彼女たちも中学生のプールの授業なんて別に興味なんかないだろうしまあいいか。
……ただ、妙に視線を感じるんだよな。
田舎の学校の水泳の授業で、女子の中に男子が一人混じってれば物珍しく感じる人も出てきても仕方がないかもだけど。
でも双眼鏡でこっちを見てる高校生の女子が随分多いし、大型のビデオカメラを構えている女の人までいる。
試合を見たり撮るための機材チェックをしてるんだろうけど流石に落ち着かない。
ポンと肩を叩かれた。
「和くん、水着すごく似合ってるよ?」
一枝先輩と捺那先輩が僕の横に立って僕の水着を褒め始めた。
小学校の時の学校指定のボックスタイプのスクール水着なんだけどな。
こっちもサイズを確認をサボってたから、穿いてみたらちょっとキツくて僕の股間に食い込んでいる。
伸縮性のある生地だから辛うじて穿けてるけど、早めに新しい水着買わなきゃダメだな。
「ありがとうざいます。一枝先輩と捺那先輩の水着もすごく似合ってますよ」
まあ二人とも紺色のスクール水着なんだけど、一枝先輩は特に僕より身長が高くて、流線型のボディに水着が張り付いてすごく似合ってるのは事実だ。機能美って感じが凄くする。
「へへー、ありがと」
二人とも嬉しそうに照れてる。
「ねえ、かっちゃん? あたしは?」
と言って、僕の前でくるんと一回転する己紗。
「ああ、己紗もすごく似合ってるよ」
己紗の体型は一枝先輩と似てるし、育ってる最中の女子にはスクール水着ってほんとよく似合う。
そういえば水着姿を褒めてくれる男子なんて僕が来るまでいなかったんだよな。
褒めてくれる人かぁ。
……うん、これは他のみんなも褒めておいたほうが良いな。
褒められて嫌な気分になるような女子はウチにはいないし、お世辞でもなんでも無く本心で言えば伝わるはずだ。
くるっと天子ちゃんの方を振り返る。
「うんうん、天子ちゃんの白スクール水着もすごく可愛くて似合って……なんで白スクール水着?」
「似合ってる? えへへ嬉しいな。小学校は指定のスクール水着は白なの♥」
「ああ、そうなんだ。へー……白スクール水着? 小学生は全員が?」
「学校によって違うかもだけど普通は白だよ?」
「白……それって透け、いやなんでもない」
「? 変な和兄ちゃん」
じーっと天子ちゃんのスクール水着を凝視すると、やっぱり生地の向こう側がほんのり見えてる気がする。天子ちゃんの膨らみがほぼゼロの胸にぴったりと白い水着の生地が張り付いて、乳首の周りだけほんの少し盛り上がっている様子が目に入ってくる。
肋骨にそって微妙に曲線を描いている10歳の女の子のぺったんこな胸の乳首の部分だけが白い水着の生地からぷっくりと盛り上がってるのだ。
あ、まずい!!
股間に血液が流れ込み始めた感覚が!?
慌てて目を逸らした先には江莉夏さんと祐里佳さんがいた。
「あー……、お二人ともすっごいですね。あ、すいません、すっごいとかダメですよね。全然褒め言葉になってないというか、でも他に良い言葉が思い浮かばなくて。あの、それって立体裁断ですかね?」
この江莉夏さんと祐里佳さんの身体にはスクール水着を着せちゃダメだろとちょっとだけ思ってしまった。
スクール水着の生地って結構伸縮する素材なのに、下乳にぴったりと張り付くように乳袋ができてるっていったいどういうことなんだろう?
「ありがとう、和くん。褒めてくれてるのは分かるよ♥」
「はは、……はは」
そこで花胡先生が「ピっ」と笛を吹いた。
花胡先生に視線を向ける。
イエロー単色のビキニタイプだ。
ちゃんとはみ出さずに綺麗におっぱいを覆っている。健全だ。
いや冷静に考えたら健全かどうか微妙なラインだ。なにしろ今まで見たことのある全てのグラビアアイドルを軽く凌駕してるし。
水泳の指導者ってことで目立つ色を選んだのかな?
たしかライフセーバーが着用する水着の色って国際規定では赤と黄色に指定されてるって聞いたことがある。
「花胡先生もすごくお似合いです。でも白の水着は着ないんですか?」
「白は勝負水着なの。今日は指導の先生役だから黄色なのよ?」
「あ、そうだったんですね」
──んっ?
なんで僕は花胡先生には白の水着ってイメージを持ってたんだ?
「はい。雑談はそこまでにして、そろそろ授業を始めます。まずは柔軟体操をして、それが終わったらプールサイドからゆっくりと足を沈めて身体を慣らします。体が慣れたら、まずはクロールで25m泳いでターンするところまでを3本」
「はい」
──意外とスパルタだなぁ。
「それで、体調が良くない人がいたら名乗り出てね。和くんは大丈夫? 気が遠くなったりフラフラしてない?」
「え? 大丈夫ですよ」
「そう? 良かったわ。大丈夫なのね」
花胡先生が嬉しそうに何やら頷いている。
◇◇◇◇◇◇
「ごめんね和兄ちゃん」
「いいんだよ、天子ちゃん。教えるのも面白いからね」
ビート板を使って泳ぐ練習をしてる天子ちゃんに付き添いながら、バタ足をしてる天子ちゃんの腰の下に右手を入れて持ち上げ、背中の上から左手で押し下げる。
「ほら天子ちゃん? また猫背になってるよ?」
ビート板を使ってうまくバタ足ができない子は、ビート板を抱えるようにして猫背になっちゃうからうまくできないことが多い。天子ちゃんは典型的なそのタイプだった。
今は課題を終えて自由時間なんだけど、一人だけ泳げなかった天子ちゃんを僕が見てあげてる最中なのだ。
僕が天子ちゃんの身体を水中で支えたり押さえたりして矯正することで水中でピンと背筋の伸びた天子ちゃんのバタ足が綺麗に水を押し始めた。
「うんうん、上手くなってるよ。その調子その調子」
「んっ、んっ、んっ、んっ」
天子ちゃんの腰の下に手を入れて持ち上げてるので、すべすべの白スクの生地に包まれた天子ちゃんのお尻が水面に浮かびあがっている。
それがバタ足の動きにひっぱられて、肉付きの薄い少女のお尻が左右にくいっくいっと捻られる様子がどうしても視界に入ってしまう。
しかしどう考えてもまずいよな、これ。
ぴったりと張り付いた天子ちゃんの白の水着はほとんど肌色に変わっている。
もう半分透けてるんだよ。
誰だよ、こんな危険物を小学生の指定スクール水着に決めたやつは。
水に濡れる前でギリギリな状態だったのに、水に浸かれば完全に透けてしまってる。
今はまだ良いけど、プールサイドに上がったら天子ちゃんの方は絶対に見ないようにしよう。二階の観覧席も含めて、ここにいる男子は僕一人だ。僕さえ見なければ問題は最小化する。
「うんうん。水中の姿勢をもう身につけたみたいだね。さすが天子ちゃん、飲み込みが早いね」
小学校低学年の時のプールなんか基本的に水遊びだもんな。
天子ちゃんはちゃんと指導を受けてなかっただけなんだろう。
「うん、ありがとう和兄ちゃん。もう一人でいけそう」
「じゃあ、あとは頑張ってね。僕はもうひと泳ぎしてくる」
よし、天子ちゃんには悪いけどこれで危険物から離れられるぞ。
水着に包まれてギチギチに食い込んでる僕のちんちんがそろそろ限界に近いような気がするんだ。
すべすべの手触りの天子ちゃんの下腹部から手を離して、プールサイドに上がって一旦息を整える。
二階の観覧席に座ってる女子高生たちは、試合のせいか時々入れ替えが発生しているようだった。
今は入れ替えが終わったばかりのようで、50人ほどの女子高生がスマホとかデジカメを僕に向けて弄っている。
「……でもなんか妙にざわついてるな」
「……か、かっちゃん」
プールの中にいた己紗が小さな声で僕に呼びかけてきた。
「どうかした?」
「お、おちんちんが勃起してるよ?」
「え?」
見下ろすと、激しく勃起した僕のちんちんが水着から飛び出してへその上まで反り返っていた。
「うわ!? うわわ!!」
なんてことだ!
水着が小さすぎて締め付けられていたせいで、フル勃起していたことに気づかなかったなんて!
カシャッ!
カシャッ!
カシャッ!
二階の観覧席でフラッシュが瞬きまくっている。
「えええっ!? なんで!?」
慌ててプールの縁から水中へ飛び込んだ。
「あ、かっちゃん! 大変! 水着が脱げちゃってるよ!!」
「うわあっ!!」
◇◇◇◇◇◇
「……酷い目にあった」
「傍から見てる分にはすごく面白かったけどね」
帰りの送迎バスに揺られながら僕がむくれていると、右隣りに座ってる一枝先輩が笑いながら茶化してきた。
「他人事だと思って」
「ごめん、私も笑い転げてた」
左の席に座ってる捺那先輩が同じく笑いながら僕をからかってる。
前の方に座ってる花胡先生が聞き耳を立てていたのかフォローしてきた。
「あちらの学校にはクレームを入れておいたので、写真とか動画は全部削除してくれてると思うわ」
SNSのせいでハプニング画像とかみんな撮りたがるからなぁ。
気持ちは分からなくはないけど当事者になってみるととても擁護はできない。
「はぁ…………」
「ほら怒らない、怒らない」
マイクロバスの中で心配そうな顔で僕を見てるのは天子ちゃんだけだ。
他はみんな笑ってるか苦笑してるかだ。
まったくもう。
みんな天子ちゃんを見習うべきだ。
行きと同様に賑やかな送迎バスが山道を走り抜け、蓮ヶ集中学校に到着したのは午後13時ちょうどだった。