それはまるでおろしたての筆の毛先に触れたような、優しく柔らかな感覚だった。
まどろみの海に抱かれる心地よさの中で、胸板にはそんなこそばゆい感覚が広がっている。
「ん⋯⋯っ、ふぅ⋯⋯んちゅ⋯⋯」
艶めかしい声が聞こえると同時に、耳元に熱い吐息が届いた。思わず身震いするような気持ちよさに、俺は目を開く。
見知った天井。硬めのベッド。ここは俺の部屋で間違いないはずなのに、他者の存在が確かにあって、それはもはや慣れた感覚で──。
「んんっ、んちゅ⋯⋯っ。あら、起きたの?」
しかしキスできそうな距離で目を合わせてきたのは、まったくこの状況にそぐわない人物だった。
「ゆ、雪ノ下⋯⋯」
まさかお前まで、と声に出しそうになって、そのまま飲み込んだ。なぜならあまりに顔が近すぎて、心臓が止まりそうになったからだ。
気づけば俺はパンツ一丁の状態で、雪ノ下はやたらと透け感のある黒い下着姿だった。あしらわれたレースから乳首が覗きそうなほど扇情的なブラジャーと、極端に布地の少ないショーツ。そんな卑猥とも言えるほどの下着ですら、雪ノ下には似合ってしまっていた。
「どうしたの?」
その美しい顔に
いつかこんな日が来るかもと思いながらも、俺は想像しないようにしていた。雪ノ下でそんな妄想を繰り広げることは、酷い冒涜のような気がしたからだ。
「もう分かっていると思うけれど、私は淫魔なの。だからあなたの精液、絞り取らせてもらうわね」
「な、おま⋯⋯。うぉ⋯⋯」
雪ノ下はそう言い切ると、俺の耳に舌を差し込んでくる。その動きに合わせて俺の胸板に広がった長い髪が、さわさわと乳首を撫でていった。
「んちゅ、んぅ⋯⋯」
「や、やめ⋯⋯」
いつだったか、俺は雪ノ下の前で耳が弱いと言ったことがある。それを覚えていたのか、雪ノ下の舌は執拗に耳を責め、細い指が裸の胸を這い回っていた。
「あら、止めてもいいの?」
雪ノ下はそう言って舌を引っ込めると、くすりとやたらに近い距離で笑みを向けてくる。俺の上半身を
「でも、確かに充分なのかも」
「うぁ、あぁ⋯⋯っ!」
そして雪ノ下は、ボクサーパンツ越しに俺の剛直に触れた。そのままゆっくりと、ペニスを擦ってくる。
たったそれだけの行為なのに、俺の肉竿は雪ノ下の手の中で馬鹿みたいに暴れまわっていた。下着越しとはいえ、これは雪ノ下からの愛撫に他ならず、それに俺は異様に興奮してしまっているのだ。
「あなたのを、見せて」
俺の反応に満足そうな笑みを見せると、雪ノ下はそう言ってパンツに手をかけた。あっという間に最後の一枚まで脱がし取られると、ブルンッ! と激しく勃起したペニスが
「これが、比企谷くんの⋯⋯。凄く、大きいのね⋯⋯」
雪ノ下ははちきれんばかりになっている俺の肉竿を見ると、そう言ってごくりと唾を呑んだ。雪ノ下に見られているのも、そしてそんな反応を返されるのも信じられなくて、頭がおかしくなってしまいそうにだった。
「やめてくれ⋯⋯」
だから俺は、そう言うのが精一杯だった。
こんなのは、全然雪ノ下らしくない。いやきっと違うのだ。夢の中だけの、歪んだ雪ノ下の像に違いない。
「比企谷くん」
すると雪ノ下は何を思ったのか、俺に覆いかぶさって両脇に手をついた。そしてそのまま、視界は真っ黒になる。
「んぅっ、ん⋯⋯。んちゅっ⋯⋯」
気付いたら、キスされていた。その上舌まで差し込まれている。その小さな舌を押し返そうとするが、逆に絡め取られてキスは深くなっていく。
あの雪ノ下から、キスをされている──。その事実が心臓を張り裂けんばかりに動かし、頭を真っ白にされてしまう。
「ん⋯⋯っ。はぁ⋯⋯。本当にいいのかしら?」
雪ノ下は唇を離すと、俺に覆いかぶさったまま顔を覗き込んでくる。長い髪がすだれのように広がり、視界は雪ノ下の綺麗な顔でいっぱいになっていた。
「あなたのここは、やめて欲しいなんて言ってないわよ?」
そう言うと雪ノ下は、膝でペニスの裏筋を押してくる。たったそれだけの刺激で、俺の肉竿はびくんびくんと反応を返していた。
「うぁ、やめ⋯⋯」
そう言いながらも、俺の陰茎は張り詰めたままだった。むしろ一層硬くなっていっている始末である。
雪ノ下の言うとおり、俺の言葉と反応は裏腹だ。雪ノ下がこんなことをするはずがないと思いながらも、そのしどけない姿に興奮してしまっている。
「本当にやめて欲しがっているようには見えないわね」
雪ノ下は妖艶に笑いながら、綺麗な膝を俺の股間に擦りつけ続けていた。
俺に覆いかぶさったまま、雪ノ下はチュッと音を立てて頬を啄んでくる。視界の端で、雪ノ下の唇が艶めいていた。
「うぁ、あ⋯⋯ぁっ!」
「そんなに気持ちいいのかしら」
ふぅっ、と耳に息がかけられると、雪ノ下の脚は動きを早めた。比例して強くなる快感に、もはや耐えられるはずもなく──。
「は、あぁぁ⋯⋯っ!!」
「あ⋯⋯っ」
びゅるるるぅぅぅぅうううう!! びゅっ、びゅくんっ、どぷぅっ!!
俺はあっけなく、雪ノ下の膝コキで射精してしまっていた⋯⋯。
自分の腹の上に向かって精液が射出されると、濃厚な白濁液がヘソの凹みを埋めていく。
「あら、もう射精してしまったの? 比企谷くん、ひょっとして早漏だったのかしら」
「はぁ、あぁぁ⋯⋯っ。もう、やめ⋯⋯っ!」
びゅくびゅくびゅくぅぅぅうう! びゅっ、びゅるるるるっ!!
なおも膝で責められて、俺の肉竿は射精を止めない。まるで虐げられているような状況なのに、吐精の勢いは弱まることを知らなかった。
雪ノ下はうっとりした表情を浮かべながら、脚を動かし続ける。そのたびに激しい絶頂感に頭を真っ白にさせながら、俺は自分の身体に向かって生殖液を吐き出し続けていた。
「凄い量ね⋯⋯」
俺の射精が終わると、雪ノ下はようやくその脚の動きを止める。俺は身体に火照りを感じたまま、はぁはぁと荒い息をついていた。
「匂いも、凄い⋯⋯」
雪ノ下は俺に覆いかぶさったまま下の方へと身体を移動させていくと、下腹部にぶちまけてしまったザーメンをすんすんと嗅いでいた。
どこか動物めいた行動だ⋯⋯なんて考えていたら、雪ノ下は何を思ったのかちろりと舌を出してそれを舐め取る。
「んっ、れろっ、んん⋯⋯っ」
まるで猫がミルクを舐めるように、チロチロと。
あの雪ノ下雪乃が、俺のザーメンミルクを舐めていた。それどころか口に含むたびにコクンと嚥下し、綺麗な形をした唇を白濁液で汚している。
「お、おい⋯⋯」
「んぅ、んちゅっ、ん⋯⋯っ」
俺の呼びかけには応えず、雪ノ下は夢中な様子で精液をゴックンしていく。さっきから何もかもが、現実のこととは思えない。
いや、実際に現実ではないのだ。これは夢なのだから。現実の雪ノ下が、こんな風に俺の精液を飲んで悦ぶはずがない。だから──。
「なぁ⋯⋯。うまいもんなのか、それ」
俺はそう、聞きたくなってしまった。
こうして淫魔として現れた女の子たちは、皆俺の精液を飲んでは恍惚とした表情を浮かべるのだ。それは雪ノ下も例外ではなく、俺のスペルマを全て飲み干すとくすりと笑った。
「凶暴な旨み、と言ったところかしらね♡」
いつか聞いたその台詞に、俺の肉竿はビクンビクンと射精しているかのような反応を返す。当然のように、俺のペニスは未だに勃起したままだった。
「⋯⋯やっぱり、まだ硬いままなのね」
それにしても、何が「やっぱり」なのだろうか。一連の出来事を思い出してみると、どうも淫魔同士の繋がりがあるようにしか思えない。
そんなことを考えていたら、雪ノ下はまるでそれが当然と言った調子でショーツを脱いだ。行為の流れとしては必然と言えるが、俺にとっては突然見えた下半身に全身で反応してしまう。
「お、おい⋯⋯」
「入れるわね」
その言葉が、本当に雪ノ下の口から出たなんて信じられない。俺に跨ってくるその行為もまた然りだ。
雪ノ下は俺の肉竿を掴むと、ゆっくりと腰を落としていく。こんなことを許してはダメだと思っているのに、身体が抗おうとしなかった。
「あ⋯⋯♡ あぁぁっ♡ 比企谷くんの、太い⋯⋯っ♡ んっ♡」
「うぉ、ぉぉ⋯⋯っ!」
あっという間に俺の肉棒を最奥まで咥えこむと、雪ノ下は陶然とした表情のままその膣内を狭くさせていた。
無数の襞がカリ首に絡みつき、
「あ、ん⋯⋯っ♡ ふふっ♡ 奥まで届いているのに、入り切らないわね」
雪ノ下は根本が見えたままの俺のモノを見ると、何故か嬉しそうに笑んでみせる。まるで俺と性的に結合したことが至上の喜びであるかのような反応に、ペニスはびくんびくんと返事をしていた。
「お、おい⋯⋯、やめ⋯⋯」
「無理よ」
拒絶と言うにはあまりにも柔弱な主張は、雪ノ下のきっぱりとした声で跳ね除けられる。雪ノ下はずっぷりと膣口に俺の肉竿を咥えこんだまま、
「あなたの身体は私を求めているし、私も同じなのよ。今さらやめるなんて無理ね」
雪ノ下はそう言い切ると、俺の上で腰を振り始める。ブラジャーに包まれた、思っていたよりもボリュームのある胸が揺れ、俺の陰茎は強烈な締めつけで快感にみまわれる。
「は、おぉ⋯⋯っ」
「あぁっ♡ あんっ♡ ふふっ♡ そんな気持ち悪い声を出して⋯⋯。私の中、気に入ったみたいね♡」
俺の腹筋のあたりに手をつくと、雪ノ下はリズミカルに腰を振る。そのたびに射精してしまったかのような快感が体中を駆け巡り、身体の芯がジンジンと痺れた。
「あんっ♡ あっ♡ ああぁぁっ♡ 私も、あんっ♡ 比企谷くんの、気に入ったわ。凄く逞しいのね♡」
雪ノ下は俺との性交であられもなく喘ぎを上げ、あまつさえ俺のペニスが褒め称える。
これではまるで、売女か痴女だ。雪ノ下からは程遠いはずの言葉はこれだけの痴態を見せられてもうまくはまらず、いうなれば堕女神と言ったところだろうか。
「あぁ♡ あんっ♡ ねぇ、分かっていると思うけれど」
そう言って腰の動きをスローダウンさせていくと、雪ノ下は不意に顔を近づけてくる。
「最後は全部、私の中に出すのよ?」
ゾワゾワとした感覚が背中を駆け上って、俺はゴクリと唾を飲み込んだ。
それは、それだけは駄目だと、心の深い部分が言っていた。充分過ぎるほどの痴態を見た後ですらそう思うぐらい、それは一線を越えた行為だ。
「は、あぁ⋯⋯。そ、それは⋯⋯」
「あぁぁ♡ あんっ♡ あぁぁっ♡♡ それは、何?」
雪ノ下は俺を見下ろしながら、唇で三日月を作ったまま言う。聡い彼女が分からないはずがないのに、あえて聞いているのだ。
「駄目だろ、それは⋯⋯。中出しなんて⋯⋯」
「あぁんっ♡ あら、でもあなたのこれは私の中に出したがっているわよ?」
そう言って雪ノ下は、俺の陰茎が収まっている下腹部を撫でた。まるで膣内に出すことを誘っているような仕草に、雪ノ下の中で肉竿がビクビクと跳ねる。
「そんなこと⋯⋯うぁ⋯⋯ぁっ」
「あんっ♡あんっ♡ あぁぁっ♡ あなたにその気がなくても、私にはあるの。あ♡ あぁっ♡ さっきみたいに濃いのをたくさん、中に出してちょうだい♡」
艶笑を浮かべる雪ノ下は、試すようにキュウキュウとその狭い膣で俺の肉竿をしごきあげてくる。
心臓が破裂しそうなほどの興奮と、絶望的なまでに強烈な快感。淫靡と幻想を織り交ぜた美しさに魅せられて、彼女の身体を押し返すことすらできない。
「は、あぁ⋯⋯っ、や、ばいっ⋯⋯。出るっ! 雪ノ下っ。腰を上げろっ」
「あぁぁ♡ 嫌よ♡ このまま中に出しなさい♡ あんっ♡ あんっ♡ あ♡ ああぁぁっ♡♡」
睾丸はせり上がり、陰茎は限界まで勃起していた。雪ノ下が深く腰を落とすたびに、頭が真っ白になっていく⋯⋯。
「くっ、あっ、出るっ! 雪ノ下、おい⋯⋯っ、早く腰を⋯⋯っ!」
「あっ♡あっ♡あっ♡ あんっ♡ 駄目よ。このまま中に出して♡ あっ♡あっ♡ ほら、私の奥に比企谷くんの精液を注ぎ込むのよ♡」
細い肢体が、壊れんばかりに激しく揺れていた。
ブラジャーをしたままの胸が自己主張するように揺れ、長い髪は振り乱されている。どこからどう見ても雪ノ下は俺とのセックスで乱れていて、その行為の気持ちよさは俺の知る範囲を大きく越えていて──。
「はぁ、あぁぁっ! イクッ、出るっ!!」
「ああぁぁっ♡ いいわ♡ このまま奥に出して♡ あんっ♡ 比企谷くんので、いっぱいにして♡ ああぁぁんあぁぁ~~──♡♡」
ビューッ、びゅっ、ビュくぅぅぅっっッ!! びゅぷっ、ドピュッ、ビュルルルルルッ!!
俺は我慢を重ねた分だけ大量に、雪ノ下の膣奥で射精していた⋯⋯。
勝手に背中がのけぞり、肉棒はビュービューと膣内に精液を撒き散らしながら脈打っている。本当に雪ノ下の膣をいっぱいにしかねない勢いで、何度も何度も子宮に向けてザーメンを発射していた。
「はぁっ、は、おい⋯⋯。中は⋯⋯」
「んぁ♡ ああぁぁっ♡ 比企谷くんの、すっごく熱い♡ あぁっ♡ まだ出るのね♡」
ビュルルルゥぅぅっ! どぷっ、ドピュッ、ぶピュゥっ!!
中出しされながら恍惚とした表情を浮かべる雪ノ下の膣内に、快楽のまま射精を続ける。俺の肉竿は別の生き物になったみたいに雪ノ下の膣でのたうち回り、その熱い中に濃厚な生殖液を吐き出していた。
「は、あぁぁ⋯⋯。ゆ、雪ノ下⋯⋯」
「ああぁぁっ♡ 凄いのね⋯⋯♡ 比企谷くんに中出しされて、私もイッてしまったわ♡」
瞳の中にハートマークでも浮かべていそうな声音で言うと、雪ノ下はゆっくりと腰を上げていく。やがてぬるんと陰茎が抜け出ると、クパァと開いた膣口から精液が溢れ出してきた。
「あぁ⋯⋯♡ やっぱり凄い量♡」
雪ノ下の膣から溢れ出したザーメンが、トロトロと勃起したままの俺のペニスにかかっていく。それを陶然とした表情で見ている雪ノ下の顔は、色欲で濡れていた。
「もったいないわ⋯⋯♡」
雪ノ下はそう言うと精液でコーティングされた肉竿を咥え込み、レロレロとその舌で掃除をし始めた。
舌で集めたザーメンをこくんと嚥下した後は、チュウチュウと肉棒を吸い上げてくる。そのフェラチオはもう一度射精させようとしているかのように強烈で、そんなことをされていては萎える暇もない。
「うぉ、おぉぉ⋯⋯」
「はぁ⋯⋯っ♡ 比企谷くんの、まだ勃起しているのね?」
俺の肉竿を綺麗にし終えると、雪ノ下はガチガチに勃ったままのそれを見て
「来て」
雪ノ下はベッドに仰向けになると、そう言って俺を手招いた。
こんなことはもう、やめなければ。今からでも遅くない。──そう考えていたはずなのに、俺はほとんど無意識のうちに、雪ノ下に覆いかぶさっていた。
「⋯⋯雪ノ下」
俺がその名前を呼ぶと、雪ノ下は華奢な脚を開いた。その股の間に腰を入れると、性器同士をキスさせる。意識と行動がまったく噛み合わないまま、俺の身体だけが純粋に雪ノ下を求めていた。
「入れて。比企谷くんのが欲しいの」
その言葉にはさっきまでの艶はなく、ただ純真さだけが在った。
だから、なのだろうか──。
「雪ノ下、入れるぞ⋯⋯」
「あ♡ あぁぁ♡ 入って、あぁぁ⋯⋯っ♡」
俺は間違いなく自分の意志で、雪ノ下の膣内に裸のペニスを挿入していた⋯⋯。
「は、あぁ⋯⋯。狭い⋯⋯」
「あぁぁ♡ あんっ♡ 比企谷くんのペニスが、大きすぎるのよ♡」
雪ノ下の最奥まで肉竿を送り届けると、俺はその中の感覚を深く味わっていた。
締りがいいだけではなく、膣襞は陰茎を歓迎するかのように蠕動している。膣内は熱でもあるんじゃないかってぐらいに熱く、入れているだけで射精へのカウントダウンが進んでいってしまう。
「は、あぁ⋯⋯。動くぞ」
「ええ⋯⋯♡ あ♡ あんっ♡ あぁっ♡♡」
堪らず腰を振り始めると、眼下の美少女の口から艶めかしい喘ぎ声が漏れた。
あの雪ノ下雪乃が、俺に突かれて快楽を得ている。そんな風に改めて認識するたびに興奮は深くなり、罪悪感と同じぐらい肉欲が膨らんできてしまう。
「あぁっ♡ あんっ♡ 比企谷くん♡ あぁっ♡ 比企谷くんっ♡」
腰を動かすたびに、雪ノ下が甘い声で俺の名を呼んでくる。まるで恋人同士のセックスみたいだなんて考えてしまって、頭が沸騰しそうになる。
「あぁっ♡ 私の中、気持ちいい?」
雪ノ下は俺の頭の後ろに手を回してくると、俺を見詰めながら聞いてくる。その綺麗な瞳に視線も意識も吸い寄せられて、このままでは完全に虜になってしまいそうだった。
「は、ああ⋯⋯。すっげぇ、いい⋯⋯。全然持たねぇわ」
「ふふっ♡ いいのよ♡ すぐに出してしまっても」
そこまで言うと、雪ノ下は俺の頭を抱き寄せる。そして耳に口元を寄せると、蠱惑的な声で囁いた。
「何回でも、出して♡ 比企谷くんの精液、全部私の中に注ぎ込んでね♡」
ゾクゾクゾクゥッ! と電流が背中を駆けた。
激しい動悸と、めまいがしそうなほどの昂り。雪ノ下いったい、どこまで俺を弄べば気が済むのだろう。
「は、あぁ⋯⋯。もう、出していいか?」
「あん♡ ええ♡」
正直、こんな調子じゃ我慢なんて少しもできない。俺は雪ノ下に抱かれたまま、下半身を動かしてセックスを続行する。そのたびに快感は募り、射精へのカウントダウンは加速する。
「はぁ、はぁっ、雪ノ下、もう──」
「ねえ、比企谷くん」
出そうだ、と続けようとした言葉は、雪ノ下の声で遮断される。
「中に出してもいいけれど、淫魔だからだといって妊娠しないわけじゃないのよ?」
その一言が、俺には理解できなかった。
今まで自身を淫魔だと称した女性たちと身体を交わした際、俺は全員に中出ししてしまっている。ひょっとしたら、もう誰かが俺との子を孕んでいるのか? しかし、夢の中での行為で妊娠するなんて──。
「でも私の言うことは信じなくていいわ。だってあなたにとってこれは、夢だものね?」
まるで俺の思考を読み取ったかのように、雪ノ下は蠱惑的に笑う。
にわかに心臓が高鳴り、喉は干上がっていた。しかしそれは罪悪感や危機感からではなく、圧倒的な背徳感からだ。
「だから気にせずに中に出していいのよ。私がそれを望んでいるんだから」
雪ノ下の言葉を聞いても、俺の腰の動きは止まっていなかった。
やめなければ、抜かなければ。形ばかりの思考が浮かんでは、欲望の波に押し流されていく。雪ノ下から妊娠の可能性を示唆されてもなお、俺は彼女を求めることを止められない。
「はぁ、はぁ、雪ノ下⋯⋯っ」
「ふふっ⋯⋯♡ いいわ、出して♡ 比企谷くんの、私の中で受け止めてあげる♡」
快感と興奮で脳が蕩かされる。全身が性感帯になって、激しい快楽と悦楽で身体が支配されていく──。
「はぁ、あぁぁっ、出る、雪ノ下っ、イクっ!」
そして、俺は。
最後の理性でペニスを抜こうとして──。
「ああぁぁっ♡♡ 比企谷くんっ♡ 出してっ♡ 私の中に、比企谷くんの精液を、いっぱい♡ あ♡ ああぁぁ~~──♡♡」
ビューッ、びゅっ、ビュくぅぅぅっっッ!! びゅぷっ、ドピュッ、ビュルルルルルッ!!
雪ノ下の脚が俺の腰を引き寄せてくると、そのまま彼女の中で射精していた。
妊娠するかも知れない。そう言った雪ノ下の膣内に、ビュービューと生殖液を注ぎ込んでいく。
「は、あぁ⋯⋯。お、おいっ⋯⋯!」
「あぁんあぁぁ⋯⋯♡ 比企谷くんの、出てる⋯⋯っ♡ あぁぁぁ♡♡」
ビュルルルゥぅぅっ! どぷっ、ドピュッ、ぶピュゥっ!!
恍惚とした表情を浮かべる雪ノ下の中で、為す術もなく俺は中出しを続けていた。圧倒的な快感と興奮の前に射精を止めることなどできず、ありったけのザーメンを雪ノ下の膣奥に流し込む。
「あぁぁ♡ 比企谷くん⋯⋯♡」
雪ノ下は左腕で俺の頭を抱くと、右手で自らの下腹部を擦った。膣内射精を終えた肉棒によしよしでもするみたいに、愛おしそうな表情を浮かべて。
「分かる⋯⋯? 比企谷くんの精液、きっと子宮まで届いているわ♡ 私の卵子に比企谷くんの精子がキスしてる⋯⋯♡ ふふっ⋯⋯きっとこれで、受精してしまうわね♡ あ♡」
ビュルルルルゥっ! びゅっ、ドピュゥッ!!
吐きそうなほどの興奮に見舞われ、俺は終わっていたはずの射精を再開していた。言葉だけの刺激で、また吐精してしまったのだ。
「ああぁぁっ♡ きっと今ので妊娠したわ♡ 比企谷くんの赤ちゃん♡」
──その一言で、ぶつんと何かが切れた。俺を俺として繋ぎ止めていたものが、完全なまでに切断されたのだ。
「──雪ノ下」
彼女を呼ぶ声は、果たして俺のものだったのだろうか? そう考えているうちに、身体は動き始めている。
「あんっ♡ もう続きがしたいの?」
その問いかけに言葉を返す代わりに、俺は腰を振り始めた。正常位で繋がりあったまま雪ノ下の両脇に手をついて、その綺麗な顔を見ながらセックスを再開させる。
「あっ♡んっ♡ ああぁっ♡ あっ♡あっ♡あっ♡ 比企谷く、んっ♡ 最初から、激しいっ♡♡」
「はぁ、はぁっ、はぁぁ⋯⋯っ!」
もう、何もかも我慢できなかった。
最初からラストスパートのような激しさで彼女を責め、その膣で快楽を貪る。細身がのけぞり、ブラに包まれたままの乳房が揺れるのを見ながら、ひたすら腰を振りまくっていた。
「あっ♡あんっ♡あっ♡ そこっ、ダメめぇっ♡ つ、よいっ♡ 強いのっ♡ あ♡あ♡あっ♡」
乱れる雪ノ下を見ても、俺に罪悪感や後ろめたさはなかった。感じたこともないぐらいの開放感と、純粋で強烈な快感。それに衝き動かされるがまま、雪ノ下の女性器を裸の男性器で突き続ける。
当然そんなことをしていて、射精を堪えきれるはずもなく──。
「あんっ♡あんっ♡ あっ♡ イクっ♡ イッちゃうっ♡ 比企谷くんのでっ♡ あ♡ ああぁぁ~~──♡♡」
「は、ああぁぁっ、雪ノ下っ、出るっ!!」
びゅるるるるるううううぅぅ! びゅーっ、びゅーっ、びゅっ! びゅくううぅぅっ!!
俺は雪ノ下雪乃の膣内に、自らの意志で精液を解き放った。
全ての常識を覆すほどの、圧倒的な快感。頭の中を真っ白にしながら、雪ノ下の膣内を白く染め上げていく。
「ああぁぁ♡ す、ごい、のっ♡ あ♡ あぁぁっ♡♡」
どぷっ、びゅるる、ビュくぅっ!! びゅっ、びゅるるっ、ドプゥッ!!
雪ノ下は俺の生殖液を膣奥に打ち込まれながら、びくんびくんと身体をしならせていた。
雪ノ下から普段の玲瓏さは抜け落ち、代わりにどうしようもないぐらいの淫靡さを湛えている。その様子にすら高まってしまって、俺はまたビュッ! と彼女の中に精液を射出した。
「はぁ、はぁ⋯⋯。雪ノ下、まだだぞ」
「あぁ⋯⋯♡ え⋯⋯?」
俺は雪ノ下にペニスを挿入したまま、彼女の身体を反転させる。後背位になるとその細いくびれを掴んで、ずぶんっ! と奥まで一突きにした。
「ああぁぁっ♡♡」
「⋯⋯望み通り、何発でも出してやる。俺の気が済むまで、付き合ってもらうぞ」
そう宣告すると、また腰を振り始めた。パンパンパンと音が鳴るほど突いてやると、雪ノ下の長い髪が乱れ舞う。もっとその光景を見たいと、俺は最奥をノックし続ける。
「あぁっ♡ あぅっ♡ んんあぁぁっ♡ 深い、のっ♡ あぁぁ♡ 比企谷くんのが、奥までっ♡ ああぁぁっ♡♡ 気持ちいいっ♡♡」
雪ノ下が俺の名前を呼ぶたびに、もっと乱れた姿を見たいと思ってしまう。怜悧さを失い、怠惰に蕩けたその声でもっと呼ばせたいと、そんなことばかりを考える。
「はぁ、はぁっ⋯⋯。そんなに気持ちいいのか? 俺とするのが」
「あんっ♡ ええ、比企谷くんとのセックス、あぁっ♡ 気持ちいい♡ おかしくなっちゃうぐらい、気持ちいいのっ♡♡ ああぁぁっ♡♡」
振り返って言った雪ノ下にずぶんと深く肉棒を突き立てると、叫ぶように喘ぎながら枕に突っ伏した。
雪ノ下が快楽から逃れるように身体を倒してしまったせいで、寝バックの体勢になっている。しかし、それでも快楽の追求は止まらない。
「はぁ、は、あぁぁ⋯⋯。もう、充分おかしいだろ。こんな風に、俺の精子欲しがって」
「あぁぁ♡ そうね⋯⋯♡ ここまでのめり込むなんて、きっとおかしいわ⋯⋯♡」
奥深くまでペニスを挿入させると、グリグリと膣内を蹂躙するように腰を押し付けた。雪ノ下は息遣いを荒くしながら、俺の方を振り返る。
「でも、もっとおかしくして欲しい⋯⋯♡ 比企谷くんので、メチャクチャにして欲しいの♡」
情欲に濡れた瞳、快楽に上気した頬。俺を欲する、甘い声──その全てが、俺を狂わせる。
「雪ノ下っ!」
「ああぁぁっ♡♡」
叫ぶようにその名を呼びながら、杭を打つように腰を叩きつけた。そんな乱暴な行為にもかかわらず、雪ノ下は膣をキュキュウと狭くさせながら、嬌声で俺を迎え入れる。
「はぁ、はぁっ⋯⋯。また、出すぞ⋯⋯っ。中に出すからな⋯⋯っ!」
「あん♡ あんっ♡ ああぁっ♡ ええ♡ 出して♡ 比企谷くんの、一滴残らず私の中に出して欲しいの♡」
雪ノ下が中出しを懇願するたびに、射精に近づいていく。発射を堪えられる限界を越えて、俺はなおも雪ノ下を突き続けていた。
「うぁ、は、あぁぁ⋯⋯。妊娠しても、いいってことなんだよな?」
「ええ♡ あんっ♡ いいのよ。比企谷くんの精子でなら、妊娠しても構わないわ♡」
雪ノ下の言葉一つひとつが、俺を興奮させるためだけに紡がれていた。
舞うように乱れる艶髪と、反り返る背中。それを見ながら、俺は──。
「はぁ、はぁっ⋯⋯。なら、孕ませてやるっ! 雪ノ下っ! 本当に中に出すからな⋯⋯っ!」
「ああぁぁんあぁぁっ♡ 出してっ♡ 出してぇっ♡♡ 比企谷くんの精子で、受精させてっ♡ あっ♡ ああぁぁ~~──っ♡♡」
ビュルルるるるぅぅぅ!! びゅっ、ビュルルっ! ドピュぅぅぅっ!!
俺はまた、雪ノ下雪乃を孕ませるために、生殖液をその膣内に注ぎ込んだ。
精液を搾り取らんばかりに収縮する膣道に締め付けられながら、子宮に向けて生殖液をぶちまける。狂ってしまいそうなほどの快感と興奮に頭をグチャグチャにされながら、何度も何度も子種を雪ノ下の膣に発射した。
「あ♡あ♡あっ♡ 出てるっ♡ 出てるのぉっ♡ 比企谷くんの熱い精子っ♡ いっぱいっ♡ あぁぁ♡ 妊娠、しちゃうっ♡♡」
ドピュぅぅぅぅぅうううっ! びゅるるっ、びゅくんっ! ビュプッ!
俺に膣内射精されることが最上の悦びのように、雪ノ下はびくんびくんと身体を仰け反らしていた。
本当にもう、堪らない。どこまでも俺を許す言葉に酔いしれながら、子作りに耽溺する。卵子に届けと言わんばかりに精子を泳がせ、俺は雪ノ下に種付けしていた。
「はぁ、はぁ⋯⋯。抜くぞ⋯⋯」
「ええ⋯⋯♡ あ♡ あぁぁっ⋯⋯♡♡」
射精の終わったペニスを引き抜くと、ブリュッ! と音を立てて三発分のザーメンが逆流してくる。トロトロととめどなく溢れてくる精液は、雪ノ下が言う通り本当に大量だった。
「あぁっ♡ ん⋯⋯♡ 溢れ、ちゃう⋯⋯♡」
だらしなく開かれた雪ノ下の股の間から、再現などないように白濁液が滴り落ちて、ベッドシーツに広がっていく。
「ねえ、比企谷くん⋯⋯」
そう俺を呼んだ声は欲情しきり、ただただどこまでも甘い。振り返って俺を見るその目は、期待に満ちている。
そんな姿を見て、俺が我慢できるはずもなく──。
「精液を零してしまったから、もう一度注いでもらえるかしら?」
俺は無言で頷くと、また雪ノ下に覆いかぶさるのだった⋯⋯。
* * *
翌日の疲労感と罪悪感は、それは酷いものだった。
淫夢の中で雪ノ下と致してしまった回数は途中から数えられなくなり、正確には分からない。ただあの手の夢では最多の回数だったのは間違いないし、それに比例して倦怠感が酷いのだ。
しかし、そんな日であろうと授業はあるし、放課後には部活もある。重い体を引きずって特別棟にある部室に到着すると、俺は溜め息を一つついてから扉を開けた。
「こんにちは」
「⋯⋯うす」
いつも通りの挨拶。返す言葉もいつもと変わらない。いつもと違うものがあるとすれば、俺の心の持ちようだ。
今日は由比ヶ浜は家の用事とかで来られないらしく、一色の方も何だかんだ立て込んできたと言っていたから顔を出す可能性は低い。つまりあんな夢を見た日に限って、雪ノ下と二人きりになってしまったということだ。
「⋯⋯」
気まずい。勝手な妄想だとしても大変に気まずい。それになるべく平静を保とうとしても、二人きりでは否応なく昨夜の夢を思い出してしまう。
俺を誘惑し、しどけない姿を晒していた雪ノ下。やはり現実の彼女とは違い過ぎて、あれは夢だったとしか思えない。
「比企谷くん」
そんな俺の気持ちなど知る由もなく、雪ノ下は凛とした声で俺の名を呼ぶ。
「さっきからチラチラみたり顔をそらしたり⋯⋯いったい何をしているの?」
「⋯⋯いや、別に」
そんなに見ていただろうか。確かに意識しすぎないようにはしていたが、それが返って不審な行動になっていたかも知れない。
「何か用があるならちゃんとこっちを見て言ってもらえるかしら」
「何もないっての⋯⋯」
雪ノ下に対して思うところはあっても、言うべきことは本当にないのだ。意志をもってそれを伝えるために雪ノ下の方を見ると、冷たい目が俺を迎える。
「酷い目をしているわね。まるで生気を感じられないわ」
その言葉を聞いて、どういうわけだか安心していた。
これでこそ、雪ノ下雪乃だ。暴言一歩手前の忌憚のない意見と、冷徹さすら感じる態度。近頃はその棘も引っ込んできたかのように思っていたが、まだまだ健在だ。
「ほっとけ。⋯⋯まあでも、今日はいつもに増して死んでる自信があるわ」
「本当ね」
いったい誰のせいだと思ってるんだ、なんて身勝手なことを考えていると、ふと雪ノ下の表情が変わっていく。
絶対零度の冷たさは霧散し、血色のいい唇は弧を描く。その瞳に浮かんだのは愉悦か恍惚か。強烈な既視感が、また夢の内容をフラッシュバックさせ──。
「その目で見られているだけで、妊娠してしまいそうだわ♡」
蠱惑的な声が耳朶を打った瞬間、俺の下半身は過剰なまでの反応を返すのだった⋯⋯。