まだまだ肌寒い4月の
巨大な敷地を有する
1つは正門前で浅く肩を上下させながら、水筒に詰めたスポーツドリンクを飲む、
そしてもう1つは、
そして
1日目、ステラは途中で倒れた。
2日目、ステラは吐いた。
だから3日目はわざとステラのペースに合わせるように走り始めたのだが、
『アタシに気を遣うなって』言われたので、
3日目も
すると、ステラ
(
ふらふらになりながらもゴールに着実に近づいてくるステラ
今まで彼女が自分の才能に頼り切らず、
「はぁー!はぁー!ゴール.......ッ」
「お疲れでござる」
「へ.....平気よ......ッ、こ.....これくらいっ」
流れる汗をふく余裕もないほど疲れ切っているが、ステラ
「はい。スポーツドリンクでござる」
だがステラ
「え、.........
「どうしたでござるか?..........あ、ごめんステラ
「べっ.......別にイヤだなんて一言も言ってないでしょッ!......むしろ、
「ぎゃくでござるか?」
「ななな、なんでもないわよバカ!いいから
ランニングで
何となく、
正門前にはーーー始業式を知らせる看板が立てかけられているのでござる。
「......ようやく、始業式で
1年目は、何のチャンスも与えられないまま、すべてか過ぎ去っていった。
だが今年は違う。新理事長・
待ち続けたチャンスの到来に、
「なんだか楽しそうね。ヒケン」
「そう見えるで
「......
(
「ま、まあ確かに
「さようなら」
「待つで
「
「うむ。
いつも
「楽しみで
「1つ聞くけど.......
「確かに、
「なら......、恋愛感情は.....どうなの?」
「
「なら、良し♪」
ついに始まるで
*
「はーい☆新入生のみなさんっ!入学おめでとーーーーッ!♡」
「わたしが1年1組のみなさんの担任をさせていただく、
......
「......なんか疲れる先生ね」
縁があるのか、隣の席になったステラ
「.....いい先生
「知り合いなの?」
「前にちょっとだけで
「えー、今日は初日なので授業はありません!でもでも、先生から1つだけみんなに『
言われた通り、
「ゆと。始業式で理事長先生が言ってたけど、破軍学園は去年まで『能力値』で選手をある程度選抜していたのよね?でも今年から『能力値選抜』は廃止!『全校生徒参加の実戦選抜』に制度が変わりますっ!全校生徒が選抜戦を戦って成績上位者『
「先生」
ふと、ステラ
「ノンノン。ユリちゃん☆、って
「......ゆ、ユリちゃん」
「はい、なーにステラちゃん」
「
「
『マジかよぉ』
『めんどくせぇ〜。遊びに行けないじゃん』
『そもそも七星剣武祭なんか、参加する気ねえのに』
教室の
まあ仕方のないことだ。誰も彼もが緋剣のように七星剣武祭に興味があるわけじゃない。
何故なら七星剣武祭は《
負傷はもちろん、場合によっては命の危険すら伴う戦いになる。
誰も彼もがそんなリスクを背負ってまで自分を高めたいとは思っていない。
平穏に卒業して、
そんな平坦な道を望んでいる生徒もいるのだから。
「これ、
そんな生徒の1人が、折木殿に尋ねる。
「ううん。罰則なんてないよ♪当然成績のマイナスもありません。勝てばちょっとボーナスはつくけどね☆もちろん不参加も可。だから『七星剣武祭なんて興味ねーやー』って人は、そのメールを送ってきた『実行委員会』に不参加の意思を書いて返信してください。自動的に抽選からはじかれるようになります。............でもね」
ふと折木は一瞬、緋剣の方を見やり、優しい
「確かに大変だとは思う。だけど、誰にでも平等にチャンスがあるという
向けられた
折木と緋剣が知り合ったのは......緋剣の入学試験の時だ。
あのとき、緋剣は受験生で、折木は試験官だった。
彼女がきちんと緋剣を評価してくれたからこそ、今緋剣は破軍にいることができている。
そんな1年前の出来事を
(......あ、折木先生
「じゃあみんな、これから1年、全力全開でがんばろーーーーーっ!はーいみんなで一緒に
えいえい・おブファーーーーーーーッッ!!(吐血)」
......ものすごい病弱だったっけ、と、緋剣は其のことを今更思い出した。
「「「ユリちゃぁぁあぁあああああん!?!?」」」
「あー、大丈夫大丈夫。みんな落ち着いて」
突然の
「心配しなくて良いでござるよ。折木先生
「いや心配するよ!すごい吐血したもの!?」
「げほっ、ごほっ、......黒鉄君の言うとおり、大丈夫よ」
「先生......1日1リットルの吐血は子供の頃からずっとだから......」
「それのどこが大丈夫なんですか!?」
「ごほっ!げほっ。......まあ、そんな身体でもこうやって20年以上生きてるから。先生、
「そんな悲しいことで威張らないでください。えっと、とりあえず
「わかった。それは任せておいて!」
ピーチブロンドの女子が頷いたのを見て、緋剣は折木殿を肩に抱え、保健室に向かう。
「折木先生殿。聞きたいのでござるが、今日ものすごくテンションが高かったでござるが、もしかして新入生のお祝いのためでござるか?」
「ごほ!げほっ!......うん。
なるほどそうでござったか。優しい折木殿の考えそうなことだと緋剣は納得し、
「折木先生殿......非常に言いづらいでござるが」
「なに?」
「たぶん超ウザがられていたでござるよ」
「がーん......」
可哀想でござるが、本人のため。
◆
『先生殿が、今日はもう帰っていいと』
と、折木殿の伝言を緋剣が告げたことで、初日のホームルームはお開きとなった。
(それでは、
どう接するべきでござろうか。
「せーんぱいっ!」
「なんでござるか?」
突然、クラスメイトの女子に抱きつかれた。
「んなーーーーーーッ!?ちょ、ちょっとなにやってんのよひけん!」
「
「やや。私ったらようやく先輩とちゃんとお話できると思ったら、ついテンションがあがっちゃって、とんだ
可愛らしく『ペロ』と舌をだして
「私、
「拙者のファン?」
「ファンができるようなことを、した覚えがござらん......人違いでござるよ?」
「やだなぁ先輩!とぼけちゃってこのこの〜。これですよこれ」
加々美
ディスプレイに映し出されていたのはーーー
「......これって、アタシ達の決闘じゃない!」
緋剣と同じようにディスプレイを
「もしかして先輩もステラちゃんも本当に知らなかったのかにゃ?2人とも、ネットとか全然見ない人?」
「そうでござるな。機械が苦手でござるよ......」
「アタシも全く見ないわね。パソコンも持ってないし」
「それなら
加々美殿の問いかけに、2人の話を聞いていたクラスメイト達がみな一斉に
「うん、その動画見たよ」
「アタシも見た。だから色々話聞いてみたかったんだけど、......そのやっぱり年上の人だし、声掛けづらかったんだよね......、あはは......」
(さっきから感じていた視線は、この映像見たからでござるか)
「なんか気を使わせちゃってごめん。でもクラスメイトなんだから、もっと気軽に声をかけてくれてもいいんだよ?」
と、ステラ殿が言った、次の瞬間
「「「本当ですかっ!?」」」
「おろっ!?」
突然、周りにいたクラスメイトの女の子達が、身を乗り出して緋剣に迫ってきた。
「よかった!ありがとうございます!黒鉄さん!」
「私、あの試合を見てからずっと黒鉄さんと話をしたいって思ってたんです!」
「アタシもっ!だってすごく格好良かったモンね!」
「あの、黒鉄センパイ、よかったら私に剣の
「あーずるい!それあたしもやってくださいっ」
「ちょ、ちょっと待つでござる。確かに気軽にとは言ったでござるが、そんな一斉に来られても困るでござるよ」
わいのわいのと尊敬と好意に満ちた視線を送ってくる少女達に、緋剣はたじたじだ。
緋剣は、元の世界でも、仕事(
年下の女の子に、
しかも見つめられるだけでもドキドキするでござるのに、キラキラ輝く彼女たちの瞳には
「ふふ、こんなに自分が人気で驚きましたか?でも先輩ってマジで今すごい注目されてるんですよー。私が集めたデータによると、特に女子に大人気!」
「ええっ、な、なんででござる?」
「だって先輩ってすっごく強いじゃないですか〜。魔導騎士を目指す女の子は強い男の子が大好きなんですよ。それに、あれだけ強いのに《
「ま、まあ、元の世界でも、男として見られるのは
「元の世界......?」
「いや、何でもないでござるよ」
「そうですか、あと、その困ったみたいな
加々美殿の言葉に「うんうん」「年上なのに可愛いよね」と周りの女子たちが同意する。
「加々美殿!?」
「それでですねぇ先輩。今日はそんな大人気の先輩にお願いがあるんですぅ。可愛い後輩のお願い、聞いてくれますかぁ?」
腕に抱きつき、至近距離からうるうるとした瞳で見つめてくる加々美殿。
「な、なんでござる......拙者にできることなら......協力するでござるよ?」
「わーい♪ありがとうございます!お願いというのはですね、私、実は、新聞部を作ろうと思ってるんですけど、先輩に記念すべき破軍高校壁新聞第1号を飾って欲しいんです!見出しは......そうですねー。『脅威!
「ふぅ〜ん。よかったじゃない。
ものすごく
「えっと、元の世界では、
「瓦版......?ああ、今で言う、新聞みたいなものね。大丈夫ですよぉ。私が優しく手ほどきしてあげますからぁ」
「では、宜しくお願いするでござるよ、日下部さん」
「そんな他人行儀やめてくださいよ。加々美でいいですぅ。私と先輩の仲じゃないですかぁ」
「加々美殿。ちょっと、その、胸が......あたっているでござるよ」
「あやや?あたっていますね♪直接触ってみます?」
「まず、離れてから、話をしましょう」
「いわですー。取材を受けるって、言ってください!あと、......教えてください。先輩のコ・ト♥」
耳元に唇を寄せ
(......か、可愛いでござるよ......)
なんだかんだで緋剣も男の子なわけで。
年下の、しかも可愛い女の子に積極的に迫られて、嬉しすぎて表情にしまりがなくなる。
加々美殿の積極的なアピールにたじたじの緋剣。
そんな緋剣に......ついにステラの我慢が限界に達した。
「ちょっとひけんっ!!」
何をデレデレしているのよ、情けない。そう緋剣を
「おいセンパイ、オレたちともお話しましょうや」
敵意を隠そうともしない粗暴な、獣の
◆
ぞろぞろと、5人の目つきの悪い少年が少女達を押しのけて、緋剣の前に立つ。
その中でも
「ずいぶん人気者ッスねェセンパイ。でもちーっと調子乗りずきなんじゃねーッスか?教室だってのに、女
こめかみに青筋を立てながら、高い視点から緋剣を
「なによ
「自分がもてないからって、ひがんでるんじゃないわよ!サイテー!」
「んだとこのアマ!マー君に向かってナマ言ってんじゃねえよッ!」
「あー待って待って」
女子に凄んだ体躯のいい少年ーーー真鍋の取り巻きを緋剣がなだめる。
「目障りだったのなら謝るでござるよ」
「ハッ、なに善人ぶってんだよ
「詐欺師?其れってどういう意味でござる」
「アホな女は
「あぁん?何を言われても構わないが、オレと戦ったステラ殿まで侮辱するのでござるな!」
「あくまでもAランクに勝ったって言い張るわけだ。
5人の少年が緋剣の周りに展開する。
さらにはリーダーの真鍋を除いた4人は各々の
「ちょっとアンタ達本気!?こんなところで霊装使ったら停学よ!?」
「うるせえよビッチ!怪我したくなかったら下がってろ!」
加々美殿の注意を一蹴し、霊装を構える4人。
「では、拙者が稽古つけて、差し上げるでござるよ♪」
「テメェ..........」
「先輩!私、ちゃんと正当防衛だって証言するよ!だからやっちゃて!」
加々美殿が迎撃を促す。
「いや、その必要は無いでござるよ」
そう必要は無い。だって
「ーーーーーーーー」
瞬間、緋剣は意識を人斬り抜刀斎の感覚へと、落としていく。
(
緋剣は、
「えーーーーーー」
日本刀を振りかぶった少年に
逸らした
「「うわぁぁああああ」」
前から来た少年は軸足を払われ、
まず、2人。
「この野郎ォォォおぉお!!」
「死ねぇぇぇえええーーーーーッ!!」
双方の狙いは緋剣の頭部。
「おろっ」
と、油断したと思わせて、緋剣は
直後、頭上で弾ける鉄と鉄のかち合う快音。
「「ぎゃあぁああああああああああああ!!!!」」
左右の2人は自分の腕に走った電撃のような痺れに悲鳴を上げ、悶絶する。
あと、1人ーーー。
「く、くそっ!!」
真鍋は仲間の崩壊に隠しきれない
其の銃口が緋剣に向けられ、引き金が
1秒後、撃ち放たれるだろう魔弾。其れに対し緋剣は『
「ハァッ!!」
心の一方を掛けられた真鍋は、引き金を絞れなかった。
「な、なぜ?指が動かない?」
「其れは、
「くっ、お前ら、立ち上がって、ヤツをどうにかしろ!」
「「「「おれ達も、動けないんだよ!!!!」」」」
「あっ、言い忘れていたが、
真鍋達5人の瞳は、怯えに満ちていた。
「......仲良くするでござるよ。此れから1年、一緒にやっていくクラスメイトでござるから」
真鍋はもう、カクカクと
そして、緋剣の動きに圧倒されたのは、真鍋達だけではなかった。
「「「........................」」」
周りにいたクラスメイト達も、
「お、おろ?ステラ殿、......教室の空気が冷たいでござるよ」
「そりゃそうでしょ。それだけ力を見せればこうなるわよ」
「力を見せたでござるか?怪我をしないように限界まで手加減したつもりでござるよ」
「限界一杯手加減して
ステラ殿が呆れたようにため息漏らした、其の次の瞬間、
パチ、パチ、パチ.........
教室の入り口から、拍手が聞こえてきた。
なんだろうと視線をやるとーーー
短い
全体的に色素の薄い
彼女はつぼみのように小さい桃色の唇で
「
お兄様、と。
其の言葉に、緋剣は目を見開く。
「まさか......」
いや、問うまでもない。問う必要もない。
口調も、
其の呼称で自分を呼ぶ人間は此の世に1人しかいない。
「しず、く......」
「はい。......お久しぶりです。お兄様」
◆
「
4年ぶりに再会する
「うわ、やっぱり
「当然です。4年も
「あはは、そうでござったな!いやでも、まさか珠雫から逢いに来てくれて、嬉しいでござるよ!今日から
珠雫に逢ったら話したいことがいっぱいあったでござる。
たが、
「ねえひけん。その子ってもしかしてーーー今朝話してたひけんの
「そうでござる!ステラ殿、みんなにも紹介するでござるよっ」」
緋剣はみんなに珠雫を紹介しようとする。
だが
「お兄様......ずっと、お逢いしたかった............」
緋剣の頬に手を当てて、淡い色の唇を重ねた。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっ!!!!!!」
「「「ナニゴトーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!?!?!?」」」
「ちょ、ちょっとひけん!あ、あああ、アンタなにやってんのよッッ!?」
「ステラ殿、ハウス!」
「........な?」
「珠雫殿、久しぶりの口づけ、柔らかかったでござるよ♪」
「お兄様♥♥♥」
「ひけんも、いつまで
「誰?
「ど、泥棒猫ぉぉおおおおおっっ!!」
拙者は、珠雫に紹介する。
「
「まぁ?同室で
ステラ殿が
此の空気を割ったのは、
「私は緋剣君のクラスメイトの、
「加々美さん、
「
「いえ、違います。
質問をした加々美殿とクラスメイトか、首を傾げた。
「
「
と、ステラ殿が大きな声で、
「えっ、えっ、待ってね、ちょっと整理するから」
「「うん」」
拙者と
「始めに、元の世界(幕末)から飛ばされてきた緋剣は
「そうでござる」
「そして、
「そうでござるな」
「幕末へ戻る方法が見つかったら、帰る。見つからなかったら、この時代に残る。オーケー?」
「オーケーでござる」
アタシは緋剣への質問を終え、
「
「はい」
「この事を知っているのは、緋剣を助けた
「はい♪」
「
「ノンノン、
アタシは、
「
「
「2人で緋剣を幸せにする!」
「そ、その、考えは、頭になかったわ。それ、良いね♪ステラさん♥
「あ、
「「幸せにしてね、緋剣(お兄様)♥」
拙者とステラ殿と
「ちょっと、待った。
終わった直後、
「その、恋人の中に、あたしも入れてください。お願いします♪」
(どうするの、
(
(アタシだった、
((では、決まりね))
「「これから、宜しくね、
「はい♪」
「何度も言っているでござるが、拙者の意見はーーー!」
緋剣の声が、教室に虚しく響いた。
「これで、創刊号の見出しは『
『え、黒鉄さん、って、
「うわぁ、