※この作品はR-18です。

体から薬物を分泌できるようになった大学生の話   作:ヒモになりたいナマケモノ

4 / 18
四話

ピンサロでの媚薬実験の翌日、超能力を確認するとなぜかレベルが上がっていた。

 

『超能力』

能力名:薬物分泌

レベル:8

能力:自身の体から薬物を分泌することができる。分泌した薬物の効果は設定が可能だが、分泌可能な薬物の数、効果の強さはレベルによって変化する。生成した薬物は能力者本人には効果がない。

分泌薬物:<唾液・即効・胃もたれ軽減(中)>

     <唾液・即効・感度上昇(低)>

     <空きスロット>

     <空きスロット>

 

これまでの傾向からレベルを5から8にあげるのは224回も薬を投与しなければいけないはずだけど、そんな心当たりはない。昨日キスをしたって224回も唾液を飲むなんてしないはず。となると後は舐めるというか薬の塗布でもレベルアップは可能ということだろう。

今まではちまちまと両親に薬を飲ませてレベルアップしていたが、この方法は効率が段違いだ。惜しむらくはこの方法を使うには毎回風俗に行くための金がかかるということだ。俺の小遣いではそんなに通えないし、激安のところに行ってバケモノに当たるのはなんとしても避けたい。彼女でもいればもっとレベリングできるんだけどな。

 

とりあえずレベルアップもできたし、新しい薬の設定をしてみよう。とりあえず試してみたいのは麻薬というか、飲むと多幸感を得られる薬。これはかなり使い勝手がいいと思うのだが、要求レベルが高いのか今までは作れなかった。今度こそはと思いながら効果を設定してみるが、うまくいかない。多幸感(低)を設定しようにも弾かれてしまい、それ以下で極低なんかはそもそも選択できない。

どうにもあきらめきれず、項目をいろいろと弄っていると不意に設定に成功した。いったいどうして成功したのかと設定画面を見ると、分泌方法が唾液から汗に変更されていた。どうやら唾液よりも汗のほうが強い効果を設定できるようだ。分泌できる量の違いからだろうか?ともかく念願の麻薬(仮)ができたんだからぜひとも実験をしてみたいものの、両親に使うのは少し気が引ける。中毒になんてなってもらっちゃ困るからなぁ。とりあえず実験の相手を探すためにも外をぶらついてみるか。

 

 

 

 

 

現在昼の1時。街をぶらついてみているものの、なかなか実験を行えるようなタイミングがない。そもそも赤の他人に唾液や汗を触らせること自体が難易度高い。世の中の人間はむしろそういったことを極力少なくするためにマスクを付けたりハンカチを持ち歩く。一応店などに入るとき、入り口の取っ手などに手汗をできるだけ塗り付けているものの薬が投与されている様子はない。乾燥している季節なので他の人が触るまでに蒸発してしまっているのだろう。薬の新しい性質がわかったのはいいが、肝心の麻薬(仮)の実験ができていない。

一体どうしようかと考えながら歩いていると目の前で女の子が派手に転んだところを見てしまった。あまりにも派手な転び方に驚いて周りの通行人たちも一瞬足を止めるが、女の子を一目見ると足早に去っていく。現代において進んで手を貸そうという人間は少ない。仮に居たとしても彼女の格好のせいで声をかけるのはためらってしまうだろう。白いフリルの付いた真っ黒なドレス、同じく黒い髪飾り、メイクによって黒っぽくなっている目元。彼女の服装はまさにゴリゴリのゴスロリだった。東京の方では珍しくもないのかもしれないが、この辺りではなかなか見ない格好だ。どこかからの旅行者だろうか?

バッグの中身をぶちまけてしまい、一人で必死に集めている。誰も助けてあげない姿を見ているとかわいそうになってきた。能力の実験も出来るかもしれないし、ついでに手伝ってあげるか。俺は一度通り過ぎた道を引き返し、人の流れに逆らって彼女の近くまで行く。彼女は俺に気づいたようで下を向いていた顔を上げる。近くで見るとゴスロリメイクをしつつもかなりかわいい顔だちをしていることが分かる。昨日のあやめさんよりもかわいいかもしれない。

 

「あの……」

「手伝いますよ。こっちの方を拾えばいいですか?」

「あ、ありがとうございます!」

 

手伝うと声をかけると満面の笑みを浮かべてくれる女の子。笑うとより一層かわいい。少し見惚れそうになりながらも、周りに落ちているメイク道具などを拾い集める。どうやらバッグの中に入っていたであろうメイクポーチの口が開いたままだったようだ。近くに落ちていた小さめのポーチにマニキュアなどを入れて、彼女に手渡す。この時薬の分泌をオンにするのを忘れない。実験も重要な用事だ。ポーチを渡すときにわざと彼女の手に触れてみる。何か反応があればいいけど。

 

「これ、一応周りに落ちてるもの入れときました。とりあえず拾い残しは無いと思います。」

「ありがとうございます!助かりました。……ッ!」

 

お、反応あり。レベルアップの達成度も進行しているし、問題なく投与できたみたいだ。具体的な効果とかも聞きたいけど、「あなたは今幸せを感じていますか?」なんて聞いても怪しい人間でしかない。ここは粘るところじゃないし、サッとおさらばするか。

 

「気にしないでください。それじゃ。」

「あ、……待ってください!」

 

その場を去ろうと立ち上がったところで彼女に俺の服の裾をつまんで引き留められた。なんだ?薬の効果に違和感を覚えたところで、俺を引き留める理由には弱いと思うけど。

 

「あの、その、よければお礼にお茶とかいかがでしょうか……?」

 

これは……逆ナンか!?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。