※この作品はR-18です。

体から薬物を分泌できるようになった大学生の話   作:ヒモになりたいナマケモノ

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九話

大学入学式当日

入学式は県立体育館にてつつがなく進行された。まぁ入学式において入学する側がやることなんてほとんどないし、無意味に騒ぐようなアホは大学に入れないのだから当然と言えば当然だ。正直この歳になって入学式にワクワクなんてしないし、親も仕事の都合で参加できないのでサボってもよかったのだが、今日を逃すと参加できないあるイベントがあったので渋々出席している。

周囲を見渡すと偉そうなおじさんが壇上で話しているのをだるそうに聞いている人間と一切話を聞くことなくスマホを弄っている人間に分かれていた。ちなみに俺は話など一切聞かず同級生の中にかわいい子を物色していた。だけど残念ながら俺の目の届く範囲いる女子は皆どうにも芋っぽい感じがしてビビッと来るような女子は居なかった。しばらくすれば垢抜けてくる子もいるかな?

少し残念な気持ちになったが、今日の本命はこちらではない。一番の狙いはこの入学式の後にあるサークルが行う新勧コンパだ。まだ入学したてでサークル参加なんて出来ていないのに新歓コンパがあるなんて不思議に思えるが、ここで言う新勧コンパは新入生歓迎コンパではなく、新入生勧誘コンパなのだ。

 

この新勧コンパの主催は「ヤムヤム」というサークルで、事前に情報を仕入れていた有名な飲みサーである。このサークルの特徴として男性にのみサークルの会費が設定されていることが挙げられる。

男性から集めた会費を使って飲み会が行われるのだが、女性陣の会費は0。つまり男性陣完全奢りの飲み会だ。女性にとってはかなり好条件のサークルなので、参加している女性の数も多いのだが、不思議と男性陣の数も同じくらいいる。普通であれば女性陣のレベルが高いとはいえここまで明らかな女性優遇サークルに入る人間は少ない。特に何も対策しなければこのサークルは年々減っていく男性陣で女性陣を支えきることができなくなり破綻していたことだろう。そこで、男性陣を確保するために生まれたのがこの新勧コンパだ。

 

ターゲットは大学生活に夢見ている新入生男子。見目麗しい女性勧誘部隊が入学式終わりの新入生を逆ナンして新勧コンパに連れて行く。ほいほいと付いていった先にはかわいい女性ばかりのサークルメンバーと、自分と同じように逆ナンに引っかかった新入生のみ。この時男性メンバーは最低限しかいない。要するにハーレム状態だと勘違いさせる。席に着いてから行われるのはまさに接待そのもの。途中王様ゲームやらでセクハラOKな雰囲気になれば性欲盛んな男たちは大興奮。お殿様気分で一晩を過ごし、飲み会が終わるころにはサークルに加入している寸法だ。

そして4月にはハーレム状態だった飲み会も5月6月ごろになるとだんだん男性陣の参加率が上がってきて、最終的には7:3で男性多数になる。はじめはハーレム状態から抜け出したくない一心で高い会費を払っていたのだが、男性比率が増えてきて会費を払うのがバカらしくなってくる。だけどそこでサークルを抜けたところで学内のグループは形成済み。いまさら頑張って友達を作る位なら会費はかかるが過去問や代返などの融通が利くサークルに居続けたほうが良いと考えて女性陣の財布代わりになってしまう。

 

というのが実際にサークルに参加して一年経った先輩からの体験談である。

女の財布になる気はないが、新勧コンパは是非行きたい。途中から乳揉みはもちろん酒の口移しやキスまでできるとの話なので薬を盛るにはうってつけ。これ以降はどんどんセクハラは許されない雰囲気になるというので今回を逃すわけにはいかない。

 

 

 

退屈な入学式が終わり、皆それぞれ会場を後にしていく。何人か同じ高校から来た面子も居て、帰りに一緒に飯でもどうだと誘われたが丁重にお断りを入れた。新勧コンパに行きたいというのもあるが、勧誘部隊は友達の少なそうな女にのめり込み易そうなボッチを中心に勧誘するという情報を貰っている。少しでも新勧コンパに誘われる可能性を高くするために申し訳ないが誰かとつるんでいる姿を見られるわけにはいかないんだ。

 

誘ってくれた数人が会場を後にするのを確認してから俺も会場を出る。最寄りのバス停は参加者たちで長蛇の列を成しているが、俺はそれとは反対方向に進んでいく。そして会場から歩いて3分ほどの大通りに出る手前、まだシャッターのしまっている飲み屋街の辺りで不意に声を掛けられた。振り向くと女性が二人。明るめの髪を巻いているかわいい系の女性と同じく明るい髪を後ろで一つにまとめている綺麗系の女性。タイプは違えどどちらも目を引く美人さん。そして二人とも胸が大きく、可愛い系の女性は縦セーターかつバッグを斜め掛けして所謂πスラを作り、綺麗系の女性は黒いワンピースを着ているが胸元が開いていて谷間が見えそうになっている。

 

「こんにちはー。おにーさん、大学生?」

「え?あ、はいそうです。」

「スーツ着てるってことはすぐそこの大学の新入生でしょ?私たちも同じ大学だよ。」

「実は私たち近くのカラオケで遊んでたんだけど、罰ゲームで逆ナンしてこいって言われちゃったの。」

「しょうがないからここで逆ナンの相手を探してたんだけど、どうにもパッとしなくてさ。そんなときにおにーさんを見つけて声かけちゃった。」

「髭はきれいに剃ってあるし肌もきれい。やりすぎじゃないくらいに髪の毛のセットもしてるから清潔感がある。ルックスも普通以上だし文句の付け所が無いね!」

「それに新入生ってことは年下でしょ?私たち年下のほうが好みなの♡」

 

どんどんと俺のことをおだててくる二人。確かにこれは前情報が無ければホイホイと付いて行ってしまうのも分かる。この二人、褒め方がうまい。今指摘された点は自分でも気を付けていたところだし、顔のことも過剰に褒めちぎる感じでもない。ここで「超イケメン!一目惚れ!」なんて言われても明らかに嘘だと分かるし白けてしまうが、二人は俺が少しでも自信を持っていそうな部分を持ち上げてくれる。これは気分がいい。ちなみに、先輩曰く「年下が好み」というのは毎年使われている常套句だそうだ。

 

「お願い!一緒にカラオケ来てくれない?私たちを助けると思って!」

「雰囲気合わないようだったら一緒に抜けだそ?お詫びにご飯も奢っちゃうからさ。」

 

ちなみにこれも毎年の常套句。好みだと言われた女性と飲み会を抜け出せるなんて夢見る新入生にとって都合の良すぎる提案。実際はハーレム状態に気をよくして抜け出そうって約束なんて忘れちゃうんだけどね。

 

「いいですよ、ちょうど暇してたんで。むしろ誘ってもらえてラッキー!的な。」

「本当!?ありがとう!助かるよぉ。」

「それじゃあ案内するね。本当にすぐそこなの。」

「まだ未成年だよね?あっちではみんなお酒飲んじゃってるけど気にしないでね!」

「もしもお酒に興味があったら言ってね。私のお酒飲ませてあげるから♡」

 

もともと断る気など皆無だったのですぐにOKを出す。二人は嬉しそうな表情(おそらく財布GETなんて考えてるのだろう)を浮かべ、俺の腕に抱き着いてくる。

俺は二人に導かれるままに歩きながら両腕の肘辺りに感じる柔らかい感触を堪能しつつ、どんな薬を使ってやろうかと思いを馳せる。

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