※この作品はR-18です。

偽典・女神転生~魔都新宿~   作:tomoko86355

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登場人物紹介

樋口・真理子・・・・『聖エルミン学園』の数学教師。
父親の不貞が原因で、三島・喜作の愛人にされてしまう。
年齢・32歳。
今年4歳になる娘がいる。


第11話 『 赤玉① 』★

花園神社にある高級娼婦館。

ネロが、リネン庫からバーへと向かうと、そこには依頼主である雨宮・知子と、CSI(超常現象管轄局)の捜査官であるボーグがいた。

 

「ネロ君! 」

 

バーに現れたネロに、知子は座っていた席から立ち上がる。

この都庁職員とは、初めて”新宿区(此処)”を訪れて以来だった。

銀髪の少年が、バツが悪そうに挨拶をしようとすると、いきなり眼鏡の都庁職員が抱き着いてきた。

 

「よ・・・・良かった・・・・無事だったのね?」

 

ノーフレームの眼鏡の下は、涙でぐしゃぐしゃになっていた。

余程、ネロの安否が気になっていたのか、少しやつれている様にも見える。

 

「ご、ごめんなさい・・・・一応、鋼牙の奴には定時連絡は入れてるんだけど。」

 

鼻孔をくすぐる甘い匂いに、ネロは思わず戸惑う。

知子の仕草は、年頃のやんちゃ坊主を心配する母親そのものであった。

故に、物心ついた時から、母の温もりを知らずに育った為、どう対処して良いか分からず狼狽してしまう。

 

「これで分かったろ? 坊主は先生が考えている程、柔じゃねぇんだよ。」

 

困った様子で、立ち尽くすネロに、ボーグが助け舟を出してやった。

眼鏡の職員を銀髪の少年から引き剥がし、席へと座らせる。

 

「ううっ、だ、だって・・・ネロ君が大怪我したのは、私の責任だし。」

「大した怪我じゃねぇよ、それに、雨宮先生は何も悪くない。」

 

全ては、番であるシウテクトリの言葉を無視して、暴走した自分にある。

力に溺れ、暴走し、挙句、大事な番に瀕死の重傷を負わせた。

ネロは、泣きじゃくる知子を宥める為に、今迄の経緯をかいつまんで説明してやった。

 

「移民キャンプが襲撃されたのは知っている・・・やったのは、”黄虎”と同盟関係にある”赤犬(レッドボーン)”だ。」

 

”赤犬”は、西新宿壱丁目を拠点に活動している中国系マフィアだ。

”黄虎”同様、アジア最大の秘密結社(フリーメーソン)『天智会』の末端組織である。

 

「どうして移民キャンプを襲ったの? 」

 

壊滅した”黄虎”に対する報復行動なら、”阿修羅会”の会長であるタヤマの邸宅を狙うのが当たり前である。

だが、何故か、”赤犬”は、何の関係も無い歌舞伎町二丁目の移民キャンプを襲った。

知子が不思議に思うのは、当然である。

 

「牛頭天王がタヤマを護っているからよ。」

 

知子の言葉に応えたのは、ボーグではなく、此処の娼館で働いている女医の直子だった。

仕事用の黒いドレスを着た娼婦は、ボーグの隣に腰を下ろす。

 

「先生、仕事は良いのか? 」

 

だらしなく鼻の下を伸ばした、ネグロイド特有の黒色の肌をした若い捜査官が、見事な脚線美を持つ娼婦に視線を向ける。

 

「緊急事態だからね・・・早めに店仕舞いしたのよ。」

 

直子の言う通り、店内には客の姿が殆ど無かった。

呑み掛けのグラスを数人の娼婦が片付け、布巾でテーブルを拭いている。

 

「おっと、紹介するのが遅れたな・・・この綺麗なお姉さんは・・・。」

「直子よ。 彼の情報提供者。」

 

ボーグが言うよりも早く、直子が自己紹介する。

知子も自分の身分を明かし、女医に握手を求める為に手を伸ばすが、何故か無視をされた。

 

「じゃぁ、何で”赤犬(連中)”は、移民キャンプを襲撃したんだ?」

 

握手を返して貰えず、渋々座り直す眼鏡の都庁職員に、憐憫の情を抱きつつ、ボーグが隣に座る女医に疑問を投げかける。

 

「・・・・・”赤玉”の材料を潰す為よ。」

 

暫くの逡巡後、直子は諦めた様子で応えた。

 

「”赤玉”? 」

「ええ、あの移民キャンプは、牛頭天王の腹を満たす為の”人間牧場”なのよ。」

 

 

 

 

初台エリア。

暗く閉ざされた商店街の一角では、壮絶な死闘が繰り広げられていた。

 

「ジオンガ! 」

 

霊的国防兵器であるコウガ・サブロウが、電撃系中位魔法を放つ。

薬局店の屋根に立つ眼鏡の少女を狙うが、寸での所で避けられた。

人間離れした膂力を活かし、赤根沢・玲子が、大きく跳躍。

紫電の蛇を躱すと、カウンターで”呪いの矢”を放つ。

両腕をブレード状に変化させて叩き落とすサブロウ。

真っ二つに折られた矢が地面に接触した瞬間、次々に大爆発を起こした。

 

「サブロウ! 」

 

身の丈程もある長剣『孫六兼元』で、ブラックライダーの攻撃を受け止めていた若頭候補のケンが、背後を振り返る。

 

「他所見しちゃいやん♡」

 

両手に氷の刃を纏い付かせた漆黒の死神が、光速の斬撃を繰り出す。

その全てを段平で、叩き落としたケンは、隙を突いて死神の胴体を薙ぎ払う。

だが、肉体を黒煙へと変えられ、刀身が虚しく空を斬るだけであった。

 

「アタシに物理攻撃は、効かないわよん。」

「だろうな。」

 

嘲弄を浮かべる死神に対し、ケンは火炎系中位魔法『アギラマ』を放つ。

炎の龍が、死神の肉体の一部を焼き尽くす。

苦痛の悲鳴を上げ、漆黒の魔人が、剣士と距離を取った。

 

「魔法攻撃は、普通に効くんだな? 」

「この野郎。」

 

予想外の反撃に、由美が罵声を発する。

典型的な物理特化型の剣士だとばかり思っていたが、まさか魔法まで使えるとは思わなかった。

両腕に、魔力を集中させる。

空気中の水分が氷結化し、二振りの刃となった。

 

『由美さん、契約主が何者かに襲われています。』

 

頭の中に、玲子の念話が響く。

 

『え? コイツ等の仲間じゃないの? 』

 

ケンが繰り出す光速の斬撃を氷の刃で往なしつつ、由美が問い掛ける。

 

『どうやら違うみたいですね・・・・由美さん、彼等の相手は私がするので、アドルフォさんを助けに行って下さい。』

『ちっ、仕方ないわね。』

 

大事な髪を燃やされた報復は済んでないが、契約主を殺されては、元も子も無い。

折角、手に入れた希少石を失う羽目になる。

由美は、忌々し気に舌打ちすると、肉体を黒煙に変え、アドルフォ達の後を追った。

 

「何処へ行く! 」

 

突然、戦いを放棄し、何処かへ去ろうとする死神を、ケンが火炎魔法で撃ち落とそうとする。

その眼前に、雷の柱が突き立った。

咄嗟に、後方へと大きく跳躍する短髪の男。

閃光がソレを追い掛け、光の刃が男の首を斬り落とさんと繰り出される。

 

金属同士がぶつかり合う耳障りな音。

ケンの目の前に、強固な外骨格に包まれる造魔が、純白のローブを纏う死神の刃を受け止めていた。

右腕をブレード状に変化させたサブロウだった。

 

「疫病の騎士は、アドルフォの野郎の所に行きやがった。」

 

白い死神- ホワイトライダーの握る双剣を弾き返す。

魔人化した玲子が、大きく間合いを取る。

右手を二人に翳し、火炎系最上位魔法『アギダイン』を唱えた。

光速展開した炎の魔法陣から、凶悪な顎を開いた炎の龍が姿を現す。

左右へと回避する二人。

深夜の初台エリアに、爆発音が轟く。

 

 

 

右手に持つコルト・ウォーカーが火を噴いた。

弾丸は、次々と男達の心臓や頭蓋を抉り、物言わぬ肉塊へと変えていく。

背筋を嫌な悪寒が走った。

殆ど条件反射で、左手に持つコルト・ドラグーンの引き金を引く。

すると、巨大な鋏を持った悪魔・デスシザーズの仮面が真っ二つに割れた。

断末魔の悲鳴を上げて、塵へと還る悪魔。

薄暗い路地裏の陰から、次々とガス状の悪魔が実体化していく。

 

「あの売女は、良い女だった。 胸もデカくてあそこの締まりも最高だった。」

 

使い魔の間から、右眼に眼帯を巻くアロハシャツの男が姿を現した。

 

「アンドレア坊ちゃんの筆おろしをさせたら、ひぃひぃ泣いてケツを振り捲ってた。ありゃ、真正の変態だな。」

「・・・・・言いたい事はそれだけか? 」

 

キッドが、銃口を目の前の宿敵へと向ける。

 

此処まで来るのに10年以上かかった。

ステファノも二人の行方を知らなかった。

一つの痕跡も残さず、綺麗に姿を眩ませた二人に、キッドは絶望した。

しかし、諦める事は絶対しなかった。

僅かな手掛かりを探し、漸く、遠い異国の地・・・日本に二人がいる事を突き止めた。

此処まで来れたのは、相棒のブッチと古くから”コーサ・コステロ”を支えてくれた仲間達のお陰だ。

 

「一つだけ、お前に良い事を教えてやろうか? 」

「・・・・・。」

「お前の女房と子供を狙う様に指示したのは、アレッサンドロだよ。」

 

その名前を聞いた瞬間、キッドの顔色が変わった。

アレッサンドロは、キッドと先妻との間に生まれた息子だ。

戸惑うキッドに、アドルフォが更に追い打ちを掛ける。

 

「詳しい事が知りたきゃ、アレッサンドロに聞きな・・・まぁ、お前が俺をこ・・・。」

 

そこまで言った瞬間、アドルフォの頭が吹き飛んだ。

キッドが、右手に持つコルト・ウォーカーの引き金を引いたからだ。

大の字に背後へと倒れるアドルフォ。

コンクリートの地面に倒れる瞬間、その身体が無数の蠅へと姿を変える。

 

「・・・・・っ! 」

 

蠅の群体は、周囲の悪魔達を取り込み、再び人の形へと変わった。

全身に描かれた髑髏の入れ墨に紅いマント。

右手には、操り人形を持っている。

ヨーロッパの伝承に伝わる悪魔- ネビロスがそこにいた。

 

「我が名は。ネビロス・・・・地獄の支配者に仕えし、上級精霊なるぞ。」

 

アドルフォの正体は、悪魔だった。

しかも、只の悪魔ではない。

魔王クラスに匹敵する程の力を持つ、ネクロマンサーであった。

 

「それがお前の本当の姿か。」

 

キッドが腕を交差させる独特な構えで、狙いを目の前の上位悪魔へと向ける。

悪魔から漂うプレッシャーが、容赦なく肌に突き刺さった。

 

「番のブッチ・キャシディを連れて来なかった事を後悔するが良い。」

 

ネビロスの眼前に、幾つもの黒い炎が灯る魔法陣が光速展開される。

火炎系最上位魔法『マハラギダイン』だ。

獲物の肉を貪り喰わんと、焔の龍達がガンマンへと襲い掛かる。

両手に持ったコルト・ウォーカーとコルト・ドラグーンが火を噴く。

空中で魔力を帯びた弾丸と、焔の龍がぶつかり合った。

 

 

 

想像を遥かに超える死闘を目の前に、霊的国防兵器の一体、オモイカネは戸惑っていた。

 

人気の無い雑居ビルの屋上。

そこに二体の異形な姿をした怪人達が、眼下で繰り広げられる闘いを観察している。

 

「まさか、悪魔だったとはな・・・・。」

 

腰に大太刀を帯刀した造魔・ミチザネが、赤いマントを纏った魔人を眺めている。

 

「もう一人は誰かな? 」

「あの神業とも言える銃捌きは見た事があるな・・・・確か、10数年前の”シュバルツバース破壊計画”で、ザンダンス・キッドという男がいた。」

 

ミチザネが遠い記憶の彼方を探る。

東京湾一帯を覆い尽くす程、巨大な異界の穴を塞ぐ為に、国連は各国に存在する秘密結社(イルミナティ)に召集令状を掛けた。

その時に、イタリア最大級のマフィア『コーサ・コステロ』のボスとその相棒(パートナー)も参加していたのだ。

 

「まさか、本物? 」

「分からぬ、ワシの記憶が正しければ、破壊計画が失敗に終わった後、引退したと聞いている。」

 

闘いを傍観するのに飽きたのか、ミチザネはあっさりと眼下の死闘から背を向けた。

 

「ミチザネ? 」

「ワシ等の目的は、テンカイの古き友を救う事だ。”ネビロス”の相手は、奴に任せ、我等は友を乗せた車を追うぞ。」

 

それだけオモイカネに伝えると、鎧姿の武者は、雑居ビルから飛び降りてしまう。

暫くの逡巡後、オモイカネもその後を追い掛けた。

 

 

 

死霊使い『ネビロス』が放つ衝撃波が、キッドの身体を容赦なく叩く。

明滅する思考。

家族を裏切った自分に、三下り半を叩きつけて去る愛息子の後姿が過る。

 

アドルフォこと邪霊・ネビロスの言葉を真に受けるつもりは更々ない。

人間の最も弱い部分に付け入るのが、悪魔の常套手段だ。

しかし、去り際の息子の視線が、心の何処かに引っ掛かった。

 

もし、ネビロスの言葉が真実だとしたら・・・・否、もし本当だとしても、それは全て自分が撒いた種だ。

 

衝撃波の嵐が、ガンマンの身体を吹き飛ばす。

背中からコンクリートの壁にぶち当たり、口から鮮血が吐き出された。

 

「どうした? キッド。 お前の力はその程度なのか? 」

 

血反吐を吐き、肩や両足を斬り裂かれ、ガンマンは誰の目から見ても、既に戦意喪失状態である事が分かる。

イタリア最大級のマフィア『コーサ・コステロ』のボス。

番のブッチ・キャシディと大陸を渡り歩き、数々の武勇伝を残した伝説のガンマン。

だが、それも全盛期だった頃の話だ。

齢(よわい)50を過ぎ、衰えたキッドは、只、死を待つだけの老犬だった。

 

「ふん・・・・最期の慈悲だ。お前の女が如何に醜い存在であったか見せてやろう。」

 

邪霊・ネビロスが、右手に持つ操り人形を前に翳す。

両眼から怪しい光を放つ木製の木偶人形。

途端、キッドの思考が、過去へと跳ぶ。

 

 

 

アウローラは、幸せだった。

祖父の放蕩が原因で、先代からの遺産を全て喰い尽くされ、残ったのは莫大な借金だった。

物心ついた時から、狭いアパートに押し込められる形で両親と生活し、祖母の妬みを子守唄に幼い日を過ごした。

父は、祖父の借金返済の為に、低賃金でこき使われ、母もパートと認知症が進んだ祖母の介護に追われた。

何時か、こんな生活から抜け出してやる。

自分は、哀れな両親とは違う。

もっと、日の当たる世界に出てやる。

アウローラは、16歳で家を飛び出し、生まれ持った美貌を武器に、女優の道を目指した。

しかし、世間知らずの小娘が出来る事等高が知れている。

映画やドラマ等のエキストラ役が少し貰えた程度で、年齢を重ねる毎に仕事は貰えなくなった。

金も無くなり、今更、家に帰る事も出来ず、最後に残っているのは女の武器だけだった。

知り合いから娼婦館を紹介され、身体を売る様になった。

あれ程、毛嫌いしていた蛆虫の生活に、自分もどっぷりと浸かる様になったのである。

 

そんなアウローラに、転機が訪れた。

 

彼女は、イタリアでも最大級のマフィア『コーサ・コステロ』のボスに見初められたのである。

 

巨大組織のボスであるにも拘わらず、ザンダンス・キッドという男は、馬鹿が付く程お人好しで、愚かな男だった。

しかし、誰よりも誠実な人物であり、末端組織の部下にまで、気さくに話し掛ける。

当然、娼婦達からの人気も高く、心から好意を寄せられる伊達男であった。

 

当初、妾としてキッドに取り入り、正妻を追い出そうと、愚かな野心を抱いた。

娼婦の間で、正妻との子供が実の子ではなく、児童養護施設から養子縁組して迎えられた子であると聞いた。

だから、キッドの子を身籠った時、長期療養中だった先妻に態と面会した。

大きくなった腹を見せ、勝ち誇った笑みを向けてやった。

しかし、先妻からの反応は、意外だった。

 

「丈夫な赤ん坊を産んであげてね?」

 

そう言って、先妻は微かに微笑んだ。

 

 

生臭い汚液が、口内を満たす。

固形とも言える粘塊を飲み干し、アウローラは激しく咽こんだ。

 

夫であるキッドが、引退した時、彼女は黙ってついていく事を決めた。

今迄の彼女だったら、決してしない愚かな選択だった。

 

この男を最期まで支えたい。

アウローラは、心からキッドを愛する様になっていた。

 

組織の人間は、キッドが直ぐに音を上げて、戻って来るだろうと予想していた。

だから、一年間の猶予を与えた。

もし、一年間、普通の人間として労働し、限られた賃金で生活出来るなら、引退を認めると打診したのである。

キッドが、名前をジョルジオ・ネックと変え、ナポリの小さな貿易会社に勤めると決めた時、アウローラも一緒に付いて行き、夫を懸命に支えた。

パートをして学費と生活費を稼ぎ、家事をこなしてアルフィオを育てた。

 

幸せだった。

泥まみれの人生の中で、初めて生きている実感を感じた。

しかし、それも束の間の出来事であった。

 

「ぱ・・・・パパ・・・・ほ、本当に良いの? 」

 

貧相な体躯をした14歳ぐらいの少年が、酷い吃音で首輪を嵌められた美し女を見下ろす。

 

ミラノを拠点に活動するマフィア『カモッサ』のボス、ステファノの末息子・アンドレアだった。

発達障碍児であり、酷い吃音で、純真だが気に入らないと暴れる二面性を持っていた。

 

「ああ、お前を男にしてやるぞ? アンドレア。」

 

ガウンを脱ぎ、興奮で性器を立たせる息子にステファノは、自分の男根をしゃぶる女の頭を撫でる。

後始末を終えたアウローラは、アンドレアにフェラチオしろと命令された。

当然、断った。

相手は、息子と歳も変わらぬ子供だった。

ステファノは、アウローラを平手打ちにし、「息子を殺す」と脅した。

アウローラは、涙を零しつつ、アンドレアの性器を口に咥えた。

 

 

「ああっ、ああっ、パ・・・パパ、で、出ちゃうよ。」

 

尻を震わせ、アンドレアが喘ぐ。

キングサイズのベッドでは、元娼婦の人妻が四つん這いの恰好になり、少年の性器を口に咥え、尻を二人の男に向けていた。

全裸の逞しい体躯をした男が、女の性器に手を這わせる。

男は、ステファノの部下だった。

女の扱いに長けたジゴロで、その絶妙な愛撫に、元娼婦のアウローラは、あっけなく陥落した。

指の腹で、剥き出しの陰核を刺激され、舌が性感帯である首や背筋を舐める。

興奮した女が、陰嚢を口に含み、玉を転がすと、少年は悲鳴を上げ、鈴口から大量の汚液が吐き出された。

 

「も、ももう一回、して欲しい。」

 

相当な量を吐き出したにも拘わらず、少年は続きをねだった。

アウローラが、少年の尻を抱く様に、フェラチオを再開すると、ステファノの部下が、尻を抱えて剛直を膣に突き刺した。

 

何故、自分がこんな目に?

 

性器からうねる様な快感に、顔を蕩けさせながら、頬を強く窄め、頭を振りたくる。

 

男達の口ぶりから、夫の正体を知っている事は分かった。

何かしらの恨みを持っている事も、察する事が出来た。

彼等が、夫への報復行動で、自分や息子を誘拐したのなら、待っている末路は当然、死だ。

 

死にたく無かった。

せめて息子のアルフィオだけは、救いたかった。

 

尻を抱える男が、手を女の股間へと伸ばす。

陰核を刺激され、絶頂に達した。

尻を激しく痙攣させ、無意識に亀頭に歯を軽く当てる。

少年も女の様な声を上げて、再び口の中へと射精した。

恍惚とした表情で、汚液を呑み込む。

すると、その目が凍り付いた。

部屋の隅で、項垂れ啜り泣く息子のすぐ傍に、蒼いドレスを着た少女を見つけたからだ。

振り向いたその顔は、恐ろしい程、キッドの元正妻と良く似ていた。

 

 

ガウゥウン。

 

暗闇に沈む初台エリアに響く銃声。

木製の操り人形が、木っ端微塵に砕け散る。

右腕に握っているコルト・ドラグーンの銃口から、白い煙が昇っていた。

 

「・・・・・お前等、アメリアに何をした? 」

 

テンガロンハットから覗く、暗く淀んだ双眸。

怒気を含んだ吐息が、口から漏れる。

静かに怒りの炎を燃やすキッドに、ネビロスの唇が嘲りの笑みを形作った。

 

「気に入ったのさ、美しく聡明で素晴らしい血統を持つ女だった・・・・だから、アレッサンドロに契約の証として母親の髪の毛を人房貰った。」

 

ネビロスは、アメリアの髪の毛を媒体に、人体を錬成し、『アリス』と名付けた。

 

「これで理解したか? どちらが悪でどちらが正義か・・・・あの端女(はしため)の最期は、当然の報いであり、その血を継ぐ息子も同罪だ。」

「・・・・違う、本当の悪は俺だ。」

 

満身創痍のキッドは、悲鳴を上げる己の肉体を叱咤し、徐に立ち上がる。

斬り裂かれた肩や両膝から、夥しい量の血が噴き出るが、それを気にする素振りを全く見せなかった。

 

「アメリアの病気を全く知らなかった。 自分の快楽を優先し、息子のアレッサンドロやアウローラ、アルフィオを地獄に叩き落とした。」

 

そう、全ての元凶は己自身にある。

 

もっと、アメリアと話をするべきだった。

アレッサンドロに父親らしい事をしてやるべきだった。

アウローラが妊娠する前に、彼女との関係を清算すれば、あんな惨たらしい最期を迎える事は無かったかもしれない。

否、そもそも、人間として最低限の常識を持つべきだった。

 

ふらふらと立ち上がるガンマンの身体が、大きく吹き飛ぶ。

ネビロスが放つ衝撃系最上位魔法『ザンダイン』をまともに受け、コンクリートの壁をぶち破り、瓦礫の中に身体が埋まる。

両手から離れた二丁拳銃が、虚しく地面へと転がった。

 

頭を強かに打ち、意識が朦朧とする。

不図、見上げると、キングサイズのベッドの上で、少年の身体に覆いかぶさり、互いの性器を貪り合う女の姿が映った。

周囲には、下卑な笑みを貼り付かせるステファノとその部下、そして窓際の椅子に、後ろ手に拘束されたアルフィオが座り、目の前に金色の髪と蒼いドレスを着た少女がいる。

 

アンドレアは、夢中で女の性器を舐めていた。

ジゴロに教えられた通り、陰核を覆っている皮を手でずらし、舌で吸ったり舐めたりを繰り返している。

拙い少年の愛撫に、女の性器は分泌した愛液でぐっしょりと濡れていた。

アウローラが、頬を赤く染め、くぐもった喘ぎ声を漏らす。

そそられて、頬を強く窄めて頭を振ると、少年が高い声で鳴いた。

 

「アンドレア、男なら此処は我慢だ。」

 

巨大な体躯をしたステファノが、全裸でソファに座り、愛用の葉巻を吸っている。

ニヤニヤと悪鬼二人が醜悪な笑みを浮かべ、目の前の狂宴を楽しんでいた。

場面がまた違うシーンへと変わった。

雨が降り注ぐ墓地で、10歳にもならない少年が、母親の墓石を前に立っている。

甘栗色の髪をした愛らしい少年であった。

今は、血の気を完全に失い、眼は暗く淀んでいる。

 

アレッサンドロだ。

薄い唇を引き結び、何かを決意した表情をしている。

恐らく、この時から、自分やその愛人であるアウローラに復讐を誓ったのだろう。

怒りで震える小さな肩に触れようと、キッドが手を伸ばす。

その手が、女の乳房に触れた。

アウローラだった。

自分の上に跨った美しい娼婦は、身体を上下に揺らし、快楽を追っている。

身体から汗を噴き、たっぷりと愛液で濡れた性器は、自分の雄を深々と咥え込んでいた。

 

キッド、愛してる。

貴方の子供が欲しい。

いっぱい、吐き出して。

私を孕ませて。

 

女はそんなうわ言を繰り返し、尻を振りたくる。

 

アウローラ・・・・美しいアウローラ。

すまない。

全部、俺のせいだ。

 

熱い涙が頬を伝う。

 

「ほぉ・・・・お前、泣いているのか。」

 

ネビロスの嘲りを含んだ声に、キッドは閉じていた双眸を開いた。

気が付くと、邪霊に胸倉を掴まれ、宙吊りにされていた。

 

「あの”コーサ・コステロ”のボスが、たった一人の売女の為に泣くのか。」

 

不愉快極まりない邪霊の高笑い。

しかし、それはすぐに悲鳴へと変わる。

宙吊りにされているキッドが、ナイフケースに収まるククリナイフを引き抜き、邪霊の腕を斬り落としたのだ。

 

 

 

西新宿にあるストリップ劇場。

一仕事を終え、部下数名と戻って来たカミロは、そこに先客がいる事を知り、大分、否な顔をした。

相手は、日本有数の巨大企業、三島重工の会長だった。

70歳半ばの老人は、高級なソファに腰を下ろし、最高級のコニャックを舐めている。

隣には、真っ青な顔をした30代ぐらいの女がいた。

真っ赤なカットソーのワンピースを着ており、胸元から豊満な乳房を覗かせている。

 

「何だ? 機嫌が随分と悪いな? ベリアル。」

「その名前で俺を呼ぶのはルール違反だぜ? ルキフグス。」

 

三島・喜作の真向かいに座ったカミロは、嫌悪感を露わに脚を組む。

 

劇場は一時休業にしてある為、客の姿は全くない。

カミロは、部下達を下がらせ、硝子製の灰皿を引き寄せた。

 

「秘密クラブは、諸事情で一旦閉鎖だと、伝えた筈だが?」

「聞いとる、蜥蜴共と下らん縄張り争いしとるんだろ。」

 

コニャックが入ったグラスをテーブルに置き、隣に座る女- 樋口・真理子の膝に手を置いた。

枯れ枝の様な指先が、剥き出しになった女の太腿を這う。

 

「どうだ?良い女だろ? ”聖エルミン学園”で数学教師をしとる。」

「”聖エルミン学園”? クズノハの奴等が経営している学校か。」

 

血の気の通わぬ唇を噛み締め、真理子は目を伏せる。

屈辱と恐怖に、今にも破裂してしまいそうだった。

 

「貴子の時みたいに、君等が調教してくれたらと連れて来たんだ。」

「はっ、学校の先生を・・・・か?」

「只の女教師じゃないぞ? 文科省に勤める事務次官のお嬢さんだ。」

「ほー。」

 

喜作の説明によると、真理子の実父は、文部科学省に勤務する議員だ。

代々続く政治家一族で、真理子は母親と同じ教師の道を選んだ。

 

「28歳で結婚、翌年子宝に恵まれ、夫は原子力科学研究所でエンジュニアをしとる。」

「上流階級のお嬢様がなんでお前みたいな外道に捕まった?」

「父親の不貞をワシが揉み消してやった。」

 

真理子の父親は、真面目だけが取り柄の男だった。

上司から高級クラブに誘われ、そこで働いているホステスに入れあげた。

その女に多額な金を貢いだ挙句、文科省の金にまで手を付け、窮地に立たされた父親を喜作が、娘を差し出す事を条件に救ってやった。

 

「田舎娘だった貴子を、六本木でも一二を争う高級クラブのオーナーに生まれ変わらせたのは君等のお陰だ。 だから今回も、君達二人に頼もうかと思ったんだが・・・。」

「悪いな、アドルフォは野暮用で此処にはいない。 調教用のゴブリンなら数体いるが、貸してやる事は出来ねぇ。」

「何で?」

「もう売却済みだからだ。 オマケに奴等は寿命が短い。使用出来る回数に限りがある。」

 

冷たく切り捨てられ、喜作は拗ねた様に唇を尖らせる。

 

アドルフォの造った性奴隷の悪魔は、女と性交渉する事で、活力を与える事が出来る。

悪魔の生命エネルギーを得た女は、細胞が活性化し、魔性の美しさを放つ。

喜作の愛人の一人である貴子は、此処で、悪魔達とまぐわい、魔性の魅力を得る事が出来た。

お陰で、政財界に多くのパトロンを得るに至ったのである。

 

「確か、品川区にファウヌスの野郎がソレ専用にクラブを経営していたな? 奴に頼んだらどうだ?」

「オリュンポス神族は、信用出来ない。」

「我儘言うな。 質が悪いが、女を扱う術は長けている。」

「お前さんは、やってくれんのか?」

「特殊な悪魔を精製出来るのは、アドルフォだけだ。」

 

帰れ、と無言の圧力を加えられ、喜作は仕方なく、真理子を促し立ち上がる。

そして、何かを想い出したかのように、カミロへと振り返った。

 

「そうそう、リリスから聞いたんだが・・・・アマラ深界に封じられていた例の堕天使が復活したらしいな? 」

「器の方だけな、本体は未だアマラの底だ。」

 

カミロがソファの背凭れに身を預けて応える。

 

「お前はどうする? 元七導師の一人として王を迎え入れるか?」

「まさか、”蠅の王”も”契約の守護者”も奴の所業に呆れている。特に、スルトル辺りは奴をぶっ殺したくて堪らないんじゃねぇか?」

 

カミロにとっても、今更、『混沌の王』が蘇ったところで、今の立場が気に入っている以上、迷惑極まりない存在でしかない。

 

「やれやれ、かつては虐げられし者達の希望とまで謳われておったのに・・・・哀れなモノだな。」

「時代も変われば、考えも変わる・・・今更、変革等、誰も求めちゃいねぇ。」

「だな・・・ワシらは只、己が欲望に忠実であれば良い。」

 

喜作は、皮肉な笑みを浮かべると、傍らにいる女の尻を撫でる。

微かに呻き声を上げる真理子。

人外達の無言のプレッシャーを当てられ、身体が震えた。

 

 

 

 

セクター・エリダヌス。

大剣『リベリオン』によって頭を斬り落とされた大型悪魔が、地へと沈む。

氷の矢が、的確に幽鬼・ヘルカイナの心臓を貫き、次々と氷の彫像へと変えていった。

 

「どうやら、粗方片付いたみたいだな? 」

 

真紅の呪術帯で右眼以外を覆った悪魔使いが、両手に持ったクナイを腰のナイフホルダーへと納める。

 

「全く、俺達と交渉したきゃ、出迎えぐらい寄越して欲しいぜ。」

 

最新型のデモニカスーツの上に、特殊素材で造った赤いロングコートを纏う銀髪の大男が、大袈裟に肩を竦める。

 

二人は現在、ジャック・コナーが経営してる民間軍事会社『タイラント』の仮設基地に向かっていた。

理由は、勿論、最終目的地であるホロロジウムへの航路確保の為である。

 

「奴等は、俺達の実力を試しているんだ。」

「何の為に? 」

「コッチの戦力を見極めたいんだろ。 それか、俺達を消耗させて人質に捕るとか。」

「おいおい、洒落にならないぜ。」

 

あまりなライドウの言い分に、ダンテが大きな溜息を吐く。

 

ジャック・コナーは、元特殊部隊出身の軍人だ。

アメリカ国防総省『ペンタゴン』の長官、ウィリアム・グリッグズの元部下であり、強かな一面を持っている。

強(あなが)ち、ライドウの推測も嘘とは言い切れない。

 

「ランデブーポイントまで、まだ距離がある。 何処かでキャンプを設営・・・・。」

 

そこまで言いかけて、ライドウは一旦言葉を切った。

目の前に、植物の蔓に覆われた大型のトレーラーを発見したからであった。

 

「爺さん? 」

 

無言で、古びた大型のトラックへと近寄るライドウを、ダンテは訝し気に眺める。

ゴムのタイヤは全て破損し、トラックの外装は赤錆(あかさび)まみれ。

オマケに魔界の植物らしい太い蔦(つた)に覆われたトレーラーは、とても使い物になるとは思えなかった。

 

悪魔使いは、ナイフホルダーから『アセイミナイフ』を取り出し、蔦を切り落としていく。

入口らしきドアに絡まっていた植物を取り払うと、愛用のGUMPのコードを操作パネルに繋いだ。

 

「まさか、此処で一晩過ごすのか? 」

 

USBポートを繋ぎ、幾つか暗唱番号を打ち込むライドウの背後に、呆れた様子のダンテが近づいた。

 

「勿論、このトラックには悪魔除けの呪いが施されているからな。」

「呪い? 一体どういう・・・・。」

 

詳細を聞こうとするが、悪魔使いは詳しく教えるつもりは無いらしい。

重い開閉音を立て、開いたドアの中へと入って行ってしまう。

何時もの自分ルールに、呆れた様子で舌打ちするダンテ。

このまま外に居る訳にもいかず、仕方なしに相棒の後へと続いた。

 

慎重にトラック内へと入ったダンテは、突然、点灯した照明に目を庇う。

どうやら、トラックに内臓されている自家発電機は、何とか無事らしい。

悪魔使いが慣れた様子で、室内に設置されたパネルを操作する。

 

トレーラーハウス内は、厨房や浴室まで完備された中々の代物であった。

GUMPをガンホルスターに仕舞うと、悪魔使いはソファに積もった埃を払い、そこに腰を下ろした。

 

「爺さん、このトラックは一体なんだ? 」

「異界化前に、誰かが放置したトレーラーハウスだよ。」

「誰かが? に、しては随分と扱いを知っている様に見えるんだが?」

「この手のトレーラーハウスは、皆構造は同じだ。」

 

詳しく教えるつもりは無いのか、テーブルに置かれたアルミ製の灰皿を引き寄せ、口布を下ろすと、愛用の煙草を一本取り出し、口に咥える。

そんな無愛想な相棒に、ダンテはもう一度溜息を吐き出すと、その隣に腰掛けた。

 

「意外だったな・・・。」

「何が? 」

「奴等との交渉に、俺を連れて行った事だ。」

 

此方へと漂う煙草の煙を手で追い払いつつ、ダンテが隣に座る美しい相棒へと視線を向ける。

 

てっきり、コナーとの交渉に一人で行くと言い出すモノだと思い込んでいた。

しかし、ライドウは、あっさりとダンテの同伴を許した。

流石に、大勢で行く訳にもいかず、佐助や明達等は、引き続き調査艦の護衛を任せる為に残したが、まさか同伴する相手に自分を選ぶとは思わなかったのである。

 

「一応、お前は俺の正式な番だからな。」

「信用してくれていると受け止めて良いんだな?」

「全部じゃない、俺の指示に従わない場合は、即刻、壁の外に出て貰う。」

 

相変わらず厳しい一言に、ダンテは肩を竦めた。

 

暫しの沈黙。

ダンテは、煙草をくゆらせる相棒の手を取り、自分の大きな手と重ねた。

グローブに包まれる小さな相棒の手は、心なしか少し冷たい。

トレーラー内の空気が肌寒い事から、どうやら空調設備は完全に壊れている様だった。

 

「何で何も聞かないんだ?」

「・・・・・。」

「俺がこの半年間、鞍馬山でどう過ごしたのか、知りたくねぇのかよ?」

「・・・・・・知ってどうする?」

 

特に抵抗せず、ライドウは愛おし気に自分の手を頬へと寄せる銀髪の魔狩人を眺める。

 

ダンテの言う通り、玄武に連れ去られた半年間、一体、鞍馬山でどんな指導を受けて来たのか、興味が無いと言えば嘘になる。

あの男の事だから、相当、苛烈な修練を施したに違いない。

 

「酷ぇな・・・俺は、寝ても覚めてもアンタの事しか考えなかった。」

 

グローブに包まれた手の甲に口づけ、蒼い双眸で隻眼の悪魔使いを見つめる。

 

「師父から少しだけアンタの事を聞いた・・・娘が人質に捕られているんだってな。」

「・・・・・余計な事を・・・・。」

 

ダンテを焚き付ける為に、態と自分の過去を話したのだろう。

 

「俺なら、”アモン”の力を制御出来る・・・アンタの大事な”家族”を救える。」

「滅多な事を言うな・・・・俺の体内には骸が仕込んだ”蟲”が寄生してるんだぞ。」

「はっ、だから言ってんだよ。 あの時、俺を殺さなかった事を後悔させてやるってな。」

 

右腕を斬り落とされ、両足をズタズタに引き裂かれても尚、この男の闘争心は少しも揺らぐ事は無い。

やられた事は、倍にして返す。

それが、荒事師の流儀だ。

 

「お前は変わったな・・・・・初めて出会った時より闇が濃くなった。」

「どういう意味だ?」

 

相棒の手から煙草を奪い取り、灰皿に押し付けて火を消す。

華奢な肢体をソファに押し倒し、その上に覆いかぶさった。

 

「傲慢になった・・・・前からその気はあったが、今は更に酷くなってる。」

 

自分の首筋に顔を埋め、革の防具や衣服を剥ぎ取る様に脱がす男を見つめる。

 

生まれ持った悪魔の力で、トップクラスの便利屋として君臨し続けて来た男は、周囲の人間達を見下していた。

態度にこそ出さなかったが、自分を特別な存在として己惚れていた。

その鼻持ちならない態度の青年に、ライドウは敢えて徒手空拳で叩きのめした。

上には上がいる。

特に、悪魔を狩る仕事を生業としている輩にとって、ダンテ如きの実力など履いて捨てる程いる。

それを知らしめる為に、教育したつもりだったが、結果は完全に裏目に出てしまった。

「・・・・・っ!」

 

下着如ズボンを降ろされ、全裸に近い恰好にされる。

縮こまった陰茎を口に含まれ、ライドウの背が綺麗にしなった。

 




毎日寒くて嫌になります。
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