※この作品はR-18です。

偽典・女神転生~魔都新宿~   作:tomoko86355

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登場人物紹介


ウィリアム・ハドソン・・・・USSF(アメリカ陸軍特殊部隊)に所属する悪魔狩人(デビルハンター)。階級は、上等兵・特技兵。
ダンテと同じく、人間と悪魔の混血児。
魔人化する能力を持ち、変身すると人格が変わる。


ジェニット・バスクエス・・・・ハドソンと同じUSSFに所属する悪魔狩人。
階級は上等兵・狙撃手。
古来から続く魔女の家系に生まれる。
臓器の殆どを悪魔のモノと変えている。


第14話 『神殺し。』★

セクターエリダヌス 白い神殿。

巨大な牡牛が両手に持つ斧を振り回し、縦横無尽に暴れ回る。

 

「オラオラァ! 正義のハドソン拳を喰らいやがれぇ! 」

 

雄々しい二本の角を持つ牡牛が、両手の戦斧から斬撃を放つ。

威霊・アルビオンを護る分霊体達が、成す術も無く身体を両断されていく。

分霊の一体が、魔人化したハドソンに氷結系中位魔法『ブフーラ』を放つが、無数の氷の槍は、鋼の牙によって次々と砕かれていった。

 

「あんまりはしゃぐと怪我するよ。」

 

狙撃ライフルを構えたジェニット・バスクエスが、呆れた様子で溜息を吐いた。

長年、コンビを組んで悪魔討伐を行ってはいるが、魔人化したハドソンのテンションだけは、どうしても慣れない。

 

「やかましい!ブス! お前は黙って俺様の援護を・・・ぐへぇっ!」

 

ウィリアム・ハドソンの額を鋼の弾丸が、容赦なく抉る。

バスクエスの死のツッコミを喰らった牡牛は、衝撃で背中から地面に叩き付けられた。

そんな二人の寸劇を茫然と眺める分霊体達。

するとその頭部が、次々と爆ぜ割れて行く。

バスクエスの人知を超えた連続速射が、分霊体の頭を吹き飛ばしたのだ。

 

「さて、アンタには特別良いモノをくれてやるよ。」

 

バスクエスが、狙撃ライフルを肩に担ぎ、腰のホルスターからコルトパイソンを引き抜く。

幾何学模様が彫り込まれたリボルバーには、万能属性最上位魔法『メギドラオン』が封じられている特殊弾が数発装填されていた。

本体である威霊・アルビオンに照準を定める。

だが、分霊体を破壊され黙っている巨人ではなかった。

右手に持つ棍棒を振り上げ、女狙撃手の頭上に振り下ろす。

バスクエスが、真横に跳んで躱す。

しかし、衝撃波までは殺せない。

大きく後方へと吹き飛ばされ、地面に何とか着地する。

 

「ちっ、流石、古の神だね。」

 

忌々し気に舌打ちするバスクエスの視界に、硬い甲殻に覆われた牡牛の姿が映った。

巨大な戦斧を構えたハドソンだった。

分霊体達の亡骸を素材に、身の丈程もある斧を造り出したのだ。

 

「必殺!脳天カチ割り斬り! 」

 

金色に光る巨大な斧をアルビオンへと振り下ろす。

その一撃を棍棒で受け止める巨人。

発生する衝撃波が、神殿全体を大きく揺さぶる。

 

「ぬぬぅ、貴様・・・結構強いっておい! 」

 

生涯の好敵手と認めた古の神の頭が、突然、爆散する。

バスクエスの魔力を帯びた魔法弾が、アルビオンの頭部を貫いたのだ。

万能系最上級魔法『メギドラオン』が発動。

上半身を砕かれた巨人が、地へと崩れ落ちる。

 

「な・・・何故だ?戦友(とも)よ・・・何故、俺より先に逝ってしまう・・・。」

 

滂沱と涙を流す牡牛を他所に、バスクエスは、アルビオンの亡骸から、エックス金属を回収する。

この物質は、ジャック部隊が指定したフォルマの一つであった。

 

「ミッション完了、とっとと外に出るよ。」

 

未だ魔人化を解かないハドソンに、呆れた溜息を吐き出す。

刹那、神殿全体が大きく揺れた。

 

 

その異変は、黒の神殿でも起こっていた。

魔王・アルシエルを倒し、無事、ハイドロアップルを回収した遠野・明と猿飛・佐助が、地面に片膝を付く。

 

「何か、めっちゃ嫌な予感がするんだけどさ。」

 

佐助が、何時もの軽口を叩いているその脇を、明が駆け抜けていく。

彼の本能が、愛する人の危険を察知したのだ。

その後を、慌てて佐助が追った。

 

 

 

 

 

 

新馬場駅北口の近くにある品川神社は、樋口・篤(あつし)の散歩コースだった。

 

快晴の日曜日、2歳になったばかりの愛娘を連れ、実家付近の神社を散策する。

普段は祖父母と遊ぶ事が多い娘は、大好きな父親と一緒にいられる事に大満足であった。

にこにこと向日葵の様な笑顔を満面に浮かべ、大はしゃぎである。

 

妻の真理子は、実家に帰っている。

実父の体調が優れず、普段、介護をしている実母の手伝いをする為であった。

 

篤は、神社にあるベンチに座り、愛犬と戯れる娘をぼんやりと眺めていた。

最近、妻の様子がおかしい。

何かを思い悩んでいるのか、夜中に一人で泣いている事がある。

理由を聞くが、「大丈夫」と応えるだけで、何も話してくれない。

 

― また、実父に何かをされているのだろうか?

 

そんな疑念が、頭を擡(もた)げる。

 

大学時代、篤は真理子にぞっこんだった。

聡明で美しく、名家の生まれのお嬢様。

しかし、そんな事は全く鼻に掛けず、誰にでも平等に接してくれる。

家庭的で、趣味のお菓子を造っては、同じサークルの友達に配っていた。

篤にとって、真理子は高根の花だった。

ボーイフレンドも多く、自分みたいな真面目一徹な男と釣り合う筈が無いと半ば諦めていた。

そんな篤に転機が訪れたのは、父親と一緒にゴルフに行った時だった。

正直、篤はゴルフが苦手だ。

部屋で読書をしたり、インターネットでゲームをする方が好きだった。

そんな息子の将来に不安を感じた父親は、半ば無理矢理に箱根のゴルフ場へと連れて行った。

そして、真理子と出会ったのである。

 

真理子も自分と同じ様に、実父に無理矢理連れて来られていた。

何気に二人は会話を交わし、同じコースを歩く。

篤は、天にも昇る様な心地だったが、真理子は違った。

常に父親の顔色を窺い、ビクビクしている様子だった。

その理由を知ったのは、宿泊しているホテルにいた時だった。

 

子供が同じ大学のサークルにいたという理由で、父親同士が意気投合。

ホテルのバーで、酒を飲んでいる時に、深酒をした真理子の父親が、実の娘を殴り飛ばしたのである。

 

真理子の父親は、酒を飲むと人格がガラリと変わるタイプだった。

代々続く代議士の一族で、父親も例に洩れず、文部科学省で勤務する公務員だった。

その硬い職業故か、ストレスの捌け口を妻や娘にぶつけるきらいがあった。

 

真理子の話によると、仕事が上手くいかない時等は、酒を飲んで家族に当たり散らすらしい。

それでも、世間体だけは人一倍気にする質で、表向きは真面目で融通が利かない男として通していた。

 

彼女が抱える悩みを聞くうちに、二人は付き合う様になった。

大学を卒業後、篤は日本原子力研究所で技術者として就職した。

真理子は、母親と同じ教師の道を進み、二人は婚約。

第二次関東大震災直後の大変な時期だったが、何とか二人で乗り切り、無事結婚まで漕ぎ着けた。

 

 

「ぱぱぁ・・・変な叔父さんが寝てるよぉ? 」

 

物思いに耽る篤の元に、幼い娘が走って来た。

愛犬の姿が無い。

嫌な予感がして、娘と一緒に「叔父さん」なる人物の元へと向かう。

暫くすると、神社の境内の裏に愛犬の姿を見つける事が出来た。

 

娘の言う通り、大きな杉の木の真下で、テンガロンハットに大分くたびれた茶の長外套(ロングコート)、薄汚れたシャツとジーンズに革のブーツを履く男が項垂れていた。

胸が微かに動いているので、辛うじて生きている事だけは分かる。

 

「・・・・っ、こ、この男は・・・・。」

 

篤は、項垂れている男の顔を覗き込んで、驚愕した。

行き倒れている男は、イタリア最大級のマフィア『コーサ・コステロ』のボス、ビリィ・ザ・キッドだった。

 

 

 

 

 

セクター・エリダヌス 神殿前。

灰色の外装をしたデモニカスーツを着る一団がいた。

民間軍事会社『タイラント』の傭兵部隊だった。

特殊な望遠レンズを眺め、取締役兼部隊の責任者であるジャック・コナーが低く唸る。

レンズの向こうでは、赤い神殿を破壊し、六枚の羽を持つ漆黒の龍が姿を現していた。

 

「あれがアモンか・・・・ヨハンの時とは大分形が違うな。」

『パートナーの心理的状態によって、姿を変える性質があるわ、マスター。』

 

ジャックの質問に、疑似人格プログラムである”バロウズ”が応える。

 

現在、ジャック率いる傭兵部隊は、『レッドスプライト号』の動向を探る為、古の神が支配する領域へと脚を踏み入れていた。

 

魔界で”人修羅”と呼ばれ、大悪魔達から恐れられる17代目・葛葉ライドウの手腕を疑っている訳ではない。

彼が持つ最上級悪魔(グレーターデーモン)の一体、魔王・アモンの力を見る為である。

 

事態は、ジャックの予想通り運んでいた。

ライドウの現パートナー、ダンテの性格なら、必ず本番の特権を利用して、アモンの力を強奪するだろうとある程度、予想していた。

 

(ふん・・・・所詮は、雑種・・・先が見えない馬鹿は操り易い。)

 

自分の調査艦へと訪れた銀髪の大男を見て、ジャックは自尊心が強いタイプであると見抜いた。

だから、腹心の部下であるライアン・クルーガーを使い、態とダンテを挑発していたのである。

 

「隊長・・・・暴走してるよぉ。」

 

ジャックの背中にしがみつくシャルロッテ・ヴァレンタイン上等兵が、怯えた様子で上空を飛翔する漆黒の龍を見上げている。

 

悪魔特有の生存本能が、アレは危険な存在であると警笛を鳴らしていた。

 

「それも想定内だ・・・さて、自分の大事な番の暴走をどうやって止める? 17代目。」

 

怯えるシャルロッテの頭を優しく撫でながら、ジャックはほくそ笑む。

このまま、ライドウが番に喰われて死ぬも良し。

何かしらの奇跡が起きて、番の暴走を喰いとめても、此方が欲しいフォルマを手に入れる事が出来る。

何方に転んでも、自分達には利益しかない。

 

 

千切り取った地母神の頭部を片手に持ち、漆黒の龍は、縦横無尽に空を飛んでいた。

 

愉快だった。

これ程、爽快な気分に浸れるのは、久し振りだった。

レッドグレイブという街で、便利屋稼業を立ち上げ、昵懇にしている仲介屋のモリソンに無理を通して格安で事務所を手に入れた時と同じぐらいの気分だった。

 

手の中で砕け散る、巨人の女王。

真紅に染まる双眸が、愉悦で不気味に歪む。

 

「もっとだ・・・もっと、俺に力を寄越せ、ライドウ。」

 

欲望に濡れた双眸が、肉の檻に四肢を封じられる哀れな獲物を眺める。

魔素に心を侵食されているのか、悪魔使いの顔色は蝋細工の如く白く、吐き出される息も粗い。

 

「だ・・・駄目だ・・・・これ以上は・・・・。」

 

必死に、人間としての最低限の理性だけは護ろうとする。

しかし、強欲な番はそれを赦さない。

数本の触手の槍が、悪魔使いを背後から突き刺し、脊髄から脳へと侵入していく。

 

「もっと力を・・・俺に寄越せぇ!!」

 

龍の凶悪な顎が、がばりと開く。

放たれる黒い閃光。

凄まじい爆発が起こり、セクター・エリダヌスが火の海へと包まれていく。

黒き業火は、神殿付近にいる機動班達にも甚大なる被害をもたらしていた。

逃げ遅れた隊員数名が、焔に焼き尽くされ、一片の欠片すらも残さず炭化する。

人知の結晶たるデモニカスーツ等、紙の鎧に等しい。

 

 

 

「な、何という事だ・・・・。」

 

『レッドスプライト号』のブリーフィングルームでは、艦長であるゴアと数名の乗組員質が凍り付いてディスプレイの映像を眺めていた。

 

六枚の羽を持つ漆黒の龍が、神殿を焼き尽くしている。

 

『膨大な量のエネルギーを検知。魔王・アモンと判明。』

「あ・・・・アモン? ば、馬鹿な・・・ヒュースリー殿や剣聖殿とは、まるで違う。」

 

アーサーの回答に、ゴアは驚愕する。

 

調査任務で、幾度かアモンの鎧を纏ったヨハン・ハインリッヒ・ヒュースリーや、三代目・剣聖の姿を目撃した事はある。

何方も神々しい姿をしており、恐ろしくも尚、美しい姿をしていた。

しかし、今、ディスプレイに映し出されているアモンは、真逆の存在だ。

例えるならば、人間の持つ悪意の塊と表現すれば良いのか。

 

 

 

「アモンという悪魔は、人間の心を映す鏡の様な存在だ。 番の心が悪意に満ちれば、当然、それ相応の姿形となる。」

 

危険と判断し、一時後退したジャックは、高性能の望遠レンズで現場の惨状を眺めながら、一人呟く。

 

「じゃぁ、あのお兄さんは、相当な悪者なんだね。」

 

瓦礫に腰を掛けたシャルロッテが、小首を傾げた。

 

出会った当初は、自分と同じ闇を抱える半人半妖だと思っていたが、まさかこれ程とは思わなかった。

 

「そうなるな・・・・”人修羅”と呼ばれ、魔界でも恐れられる悪魔召喚術師でも、やはり歳には勝てなかった様だ。」

 

明かな人選ミスだった。

ジャックの目から見ても、ダンテという男は、自尊心が高く、典型的な快楽主義者で、力に溺れるタイプだ。

もっと冷静な判断力があれば、あんな男を本番に選ぶ事はしなかっただろう。

何事にも慎重で冷静な17代目・葛葉ライドウらしからぬミスだ。

 

「隊長どうするの? あのままじゃ”人修羅”さん死んじゃうよ? 」

 

上司が、悪魔使いに並々ならぬ執着心を持っている事を知っている少女は、疑問をぶつける。

 

「別に構わん。 あの交渉の時点で、私と番契約を交わしていれば、こんな悲惨な状況にはならなかった。」

 

ジャックとて、かつては地獄の戦火を生き抜いた同胞を見捨てるつもりは微塵とて無かった。

出来る事なら、力を貸しても良いとすら思っていた。

しかし、そんなジャックの提案を拒絶したのは、ライドウ自身だ。

慎重すぎる性格が災いし、未熟な番を選んでしまった。

その結果がコレだ。

因果応報としか表現の仕様がない。

 

そんなジャックが見守る中、漆黒の龍が突然、地へと叩き付けられた。

何事かと、望遠レンズの焦点距離を調節する。

視界の中に映る、紅蓮の炎を纏う一体の鬼。

手には、刀身に八つの大蛇を絡み付かせた特殊な装飾の大剣を担いでいる。

大蛇の口からは、真紅の炎が吐き出され、刀身を包んでいた。

 

「ま・・・まさか・・・・火之迦具土神(ひのかぐつち)・・なのか? 」

 

常に冷静なジャックらしからぬ、震えた声。

 

無理もない。

破壊の権化たる暗黒の龍を打倒したのは、伝説の神器(デウスオブマキナ)を駆る紅き鬼なのだから。

 

 

 

 

深夜・初台エリア。

咽かえる様な鉄臭い血の匂い。

四肢を斬り落とされた異形の怪物が、大の字で倒れている。

 

「ぐ・・・ぐふっ、ま、まさかこれ程とは・・・・。」

 

死霊使い・ネビロスは、口から紫色の体液を大量に吐き出す。

最早、誰の目から見ても、瀕死の状態である事が分かる。

 

 

10年越しの復讐を果たそうと、小さな島国まで追い掛けて来た馬鹿な男を地獄に叩き落としてやろうと思った。

しかし、どうやらその目論見は失敗に終わってしまった様だ。

 

「カミロの野郎は何処にいる? 」

 

テンガロンハットを目深に被ったガンマンが、体液まみれのククリ刀をネビロスのマントで綺麗に拭う。

自分でも驚く程、冷酷な声だった。

愛する妻子を惨殺されたのだから、仕方がない。

 

「ヒヒっ・・・・ひとつだけ良い事教えてやるぜ・・・・。」

「・・・・・。」

「実は、あの淫売の息子は生きてる・・・うちの姫様が随分と気に入ったみたいでな。」

「・・・・何? 」

 

有り得ない話だった。

ナポリの警察署のモルグで、自分は確かに息子の変わり果てた亡骸をその目で見た。

 

「け・・・警官を買収して、死体を見繕って貰ったのさ・・・アルフィオと同じ背格好の餓鬼を用意して、顔を念入りに潰した。」

「・・・・・。」

「ま、まぁ・・・・もう死人になっちまっているから、死んでるのと同じだな?」

 

ネビロスは、己の命の灯が消えるまで笑い続ける。

大量の血液を失った為か、キッドの意識はそこでぶっつりと途絶えた。

 

 

 

仄暗い闇の中、ぴちゃぴちゃと何かを啜り上げる湿った音が聞こえる。

下半身からむず痒い感覚が、這い上った。

薄っすらと目を開け、下半身へと視線を向ける。

そこには、美しい金色の髪をした女が、完全に起立した男の男根をしゃぶっていた。

男の立派なイチモツにかなり興奮しているらしい。

口腔性交に励んでいる女- アウローラは、苦し気に眉根を寄せながら、根元まで呑み込んでいた。

 

「あ・・・・アウローラ? 」

 

事態が未だ呑み込めず、キッドが戸惑った声を上げる。

そんな夫の反応に気を良くしたのか、美しい妻は、夫のイチモツを一旦口から外すと、横に咥えて舌を絡み付かせた。

 

「貴方の子供が欲しいの・・・。」

 

女は、切なげに喘ぎながら、男根を舐めしゃぶる。

太い陰茎に、立派に張った傘。

堪らなくなり、夫の上に逆向きで跨る。

目の前に、愛液でぐっしょりと濡れた性器が露わになった。

 

「キッド・・・・愛しているわ。」

 

愛撫を欲しがる女の尻を手で支える。

誘われるままに、舌で性器を往復すると、アウローラが尻を揺すり、夫の男根を喉奥まで咥えた。

 

「ああっ、キッド、キッド・・・あんな糞女より、私の方が貴方を愛してる。」

 

固く立ち上がった陰核を舐め弾き、膣に舌を入れると、女は狂った様に頭を振った。

 

「素直で可愛い子供を産んであげる、アレッサンドロみたいな愛想の無い糞餓鬼と違う私達だけの子供よ。」

「アウローラ・・・・。」

 

アウローラは、こんなに口汚く罵る性格が悪い女だっただろうか?

愛人関係だった時は、上品で可愛らしい女だとばかり思っていた。

 

金髪の女が、キッドの男根を手で支え、自ら膣へと挿入する。

陰茎が、柔らかい膣壁に締め付けられ、キッドは思わず呻いていた。

 

「ああっ、素敵・・・・貴方は、最高の男よ、キッド。」

 

髪を振り乱し、女が尻を振りたくる。

 

アウローラ、俺も君を愛している。

でも、君と同じぐらい、アメリアもアレッサンドロも愛しているんだ。

 

「このクズ男が! 」

 

野太い男の声と、脳天を襲う衝撃。

目を覚ますと、そこに美しい裸体を惜しげも無く晒す妻の姿は何処にも無かった。

代わりに、嫌悪感を露わにした60代後半辺りの老人が、キッドを見下ろしている。

 

「コウタロウ? 」

「漸く目を覚ましおったか? ろくでなし。」

 

見知った男の顔に、キッドは自分が柔らかい布団の上に寝かされている事に気づく。

周りを見回すと、日本家屋独特な家具や畳が視界に入った。

 

「コウタロウ? 」

「おう。」

「本当にコウタロウなのか?」

「そうだ。」

「・・・・・。」

 

突然、髭面の男は、起き上がると、目の前にいる初老の男に向かって物凄い勢いで抱き着いた。

 

「コータロォー! 」

「くぁwせdrftgyふじこlp !! 」

 

2メートル近い大男に抱き着かれたのだから堪らない。

上下緑色のジャージを着る頭頂部がちょっと寂しい老人は、顔を真っ青にして髭面の大男を引き剥がそうとする。

顔中に降るキスの雨。

 

「分かった・・・・分かったから。」

 

キッドの髪を鷲掴み、樋口・幸太郎は、何とか強烈極まる博愛固めから逃れる。

 

「ううっ・・・グスッ、まさかコウタロウと巡り会えるなんて・・・。」

 

鼻水を啜り上げ、髭面の大男は、涙で顔をぐしゃぐしゃにする。

一方の幸太郎は、大きな溜息を一つ吐き出した。

 

樋口・幸太郎は、元職人(ハンドヴェルガー)だった。

魔具(デビルアーツ)は勿論のこと、神器(デウスオブマキナ)の修繕や、改良まで行う、その道では、かなり名の知れた職人だった。

30数年前、幸太郎は、研究の為に各国の遺跡を調査していた。

その時に、知り合ったのが、まだ駆け出しだったザンダンス・キッドとブッチ・キャシディの二人だった。

 

「ブッチの奴から連絡が来た・・・・お前、闇社会から足を洗ったそうだな? 」

「ぐすっ、ああ、そうだぜ・・・・アレッサンドロに赦して貰う為に、組織から抜けたんだ。」

 

キッドは、親友であり、かつての専属職人だった幸太郎に全てを話した。

 

病弱なアメリアを放置して、アウローラという愛人を作ったこと。

それが原因で、愛息子のアレッサンドロと不仲になったこと。

息子の言葉で、自分が如何にクズだったか思い知らされたこと。

信用出来る部下に組織を譲り、引退したこと。

古くから付き合いがある友人のツテを頼り、小さな貿易会社に就職したこと。

仕事は大変だったが、後妻のアウローラが支えてくれたこと。

そして最後に、最愛の息子・アルフィオが生まれた事まで。

 

「・・・・・・・キッド。」

「うん? 」

「一言良いか? 」

「うん。」

 

キチンと正座する寝間着姿の大男に、幸太郎は大きく深呼吸をする。

 

「この、馬鹿者がぁあああああああああっ! 」

「・・・・・・・っ!!!!! 」

 

鼓膜を破る程の怒声。

キッドが、目を点にして固まる。

そんな髭面の大男を前に、幸太郎は顔を怒りで真っ赤に染めていた。

 

「アメリアに対する仕打ちもそうだが、古くからお前についてきた仲間をあっさりと裏切りおって!彼等に対して申し訳が無いと思わんのか! 」

「うっ。」

「ブッチの奴が嘆いておったぞ!何の説明も無く夜逃げ同然で組織から出奔した挙句、一年の猶予をくれとかアホな事を抜かしたそうだな!?」

「うっ。」

「まぁ、一年間、誰の援助も受けず、一般人と同じ様に働いた事だけは褒めてやる。」

「こ・コウタロウ・・・・。」

「じゃが、アメリアが病で苦しんでいる傍らで、若い女に現を抜かし、挙句、葬儀にも出なかった! それは一体どういう事だ!」

 

胸倉を掴み上げられ、キッドは顔面蒼白となる。

 

当時、アウローラは、切迫流産になりかけキッドが急いで病院に連れて行った。

何とか、流産の憂き目を見る事は無かったが、正妻の大事な葬儀に参加する事が出来なかったのである。

 

「父さん、それぐらいで赦してあげたら? 」

 

お茶と握り飯と総菜を乗せた盆を手に、息子の篤が襖を開けた。

布団が敷かれた脇にある卓袱台にそれらを置きながら、優しい息子は頑固一徹な父親を窘める。

 

「隣近所まで、父さんの怒鳴り声が聞こえてる、それと千尋が怖がっているよ?」

「むぅ。」

 

息子に窘められ、幸太郎が不承不承、掴んでいた胸倉から手を離す。

 

「アツシ? もしかして、アツシなのか? 」

「うん、久しぶりだね? キッド叔父さん。」

 

十数年振りに会う父の親友に、篤は朗らかな笑顔を向ける。

キッドの訛りが酷いナポリ語に対し、篤は流暢なイタリア語だった。

 

「父さんの事は赦してあげて、アメリアさんの事が今でも好きなんだ。」

「こ、こらっ! 余計な事を喋るな! 」

 

息子の爆弾発言に、幸太郎が顔を茹蛸の様に真っ赤にさせて怒鳴る。

 

一回り歳が離れているが、幸太郎はキッドの先妻に横恋慕していた。

糞が付く程真面目な性分故、最期まで告白する事は無かったが、アメリアの美しさに魅了されていた。

 

キッドの先妻、アメリアは、イタリアでも名の知れた貴族の子孫である。

現在、君主制は既に撤廃され、一般人とさして変わらないが、彼女の実家はかなりの資産家で、兄妹達は、全員医者や弁護士等をしていた。

アメリアもそんな兄弟達と例に洩れず、貧民街等に住む低所得者達を無償で診察するボランティアの医師をしていた。

当時、売春宿を幾つか経営していたキッドは、娼婦達を診察しているアメリアと出会い、彼女の優しさに触れ、周囲の猛反対を押し切りゴールインした。

 

妻に対し不貞を働いた挙句、葬儀にすら参列しなかったキッドが、親友の怒りを買うのは当然だった。

 

 

「叔父さん、確かに叔父さんがアメリアさんやアレッサンドロ君にした事は赦されるべきではないよ? 彼等に対し、申し訳ない気持ちがあるなら、素直にイタリアに帰った方が良い。」

 

篤が用意した食事を猛烈な勢いで食べる髭面の大男を、半ば呆れた様子で諭してやる。

 

出血多量で虫の息だったキッドを背負い、篤は知り合いの医者へと連れて行った。

この医者は、実父と幼い時から付き合いがある悪友で、魔導医の資格を持っている。

血塗れのキッドを一目見た初老の医師は、全てを悟り、何も理由を聞かずに治療してくれた。

勿論、幼馴染の息子だからと言って、治療費をまける事はしなかった。

 

「篤の言う通りだな。コイツを持ってとっととブッチ達の処に帰れ。」

 

キッドが食事をしている間、和室から出て行った幸太郎は、大きなアタッシュケースを片手に戻って来た。

 

この中には、キッドの分身とも言える二丁の拳銃が納まっている。

現役時代、幸太郎がキッドの為に、特別に造った銃であった。

 

「バレルとスプリングに大分ガタが来ていた。 随分と無茶な扱いをしていたみたいだな? 」

 

修繕し、尚且つ、キッドの為に再調整した。

壊れている武器や武具を見ると、つい直してしまいたくなるのは、最早、悪癖である。

 

「叔父さんが、大事な家族を殺されて復讐したい気持ちは凄く分かる・・・僕も一応妻帯者だからね。」

 

妻である真理子や、娘の千尋を愛している。

もし、キッドと同じ目に会わされたら、同じ様に復讐を果たそうとするだろう。

しかし、その選択は、残された肉親を不幸にしてしまう。

 

 

篤の脳裏に、妻の真理子の姿が過った。

結婚してから数年、妻は此処最近で大分変った。

昔から、性欲が強い質であったが、それが更に酷くなった。

オマケに、夫の自分が言うのも何だが、妻が美しくなったのである。

唯の美しさではない。

男を狂わせる魔性の美とでもいうのか、彼女と会話していると、押し倒し、凌辱してしまいたい欲望に駆られる。

 

夫婦の営みも異常に増えた。

真理子に心底惚れている篤には願ったりなのだが、何分、幼い娘がいる。

「今日は止めておこう」と断ると、深夜、寝ている自分の上に跨り腰を振りたくっていた。

何故、あんな事をしたんだと問い詰めると、妻は、突然、号泣し、土下座して許しを請うた。

 

妻の身に何かが起こっている。

漠然とではあるが、それだけは理解出来る。

しかし、詳しく聞き出そうにも、泣くばかりでどうしようも出来ない。

その上、自分の身体に起こったある異変。

 

「・・・・・帰れない。」

 

俯くキッドは、ポツリとそう呟く。

 

「息子が・・・・・アルフィオが生きているかもしれないんだ。」

 

顔を上げたその双眸は、強い意志の光が宿っていた。

 

 

京王プラザホテル。

西新宿の超高層ホテルに、樋口・真理子はいた。

 

父の介護を名目に、実母と口裏を合わせ、幼い娘の面倒を夫に任せた。

教師の仕事は忙しいんだろうと、夫は納得し、全く疑う素振りを見せない。

娘と一緒に実家がある品川に遊びに行っている。

 

優しい人だ・・・と、心から想う。

大学時代に交際を始め、父から受けるモラハラ紛いの虐待を色々相談しているうちに、男女の関係になった。

実父は、当然の如く反対した。

そこそこ名の知れた大学に通っているとはいえ、夫は中流家庭出身だ。

自分と同じランクの男と結婚させたい実父は、篤と別れろと迫ったが、真理子はそれだけは頷かなかった。

駆け落ち同然で結婚し、平穏な生活を続けた。

 

 

革張りのソファに、筋骨隆々な体躯をしている異形の怪物が座り、膝に女教師を抱えていた。

剥き出しの性器には、歪な形をした男根が根元まで入り、身体を上下に揺らしている。

豊満な乳房が激しく揺れ、真向かいに座る三島重工会長の目を楽しませていた。

 

「それ一体に数百万掛けとる・・・・たっぷりと楽しむんだぞ?真理子。」

 

背後で真理子を犯している怪物は、”ソロモン12柱の魔神”の一人、堕天使・シトリーが生み出した造魔だった。

 

祝日で仕事が休みな真理子を呼び出し、禁止区域に指定されている”新宿区”へと連れて来た。

上位悪魔が跳梁跋扈する魔の区域である。

喜作に幾度か連れて来られたとはいえ、正直、こんな危険地帯に長居はしたくない。

しかし、誘いを断れば、父親の犯した犯罪が明るみになり、下手をすれば今の夫と離婚の憂き目に会うかもしれないのだ。

従うより、他に選択肢は無かった。

 

脳の神経が焼き切れる程の絶頂を味わい、真理子の性器から潮が迸る。

身体を仰け反らせ、激しく痙攣する女体を眺めていると、チャイムが鳴る音が聞こえた。

 

「入って良いぞ。」

 

喜作が声を掛けると、浅黒い肌をした長い黒髪を後ろで無造作に束ねた男が入って来る。

”八部連合阿修羅会”の会長、タヤマの腹心の部下、カミロだった。

その背後には、20代半ばぐらいの青年を従えている。

 

「一体何の用だ? 」

 

不機嫌さを隠しもせず、カミロは喜作に勧められ、ソファへと腰を下ろす。

 

この大悪魔に呼びつけられ、ご立腹の様子だった。

カミロと共に訪れた青年は、虚ろな視線で、床に跪いてソファに座る怪物に奉仕する女教師の蜜がたっぷり詰まった尻を眺めていた。

露わになった性器は、潮と愛液でぐっしょりと濡れている。

切ない喘ぎを零しつつ、真理子は男達に聞こえる様に激しい舌なめずりの音をさせて、怪物に口腔性交を施していた。

 

「なぁに、ネビロスが死んだと聞いてな? 心配になって様子を見に来た。」

 

ワイングラスに注がれたコニャックを美味そうに舐めつつ、喜作が探る様に、右隣に座るラテン系の男を眺める。

 

「別に・・・・奴とは利害関係が一致したから一緒に行動していただけだ。」

 

カミロの視線が、喜作の真向かいにいる女を一瞥する。

数日前に、喜作がストリップ劇場に連れて来た女教師だった。

誰の目から見ても、既に調教済みなのは明らかだった。

快楽に顔を歪め、頬を強く窄めて、オークの男根をしゃぶっている。

 

「ああ、そうだ・・・・ついで、だからこの女を味わってみるか?極上の器だぞ?」

 

一頻り、真理子の口を堪能したオークは、床の上で尻を高々と上げる屈辱的なポーズを取らせる。

何の愛撫もせず、膣に剛直を挿入すると、女が歓喜の悲鳴を上げた。

激しいピストン運動に、尻肉と豊満な乳房が揺れる。

 

「アルフィオ、折角だから味見して来い。」

 

カミロの命令に、青年は素直に従う。

女の尻を犯しているオークへと近づき、いきなりその顔を鷲掴みにした。

マグネタイトを吸われ、塵へと還る異形の怪物。

真理子の尻が床へと落ちる。

 

「き、貴様! 何をする! 」

 

あまりの出来事に、喜作が顔を真っ赤にして立ち上がる。

高額な金を支払って、調教用の悪魔を殺されたのだから、激怒するのは当たり前だ。

 

「たかが調教用のオークを潰されたぐらいで、みっともなく騒ぐなよ。」

「煩い! 高い金を支払って、真理子専用に作らせた特別な悪魔なんだぞ! 」

 

今にも射殺せんばかりの殺気立った視線を、ラテン系の男へと向ける。

そんな老人の耳に、女の悲鳴が聞こえた。

見ると、再び尻を高々と上げた真理子が、指で性器を嬲られ喘いでいる。

親指で、陰核を刺激されながら、膣に入った二本の指を激しく動かすと、女教師は絶叫を上げながら、再び潮を吹いて逝った。

 

女の口から赤い霧が吐き出される。

アルフィオは、口を開けると、霧を全て呑み込んだ。

 

「ほぅ、中々頑丈な器じゃないか。」

 

悪食なアルフィオに、大量のマグネタイトを喰われても尚、真理子は老化する事無く、床に突っ伏して粗い吐息を繰り返している。

アルフィオが女の尻を叩くと、のろのろと起き上がり、盛り上がったズボンのチャックを下ろした。

 

「ふん、ファウヌスがワシ専用に調教した女だからな。あの程度じゃマグネタイトは枯渇せんわい。」

 

ズボンから弾け出た男根に目を輝かせる女教師に一瞥を送りつつ、喜作が憮然とした表情で応える。

 

真理子の体内には、魔王クラスの大悪魔の精液がたっぷりと注ぎ込まれている。

外見は、人間と全く同じだが、中身は違う。

悪魔の精子がどんな作用を与えたのか、真理子はマグネタイトを製造する道具へと変貌していた。

 

ああっ、ああっと切なく泣きながら、男のイチモツへと奉仕する。

三日間の性調教で、プロの娼婦以上のベッドテクニックを叩き込まれたが、青年の表情を崩す事は叶わなかった。

無表情で、苦悶する人妻の顔を見下ろしている。

 

「で? 本当の目的は何だ。」

 

この老人の意図は、ある程度読む事が出来る。

自分を『エルバの民』陣営へと引き入れたいのだ。

案の定、喜作は、偉出夫と同じ台詞を吐いた。

 

「ワシらの仲間に・・・・。」

「ああ、その件なら断る。 アドルフォが死んだ上に、大事な”赤玉”の材料まで奪われたんだ。 お前等に手を貸す義理はねぇ。」

「なんじゃ、どいつもこいつも冷たい奴等だな。」

 

敬愛する主の力になろうと、大悪魔やオリュンポス神族を勧誘してはいるが、悉く断られている。

子供の様に頬を膨らませて拗ねる喜作に、カミロは呆れた溜息を一つ吐いた。

 

「悪いな・・・お前の主にも誘われたが、俺には大事な”家族”がいる。彼女の許可無くして勝手に力を貸す訳にはいかない。」

 

10年越しの復讐を果たす為に、キッドがこの島国に現れた時点で、”阿修羅会”を切る事は決めていた。

アルフィオという才能溢れる逸材も手に入れている。

ネビロスに代わる『調教師(テイマー)』として育て、遠い北の台地で家族三人平穏に暮らすつもりだ。

 

「お主、この島から出て行くつもりか? 」

 

床の上に寝転び、互いの性器を貪り合う二人を横目で眺めつつ、喜作はある疑問をぶつけてみた。

 

「ああ、姫様は不満みたいだが、これ以上の面倒事に巻き込ませる訳にはいかねぇ。」

 

アリスことアメリアは、元夫であるキッドの事を懸念していた。

 

ザンダンス・キッドという男は、諦めると言う選択肢をしない。

復讐を果たす為に、地獄の底まで追い掛ける・・・・と。

 

 

そんな会話を交わす大悪魔達の傍らで、真理子は尻を震わせながら、奉仕に耽っていた。

青年の愛撫は、どの男達よりも素晴らしかった。

女を狂わせるツボを熟知している。

性器から肛門へと舌を這わせ、陰核を弾き、膣の深くまで舌を挿入する。

だが、足りない。

女をすぐイカセない様に、態と性感帯から外れた部分を舐めている。

イクに逝けない苦しさに、真理子はボリュームたっぷりの尻を振りたくった。

 

長い時間、二人は互いの性器を貪っていた。

耐えきれなくなり、真理子が青年の男根を支えて自らの肉壺へと誘う。

清楚で大人しい真理子とは、思えない様な大胆な行動だった。

膣の入り口に、男根を当てただけで女は軽く逝った。

 

 

 

 

 

 

セクター・エリダヌス 神殿前。

 

業火に焼かれ、煉獄の世界へと様変わりしたその場所に、焔を纏う大剣を担ぐ紅蓮の鬼がいた。

目の前には、六枚の羽を持つ漆黒の魔龍。

怒りに燃える真紅の双眸が、数歩離れた位置に立つ鬼を睨みつけている。

 

 

「こ、こりゃぁ・・・・一体。」

 

白い神殿から、魔人化を解いたウィリアム・ハドソンとジェニット・バスクエスが出て来た。

地獄と化した周囲の状況に、暫し戸惑う。

 

「早く此処から離れて! 」

 

忍装束の赤毛の男が、二人の目の前へと降り立つ。

超国家機関『クズノハ』暗部・”十二夜叉大将”が一人、猿飛・佐助だった。

傍らには、ライドウの仲魔であるハイピクシーのマベルを連れている。

 

「あの、化け物・・・・もしかして、隊長? 」

「そうだよ、何をトチ狂ったか、番の権利を使って17代目から無理矢理、アモンの力を強奪したんだ。」

 

浅黒い肌をした女狙撃手に、佐助は嫌悪感を露わに応える。

 

鞍馬山で3代目・剣聖である玄武の指導を受け、少しは大人しくなったと勘違いしていた。

国会議事堂の地下施設『ニライカナイ』で、己の主に手も足も出ず、瀕死の重傷を負わされた事が、男の矜持(プライド)を叩き壊したらしい。

オマケに、怨敵とも言える遠野・明に対する敵愾心が、ダンテの冷静な判断力を狂わせた。

 

玄武から譲渡された番の権利をフルに活かし、パートナーである悪魔使いから一番最悪な悪魔を引き出した。

その結果、凄まじい破壊衝動に駆られ、エリダヌスを地獄の世界へと変えたのだ。

 

「・・・・・一旦、引くよ? ハドソン。」

「はぁ? てめぇ!隊長を見捨てるのかよ!」

 

バスクエスの信じられない言葉に、ハドソンは怒りで顔を歪める。

だが、怒り狂う相棒を他所に、女狙撃手はさっさとその場から離れてしまう。

後に残されるハドソンと佐助。

 

「彼女・・・・滅茶苦茶怒っていたね?」

「え?」

 

マベルの言葉に、ハドソンが聞き返す。

 

普段、バスクエスは滅多な事では感情を表に出さない。

と、言うよりも出せない。

理由は、移植された悪魔の臓器による副作用だった。

臓器を移植された事により、人間的感情の発露が全く無くなってしまったのだという。

 

地獄の様な戦況下を強いられる彼等にとって、常に冷静に物事を判断出来るのは非常に有難い。

しかし、それと同じくして、人間では無くなっていく。

 

 

一方、アモン化したダンテと鬼人となった明の死闘も大詰めを迎えていた。

 

怒りの咆哮を上げ、漆黒の魔龍が口から暗黒の炎を吐き出す。

それを紅蓮の炎を纏う大剣で薙ぎ払う明。

闘気術で筋力を倍化し、一気に魔龍との間合いを詰める。

紅蓮の鬼に向かって振り下ろされる拳。

それを身を捻って紙一重で躱し、カウンターの裏拳で魔龍の顔面を殴り飛ばす。

堪らず、一歩、二歩と後退する魔龍に紅蓮の鬼が追撃を繰り出した。

頭部を斬り落とさんと、焔の大剣が閃く。

しかし、その切っ先が魔龍の首に届く事は無かった。

六枚の羽が鋭利な刃へと変形し、焔の剣を受け止めたのだ。

 

勢いを殺され、鬼が一瞬隙を作る。

その腹を魔龍の太い尾が薙ぎ払い、鬼を吹き飛ばした。

 

 

 

「凄まじい戦いだな? まるでラグナログだ。」

 

望遠レンズでダンテと明の死闘を傍観していたジャック・コナーが一人呟く。

二体の魔人の戦いは、周囲に甚大なる被害を及ぼしていた。

辛うじて、『レッドスプライト号』の機動班は、何とか退避出来たみたいだが、かなりの数の隊員達が、魔龍が吐き出す炎の餌食となっている。

 

『どうするの? 』

「どうしもしない・・・・君は、そのまま記録を撮り続けていたまえ。」

『了解。』

 

疑似人格プログラム『バロウズ』は、ドローンを数機操り、魔龍と紅蓮の鬼の戦いを録画していく。

 

吹き飛ばされた紅蓮の鬼は、何とか態勢を立て直すと地面に着地する。

しかし、脇腹に激痛が走り、片膝をついてしまった。

今の一撃で、肋骨が数本持っていかれた。

下手に動けば、折れた骨が臓器を傷つける。

 

次の攻撃で、確実にアモンの活動を停止させなければならない。

 

明は、大きく息を吸い、ゆっくりと吐き出す。

一刻も早く、17代目を救い出したい。

しかし、焦りは大きなミスを産み、事態を更に悪くする。

 

『明、聞こえる? 』

 

その時、脳内でマベルの声が響いた。

見ると、小さな妖精を肩に乗せた忍装束の男が、塔の上に立っている。

マベルと佐助だった。

 

『アモンの核(コア)は、左脇の少し下よ。私達が注意を惹き付けるから、明はその隙に核を破壊して。』

 

念話で、それだけ伝えると、佐助が腰に携帯している封魔管を取り出す。

 

「お願いだから、ちゃんと俺様達をサポートしてね? 」

『任せな。』

 

情けなく泣き言を垂れる忍に、バスクエスが短く応える。

 

彼等は、明の形勢が不利だとマベルから伝えられ、一か八かの賭けに出る事にした。

即席のチームを作り、暴走状態のアモンの意識を此方へと一時的に向ける。

マベルの探知能力で、弱点である核(コア)の位置は既に分かっていた。

全てを明に託し、覚悟を決める。

 

 

 

 

東京都新宿区百人町。

 

時刻は深夜帯。

闇に沈む工場地帯を、黒い影が駆ける。

紺のダウンジャケットに灰色のパーカー。

黒のジーンズにスニーカー姿の10代半ばぐらいの少年だった。

トレードマークである黒縁眼鏡をかけ、少年- 壬生・鋼牙は物陰へと身を潜める。

 

 

この工場は、震災前は大手菓子メーカーの工場だった。

10数年前の第二次関東大震災にて、倒壊。

”八部連合阿修羅会”が復興し、無限発電炉『ヤマト』の運営施設として再利用されている。

鋼牙が、此処に潜入している理由は勿論、土着神である牛頭天王の所在を探る為であった。

此処に『ヤマト』があるという事は、勿論、その発電炉を動かしている破壊神もすぐ近くにいる。

牛頭天王の居場所を探り当て、依頼主である重沼の協力を仰ぎ、対悪魔特捜隊の力を借りる必要があった。

 

(ネロは嫌がるけど・・・・仕方ないよね。)

 

悪魔特捜隊を指揮する警視長の奥原は、元警察官である百地英雄を殺害している。

『クリフォトの魔界樹事件』で首謀者の一人である葛葉キョウジと共謀し、逃走を手助けした為、止む無く始末する事になった。

奥原警視長は、正当防衛であると主張し、司法もそれを認めている。

当然、父親の様に慕っていたニコレッタ・ゴールドスタインが納得する筈も無く、ネロも奥原警視長を敵視していた。

 

鋼牙は気配を殺し、建物内を疾走する。

時間帯故か、人の姿は全く見掛けない。

だが、この発電施設は、『阿修羅会』にとって大事な心臓部だ。

”新宿区”一帯の電力は、全てこの発電施設が賄(まかな)っている。

外部からの侵入者を排除する措置は、必ず取られている筈だ。

 

鋼牙が慎重に建物内を調べていると、女の啜り泣く声と数人の男達の呻き声が聞こえて来た。

耳を澄ませると、声のする方向は、倉庫内の一区画からであった。

 

 

 

 

真理子は、喜作に連れられ、百人町へと来ていた。

京王プラザホテルで、カミロが連れて来た美青年に散々弄ばれ、マグネタイトを大量に吸い尽くされ、疲労困憊な状態だった。

喜作が用意した、最高級のファーコートを着ているが、その下は超ビギニのパンティとブラしか着けていない。

その方が、獲物が大量に釣れるからであった。

 

「3時間後に迎えに来る、それまでに餌を捕って腹を満たしておけ。」

 

大久保通り付近で車から降ろされる。

まるで夢遊病者の如く、車から降りた真理子は、本能のままに覚束ない足取りで、暗い商店街の街へと消えていく。

震災前は、人通りで溢れていた街も、倒壊した建物や放置した廃車が道路を塞ぎ、まるでゴーストタウンといった様相を呈していた。

 

行く当てもなく、無人の街を歩いていると、作業服姿の男達と出会った。

褐色の肌をしたアフリカ系の男達だった。

皆、一目、真理子を見ると好色な表情を浮かべ、近づいて来る。

 

「お姉さん、面白いビデオあるよ。」

 

退路を完全に絶つ形で、取り囲まれる。

片言の英語で、男の一人が話し掛けて来た。

他の男達も、野卑た風貌でニヤニヤと下品な笑いを浮かべている。

 

「お願い・・・・お腹が空いて死にそうなの。」

 

真理子は、虚ろな表情で、コートを開く。

豊満な乳房に食い込むブラと、性器を辛うじて覆うぐらいの面積しかないパンティ。

それを目にした途端、男達は獣へと豹変した。

 

 

作業用のワンボックスカーに連れ込まれ、コートを引き剥がされる。

粗い息を吐き出しながら、男達はズボンのチャックを下ろした。

弾け出る男根。

むわっと漂う雄の匂いに、女の股間は熱くなった。

進んで3本の肉棒に舌を這わせ、喉奥まで呑み下す。

残り二本は、両手でそれぞれ可愛がった。

指先に宿った秘儀により、男達が女の様な声で喘ぎ始める。

一人が、我慢出来ないと女の背後へと回り、下着を外さず豊満な乳房を揉み、パンティに手を滑り込ませる。

真理子の性器は、自身が分泌する愛液でぐっしょりと濡れていた。

 

ポルトガル語で侮蔑の言葉を吐きながら、指の腹でクリトリスを擦る。

女の身体が痙攣し、男達への奉仕が更に激しくなった。

喘ぎ声を漏らしながら、二本の肉棒を交互にしゃぶる。

舌で鈴口を抉り、陰茎を絡み付かせ、頬を強く窄めて、頭を振った。

 

奉仕されている男が悲鳴を上げて、真理子の口の中に汚液を吐き出した。

男は、童貞だった。

生まれて初めて味わう快感に、顔を蕩けさせている。

一滴残らず飲み干し、残りの一本に励むと此方もすぐに果てた。

口内に吐き出された精液を美味そうに胃の腑へと落す。

失われた活力が蘇り、蒼白かった肌が、健康的な色へと戻る。

男達の生体エネルギーを吸収したお陰だった。

 

真理子の乳房と性器を嬲っていた後ろの男が、荒々しくパンティを剥ぎ取った。

女を俯せにすると、たっぷりと濡れた性器に男根を捻じ込む。

その瞬間、男は悲鳴を上げて射精した。

今迄のセックスでは、決して味わえない快感だった。

真理子の尻を抱え、暫く膣壁の締め付けを堪能する。

離れると女が進んで、口で綺麗にした。

 

数分後、三人の男達は、真理子に生体エネルギーを吸われぐったりとしていた。

全身を精液で汚した女が、失望の溜息を漏らす。

男達の愛撫は、余りにも稚拙(ちせつ)で、悪魔達の性技と比べるとお粗末過ぎる。

腹は、未だ満たされず、本能がもっと寄越せと騒いでいた。

 

仰向けに倒れる男の一人に近づき、萎れている男根に触れようとする。

途端、男は悲鳴を上げて、真理子から離れた。

 

「お願い・・・お腹が空いて死にそうなの・・・。」

 

紅玉の如き双眸が、恐怖で引き攣る男を見つめる。

魔性の光に当てられ、男は女に命じられるままに頷いた。

 

 

真理子に魅入られた男達は、生命力に溢れた餌を提供するべく、彼等が働いている発電施設へと案内した。

作業用のワンボックスカーを駐車場へと停める。

車から降りた男達は、散々生体マグネタイトを吸われたせいか、全員目が落ち窪み、何処かやつれていた。

真理子を作業員達がいる詰所へと案内する。

作業場では、大勢の移民と分かる男達が忙しなく働いていた。

ファーコートを着る真理子を一目見て、その魔性の美しさに全員好色な表情を浮かべる。

 

彼等は、百人町にある狭い寮で生活していた。

劣悪な環境下で家族を養う為に働いている。

当然、女っ気など微塵も無い。

そんな飢えた男達の前に、真理子という極上の餌を投げ入れられたのだ。

誰しもが、疑う事なく、喰らい付いた。

 

 

真理子は、寝転ぶ男の顔に跨り、舌の責めに歓喜しながら目の前に立つ二人の男へと奉仕していた。

その周りでは、生気を吸い尽くされた数人の男が倒れている。

全員、肌は干からび、髪の毛が白髪になっている者までいた。

 

二本の肉棒を美味そうにしゃぶっていた女が、尻を痙攣させて逝った。

しかし、満足には程遠い。

自ら汚い作業場の床に四つん這いになると、入れて欲しいと蜜が詰まった尻を振る。

真理子の性器を舌で嬲っていた男が起き上がり、肉厚な尻を抱えた。

淫らな裂け目に剛直を押し付け、一気に捩じり込む。

一瞬、逝きそうになるが、歯を喰いしばって耐えた。

何とか持ちこたえ、女の尻に腰を叩きつける。

 

 

 

「参ったな・・・こりゃ。」

 

薄汚れた硝子窓から、作業場の中を覗いていた黒縁眼鏡の少年が、深い溜息を吐き出した。

 

室内は惨憺たる有様であった。

悪魔に魅了された愚かな男達が、自ら進んで生体マグネタイトを捧げている。

辛うじて生きてはいるが、早く何とかしてやらねば、女悪魔に捕り殺されてしまう。

 

鋼牙は、パーカーのフードを目深に被り、マスクをつけた。

 

 

 

セクター・エリダヌス。

 

鋼の翼を広げた騎士が、漆黒の魔龍へと斬り掛かる。

神器・小狐丸で魔鎧化した佐助だった。

魔龍が吐き出す漆黒の炎を旋回して躱し、斬撃を放つ。

しかし、硬い鱗に傷をつけた程度で、致命傷を負わせる事が叶わない。

両腕を鋭利な刃物へと変形させ、漆黒の炎を纏う真空刃を幾つも放った。

鋼の翼を盾代わりに防御するが、その威力は凄まじく、塔の壁面へと叩き付けられる。

 

「いったぁ・・・・こりゃ、手が付けられないよぉ。」

 

僅か数合の撃ち合いで、既に諦めモードの佐助。

無理もない。

アモンの鎧は、あまりにも強固で、闘気術程度でどうこう出来る代物ではない。

追撃を行おうとする魔龍の身体が、突然爆発した。

最上位核熱魔法『フレイダイン』が封じられた弾丸をバスクエスが撃ち込んだのだ。

空薬莢を排出し、次弾を装填する。

 

「ち、これでも大したダメージを与えられないなんて。」

 

狙撃銃を構え、今度は火炎系最上位魔法『アギダイン』が封じられた弾丸を放つ。

全てを焼き尽くす地獄の業火だ。

炎の龍に呑み込まれるが、左腕を無造作に振り払い、獄炎の龍をあっさりと掻き消してしまう。

 

「うららぁ! 正義の鉄槌喰らえヤァ! 」

 

上空から、魔人化したハドソンが、巨大なハンマーを振り上げ、魔龍へと襲い掛かる。

しかし、拳であっさりと打ち砕いてしまう魔龍。

長い尾で茫然とする牡牛を張り飛ばしてしまう。

 

「我が人生に一片のくいなぁああああっし! 」

 

訳の分からぬ台詞を吐きながら、ハドソンが地面に激突。

巨大なクレーターへと埋まってしまった。

 

「何しに来たの? あの人。」

『さぁ?』

 

からかい半分で手を出すぐらいなら、素直に逃げて欲しい。

心の底からそう思う佐助とバスクエスであった。

 

 

「明、大丈夫? 」

 

激闘が繰り広げられる神殿前。

物陰に隠れたマベルは、傷ついた明を回復魔法で治療している。

 

「すまねぇ。」

 

鬼人化を解いた明が、徐に立ち上がる。

最新型のデモニカスーツには、装着者が負った傷を治療するナノマシンが内臓されている。

そのシステムと妖精の治癒魔法を併用したお陰で、傷は瞬時に完治した。

 

「マベル、17代目と交信出来るか? 」

「無理、ダンテの感情が強すぎて、私の声が届かない。」

 

明の問い掛けに、マベルは哀しそうに首を振る。

 

アモンの破壊衝動に駆られたダンテは、怒りの権化と化していた。

自分を認めないライドウに対する怒り。

帝国議事堂の地下で、骸に良い様にあしらわれた屈辱。

未だに、ライドウの心を縛るヨハン・ハインリッヒ・ヒュースリーへの嫉妬。

そして、最後に明に対する途轍もない殺意。

 

それら負の感情が、あの魔龍自信を形造っている。

 

「オッサンに一発デカいのをぶち込まなきゃ駄目か。」

 

封魔管から『火之迦具土神』を解放する。

真紅の炎を纏う刀身が、持ち主である明の身体を包んだ。

聖なる炎は、少年を紅蓮の鬼へと変貌させる。

 

「明・・・・。」

「大丈夫、17代目は必ず俺が助ける。」

 

不安そうに見つめる妖精に、明はそれだけ告げると、超人的な膂力を活かし、大きく飛翔。

再び、魔龍の前へと躍り出る。

 

 

 

 

東京都新宿区百人町の発電施設内。

 

パーカーのフードを目深に被り、マスクで顔を隠した鋼牙が、気配を殺して作業場内へと潜り込む。

淫靡な宴に耽っている四人は、侵入者の存在にまるで気づかない。

女の尻の虜になっている男が、一心不乱に腰を叩きつけている。

数回動いて男は逝った。

生気を吸い取られ、みるみるうちに肌に張りが無くなり、骨と皮だけになっていく。

白目を剥いて老死した男が倒れた。

だが、女に奉仕されている二人の男は、この異常事態に全く恐怖を感じてはいなかった。

しゃぶられている男の一人が、「ちゅぽん」と音をさせて、女の口から自分の男根を引き抜く。

女から与えられる快楽が、男達の正常な判断力を失わせていた。

尻を抱え、汚液と女の分泌する愛液でぐっしょりと濡れる性器にいきり立った男根をあてがう。

すぐには入れない。

亀頭を女の性器に擦り付け、耳元で卑猥な言葉を吐きかけながら、嬲る。

女は目尻に歓喜の涙を溜めて、背後の男へと哀願した。

満足した笑みを口元へと浮かべ、男が男根を突き入れ様とする。

 

その首筋に、鋼牙は手刀を放った。

男が意識を失い、真横へと倒れる。

女に口腔性交を強いていたもう一人の男が悲鳴を上げた。

鋼牙が素早く移動し、女から離れる男の口を手で抑えて、その鳩尾に一撃を入れる。

此方も意識を失い、無様に地へと沈んだ。

 

食事を邪魔された女が、無言で侵入者を眺める。

鋼牙が其方へと視線を向けた時、あまりの驚愕に双眸を見開いた。

 

女は、『聖エルミン学園』に勤務する数学教師の樋口・真理子だった。

 




寒くて死にそうです。
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