※この作品はR-18です。

【旧版】「欠番覇王の異世界スレイブサーガ」※全話掲載完了   作:ぷるっと企画@園島義船

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14話 「ロリコン先生のスレイブ講座 後編」

 

 アンシュラオンが少女を見たとき、最初に目に入ったのが緑色の小さな宝石であった。

 

 なぜ気になったかといえば、明らかに術式とわかる波動が出ていたからだ。

 

 術士の因子がある者は、術式を感知できる。因子のレベルによって感知できるものは異なるが、アンシュラオンの術士因子は5。術はまだ使えずとも、たいていの術式ならば解読することが可能だ。

 

 解読の結果、精神術式の一種だとはわかっていたが、それが何のものかまではわからなかった。それが、男の説明ですべてを理解できた。

 

 

「あの精神術式で、逆らえないようにしているのですね!?」

 

「そうだな。契約に逸脱するような行為や、犯罪行為ができないようになっているんだ。便利だろう?」

 

「人権侵害じゃないんですか!?」

 

「そこにこだわるね、お前さんは」

 

「いえ、そこが解決できれば、あとはもう情欲の赴くままにウハウハの予定なんで!」

 

「正直すぎる!! 少しはオブラートに包んでくれ」

 

「正直者であることが取り柄なんで! それで、続きは?」

 

「何百年か前、スレイブ階級の人間が反乱とか大きな事件を起こしてね。それから安全装置として付けられるようになった、っていう話だったかな」

 

 

 単に契約に違反してしまった、という話ならばよかったのだが、最初から契約を破るつもりで入り込み、中からクーデターをするという事件が起こった。

 

 それ以来、契約遵守のために、こうしたものが認められるようになった。当然、自らの意思でつけるので人権侵害ではない。

 

 

(見た感じ、かなり粗雑なんだよな。あれで制限できるとすれば、反抗意識を持たせにくくする、っていう程度かな)

 

 

 精神術式にも多様な種類と、強弱のレベルが存在する。

 

 アンシュラオンが見る限り、ロリコン妻にかかっている術式はあまり強いものではない。

 

 せいぜいが、「~しようと思わない」程度の軽いものだろう。完全なる強制力を持つ凶悪な精神術式とは異なる。

 

 

(たぶんオレにはまったく通じないだろうけど、一般人ならばあの程度で十分ってことか。そういや、姉ちゃんは竜を簡単に支配していたけど、あれを人間にかけたら精神が壊れそうだな。そういう意味合いもあって、軽いものになっているのかもしれないな。そのあたりは専門領域だし、おいおい調べていこう)

 

 

 それより、である。

 

 

「先生、ラブスレイブとは!? やはり、アレですか!?」

 

「まあ、アレだな。そういう目的のためのものだ」

 

「何でもしていいんですか!?」

 

「それも相手によるというか、どういった条件で売りに出されているかが重要だ。ちゃんと確認しないと、後で台無しになることもある」

 

「ふむふむ、メモメモ!」

 

 

 左腕に火気を使って「ラブスレイブ」と大きな焼き文字を入れていく。

 

 その異様な執念にロリコンは戦慄した。

 

 絶対に忘れないという気概が見えたからだ。この小さな身体のどこに、これだけの情念が宿っているのだろうか。恐ろしい少年だ、と。

 

 

「なるほど、なるほど、だいたいわかりました!」

 

「そうか。納得してくれてよかったよ」

 

「先生、オレでも買えますか!?」

 

「え? あ、ああ。もちろん買えると思うが…。年齢制限は特に無いな。それと場所によって、いろいろと条件があることもある。たとえば市民権が必要な都市もあるから、そこは確認したほうがいい。辺境に行けばいくほど緩和されるが、それだけヤバイ代物もあるってことだから注意しろよ」

 

「ためになります! それで、いくらですか!? 何円なんですか!?」

 

「顔が近い! やる気がありすぎる!?」

 

「従順な女の子なんですよね!? それって、逆らわないんですよね!? 逆らっちゃ駄目なんですよね!?」

 

「契約でそうなっていれば、だけどな」

 

「エッチなこともしていいんですよね!?」

 

「ラブスレイブだったらな。普通のスレイブでも、そういった条項がある者もいるから、そういうのならば…」

 

「買います!! どこで買うんですか!!!」

 

 

(これだ! オレが求めていたものは、これだったんだ!!)

 

 

 この時、アンシュラオンは気がついてしまった。

 

 自分の目的は、姉とは違う従順な女の子とイチャラブしたい、というもの。

 

「なら、スレイブでいいんじゃね? 逆らわないし、何でも言うこと聞くし。金で済むのならば、こんな素晴らしいものはない!!」

 

 と。

 

 

 最低の発想である。人間としてどうかと思う。

 

 だが、そういう仕組みがあるのならば利用しない手はないだろう。もし嫌なら、やめてしまえばいいのだから、まずは気軽に利用してみればいいだろう。

 

 そう、何事も試してみなければならない。それが人生経験であり、社会勉強というものだろう。

 

 何が悪いというのだ。うん、悪くない。むしろ素晴らしい!!

 

 

「ビバっ!! 素晴らしい!」

 

「どわっ、びっくりした!? まだ答えてないぞ!?」

 

「あっ、そうだった。どこですか!? どこでぇえええええ!」

 

「ぐえっ! だから首を…絞めないでくれ。大きな街とか、スレイブ商がいる場所ならどこでも…」

 

「どこだ! 近隣なら、どこにいる!?」

 

「そこらの集落にもいるかもしれんが……最初なら大きい店がいい。大きい店は信用もあるから、初めての客にも親切だ。そうだな…南東にグラス・ギースっていう大きな街がある。そこなら多くのスレイブがいるはずだ。もともと俺もそこで働いていたからな」

 

「グラス・ギースですね! メモメモ! じゅうう」

 

 

 また焼き付ける。

 

 それにロリコンは再び戦慄した。

 

 

「先生! ありがとうございます!!」

 

「う、うむ。感謝したいのはこちらのほうだ。あんな凄いものを六十万で売ってくれるのだから…」

 

「スレイブって、いくらですか?」

 

「ピンキリだな。三級にもなれば、百万以上は…」

 

「やっぱり、違うところで売ります!!」

 

「心変わりが早すぎる!? 売ってくれ!! 教えたじゃないか!!」

 

「ええい、放せ! オレにはスレイブが必要なんだ! こんなはした金で売れるか!! このロリコンが!!」

 

「わかった。わかった! あそこの雑貨でいいなら、いくつかやるから! それでどうだ! 俺とあんたの仲じゃないか!」

 

「…ちっ、しけてやがるな。全部渡すとか言えよ」

 

「どうせ持てないだろうに。それに、どさくさで嫁さんまで持っていかれたら困る」

 

「信用ねえな。オレは他人のものには興味ないんだけどな…」

 

 

 交渉成立である。

 

 よくよく考えれば、もともといらないものだし、歩いている時に拾った程度のものなので、この値段で売れるのならばボロ儲けである。

 

 

 

 

 

「楽しそうでしたね」

 

「あんなロリコンと一緒にされたくないけどね」

 

「はは…。あの人も久々に楽しそうでした」

 

「いくつか好きなものを持っていっていいって言われたけど…大丈夫?」

 

「はい、大丈夫です。お好きなものをどうぞ」

 

 

 再び日用雑貨テントに戻ったアンシュラオンは、少女の旦那さんをロリコン呼ばわりしつつ、いくつか品物を物色する。

 

 あのロリコンに対しては遠慮しないが、この子の生活もかかっている。なので、最低限のものだけを選ぶ。

 

 当然、最初に選ぶのは地図。それから野菜や芋などの食材とフライパン、それとあの良さげな包丁を一本もらっていくことにした。

 

 

「それじゃ、このリュックもどうぞ。一緒に入れておきますね」

 

「ありがとう。助かるよ。…で、あのロリコン、夜は激しいの?」

 

「えっ? その…それは…あはは」

 

「サイズは大丈夫? 入るの? それともロリコンのが小さいの? ねぇねぇ、何分でイクの? あいつ、早漏でしょ? ねえねえ、どうなの? 満足してるの?」

 

「えっと、その…あの……それは……」

 

 

 セクハラである。特に理由はない。

 

 

「おい、俺の嫁にちょっかい出すなよ!」

 

 

 遠くからロリコンの抗議の声が飛ぶが、無視である。

 

 

「変態的行為を強要されたら、これを使うんだよ」

 

 

 そう言って、包丁を指差す。

 

 男など、いざというときはそれで切ってしまえば、おとなしくなるものだ。その時はニューハーフ協会を紹介してやろうと思うのであった。もちろん、伝手などないが。

 

 ただ一つ、訊いてみたいことがあった。

 

 

「…なんでスレイブになったの?」

 

「私の家、子沢山で。口減らしのために自分からなったんです。このあたりは、そんなに豊かではないですし…」

 

「そうなんだ…ごめん」

 

「いいんですよ。今は幸せですから」

 

「そっか。じゃあ、またいつかどこかで。ロリコンにもよろしくね」

 

 

 スレイブでも幸せになれる。

 

 それを知って、少しだけ安堵した。

 

 

 

 

「よっしゃ! それじゃ! オレは行くよ! 絶対にスレイブ(従順で可愛い女の子)を手に入れるぞおおおおおおおお!!」

 

 

 

 

 新たな目標を得て、アンシュラオンは旅立った。

 

 

 

 

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