【旧版】「欠番覇王の異世界スレイブサーガ」※全話掲載完了 作:ぷるっと企画@園島義船
「カハッ…がはっ…ごほごほっ…ァァア…ァーー」
「どうしたの? こんなもんでへばったわけじゃないでしょう?」
ぺしぺしと、少しぼけっとしているプライリーラの頬を叩く。
「ウウウウッ!! ガブッ!!」
すると、いきなりアンシュラオンの首筋に噛み付いてきた。
歯を突き立てて頚動脈を噛み切ろうとしてくる。
手が使えないのならば歯で戦え。まさに武人の鑑のような行動である。
より獣らしい行動でもあるので、彼女がこの選択をしたのは自然なことであろう。だが、もちろんこんなものは通じない。
「ははは。くすぐったいな。メスの甘噛みってのは気持ちいいもんだよ」
「グルルルルッ!!」
「でも噛み付きってのは、こういうふうにするんだ。がぶっ!!」
「ヒグッッ―――!!」
アンシュラオンに噛み付いたことで首筋が晒されたプライリーラに、お返しとばかりに噛み付く。
「カハッ…はっ!!」
ぎちぎちと絞まり、歯が喉に食い込んでいるので呼吸ができない。
明らかに彼女の噛み付きよりも強い力だ。その気になれば首を噛み切ることもできるが、これはあくまで威圧なのでそこまではしない。
次第にプライリーラの噛む力が弱くなり、最後は逆にだらんと口を開けることになる。
アンシュラオンはそのまま噛み続け、風呂の縁に押し付ける。
プライリーラは必死に起き上がろうとするが、両手が動かないうえ首まで噛まれているから力が入らない。
結局、自分よりも小柄なアンシュラオンに簡単に押さえつけられる結果になる。
猫が交尾をする際、オスはメスの首を噛んでおとなしくさせるが、そういった光景にも似ている。
「フーーーッ、フッーーー!!」
「よしよし、少しはおとなしくなったかな」
「くふっ…フゥウウウッ!!」
「なんだか手がつらそうだね。全力を出せないから勝てないとか思っているのかな? なるほどなるほど、ならば手も外してあげよう。さあ、これで君は自由だ。全力を出せるよ」
「フッ!!!」
バチンッ!!!
命気手錠を外した瞬間、プライリーラがビンタしてきた。
アンシュラオンはあえて戦気なしでそれを受けるが、それでもダメージは与えられない。
バチンッ! バチンッ!!! ドゴンドゴンッ!!
プライリーラは何度も何度も叩く。時には戦気付きの拳で殴りつける。
が、何度叩いても結果は同じである。びくともしない。
「どう? 満足した? それなら次はオレの番だね」
「ッ!!」
「いくぞ、ほーれ!!」
ブーーーンッ! ばっちーーーーーんっ!!
「ブハッ!!」
アンシュラオンの張り手が、プライリーラの頬をぶっ叩く。
かなり抑えた一撃だが、首がもげそうなほどの衝撃を受け、ぐらつく。
「ハーーー、ハーーーーッ!!」
「いけない子だね、プライリーラ。メス馬はオスの言うことをしっかり聞かないとさ!!」
ブーーーンッ! ばっちーーーーーんっ!!
「ブフッ!!」
「これはお仕置きだよ!! オレは君を愛しているから殴るんだ!!」
ブーーーンッ! ばっちーーーーーんっ!!
「見てごらん! オレの手が赤くなっているじゃないか! 君への想いが赤くさせているんだ!! 君がてこずらせるから、仕方なくこうしているんだよ!! なんて乳だ! けしからん!! もみもみっ!!」
ブーーーンッ! ばっちーーーーーんっ!!
「股もこんなに濡らして、なんてイヤらしい!! 叩くたびに締まっているじゃないか! 本当は暴れて男の気を引いて、激しく犯してもらいたいだけなんじゃないのか!! まったく、真性のマゾだな!!」
これはマゾというよりは、武人特有の反応なのかもしれない。
そもそも武人は戦えば戦うほど強くなる生物であり、肉体や精神が痛めつけられるほどに因子が覚醒していく。
常に肉体的な苦痛が伴ってこそ進化するので、武人は常人よりも痛みに強いし、苦痛を快楽として受け入れる物質が脳内で分泌しやすいのだ。
彼女は―――喜んでいる
叩かれるたびに、触れられるたびに、揉まれるたびに、少なくとも身体はアンシュラオンの有用性を認め、欲している。
「フーーーーッ、フーーーーッ!! ハァハァッ…ハッ!」
何度も叩かれ、プライリーラの頬が真っ赤になっている。
口内が切れて血が垂れ、瞳孔もショックでぐるんぐるん動いており、自分の状態をどれだけ認識しているのか怪しいものだ。
しかし、そんな彼女にも一つだけわかることがある。
―――自分が犯されていること
―――目の前のオスは、自分よりも強いこと
―――何をやっても抵抗できないこと
―――あらがえばあらがうほど、反撃と束縛が強くなっていくこと
(なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは!!!)
『暴走せし暴風の獣』はパニックに陥る。
今まで自分が力を出せば、どんな相手にだって勝ってきた。
相手は自分の支配下に入り屈服してきた。オスだって関係ない。全部服従させてきた。
それが目の前のオスに対しては、まったく通じない。武器がない裸同士だからこそ、それがはっきりと示されるのだ。
ドキドキドキドキドキッ ドキドキドキドキドキッ
ドキドキドキドキドキッ ドキドキドキドキドキッ
ドキドキドキドキドキッ ドキドキドキドキドキッ
心臓の鼓動が速くなっていく。呼吸が荒くなっていく。
恋をしたわけじゃない。自分より強い相手に焦がれたわけでもない。
徐々にその感情が暴風の獣を汚染していく。
―――恐怖
という感情が。
「ウウウッ…ウウウウッ、ウワァアアアアアアアアアアアア!!」
その感情がピークに達した瞬間、突如暴風の獣は逃げ出そうとする。
今までは相手を攻撃して倒すことを念頭に置いてきたが、このオスには何も通じない。
このままでは―――喰われる
暴風の獣は、それをようやく理解したのだ。
そうなった場合、獣が取る選択肢は一つしかない。
―――ひたすら逃げる
ということ。
勝てない相手には逃げるしかない。どんなにみっともなくても喰われるよりはいい。
これも野生の本能である。
がしかし、この白き獣がそんな逃走劇を許すわけがない。
ブーーーンッ! ばっちーーーーーんっ!!
逃げようとしたプライリーラの頬に、再び強烈な張り手がかまされる。
脳と意識が揺れ、身体から力が抜ける。
「ッ!!!」
「逃げられると思うなよ。がぶっ!!」
「ギャフッ!!」
プライリーラの両手を自分の両手でがっしり押さえ込み、また噛み付く。
胸と胸が重なる感触が実に心地よい。
「ああ、美味いな。お前は美味いぞ。ふんふんふんっ」
「あっ、あっあっ!! あぁああああ! アーーーアーーーーーーっ!!!」
ブーーーンッ! ばっちーーーーーんっ!!
「ひうっ!!」
「逃げようとしたら殴るからな。お前はオレには勝てないんだぞ。それを何度も何度も身体に教え込んでやるからな!!」
プライリーラが逃げようとすれば叩き、首に噛み付いておとなしくさせる。
どちらが強いかをはっきりと教え込むのだ。たまに胸に噛み付いたりもする。
それを何度も何度も繰り返す。暴風の獣が理解するまで繰り返す。
(獣の調教方法は簡単だ。圧倒的な暴力でどちらが上かを示せばいい。これが自然界の掟。強い者に従うという動物の本能だ!!)
イヌ科の動物を見ればわかるように彼らは群れを作り、リーダーの命令には絶対的に従う。
それは人間社会でも同じだ。より強い者が弱い者を支配し、統治するシステムが生存競争においてもっとも効率が良いからだ。
そのためリーダーとなる者は、己の強さを相手に示さねばならない。
その最たる手段が―――暴力
何よりも力がなければ生きていけない。力があってこその安定と平穏である。これをより多く、より大きく、強力に宿す者に従うのが自然界の掟だ。
逆らう者には徹底的にこの事実を教え込まねばならない。その者が弱いのならば特に重要だ。
なぜならばその弱い人間は、放っておけば違うより強い者に喰われて果てる運命にあるからだ。
(そうだ。これはプライリーラを守る行為だ! オレは君を守りたいんだ!! わかれ! わかってくれ!!)
これを何度も何度も繰り返す!
どんなに抵抗しても交尾を強要され、服従を促される。
それに逆らえば、また交尾を強要され、服従を促される。
それでも逆らえば、また交尾を強要され、服従を促される。
これを繰り返すとどうなるか。
バキンッ
獣が―――折れる
「ううっうううっ…ああああああ!! いやぁああああああああ!! やだぁあああああああああああ!!」
プライリーラの声に人間性が戻ってきた。
今まで表に出ていた獣性が引っ込んできたのだ。中に宿った暴風の獣が恐れをなして逃げ出した、というわけだ。
つまりそれは―――敗北
絶対に勝てないと知った獣が、自らの敗北を認めたということである。
「くくく、勝ったな!! オレの勝ちだ!!」
アンシュラオンは満足そうに笑う。
女性を屈服させる瞬間は、いつだって最高の気分である。自分の支配力が高まることで魔人因子も震えて喜んでいる。
やっていることは完全にDVによる精神支配なので、地球ならば完全に犯罪だが、そもそもここには法律自体が存在しない。誰もそれを裁くことはできない。
何よりも、これが獣と獣の普通の戦いの様相である。
野生の獣において、どちらが強いかをはっきりさせることは安全のためにも重要なことだ。これも自己防衛策の一つである。
「はーーっ、はーーーっ!」
「どうだ、プライリーラ? オレに逆らわないと誓うか?」
「うううっ…ぐすっ…ぐすぐすっ…ううううっ」
「ほら、返事はどうした?」
「…わ、わかった…わかったからぁ……はーー、はーー、許して……ぐすっ」
「ふぉおっ! なんだその可愛い顔は!! まるで乙女じゃないか! はぁはぁっ! こ、興奮するぞ!!」
獣が消え去ったプライリーラは、急におどおどした様子になっていた。
その姿は―――まるで乙女
戦獣乙女から、『戦う』と『獣』をなくすと『乙女』になる。
この極限状態で、プライリーラがわずかばかりにもっていた乙女要素が、ついに表に出てきたのだ。
しかし、その様子が逆に白い獣を刺激してしまう。
「はぁはぁ、たまらんな!! やるぞ! やりまくるぞ!!」
「ま、待て…やめろ……ぉおっ! やだぁあああああ!!」
「駄目だ!! 君だってまだ満足していないはずだぞ!! 気を失うまでやるからな!! ふんふんふんっ!!」
「ああぁあああああ!! ひっ、ひっーーーーー!!! あんあんあんっ!!」
「っ!!! なんだその喘ぎ声は!! た、たまらん!!!」
乙女要素が前面に出れば出るほどアンシュラオンは興奮していく。
ここからは泥沼だ。
「も、もう…許して…!! し、死ぬっ!」
「うひゃひゃひゃっ!! たまらんなーーーーーー!!!!」
サナの食事タイムを除いた三日三晩、ひたすらプライリーラと交わることになるのであった。