「ふぁ〜……ぁ」
夜、ベッドに腰掛けたユーマは大きく欠伸をしながら伸びをする。
あの後、フェニムに請われるまま頬へのちんズリと精液の顔面マーキングをぶっ放した後、眠ったのだが、まだ日中だった事もあり、こうして夜の帳が降りた頃に目覚めてしまった。
腰掛けたベッドにはナルメアがまだ寝息をたてている。
ベッドはシングルサイズであったが、ドラフであるナルメアが小柄な事もあり、ギリギリ二人で眠れない事はなかった。
フェニムは顔面をユーマの精液でどろどろに汚されたまま「このままお兄ちゃんの魂に包まれていて寝るね♥」と、ユーマの中へと戻っていったのだが……。
(あいつ、俺の魂の中に俺の精液持っていったんだよな……)
その件については、ユーマはあまり深く考えない事にした。
(それよりナルメアちゃんだ。まさか、顔射だけでこんなになるとはなあ……)
幸せそうな顔で眠るナルメアを見る。
ユーマとしてはあのままフェラ──何ならそのまま本番になだれ込む気満々だったが、気を失っては仕方ない。眠姦に興味がなくもないが、流石にナルメアとの初めてが眠姦では可愛そうだ。
(性知識はまるでなさそうだったし、じっくり俺好みに教え込んでいくのも良いな)
下卑た笑みを浮かべつつ、ナルメアの育成計画を練る。
(ま、今日のところはもう一眠りしよう)
そう考え、眠り続けるナルメアを抱きしめるように横になり、目を瞑る。
「すんすん……えへへ♥ ユーマちゃんの匂い……好きぃ……♥」
ナルメアのそんな寝言を聞きながら、ユーマは再び眠りへと落ちていった。
──────────
数日後。
「お金がいる」
ユーマはナルメア、フェニムの二人と朝食を食べ終わったタイミングでそう口にした。
余談だが、ユーマがこの世界に来た翌日にはナルメアとフェニムの顔合わせは済ませている。
「お兄ちゃんのことが大大だ〜い好きなフェニムだよ。よろしくね、ナルメアお姉ちゃん♥」と言う一言で、ナルメアは全面的にフェニムを受け入れた。
今ではまるで姉妹のように仲睦まじく、二人で競うようにユーマを甘やかしてくる。
……と、それはさておき。
「えぇっ!?」
ユーマの提案に大きく反応したのはナルメアだ。
「ど、どどどうしてかな? お金なら、お姉さんがちゃんと稼いでくるよ? ユーマちゃんは何にもしなくていいんだよ?」
今にも泣き出しそうな顔で抗議するナルメア。
(うーん、ナルメアちゃんは完全にダメ人間製造機だな……)
「ん〜……いや、別に働こうとかそういう事じゃなくて、むしろ働かない為……?」
「?」
この数日、ユーマはもちろん一切仕事などという事はしていない。
この世界ではよほど大きな都市にでも行かない限り戸籍管理のような厳密な統制はされていない為、日雇いの仕事をしようと思えば出来ない訳ではないが、今のところ生活費は全てナルメアからの持ち出しとなっている。
また、フェニムの力でお金を生み出すという事も出来ない。
“ナルメアが大富豪である”とでも改変すれば解決しないでもないが、過程を楽しむ事を是とするユーマは、そういう解決策は求めていなかった。
「このままだと、近いうちにナルメアちゃんが稼ぎに行かなきゃいけなくなるだろう? ナルメアちゃんにはずっと一緒に居て欲しいからさ、その為にも働かなくて済む位のお金を確保したいんだ」
石油王から5000 兆円もらいたいみたいな事をのたまうユーマ。
「ユーマちゃん……そんなにお姉さんと一緒に居たいんだ♥ 嬉しい♥ お姉さんも、ずっとユーマちゃんと一緒に居たいよ♥」
ぽわ〜と、頬を赤らめて喜ぶナルメア。
「お兄ちゃん、何か考えがあるの?」
「あぁ、もちろん。手っ取り早く、どこかの王族の女を俺のモノにする」
「おおー。流石はお兄ちゃんだね!」
まともな常識を持つ人間が聞いたら鼻で笑うようなプランだが、フェニムは心底感嘆したように、ぱちぱちと手を叩いて褒め称える。
「ふふん、そうだろう? 纏まったお金が手に入ったら、騎空挺も欲しいな。俺の為の全空ハーレム騎空団を作ろう」
どんな事でも全肯定してくれる姉と妹に囲まれて、ユーマの知能指数は低下していた。
「……と言う訳で、この辺りの島で王族の美女がいそうな島とか──」
昨日、買っておいた──費用はもちろんナルメアが出した──周辺の空図を取り出そうとした時、少し離れたテーブルで朝っぱらから酒を飲み交わす二人の会話が聞こえてきた。
「おいおい、アンちゃん。聞いたかアンちゃん。あの、えぇーと大層な名前の〜」
「あぁ〜……聞いたよ聞いた。あの……じゅってん……じゅってんしゅー?」
「……!」
「いやぁ、そうそう十天衆、十天衆。その中でアンちゃん、誰が一番強いと思うよ?」
「んん〜……難しいねぇ。あぁ、あいつは強そうだ。刀の使い手の……」
男たちが十天衆の刀使いについて話し始めた瞬間、ナルメアが勢いよく席を立つ。
「どうしたんだ?」
ユーマが驚いてナルメアを見る。
ナルメアの表情は堅く、顔色が悪い。
「う、ううん……なんでも、ないし。大丈夫……だし……」
まだ数日の付き合いだが、ナルメアのこんなにも切羽詰まったような顔は初めてだった。
「……そ、それより、ここじゃ騒がしいから、宿に戻って話そっか?」
慌てたようにユーマの手を取ると、ぐいぐいと出口に引っ張っる。
「わかった、わかったから」
ナルメアが3人分の食事代を支払い、そのまま宿へと向かう。
(十天衆……十天衆ね)
先程、ナルメアは聞こえてきたその単語に反応していた。
十天衆──
それは全空最強を掲げる10人の武闘派集団の名だ。
槍、弓、斧、短剣、杖、拳、剣、刀、琴、銃。
10人がそれぞれの武器を扱うスペシャリストで、その10人の力は国にも匹敵するとかなんとか。
そして、会話の中にチラッと出てきたのが刀使い。ナルメアの獲物も刀である。
(十天衆の刀使いは……オクトー、か)
果たしてナルメアと十天衆のオクトーに如何様な関係があるのか。
それはユーマには図り知る事の出来ない事ではあった。
「ナルメアちゃん」
「な、なぁに?」
宿への道すがら、ユーマがナルメアを呼び止める。
「何があるのかは知らないけど、もし何かあったら遠慮なく話してね? 俺はナルメアちゃんの味方だから」
「ユーマちゃん……」
ユーマの言葉にナルメアは感極まった様子で、うるっと涙を浮かべ、それを隠すように抱きつく。
「ユーマちゃん、ユーマちゃん。ありがとう♥」
ユーマの胸元に顔を埋め、ぐりぐりと頭を動かすナルメア。
ついでに、そのどさくさ紛れでユーマの匂いを肺いっぱいに吸い込んでいる。
(ちょっ、相変わらず危ねえ……!)
声には出さないが、ナルメアの角がユーマの胸元を掠めていた。
「お兄ちゃんの包容力……素敵♥」
そんな様子を見ていたフェニムが、うっとりしている。
最早、ユーマの言動で一体何をしたらフェニムが呆れるような自体になるのか誰もわからない次元だろう。というか、むしろそんな自体は本当に存在しないのかもしれなかった。
─────────
「最寄りだとアルスター島のアイルスト王国……でも、ここは近年のゴタゴタで王国としての体裁は崩壊してる、か。うーん、ヘルエス王女には惹かれるんだけどなァ。どうかなァ?」
空図を眺めながらユーマが独りごちる。
「今は議会制になってるみたいだけど、王女も復興の手助けをしてるみたいだよ? 金銭的な援助は望めないかもしれないけど、色んなツテは得られるかもしれないよ?」
「それもそうか。美女は全部俺の女にするんだし、とりあえず行ってるか」
フェニムの進言を受け、ユーマは目的地をアルスター島へ定める。
「アルスター島へ行くの? だったら、3人分の路銀を稼がなきゃ。ちょっと、心許ないし……」
ナルメアが財布の中身を気にしながら困り顔で言う。
「フェニムは俺の魂に格納すれば2人分で済むけど……」
「ダメだよ、ユーマちゃん。そういうのは」
「あっ、はい」
(一国の元王女を手篭めにしに行こうって所には何も言わないのに、そこは真面目なんだ)
ユーマにはその基準がよく分からなかったが、ナルメアとしてはユーマの望み──全空ハーレム──の為の事ならば是。ただの不正行為は非。という感じなのだろう。
──────────
翌日。
ユーマたち3人はある隊商の護衛依頼を受け平原を進んでいた。
盗賊が出没する場所を抜ける必要があったため護衛が欲しい商人は、ナルメアの噂を聞きつけ依頼してきたようだ。
アルスター島までの路銀を稼ぎたい所でタイミングよく舞い込んだ実入りの良い仕事に、ユーマは是非もなく飛びついた。
「いやぁ、噂の凄腕剣豪さんが護衛を引き受けてくださるとは。大船に乗った気持ちでいられますよ!」
「人違いだと思いますけど……凄腕じゃないし、剣豪でもないし……」
(まーた、言ってる)
商人の言葉にはおべっかが含まれているのは確かだろうが、名指しで指定してくるだけの知名度と実績があるのは確かだろう。
「またまたご謙遜を」
「うーん……」
困惑気味に返していたナルメアだったが、前方に姿を見せた人影をいち早く察知する。
「みんな! 気をつけて……!」
商人たちは荷馬車の影に隠れ、ユーマはナルメアの後ろに隠れる。フェニムはそのユーマの後ろに隠れた。
そうこうしている内に、前方に現れた人影がアッという間に近づいてくる。
近くで見ると、なるほどこれぞ山賊と言った出で立ちの人物が10人ばかり。
その山賊たちが行く手を阻むように半円状でナルメアの前に立ちはだかった。
「ヒャッハー! その荷物をよこしなぁ!」
「ひひひひっ! エラいべっぴんが2人もいるじゃねぇか! こいつぁ当たりだぜ。身ぐるみ全部脱ぎな!」
「オラオラ! 早くしな! 嬢ちゃんたちは可愛がってやるからよぉ!」
盗賊たちがナルメアとフェニムを見て色めき立つ。
まるでどこぞの世紀末である。
(うわぁ……こんな絵に描いたような山賊がいるなんて、この世界ヤベェな)
「ひぃぃ! お、お願いします、剣豪さん……!」
荷馬車の奥から商人の震える声が響く。
「……ちょっと待っててね、ユーマちゃん」
ユーマの返事は待たず、ナルメアが一歩を踏み出す。
「ふっ……!」
それは、もはや戦いではなかった。
「ぎゃあぁぁ!?」
「か、刀が揺らいで……!? お前、いったい何しやがっ……!」
ナルメアは、胡蝶を飛散させながら瞬間移動のように消えては現れを繰り返し、姿を現す度に揺らいだ刀が盗賊を1人、また1人と切伏せていく。
盗賊たちは為すすべもなくナルメアに翻弄され、何をされているのか理解出来ぬまま地に伏せていった。
「す、凄い……! その腕前、全空最強の十天衆が一人、大剣豪オクトーにも届きうると言われるだけの事はある……!」
「……ッ!」
ナルメアの無双を見ていた商人の一人が、興奮からかどこか芝居がかった口調で褒め称える。
「……かないし……!」
「ひっ……!」
その時、残りわずかとなった盗賊の1人がちょうどナルメアの正面にいた。
「届かないし……! だって、だって……私は、『彼』に認められてないし……!」
悲痛な面持ちで吐き捨てるように叫ぶナルメアは、その場で足を止めてしまう。
「な、なんだァ? なんか知らんが、隙ありだァ!」
千載一遇の好機と見た盗賊が、ナルメア剣を振るう。
「ナルメアちゃん!」
「あっ……あぁ……!」
思わずユーマが叫ぶ。
その声で一瞬でも我に返ったのか、ナルメアは盗賊の振るう剣こそ躱したものの、刀を弾き飛ばされてしまった。
「へっ……! これでもう怖くねえ! よくも仲間をやってくれたなぁ!?」
盗賊が、まだ少し呆然としているナルメアに追撃をかける。
「こ、の……ッ!」
後先を考える間もなく駆け出していたユーマが、その盗賊へ体当たりする。
「ぐあっ!? てめぇ、邪魔だぁ!」
ナルメアへの攻撃は間一髪阻止できたが、今度はユーマが危ない。
盗賊に振り払われ尻もちをついたユーマに、盗賊の怒りで殺意のこもった視線がユーマに向けられ、振り下ろされた剣先が迫る。
「ひぇっ!?」
(やば、死ぬ)
その時、ユーマは本気で死を覚悟した。
「お姉ちゃん!」
「……ッッ!」
しかし、ユーマが盗賊にタックルしていた間にフェニムが弾き飛ばされた刀を拾いナルメアに投げる。
それを受け取ったナルメアは、いつものように胡蝶を飛散させ姿を消すと、次の瞬間には盗賊とユーマの間に滑り込むように姿を現した。
キィィン……!
盗賊の剣をナルメアの刀が受け流す。
そのままカウンターで盗賊を斬り飛ばしていた。
「ぎゃひ……!」
その盗賊が倒れ込む頃には既にナルメアの姿はユーマの前から消え失せており、少し離れた位置にいた最後の盗賊の悲鳴だけがユーマの耳に届いたのだった。
「ユーマちゃん! 大丈夫!? ケガしてない? ご、ごめんなさい、お姉さんが……うっ、うう……。ごめんなさい、ごめんなさい……」
大慌てでナルメアが駆け寄り、まだ尻もちをついたままのユーマに抱きついて懺悔の言葉を繰り返す。
ユーマはユーマで、明確に目の当たりにした死という概念に心臓が破裂しそうなほど激しく脈動し、ナルメアの事を気遣う余裕が持てないでいた。
「お兄ちゃん、無茶しすぎだよぉー! ああいう時は、せめて私の力を使って!」
フェニムもユーマに抱きつくと、涙声で首筋に顔を埋めて身体を震わせる。
「あ、あぁ……そうだな。悪い」
女の子2人に抱きつかれ少し冷静さを取り戻したユーマは、どこまでも蒼い空を見上げて生を実感しながら、2人の頭に手を添えて撫でた。
──────────
隊商を無事に目的地に送り届けた後、かなり纏まった報酬を受け取る。
本来ならそのまま日帰りで元の街へとトンボ帰りする予定であったが、この街で一泊することにした。
道中はなんとか仕事をこなしていたナルメアが、隊商と別れた直後からユーマに抱きついたまま離れようとしないからだ。
そしてそれはフェニムも同様で、ユーマはナルメアとフェニムの2人を両腕で抱きかかえたまま、宿のベッドの上に座っている。
(どうしよう)
何か話しかけた方が良いとは思っていても、何と話しかけたら良いのかユーマは図りかねていた。
盗賊の前で立ち止まって隙を見せた事を慰める?
ナルメアのピンチだったとは言え、戦闘経験もないユーマが無謀にも立ち向かった事を謝る?
それとも、あれ程までに悲痛な叫びを上げた十天衆との事について尋ねる?
そのどれもがすべきであるような気もするし、逆にすべきではない気もする。
困り果てたユーマは、ただ無言で2人を抱きしめ続けた。
3人とも無言のまま、どれくらい過ごしただろう。
時計のない部屋で抱き合っていると、おもむろにフェニムが顔を上げた。
「ふぅ〜……お兄ちゃん成分満タン♥ 私、下で何か食べるもの貰ってくるね」
あっさりとユーマの身体から離れると、そう言い残して部屋を後にした。
フェニムがいなくなり、部屋にはユーマとナルメアの二人きりになる。
「……ごめんね、ユーマちゃん」
それを見計らっていたのか、ぽつりとナルメアがこぼす。
「それは……もういいよ」
「うん……ありがと」
頭を撫でると、ようやくナルメアは顔を上げる。
それから、ナルメアはぽつりぽつりと十天衆オクトーとの事を語った。
曰く、件のオクトーとは遠い親戚であり、ナルメアの幼少期に実家の道場に居候していた時期があるらしい。
純粋に強さを求め、日々の殆どを修行に費やす。そんなオクトー……本名はザンバと言うらしいが、オクトーで通す。
とにかく、そんなオクトーの強さとストイックな精神性に憧れたナルメアは彼を追うように修行に明け暮れたそうだ。
「『彼』はね、私がどれだけ刀を振るっても、どれだけ腕を磨いても、私には興味を示さなかった。私が弱いから……」
「……」
ユーマはナルメアの独白を無言で聞き続ける。
「名前も呼んでくれなかったし、頭だって撫でてはくれなかった……」
強くなればいつか、オクトーが認めてくれる。名前を呼んでくれる。
そんな想いを胸に、彼女は今日まで刀を振るい続けてきたのだ。
「だから、君が私の事を凄いって本気で言ってくれた時、本当に嬉しかったし……心が楽になったの」
ナルメアは寄り添いながら上目遣いでユーマの目を見つめる。
自分を見つめるその瞳を見ながら、ユーマはとても不愉快な感情に支配されていた。
ナルメアの視線が──ではなく、ナルメアの心に占めるオクトーへ対する感情の大きさにだ。
『フェニム』
ユーマは脳内でフェニムに呼びかける。
『なぁに? お食事だけど、手軽にサンドイッチでいいかな? それともお肉の方がいい?』
『いや、食事は後でいい。しばらく部屋に戻ってこないか、こっそり俺の中に戻っていてくれ』
『えっ……? あ、うん。わかったよ。……ふふっ、ナルメアお姉ちゃんとお話できたんだね♥』
『あぁ、じゃあ、頼む』
フェニムはユーマの頼みを理由も聞かずに受け入れる。
というか、そもそも部屋を出たのはユーマとナルメアを2人きりにしようと気を使ったからだろう。出来る妹だ。
「ユーマちゃん……?」
難しい顔をして沈黙するユーマを不安げに見つめる。
「ナルメア」
「ふぁっ!? は、はい……!」
呼び捨てにされ、ナルメアの心臓がドクンと跳ねる。
「これからは俺が名前を呼んでやる。俺が頭を撫でてやる。だから……だから、その……忘れろとは言わないが、オクトーとの事をそんなに拘るな」
ナルメアのオクトーへの感情は、決して恋心だとかそういうモノでは無かったのだろう。
だが、それでもナルメアの意識の、人生の大部分をオクトーに対する想いが支配しているのは確かだった。
それはユーマにとって愉快ではない。看過できない。
一瞬、フェニムの力でオクトーに関する記憶を消すだとか、オクトーをユーマに置き換えるとかいった考えが生まれる。
だが、ユーマはそれよりももっと肉欲的な解決方法を取ることにした。
「ユーマちゃん、ひょっとして……嫉妬、してくれてるの?」
「む……そ、それは……うん、そうだな。だから──」
「だから……? ──きゃっ」
抱きかかえていたナルメアをベッドに押し倒す。
「他のヤツの事なんかどうでも良くなるくらい、ナルメアを俺に夢中にさせてやる……!」
「ユーマちゃん……♥」
(ユーマちゃんが私を見てる♥ こんなにも一生懸命な瞳で、私を求めてくれてる♥ あぁ、ユーマちゃん♥ 好き♥ 好きぃ♥ お姉さんの全部、奪って♥ ユーマちゃんに夢中にさせて♥)
「ナルメア……!」
「ユーマちゃ……んむうぅっ♥」
まず、ユーマはナルメアの唇を強引に奪った。