出会い奏でるプレリュード
「ね、隊長……うち、今回の任務気が進まないんだけど……」
「バグパイプ。私も思わないことが無いわけではない……けれどもこれは、ドクターの指示。私たちに異論を唱えることは許されないわ」
のんびりとした牧歌的な風景。放牧された家畜たちがむしゃむしゃと草を食む姿は癒されるが……自分の気が晴れるわけではない。肩に掛かる頼れる破城矛の重みすらも、今ばかりは煩わしい……気が進まない。ロドスを疑うわけではないが……一刻も早く、目標を達成しなければ。
「隊長は何とも思わないんだべっ!? うちらに、立ち止まる暇なんて無いのにッ!」
「ドクターがそう判断したんだもの。きっと……深い理由があるに違いないわ」
「……今の間は何だべ?」
「あの奇行さえなければ……! あの奇行さえなければもっと確信を得られたのに!」
「まただべか。今度は何見たの」
どうやら指示を受けた際に、またも珍奇な行動を目撃してしまったらしい。ドクターは非常に優秀で、常に的確な判断をする理想の指揮官なのだが……その言動は謎に包まれ過ぎていて自分たちの理解を拒む。貪り食う偏食を通り越した異次元な食材、マルベリーに装着され続ける安産祈願のお守り……きっとまたヘンテコな物を見せられながら指示されたのだろう。
「…………言いたくない」
「そうだべか……」
ここで聞きだそうと試みてはいけない。何故ならば……自分が聞かれた時に答えなければならなくなるから。身に染みるほどよくわかっているのだ……説明するのがつらい。目撃するだけでダメージを喰らう物を、一回では理解してもらえないため何度も説明しなければならない過酷さ。まだ前衛学校での対尋問訓練の方がマシである。
「ねぇバグパイプ。ドクターって……何なのかしら」
「うちのモチベーションをさらに下げに掛かるの、やめてくれねぇべか」
「ごめんなさい……見えてきたわね」
「立派なお屋敷だべなぁ!」
意図的に声を張り上げる。ちょっとボヤいただけなのに隊長の目が死んでしまわれた。しょんぼりぴこぴこする耳を見上げつつ、目の前に現れた白亜の豪邸を見やる。お金とは、あるところにあるのだ……ましてやヴィクトリアの貴族ならなおさら。ヒロック郡とはだいぶ離れた、飛び地に存在する辺境領主の屋敷。
「ほらほら隊長。しゃんとするべ……ファーストインプレッションが肝心だべ」
「そ、そうね。大事な任務だものね……ヴィクトリア軍人として恥じぬ姿を見せなくては。いい? 3、2、1で突入するわよ」
「普通に呼び鈴鳴らすべ……ごめんくださーい。ロドスより参りましたオペレーターのバグパイプ及びホルンと申します。領主様にお目通りを願いたく」
『お入りください』
まだ動揺しているためか、大盾を構えて突入態勢を取る上司。放っておくとそのままスムーズに任務失敗が確定するため、ここは自分が頑張らなくては。装飾は豪勢だが簡素なつくりのボタンを鳴らして、身分証を見せながら自己紹介。そう……今の自分はもうヴィクトリア軍のバグパイプではないのだ。
「さ、隊長。お貴族様のマナーはうちわからねぇから、後は任せたべ」
「私だってもう、あんまり覚えてないわよ……ディナーより行動食の方に慣れてしまったわ」
「隊長ならできるべ」
「無垢な信頼の視線が重い……! はぁ、歌でも歌ってくれない? 心が落ち着くヤツがいいわ」
「任せるべ。じゃあドクターから教わったヤツを」
「やめて」
軽口を叩けるのも今だけである……今のうちに、叩けるだけ叩いておこう。兵士とは下手な歌をがなりたて、くだらないジョークで場を沸かせる腕が重要だ。……例え次の瞬間には、隣に誰も居なくなっていようとも。破城矛を握る手についつい力が籠る。
「……私はここに居るわ。あなたの側に。そしてこれからも……突っ走りがちで馬鹿な部下を放っておけないから、わざわざ生き残ってあげたんだから」
「帰ったら、隊長のおごりで豪華なディナーといくべ。いい感じのBGM付きで」
「せっかくイイこと言ってあげたのに!」
さぁ、大きな扉を開いてヴィクトリアの軍楽を奏でよう。お貴族様なのだ、オーケストラは好きに違い無い……チェロもオーボエもトライアングルも無いたった二人のデュオだけれども。
「ヴィクトリアのバグパイプ! 破城矛と共にッ!」
「様子がおかしいと思ったら、実はビビってたのね!? す、すいませんゼメンホフ閣下! 躾けのなってない部下が!」
「……元気な方たちですねぇ。ロドスのオペレーターの皆さんは、みんなこうなのでしょうか」
扉を開けて見得を切ると、影のように佇むロマンスグレーな執事と俯きがちの背が高いメイド。そして……ソファーにゆったりと腰かけて目をぱちくりさせるあどけない少年。この辺境領を納める領主……今回の我らが護衛対象たるお貴族様は、一般的な大貴族のイメージよりもだいぶちっちゃかった。
◇◇◇◇◇
「大貴族様って聞いてたから緊張してたけど……とっつきやすいお方で安心したべ」
「私は心臓が止まるかと思ったわよ……ゼメンホフ閣下の心が狭かったらヤバかったわ」
「あんないたいけな美少年の命を狙うなんて……許せねぇべ!」
「お願いだから私の話を聞いて?」
うがぁと気勢を上げるバグパイプ。意気軒高で結構なことだ……その元気が、あの少年の前でも発揮できていればもっと良かったのだけれど。人懐っこい彼女でも、本物の大貴族を前にしては緊張したのだろう………与えられたゲストルームで、その醜態を思い出す。
『僕の名は、アステル。アステル・ゼメンホフと言います。見た通りの若輩者ですので、砕けた口調で結構ですよ』
『いえ! ヴィクトリア公民の端くれとして、そのようなことは!』
『……ホルンさん。彼女は二重人格の気でも? とても先ほど、扉を蹴り破ってきた方と同一人物とは思えませんが』
『すいませんすいません……バグパイプ! 落ち着いて深呼吸しなさい!』
『ひっひっふー』
『……産むんですか?』
切り替えが済んで敬語が使えていたのはまだ良かった……だが、戦場での凛々しい彼女はどこかに破城矛で緊急脱出を果たしたようだ。ばしゃばしゃと水面を激震させるティーカップは上等なテーブルクロスを濡らし。テーブルの下の脚は凄まじい勢いでタップダンスを踊っていた。
『落ち着きなさい!』
『ひぎぃィィィッ! 隊長ッ! 起きてるッ! うち起きてるからぁッ!』
なので軍隊式気付け法。小指を掴んでぐりっと捻る……この作法は、私たちに勇気と意識の覚醒を促す。あと死ぬほど痛い……暴れ回るバグパイプを奏でていると、呆れたような目をした少年と目が合う。いかん、パワハラの疑いを掛けられてしまう……!
『仲がいいんですね。僕はほら、こういう立場ですから……あまり友達と気軽に遊べなくて。少々羨ましく思います』
『マゾなんだべ?』
『バグパイプッ!』
『ひぎゃァァァッ!!』
『は、ははっ……』
可愛い部下の捻り上げた小指の爪先に刺す、具合のイイ串を探す自分。それを見て引き攣った笑みを浮かべる、少年を観察してみる……特徴的な角がアッシュブロンドから突き出しているところを見るに、種族はヴィーヴル。それについては事前情報通り……だが、年齢に比して落ち着き過ぎている。何も知らぬご令嬢だった頃の、自分とは比べ物にならない。
『閣下。失礼ですがお年は?』
『成人の儀まで、五年といったところです』
『隊長! ギブギブッ! うちの指折れちゃうッ!』
『ヴィーヴルの指がこれぐらいで折れるもんですか。あなた爆弾抱え込んでもイけるって抜かしてたじゃない』
『あの……僕にはやめてくださいね、それ。普通のヴィーヴルなら折れますよ』
くるんとしっぽが丸まる……びったんびったん椅子を叩くバグパイプの物よりも、だいぶ太い。雌雄の差や個人差が激しいため断定はできないが……五年後には逞しい体躯を手に入れるだろう。ループスも足が大きいほど、背が伸びやすい。種族ごとに期待が持てる兆候というものがあるのだ。
『ご安心ください、閣下。必要でない限りは決して』
『必要ならやるのッ!?』
『隊長ならやるよぅ……。ヴィーヴルじゃなくても容赦ないべこの人』
『敬語』
『あぎゃぁッ! かしこまってござるぅぅぅぎィッ!』
胆力もなかなか、だが指折りをされる覚悟は無いようだ……年相応に跳ねあがったテノールに、少々安心する。あと少々言葉遣いが悪かったので指と一緒に矯正してやる……極東訛りが出た。人懐っこい彼女は、自分と離れている間に友達を増やしていたのだろう……特に意味は無いが、捻りを加えてから解放する。
『では、部下がお利口さんになったところで。今回の任務について、確認させていただきたく』
『う、うん……ディグ。説明を』
『かしこまりました。執事長のディガーナと申します。事の発端は、先代様がお隠れになったところから始まります……』
少年に促され、無念そうに拳を握り締めて語り始めるロマンスグレー。好みとは違うが、なかなかに渋い毛並みをしている……同族が仕えていることに、少々安心する。わりと気難しいところのあるループスが、長年仕えるということはこの家はだいぶ優良物件と見た。
『当家は宮廷の覚えも良い、名家であります。それでも辺境を預かる性質上、他家からの干渉はあまり無かったのですが……』
『摂政王が干渉を始めてから、雲行きが怪しくなった……ですか』
『仰る通り。ここよりは離れておりますが……先般のヒロック郡の軍事演習。さらにロンディニウムの不審な動向……あれらについても、謎の勢力が動いていたとの噂も』
『それはッ!』
『バグパイプ』
『……はい、隊長』
執事の言葉に、バグパイプが反応するが……指を掴むと大人しくなる。しっぽが機嫌を取るようになついてくるのがちょっとかわいい。……ロドスに救出されるまで、カニさんを話相手にしていた私が一番ムカついているのだ。下水道はやたらに臭かった……食えもしないハガネガニに齧りつきながら生き残った、このホルンの憎しみは深い。
『オリジムシに手を出さずに済んだのは幸いでした』
『……オリジムシ?』
『ああいえ、こちらのことです』
危うく、ドクターと同じところまで堕ちるところであった……偵察の結果戦力比が思わしくなかったのと……情けなくも、私の容態が芳しくなかったため見送られたが。ロンディニウムに攻め込むための準備は着々と進んでいる……らしい。今は地固めの時期。そのために、私たちはここに居るのだ。
『いくら当家に優秀な兵士が居るとはいえ……専門の暗殺者などには分が悪い。そして社交の場に姿を見せなくては、臆病のそしりを免れ得ぬでしょう』
『ヴィクトリア貴族は舐められたら終わり……そういうことですね?』
『ええ。ティーカップを優雅に傾けつつスコーンを握った手で愚か者を殴打する。それが真のエレガンスと言う物です』
『お貴族様こええべ……怖いでございます。隊長』
『よろしい』
ロドスに好意的……少なくとも反感を持たない貴族に取り入るため私たちはここに居る。そして目の前の辺境伯様は、数多くの軍を束ねる辺境司令官である。……理想は積極的な協力。最低でも、敵対しないスタンスで居てもらわなければならない。この身に掛かる重責に心が弾むしバグパイプの指は曲がる。
『どうやら貴女は、貴族というものに対してご理解が深いようだ……そうそう、とある貴族のご令嬢が軍に所属したという話を聞きましたが……貴女はロドスのオペレーター。人違いでしょうな』
『ええ、この身は戦場の調べを演奏するただ一つの楽器なれば。極上の調べを若様の耳に運びましょう。もう一つの楽器と共に』
『いや、僕はそういうのを聞かないために君たちの派遣を依頼したのだけれど』
『何を仰います若様。必要に応じて愚か者の悲鳴でオーケストラを奏でるのも、貴族の義務。家訓にもあります』
『僕、どうしてこの家に産まれちゃったんだろう……ごめんディグ。頼むからそのナイフをしまってくれ』
ゼメンホフ辺境伯軍に弱兵なし。聞いたことはあったが、執事まで覚悟が違う……幼い心にトラウマと自覚を刻み込むためならば、己の命すら即座に捨てる。老いたりとは言え六つに割れた腹筋から血飛沫が上がるのは、少年の賢明な判断により避けられた。
『若様をお頼み申し上げます、ロドスの方々。私も年を取った……アーツの腕も衰えました。一個小隊にでも包囲されれば、若様が傷物になるのは避けられぬでしょう』
『ディグさん、半端ないでございますたい』
『勲章を身に着けておられないのが残念ね』
この執事、だいぶ血と硝煙の匂いが染みついている。若かりし頃は、名のある下士官であったに違いあるまい……喉の奥から漏れる唸りは、主の命だけは下賤の者には決してやらぬという自負の響き。素晴らしいスリーマンセルが組めそうだ。さすがドクター、見る目がある……!
『では契約の確認を。ロドスはオペレーター『バグパイプ』と『ホルン』を派遣し若様の御身を半年の間、如何なる脅威からも守る』
『その対価として、ゼメンホフ辺境伯家は領内の通行許可と停泊場所。さらには物資の供与を約束し……成果に応じ、
『相違ありませんな。何……中央のなまっちょろい弱兵どもなど、少しばかり吼えてやればしっぽを巻くことでしょうなぁ』
『その勇敢なる雄たけびを期待しております、古き狼よ』
『お嬢さんに恥ずかしい姿を見せられませんからな』
『二人とも、目が笑ってねぇべ……無いでございます』
『ディグと正面からガンを着けあう女の人、僕初めて見ましたよ』
さぁ、仕事を始めよう。がっちりと握った手に感じる、長物を扱う者特有のタコの感触が頼もしい。必ずやこの任務を完遂し、我がかわいい部下どもを愛しのコンサートホールから退場させた憎きクソどもの悲鳴を……とびっきりの
「天国で見てなさい、貴女たち。ロンディニウムの城壁にバグパイプのぶっといのをおっ勃ててやるわ」
「隊長、ちょっと変わったべな……ヴィクトリアスラングの滑りがいいべ」
「特にあの雌猫は許さないわ……念入りに悲鳴を上げれなくなるまで擦り潰してやる」
「隊長、隊長……いくら相討ちだったからって、そこまでキレねぇでも」
わかっていない、コイツはとってもわかっていない……あの石くれに包まれたフェリーンには、ヒロック郡でもロンディニウムでも大層手を焼かされたのだ。ヒステリックな叫び声と共に飛来する尖った石。あの時砲さえあれば、トドメを刺せたものを……!
「コイツで砲撃を叩き込む日が楽しみだわ」
「アンカーを床に撃ちこむのはやめてけろ。怒られるし、隊長まだ本調子じゃねぇべ」
「あら、ごめんなさい」
ロドスで強化された、オペレーターとして働くための専用装備。とても重厚で頼もしいのだが、制式装備より些か重い。弾薬を積み過ぎたかもしれない……ふらつくこの身を、部下に支えられるのは情けない。リハビリに励んだ三か月では足りなかったようだ。この半年の間に、少しでも勘を取り戻さなければ……!
「隊長、わかってると思うけど社交界にそれは持ちこめねぇべ」
「当たり前でしょ。ちゃんとヴァルカンに頼み込んで、業物を拵えてもらったわよ。ほら」
「鎧を突き通すためのフォルムをしてるべ……この鎧下っぽいのは?」
「ブレミシャインの新作よ。至近距離のボウガンも数発耐えるらしいわ」
「工房に入り浸ってると思ったら……」
ごとりと取り出したる、身幅が狭く先端が尖った鋼鉄の塊。要所要所が強化された頼れる重厚なスーツ。それは、夜会服が背中丸出しだったため日の目を見ることは無かった……社交界から離れ過ぎたツケを、私は無念の涙と共に思い知ったのだった。イブニングドレス、超すうすうするんだけど。
◇◇◇◇◇
「ディグ。彼女たちの様子は?」
「実によろしいですな。必ず壁を背にする習性に加え、あの獲物を狙う鷹の目つき。声を掛けようとした若人たちが、ションベンを漏らしかけておりましたぞ」
「うわぁ……ディグが気に入るって、相当歴戦でしょ。困ったなぁ、
「あっ……♡ わ、私。彼女たちの前に顔を出さないように言われてたから……♡」
「若様。お盛んなのはよろしいですが……あまり夜更かしはなさらないように。寝る子は育つと、昔から言われております」
「わかってるよ、ディグ……躾けが終わったら、すぐに寝るさ」
目の前でスカートの裾を掴み、微かに震える彼女を見る。その灰色の髪が震えるさまに感じる満足感は……自分が、血と狂乱とそして肉欲に飢え続ける、ゼメンホフの血を色濃く引く証左であるのだろう。頼れる執事が部屋を出て、密やかに息を吐く……僕が最初に堕としたおんな。
「さ、見せてくれるかな? 二人の前で感じちゃった、君のはしたなさを」
「はい……♡」
「びしょびしょだね。しっぽもそんなに振っちゃって……そんなに僕に見られるのが嬉しい?」
「うれしぃ、ですぅ……♡ はぅぅんっ♡」
古式ゆかしいロングスカートを捲り上げる彼女。とたんにぶんぶんと自己主張を始める、太いしっぽと……その無毛の膣穴にぐっぽり♡ とハマりこむバイブレーター。スイッチの目盛りをかちかちと上げると、唸りを上げるそれに合わせてがくがくと震える膝。だが、スカートの裾は決して離さない……その自覚ある行いに満足する。
「彼女たちも、君みたいにしてあげないといけないね? 我が家の従順なる、かわいくてえっちなメイドさんに」
「ご主人様なら、絶対できます……♡ 私をもう何も考えなくていい、ただの従者にしてくれたように♡」
「そうだね、君はもう誰も導けない……僕に従順に従うのだけが仕事だ。そうだね? ジル」
「ああっ……♡」
彼女を堕とすのは、ひどく簡単だった。もとより、ロドスに居づらかったところもあったのだろう。その頑なな心の氷は、我が領地にて少しずつほころんでいき……この身が与える快楽で他愛なく解けていった。陛下の言うとおりに、全てはうまく進んでいった。
「さぁ、奉仕しておくれ。君の熱を、僕に伝えてくれ」
「はい♡ ちゅっ……♡ ご主人様のおちんぽ様、私のくちびるよりも熱い……♡ はむちゅっ♡ んふーっ♡ んふーっ♡」
最初に奉仕させたときは、戸惑っていたようだが……その艶やかなくちびるは、遅滞なく捧げられるようになった。見上げてくる瞳の奥に宿る、情欲の焔。ぼうと燃え上がった瞬間に、咥え込まれる亀頭。ほっかほかの口内の感触を楽しんでいると、じぃぃと見上げてくる視線すらも熱い。
「おねだりかい? 君は本当に欲張りだ」
「んむっ♡ んん゛っ♡ くぽっ♡ くぽくぽっ♡ じゅっ♡ じゅぞっ♡」
「わかってるさ。もっと掻いてあげるよ」
「んっむぅ゛ぅ゛ッ♡ じゅぽっ♡ じゅぽぽぽ……ぽんっ♡ ちゅっ♡ ちゅっちゅっ……♡ はぁむっ♡」
よしよしと撫でると、アホ毛がぴこぴこと揺れて。ぶんぶんと振るしっぽの速度も加速する。彼女はおくち奉仕が大好きなのだ……亀頭を悦ばせる浅いフェラが、かりかりと掻くと深度を増す。吸い立てながら鼻の下を伸ばして、間抜け面を見せてくれる大サービス。さらにチンキスをして再度咥えてわくわくと見上げてくる、彼女のおねだりに答えよう。
「ははっ。かわいいよ、ジル……ご褒美をあげるから、しっかり咥え込むといい」
「んごっ♡ んぐぐっ……♡ んぶぉっ♡」
「よし、これで噛まないね? そらッ!」
「むごぉ゛っ~~~~っ♡♡♡♡♡」
びくびくびくんっ! とその清楚なメイド服に包まれた身が跳ねる。当たり前といえば、当たり前だろう……灰髪の下に隠された、折れた角の断面。丸出しの神経に、爪を差し込まれているのだから。喉奥まで咥え込んでいなければ、噛み千切られる恐れすらある……床にションベンをじょろじょろと零すほどに、凄まじい痛みと悦楽を得てしまうらしい。
「いいよジルッ! もっともっと、僕を悦ばせてくれ! 代わりに、失った君の尊厳を嬲ってあげよう!」
「むごぉ゛っ♡ ずぬるるる……♡ ぐむぶぉ゛っ♡ ずぬるるる……♡ おぶぉ゛っ♡ んごぉ゛っ♡ ぐもぐもぉ゛~~~ッブッ♡♡♡♡♡」
「射精すよ、ジル……! たっぷり飲め!」
「んごぉぶぉ゛っ♡ …………♡ …………♡」
「ふぅ……まだ溢れさせるほどには出せないか。僕もまだまだ子供だな」
びくびくと収縮する喉奥の感触を楽しみながら、どくどくと流し込むリズムに合わせて爪でがりがりと角掻きアクメを味あわせてやる。鼻梁が押しつぶされて間抜けな面になったメイドの腕が、尻を掴んで離さない。射精が終わり角を離してやると、ぱっと手が離されてそっと金玉を労わるようにやわやわと細い指で揉み解される。
「ずぬるるるっ……♡ あ~っ♡」
「ふふ、飲んでいいよ」
「もぎゅっ♡ もぎゅもぎゅっ♡ がらがらがらぁ~~~っ♡ ごっ……くんっ♡ あーん♡」
残り汁までしっかりと搾り出せたことを誇らしげに報告する、口内のザーメンプール。舌が物欲しげに水面を叩くので、許可を出してやる。大喜びで噛みしめて、上を向いてうがいをして飲み込んで。全部飲みましたと、赤い口内を見せつけてくる彼女はまだまだご褒美が欲しいようだ。
「じゃあ、今度は一日中お利口に咥え込んでたそこをかわいがってあげよう。ほら、おねだりは?」
「うんっ♡ キミに見せてあげるね、私のえっちなおねだり……♡ きゃひぃんっ♡」
「ご主人様、だろ? お仕置きまでされたがるなんて、本当に度し難い」
「ごめんなさい……♡ おしりが寂しくってぇ♡ ご主人様の手形がついてないと、落ち着かないの……♡ んっ♡ ふぅぅっ♡」
今日はお客様が居たので、その真っ白なケツ肉を叩いてやれなかった……まったく、少々マゾに躾け過ぎたかもしれない。バシンと一度叩いて満足させてやり、我が身を跨いで困難に挑む彼女を下から見守る。さてさて、今日はちゃんと出来るだろうか……メイドの手は、ご主人様に淫らな肉孔を魅せるためのもの。
そう定めた規律を従順に守り、ベッドに寝転がる僕の頭上でくいくいと腰を振るう彼女。手を使ってはいけないので、そのがに股に開いた腰の動きは激しくしないとならないのだが……がっちりとハマったバイブを抜くには、そのおまんこダンスは少々大人しすぎる。スカートで見えないが多分、顔はニヤけているのだろう。
「ジル。早く抜かないとまたお仕置きだよ? また、眠れない夜を過ごすハメになる」
「はぁぁっ……♡ んきゅっ♡ うンッ♡」
「ほら、おしり叩いてあげるから頑張って?」
「きゃひぃンッ♡ はぁいっ♡ ふぅっ♡ あはっ♡」
応援するたびに、ぷしぷしと隙間から弾ける潮。がくがくと震えるニーソックスに包まれた脚が、さらに動きを鈍くしていく。ばしばしとケツ肉を叩いてやると、びくぅんっ♡ と膝が僅かに伸びるが……悦び悶えるその動きは、一過性の物。僕の手を疲れさせるのに熱心な、マゾメイドは今日もおねだりを失敗した。
「残念だよジル、君は本当に何も出来ないなッ……!」
「はひぃぃ゛ンッ♡ ふぬぉ゛ッ♡ お゛っお゛っ……♡ お゛ォ゛ンッ♡♡♡」
だから罵ってやりながら、バイブに手を掛けてゆっくりと引き抜いてやる。ぐちゅりと淫音が鳴るたびに、がくがくがくっ! と高度を下げるマゾまんこ。ご主人様の顔面に淫水をブッ掛けることにためらいの無い、彼女にムカつき一気に引き抜いてやる。
「まったく……僕のより一回り小さいのに。どれだけ食いしばってたんだい? この無能」
「ひゃわぁっ♡」
「君は僕が世話してやらないと駄目だ。一人じゃ何もできない、要介護のマゾペット。メイドの癖に、主人を煩わせるカス……満足したかい?」
「はぁ゛ぁ゛ッ……♡ ヒィンっ♡ お世話っ♡ お世話して欲しいッ♡ 駄目な私を、逞しいおちんぽ様で躾けてぇっ♡」
僕の顔を潰さないよう、前に倒れたのは及第点だが……そこから先が良くない。ひくひく♡ とちんぽを欲しがるぽっかりまんこを晒して、手形まみれのケツを高々と掲げるハメ乞いバックの姿勢。奉仕するよりもお世話される方が得意な、依存性マゾ雌メイド。耳の上の角断面を嬲りながら非を問うてやると、自分の醜態を全肯定する。
「まったく……もうロドスに返却出来ないじゃないか。それとも、帰りたい? 君の意志を尊重しよう」
「やだっ♡ ロドスやだっ♡ 私の居場所は、ここ……♡ ダブリンにだって帰らないッ♡ 一生ご主人様に飼ってほしいっ♡」
「声が大きいよ? しょうがない子だ……彼女たちに聞こえたらどうするんだい。まぁ、君はもうドラコじゃなくて雌トカゲだから大丈夫かも……ねっ!」
「んのっ♡ んのぉ゛ッ♡ ジルは、雌トカゲですぅっ♡ 一生ご主人様に飼ってもらう、えっち専用メイドッ♡ うれしいっ♡ もっと突いてぇっ♡」
そのほっかほかに熱を持った肉孔をどすどすと突いてやると、とても元はこの国を治めていた種族とは思えない失墜した誇りを口から垂れ流す。とてもちんぽにクる……本当に陛下は最高のお方だ。臣下に対する下賜にも、決して手は抜かない。
「サブラに謝るといいっ! 君のような角折れトカゲ、彼らが見たらきっと同族だと認めてくれないよっ!」
「はひんっ♡ ごめんなさいっ♡ ジルが生きていていいのは、ここだけですぅっ♡ 恥じさらしな雑魚雌ペットは、お屋敷の中から決して出ませ……んぉ゛ぉ゛ッ♡♡♡」
「そうだっ! 君は僕が居ないと駄目だッ! 自覚を持って、安寧を享受するといい……!
「はぅ゛っ♡ あ゛っ♡ あぢゅいっ♡ ごしゅじんさまのねつっ♡ おなか、とけちゃっ……お゛~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡」
命じながら射精すると、ちゅぅちゅうと熱心に亀頭に吸い付く子宮口。がに股に開いた長い脚が爪先を伸ばし、高さを合わせる脚ピンアクメ。このメイドは、夜伽の際にその子宮に精子をコキ捨てさせるのだけは上手い。気分よくケツを握りながら、最後の一滴まで搾り出してやる。
「お疲れ様、ジル」
「はへぇっ♡ たくましいお射精、ありがとうございましたぁ……♡」
「ははっ、くたくただね。……でも夜は寝冷えするからね。いい抱き枕が欲しいな?」
「……はい♡ ご主人様……♡」
手を離してやると、その場に崩れ落ちてお礼を言ってくるが……許してやる気など毛頭ない。ゼメンホフの当主たる者、就寝時には枕が無いといけないのだ……熱狂と血に包まれていない時は、柔らかい女体で魂を暖めるべし。精通するまではよくわからなかったけれど……今はよくわかる。
「さぁ、寝ようか。君はどうせ寝られないだろうけど……でも、構わないよね?」
「はいっ♡ ご主人様にコキ使って頂けるのが、一番のしあわせ……♡ それがゼメンホフのメイドです♡ んっ……♡ はぁ゛ぉ゛っ♡」
「ははっ。かわいいよ、ジル……おやすみ」
騎乗位で男根を迎え入れるのも、うまくできないメイド。一気に腰を落としてしまいびくびくと震えるそのかわいらしさに満足しながら、そっと目を閉じる。今日もいい夢が見れそうだ……愛しいジル。『ジオルコフ』……もう何も考えなくていい葦。その温もりを感じながら、僕は夢の世界に堕ちていった。