※この作品はR-18です。

東方蟲蔵録   作:玉蹴り男

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第四十六話

現状残る敵戦力は、諏訪子、神奈子、レミリア、パチュリーだ。

彼女らに共通する問題は、その単純な強さである。

だが、その中でもレミリアとパチュリーは比較的簡単に対処出来る。

それは、それぞれに明確な弱点が存在する為だ。

 

まずパチュリー。

彼女は極めて厄介な能力を持っている。

豊富な知識量に裏打ちされた手札の多さ、そしてそれによる搦手の無効化は、単純な戦力が限られた俺にとっては最も厄介な相手だった。

だが、だからこそ俺は彼女対策にそれなりに頭と労力を費やしている。

まず、彼女は肉体的には普通の人間よりも余程脆弱だ。

喘息や病弱など、原作でも二次創作でも、そしてこの世界でも健康上の課題は度々聞き及んでいる。それなら対策としてそこを突くというのは自然な発想だろう。

そしてこの対処法は、同時にレミリアへの対処にも繋がる。

 

レミリアについてだが、彼女の弱点は言わずもがなだ。

吸血鬼なのだから、様々な事柄が彼女の弱点になり得る。

流水、十字架、ニンニク、銀の弾丸。

そして太陽。

この中で、既に彼女に対して有効な弱点をこのダンジョンにも仕掛けてある。

それはダンジョンの至る所に紛れ込ませているニンニクや十字架という嫌がらせのような代物であり、そして「空」という天井の設定だ。

現在は急激に膨張させた植物によって天井が全て覆われている為、彼女に太陽光は降りかかってこない。そしてその前までは、咲夜の持つ日傘やパチュリーの生成した日陰によってそれを凌いでいた。

だが、咲夜が既に催眠下に置かれ、更にパチュリーが無力化された状態で、瞬時に天井を覆う植物が全て取り除かれればどうなるだろう。

当然、殆ど防ぐ事なく全身で日光浴をする羽目になる筈だ。

 

ここで余談だが、現在俺達がいる場所は俺が手ずから作成した空間だ。

存在する設置物は全て俺がDPを消費して設定したものであり、その構造に至るまで俺の思うがままに弄ることの出来る所有物だ。

当然侵入者がいる状態で出来る事は限られており、物やモンスターを新しく設置すること等は出来ない。

だが、予め存在するものを弄ったりーー既に仕掛けられた魔理沙印のマジックアイテムを発動させたりといった芸当は、何の問題もなく可能である。

 

「ぽちっとな」

 

俺が操作した瞬間、この部屋に設置されている全ての大樹の根本が燃え上がった。

 

途端に空間が真っ赤に染め上げられ、それと同時に暗闇が晴れ渡る。

そして現れるのは、無数の天使や蟲ーーそれに囲まれるレミリア達侵入者の姿だ。彼女らは既にかなりの苦戦の最中のようで、身体中に多くの傷を拵えているのが見えた。

彼女達は激しく戦闘しながらも驚いたように周囲を見渡し、炎上する樹々を見てそれぞれ表情を変える。

その中で特に変わりようが大きかったのは、やはりレミリアだ。

彼女は燃え広がり続ける炎を見て、美しい芸術品を眺めるように恍惚とした表情を浮かべる。だが瞬く間の内に天井に生い茂る枝と葉まで火の手が回り始めたのを見て、その後迎える未来を予想したのか途端に血相を変えた。

そしてその直後、燃え落ちた樹々の隙間から漏れる光に身体を灼かれる。

 

「ーーァアアア!!?」

 

身体を炎上させて苦痛に叫ぶレミリアへ、パチュリーが慌てた様子で近付く。

そして何かしらの対策を打とうとし、直ぐに口を押さえて咳き込み始めた。ヒューヒューと息を吐く度に喘鳴を漏らし、苦しそうに身体を丸める。喘ぐように息を激しく吸い込み、それに従ってどんどん喉から出る喘鳴も強くなっていった。レミリアのサポートはおろか、自身の生命を保つ事で手一杯となっている。

これは単純に喘息発作だ。SABAなりステロイドなりで対処すればいいが、この世界にそんな便利なものはないだろう。お得意の魔法で対処するのかもしれないが、生憎とこれだけ隙を晒した時点で終了である。

 

「……ヒュー、あなたが、ゼェ、ぐ、ヒュー」

 

遠くから俺を見て何か言おうとしていたが、瞬時に近くまで接近した射命丸によって意識を刈り取られた。

ダラリと身体から力が抜け、落下して死なないように射命丸が彼女の身体を受け止める。

いくら卓越した魔法使いだとしても、密室での長時間の戦闘と燃焼による酸素の消費は脆弱な彼女の身体が許さない。更に気道過敏性の高い煤や粉塵を急激に吸い込めば、当然更なる体調の悪化は免れないだろう。

とは言え、精々僅かな時間でもパチュリーが周囲への意識を絶ってくれればそれだけで良かった。

 

「ガァああ!?ァアアァ、あ………」

 

別に喘息発作なんて起こさなくても、一瞬でもレミリアへのサポートが遅れればーーこのように、射命丸に付着した泥越しにレミリアへ催眠スプレーを吹き掛ける事くらい出来る。

炎上程度でレミリアをずっと足止め出来るなんて見くびってはいないが、必要だったのは僅かな隙だ。

レミリアの絶叫が止み、パチュリー同様身体から力が抜けた。身体中燃え上がらせながら、ふらふらと地面へ墜落していく。

ただ、吸血鬼ならその程度で死にはしないだろう。天使の一部に命じて暗がりへ退避だけさせておく。

 

ーーパチュリー、レミリア、撃破。

 

あと2人。

 

 

一連の動きで俺の存在が諏訪子と神奈子に完全に気が付かれてしまったがーーもう、それが問題となるような段階は越えた。

天使群、虎の子のデカブツ、元ダンジョンマスターの女、俺の蟲。これらの戦力に対して、諏訪子達は4人で対処した上で劣勢だったのだ。

そのうちの半数が陥落し、更に射命丸とアリス、そして魔理沙が戦闘に加わる事になる。

無駄に戦力を消耗しないよう気を付けたところで、最早正面から叩き潰す事が出来る戦力差となった。

 

ここから始まるのは、文字通りの蹂躙だ。

 

「お前ッ、殺した筈じゃーー」

 

最初にターゲットとなるのは、既に種を植えている諏訪子だ。

四方から襲い掛かるモンスターへ対処をしつつ、俺に向けて怒号を放ってくる。それと同時に何某かの精神汚染が俺へと放たれるが、残念ながらダンジョンマスターの俺にそんなものは効かない。

どんなゲームだって、ラスボスに即死や魅力といった状態異常は効かないだろう。まあ、そんな大仰な状態異常耐性はDPを相応に消費しなくてはならないが、逆に簡単なものならこいし対策の時点で権能を獲得している。

現に本来なら俺を呪い殺したかったのだろうが、ちょっと気分が悪くなって鼻血が出ただけだ。

 

「お"ぇ……射命丸、神奈子を抑えてろ」

「分かりました」

「くそっ、殺しても呪っても死なないなら…ーーがっ!??」

 

俺への更なる攻撃をしようと試みていた諏訪子が、背後から放たれたヤマメの弾幕に吹き飛ばされた。

神奈子が諏訪子のカバーに向かおうとするが、そこへ射命丸が弾幕を放ち妨害する。

射命丸は足止め役として非常に優秀だ。

極めて優れた機動力に、風という遠隔からの攻撃手段。神奈子も天候を操るという似た能力を持つ為、逆に風に特化した射命丸はその点において対処出来るーー或いは上回る事も可能かもしれない。

高耐久高火力の神奈子の相手をするにあたって、射命丸自身の攻撃力は多少心許無くはあるが、今そんなものは必要ない。

諏訪子を叩き潰す間、釘付けにして貰えればそれで構わないのだから。

 

「邪魔、するな!」

 

諏訪子は周囲に大量の岩石を生成し、それを接近しつつあるアリスの人形へ放った。

狙いはいい。有象無象の天使と違い、アリスの人形は小さな体躯で同等の妨害行為を行う事が出来る。その分残った隙間からヤマメや女天使達が攻撃を撃ち放題であり、今人形を引き剥がさなければそれだけで戦闘は終了していただろう。

だが、ここに居るのは当然それだけではない。

 

一手放って隙の生まれた諏訪子の身体が影に覆われた。

それは、上空から迫る巨大な人型によるものだ。堅牢な鎧の下に蠢く人間を覗かせた気持ち悪い外見の、天使軍団の最大戦力である。

デカブツは手に持った大槌を諏訪子へと振り下ろした。

諏訪子はそこから逃げようとするが、一瞬戸惑ったように身体をこわばらせる。これは、魔理沙同様に鬼人正邪が身体感覚を逆転させた為だ。当然神格である諏訪子には通用する時間なんて僅かだし、そもそもこのような極限状況でなければ掛かりすらしないだろう。

だが、その僅かな時間が諏訪子の退避を遅らせた。

 

「なーー」

 

グチャ、という鈍い音がした。

大槌が諏訪子の芯を捉え、彼女の子どものような小柄な身体が叩き潰される。

目で追えないくらいの速度で諏訪子は下方へと吹き飛ばされ、堆く積み上がった蟲の死体の山に突っ込んだ。

それだけで破片が俺の元まで噴き上がり、彼女に叩き込まれた衝撃の大きさが伝わってくる。流石は俺の遥か格上のダンジョンの最大戦力と言うべきか。

 

だが、これで完全な戦闘不能にはならないだろう。

現に、俺はーー俺自身の手で自分の首を渾身の力で締め上げていた。

 

「グッ……ぎぃ…!?」

 

成る程、これはーー諏訪子による祟りか。

心臓を抜き取っても生き返り、呪っても死なないなら、いっそ俺自身の手で自殺してしまえという発想だろう。

非常に面白い考え方だ。

とても陰湿で、祟り神としての彼女の在り方も伺える。

だが、残念ながらこの手法には根本的な落とし穴がある。

 

「ぁ、ぐぅ…糞、苦しいな」

 

それは、そもそも俺は自分の「攻撃力」のステータスを微塵も上げていないという点だ。

元ダンジョンマスターの女天使を見れば分かる通り、俺自身もDPを消費して強化する事が出来る。それは権能といった便利要素に加え、前述の通りゲームのようにステータスの強化も含まれる。

そこで俺は、「防御力」こそ鍛えど「攻撃力」なんて不必要なものにDPを全く割り振っていなかった。

当然こんな事態を想定していた訳でもなんでもないがーー結果として、俺はいくら自殺しようとしても自分で自分を殺すには力が足りていない。

 

「…なんだよ、それ…」

 

いとも容易く俺の手が正邪に引き剥がされるのを見て、蟲の山に埋もれる諏訪子が呆然と呟いた。

兎に角親玉を殺そうとする思考は非常に俺好みだが、残念ながら彼女は手段を間違えた。残機は一つしか購入していないから、単純に物理的に俺を再度殺してしまえば良かったのだ。ただ、どちらにせよ近くに備えている護衛に阻まれるだろうが。

血塗れになって倒れている彼女へ、天使の群れが殺到する。

それらに対し彼女は慌てて応戦しようとするがーーその瞬間、彼女は身体を大きくビクンと跳ね上がらせた。

 

「ーーっあ"!?」

 

彼女の履いているズボンで見えないが、今彼女の直腸へとワームを転送した。

第一層にて、こいしの皮を移植した試作の虫が肛門に侵入した際、そこで腸内に塗りたくった泥を利用した形だ。前回の催眠の時といいワンパターンだが、一瞬抵抗を奪う為ならまだ有用である。

反撃を受けなかった天使達が続々と諏訪子へと群がり、思い思いに彼女を蹂躙し始めた。

天使達の姿で俺からはよく見えないが、何度も響く殴打の音から察するに、おそらくそこでは原始的なリンチが行われているのだろう。

実際、催眠が効かない彼女にはそうするしかない。抵抗出来なくなるまで痛めつけるのだ。

 

「ぶっ、やめ、あッが、はァッ!?」

 

絶え間なく続く肉の音に紛れ、諏訪子の悲鳴が断続的に鳴り響く。

色々と試した後でだが、催眠出来ない彼女は最終的にモンスター化せざるを得ない可能性が高い。

その為にも、充分痛めつけた後で蜘蛛の糸による拘束を行う予定だ。そしてここまでくれば、彼女に割く戦力は一部の天使群と蜘蛛、そして万が一の為のヤマメだけでいい。

 

ーー諏訪子、撃破。

 

あと1人。

 

 

最後に残る神奈子は、性能が単純であるが故に対処に悩んだ。

彼女が居るが為に、俺はそもそも自前の戦力を用いての迎撃を一度諦めーーダンジョン戦争を利用する羽目になったと言ってもいい。

天を司るという訳の分からないスケールの能力に、文字通り信仰の柱である御柱、そしてそれらを扱うスペックの肉体だ。

今は時間稼ぎをしている為均衡を保っているが、彼女を鎮圧する為に攻撃を重ねるには、それだけの戦力の消耗と時間が必要となるだろう。

 

「ーー諏訪子まで……!…なあ、お前は本当に何なんだ」

「それ皆聞いてくるけど、もっとオリジナリティー出さないか?」

 

神奈子攻略の鍵は、特にない。

高耐久高火力への対処は、同じくこちらも高耐久高火力をぶつける事だけだ。

勿論空気中への毒の散布を始めとした搦手は第一層から絶えず行っているが、軒並み効果を見せる兆しがない。

流石軍神というだけあって、大きな危機への探知も優れているようだ。

そう、こうして彼女が俺の顔へと視線が釘付けになっているのも、この空間で俺が最も邪悪で大きな危機だと感じる為だろう。

 

「取り敢えず、お前が黒幕で違いないな」

 

神奈子は御柱を呼び出し、ノータイムで俺へと放ってきた。

本来なら神聖さと安らぎを感じるような木製のそれが、現実的な脅威と威圧感を伴って俺へ迫ってくる。

そしてそれが射命丸によって防がれるより前に、俺の背後から放たれた熱線が弾き飛ばした。

その下手人は、元ダンジョンマスターの女天使だ。流石に真っ先に敵ダンジョンへ乗り込んできただけあって、彼女自身がDPを消費して最大戦力と遜色無いまで強化されているようだ。

まあ、ダンジョンマスターの俺が殺されていた為、侵入者によってコアが破壊されてしまう前に慌てて乗り込んできたというのもあるのだろうが、正直最初にマスターが出てくるとは思っていなかった。

そのお陰で本当に彼女がダンジョンマスターか確かめる為に要らない時間を費やしてしまったため、少しばかり辛酸を舐めていたりする。

 

「チッ、取り巻きが多いね…!」

「うーん、あれ弾けるのか。どれだけDP消費してんだろ」

 

同様に辛酸を舐めた神奈子が、俺に向かって悪態をつく。

各種モンスターと催眠下の面子を相手にしながら、随分と余裕があるようだ。

それなら、まずその余裕を奪うところから始めよう。

俺は配下のモンスター達に指示を出し、前後左右から神奈子への攻撃を行わせる。

数えるのも馬鹿らしくなる程の弾幕が降り注ぎ、中心にいる神奈子へと集中した。

 

「ヅッ、クソ、多いな…!?」

 

ただ、それでも神奈子は簡単には崩れない。

天使群による攻撃はともかく、女天使による熱線や魔理沙のマスタースパークは彼女への致命傷になり得る筈だが、それらを的確に迎撃する事で生き永らえている。

その分身体には細かなダメージが蓄積され、火傷や打撲の痕が痛々しく肌に浮かび上がっているがーーそれでも倒れるような傷ではない。

むしろ合間合間で天使群やアリスの人形へと反撃を行なっており、じわじわと此方の戦力が削られてすらいる。

決してレミリアや諏訪子達が神奈子に大きく劣っている訳ではないが、やはり単純な相性の問題があるだろう。

だからこそ、今の俺にとっては彼女は敵とならない。

 

諏訪子を瀕死に追いやったデカブツ天使が、自身も仲間の攻撃に被弾しながら神奈子へと肉薄した。

高耐久、高火力。DPをたらふく注いで作られた肉弾特化の脳筋モンスターであり、正面から放たれた神奈子の御柱を喰らって仰け反りながらも、直ぐに体勢を立て直して突っ込んだ。

 

「なんッーー」

 

ドチャ、という、肉同士が潰れ合う嫌な音がした。

諏訪子のそれより硬質な音であったのは、それだけ神奈子の防御力が優れていたからか、それとも俺には見えなかったが更なる迎撃が間に合っていたのか。

ただ、どちらにせよ神奈子は盛大に吹き飛ばされ、進行方向にあった大量の天使の軍勢に大きな風穴をこじ開けた。

そのまま燃え上がり続ける樹々へと突っ込み、幾つかの大樹を薙ぎ倒して静止する。

 

「よし、砲撃よーい」

 

そこへ、俺の持つ全戦力で弾幕を放った。

煌びやかな光線と光弾が飛び交い、ここだけ映画でよくある電子空間の中のような光景になる。

非常に幻想的で見応えのある景色だが、全て俺が触れれば身体の欠損は免れない威力の攻撃だ。

それらが無防備に身体を樹へめり込ませた神奈子へと集中し、着弾と同時に色とりどりの爆発を炸裂させる。

 

殺してしまわないか心配になるが、おそらくは大丈夫だろう。

俺のダンジョンマスターとしての権能は、まだ彼女は侵入者として機能していると示しているしーーそもそも彼女の周りには、未だに新たな御柱が生成されている。

それらが周囲へと無作為に放たれ、反応出来なかった天使や蟲が消し炭となる。そして俺へと偶然飛来してきたものは、射命丸が俺を掴んで移動する事で回避した。

まだ元気があるとは驚愕の至りと言ったところだが、流石に苦し紛れの抵抗だろう。

そして既にデカブツが神奈子のもとへと辿り着いており、これでどう転んでも終劇だ。

 

「あ"、ア"、アアアアア!!?」

 

デカブツが神奈子の身体を大きな掌で握り締め、そのまま力を込めるのが見えた。

全身を圧迫された神奈子は、身体中から押し寄せる痛みに悲鳴を上げる。

だがそれだけでは彼女の抵抗を全て奪ったとは言えない。

デカブツは神奈子を握り締めたまま腕を振り上げ、そのまま勢いよく地面に叩きつけた。

 

「ーーーッぁ」

 

ガス、バキ、ドゴン。

工事現場のような重低音と共に、俺にいる場所にすら爆風が押し寄せてくる。

それらの衝撃が直接与えられているとなれば、そのダメージは言うに及ばずだ。

両手で数える程度音が鳴り響いた後に、デカブツは動きを止めた。

これは、神奈子が意識を落として無力化に成功したという事だ。

俺は射命丸に捕まったままそこへ近寄り、血と瓦礫に埋もれた神奈子の姿を確認する。見るも無惨な状態であるが、それだけ他に手が無かったという事だ。

だが、こうして鎮圧に成功した。

 

ーー神奈子、撃破。

 

 

これで全ての侵入者の撃退に成功した。

今からは事後処理の時間だ。

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