まあ、本番はしていないからセーフや。
「しかし、これで本当にうまくいくのか……?」
「解らん! だが人事を尽くして天命を待つという言葉がある!」
杏寿郎の提案に対してライザーは半信半疑だったが、それでもやるしかないと覚悟を決めた。
そして、レイヴェルもまた、自分のために行動してくれている二人の姿に胸が熱くなるのを感じながら見つめていた。彼の仕掛けた罠というのはテントに食べ物を用意し、その食糧に釣られた所を三人で強襲するという作戦だ。
「全く……酒まで用意していたなんて」
衛兵達の残していた中で凍結していない食糧を集める中レイヴェルが呆れたように言う。
「仕方があるまい。俺とてここまでの大事になっているとは考えもしなかった。締めるところは締めるべきだが、今回は大目に見てやろう」
「うむ! 正しく清濁合わせ呑むという奴だな!」
ともかく三人はテントの中に入り、そこに酒や食糧を置いて様子を見る。何せ不可視の相手であるから、こうして慎重にならざるを得ないのだ。そうしている間に時間は過ぎていく中、動きが起こる。
『ひゅおぉぉぉぉ』
「ッ!? 今の声は何ですの!?」
「恐らくヤツだろう! 行くぞ! レイヴェル! 杏寿郎!」
ライザーの指示に従い、二人は蠢くテントに対して攻撃を行う。
「ノヴァ・ライザー!」
「壱の型、不知火!」
「え、え〜と……! 喰らいなさい!」
業火球、炎斬撃、魔力弾が同時に放たれると、テントが吹き飛び炎上した。何やら皮が焦げ、魚とも獣ともつかぬ匂いが漂ってくる。
そして、焦げたテントが吹き飛ぶと怪物がその姿を表わす。原人の様な輪郭を持ち、人のような形をしているが手足には水かきがあり、目に当たる部分の窪みから緑色の光が漏れている。魚人の類でも魔獣の類にも見えるそれは明らかに異形だった。
「な、何だアレは!?」
ライザーの表情が強張る。無理もない、こんな生物がいるなど想像すらしていなかったからだ。慮外の存在にライザーは冷や汗を流し悪寒を覚える。
「何者だ! 貴様はぁ!!」
質問ではなく恫喝するかのように叫ぶライザー。しかし怪物は答えない。まるで雲の様に掴み所がなくあやふやな存在のように思えた。
「……どうやら、言葉は通じないようですね」
「ならば是非もない! 河童退治は初めてだがやれぬ事はないだろう!」臨戦態勢に入る二人に対し、怪物は構えをとる事もなく立ち尽くすだけだった。その態度にライザーは苛立つ。
「舐めているのか? それとも恐れをなしているのか?何だか解らんが喰らえッ!」
先手必勝とばかりにライザーは炎を翼から放つ。しかし怪物はヒュン、と一行の間を通り過ぎる。
それだけの行動であったのに、ライザーの翼と片腕が凍りついていた。杏寿郎に至っては片目が開かない状態になっている。
「ぐぅっ!?」
「うおっ!? これは一体……」
『ひゅおぉぉぉぉ』
怪物の鳴き声と共にライザーと杏寿郎の腕の氷結が進む。再び一行の間を通り抜けようとゆらり、と動いた瞬間、怪物の姿が消えた。今度は通り抜けるのではなく走り抜けた。その速度は凄まじいものでハリケーンじみた風圧が巻き起こった。
「きゃあっ!?」
「ぬうっ!?」
煉獄は怪物から生じた暴風波から、レイヴェルを咄嗟に庇い立てるが衝撃までは殺せず大きく後退させられる。
「こいつ……!」
『ひゅおぉぉぉ』
怒りの形相で睨むライザーだったが、怪物は全く気にしていない様子で佇んでいる。
(なんということだ。奴からすれば今の行動は攻撃ですらないのか!)
ライザーの心に霜が降ったのは寒さばかりのせいではないだろう。彼は数々のレーティング・ゲームを指揮官としても戦士としても勝ち抜いた猛者である。その経験から導き出された結論は目の前の存在は格が違うという事だ。
「どうやら、アレは俺達が思っていた以上にとんでもない化け物らしいな……。レイヴェル、お前だけでも逃げろ」
「そんなことできるわけありませんわお兄様! 私だってフェニックス家の令嬢ですもの!」
レイヴェルは怖じずに前に出る。彼女はライザーの妹であると同時に誇り高きフェニックス家の娘でもあるのだ。ここで逃げることなど出来るはずがない。
「レイヴェル嬢の意気や良し! 俺も微力ながら助太刀しよう!」
「俺に命を預けてくれるのか?」
「義とは相手次第で変わるものではあるまい!」
杏寿郎の言葉にライザーは笑みを浮かべた。彼の心にあった不安や焦燥感といったものが消えていく。
「助かる。だが闇雲に俺達が攻撃してもあの怪物はそよとも動じまい。奴を動揺させるか慄かせる何かが必要だ」
落ち着きを取り戻したライザーは冷静に分析する。レイヴェルもそれに同意するように何度も首を縦に振っている。
「そうですわね。あの怪物の能力は未だ不明ですけど、少なくとも不死鳥であるお兄様の炎を受けて無傷だったところを見ると、並大抵のことでは倒せないと思いますわ」
「ならばどうするか……?」
ライザーは懸命に頭を捻り、策を考える。そして一つの考えが浮かぶ。
「行くぞ! 杏寿郎! レイヴェル!」
「承知!」
「はい!」
まず三人は氷柱を活かして怪物の動線を狭めるべく攻撃を行う。しかし怪物はヒュンヒュンと泳ぐように動き回り氷柱を更に凍結させていく。
「甘いですわ!」
レイヴェルは啖呵と共に敢えて水弾を怪物の動線に放つ。水弾が怪物に当たる前に凍てつく事で即席のトラップに変化してゆく。敵の能力を利用する事で相手を罠に嵌めようという算段なのだ。
(見事だレイヴェル嬢! 俺も励まねばならんな!)
杏寿郎の鞘から抜かれた日輪刀炎が帯びる。彼が今、習得している技の中で最速を誇る技を放つ準備に入ったのだ。
「炎の呼吸・陸の型『燎火斬影』!」
燃え上がる炎が燎火の様に相手を照らし出すと共に放たれたのは影すら断つ居合抜き。文字通りの気炎万丈の一閃は怪物の身体に命中すると、そのまま怪物の肉体に裂け目を入れた。ここしかない、とライザーは直感する。
「今だ! レイヴェル! 合わせろ!!」
「はい! お兄様!」
ライザーは自らを燃焼させて動きの止まった怪物に肉薄、レイヴェルは魔力の込められた石つぶてを更に放つ。杏寿郎は息吹を吐くと乱れ切りに怪物を斬りつける。
「炎の呼吸・漆の型『灼光の煌めき』!」
足の止まった怪物に乱れ切りは効果覿面であった。怪物は全身に傷を負いながらもまだ倒れない。だが、それは想定内だ。レイヴェルの石つぶてが怪物の傷に入り込み、畳み掛ける様にライザーが火の鳥に転じて突撃した。
『ロワゾ・ドゥ・フー!』
炎の塊と化したライザーが怪物に激突し、怪物につけられた傷口の石つぶてが炸裂していく。その衝撃で怪物から白煙が生じ始める。
『ひゅおぉぉぉぉ……おぉぉ……』「やったか!?」
怪物は苦しげな声を上げ、ゆらゆらと身体を揺らし始める。それを見てレイヴェルが歓喜の声を上げる。
「やりましたわお兄様! このまま押し潰してしまいましょう!」
レイヴェルの意見は正しい。だがそれは一般的な魔獣なり魔族なりを相手にした場合の話だ。この怪物相手にそれが通じるかは疑問が残る。
「いや待てレイヴェル!」
ライザーが叫ぶと同時に怪物が急に動き出した。まるで薬缶から湯気が噴き出るかの勢いで膨張……いや、巨大化したのだ!
「何だとぉぉぉぉぉぉっ!!!??」
圧倒的質量の存在が駆け出した事による衝撃波は尋常のものではない。木々も、野営地も、氷柱も全て更地に変えてしまう程の威力であった。「うおっ!?」
「きゃあっ!?」
「ぬうっ!?」
三人ともその衝撃に巻き込まれ吹き飛ばされた。不死鳥の再生能力がなければライザーもレイヴェルも無事では済まなかっただろう。
「無事か! 二人共!」
「杏寿郎様!? お怪我は……!?」
煉獄の声掛けにレイヴェルは慌てて彼の元へと駆け寄る。彼の片腕はまるで稲妻の様に複雑骨折していた。
更に片目は爆風により潰されたのか閉ざされた目からは赤黒い血が涙の様に溢れていた。
「問題無い! それよりも今は衛兵達を救助せねば!」
「お待ちください杏寿郎様! 直ぐに
『フェニックスの涙』を!」
レイヴェルはあたふたしながら魔法陣を展開するとそこからフェニックス家の紋様が入った小瓶を取り出して蓋を開けて杏寿郎に差し出す。
「それは怪我人に使った方がいいな!」
「怪我人は貴方でしょう!」
「俺なら大丈夫だ! それより早く!俺の前では何人も死なせない!」
杏寿郎の叫びにレイヴェルはハッとする。杏寿郎は重傷の身だが自分よりも遥かに弱く、守るべき民を優先しているのだ。折れた腕を固定し、潰れた目元を包帯で巻いて止血する。
「申し訳ありません杏寿郎様! 私とした事が取り乱しましたわ!」
「気にすることはない! 俺達は俺達の責務を全うするのみだ!」
「……そうだな!幸いあの怪物は逃げたのかそれとも俺達への興味が失せたのか行方をくらました様だ。今の内に負傷者を連れて撤退しよう」
ライザーはそう言うと、ユーベルーナを始めとした眷属達に指示を出す。彼女達が担架や薬を手配し、衛兵達を救助して回る。
(何だあの怪物は……? あんなとてつもない存在が冥界にいたなどとは……!?)
ライザーは冷や汗を流しながら怪物のいた方角を睨む。ボールクを手配していた辺りジオティクスもあの異次元の存在に気付いていたはずだ。
(異次元か……。そう言えば九頭竜安里と戦ったときのあの姿も力も、この世のものとも思えなかったな)
と、その時レイヴェルからの叱責が飛ぶ。
「お兄様! ボーッとしてないで手伝って下さい!」
「すまん! 今行く!」
ライザーは一旦怪物の事を忘れ、
救護活動に勤しんだ。
◆
時間は少し巻き戻り、ジャンヌ・オルタとロスヴァイセは覆面の男と戦っている。ジャンヌの炎とロスヴァイセの破壊魔術が覆面の男に襲いかかる。
「喰らいなさい!」
「燃え尽きろ!」
しかし二人の攻撃は覆面の男の生み出した影に吸い込まれ、そのまま影が触手となって二人を襲う。
「ひいっ……!? いやぁっ!」
ロスヴァイセは触手にトラウマでもあるのか、或いは男性恐怖症故か顔を青ざめさせて悲鳴を上げる。一方のジャンヌ・オルタは主である安里も触手持ちのためか抵抗はなかった様だ。
「フン! そんなもの!」
彼女は魔力の籠った剣を振るい、影を切り払う。そしてそのまま魔力を込めた炎弾を放つ。炎弾は男に命中したが、男は平然としていた。
「無駄だよ。私の『影』は全ての光を飲み込む。如何なる攻撃をも飲み込み、我が糧とする」
「随分ありふれた話ですね、ミスター」
ロスヴァイセは震えながらも破壊術式を展開して光の矢を射るが、それもまた影によって吸収される。
「……!?」
「さて、そろそろ幕引きとしよう」
男が手をかざすとそこから闇の渦が生まれ、それがどんどん広がっていく。二人は咄嵯に飛び退く事で回避したが、それは悪手であった。
「ぐぅうううううう!?」
「な……!? これは……!」
二人が飛び退いた直後、地面に広がった闇が二人を拘束したのだ。それだけではない。闇がまるで泥の様に身体に纏わり付き、身体の自由を奪ってゆく。
「う……ああ……」
「くっ……!」
やがて身体中から力が抜けていき、遂には武器を落としてしまう。
「いや……いやです……こんな……!」
「この……ふざけるな……!」
ロスヴァイセとジャンヌ・オルタ
は必死に抵抗するも身体は自由にならず、その動きは次第に緩慢なものへと変わっていった。
「ふっ、君達の様な美しい少女を穢せる日が来るなんてね。実に愉快だ」
覆面の男はギラリ、と目を輝かせる。昴星の様な瞳は獲物を狙う肉食獣の眼差しであった。
「や……止めてください! 私は……まだ結婚もしていないのに……!」
「私だって……! こんなところで死ぬわけにはいかない!」
「ははは! ならばその身を差し出し、我らの為に尽くすがいい!君のその美貌、存分に使わせてもらうよ!」
泥の様に粘つく闇が人の形に収束していく。
「「いやあぁぁぁ!!」」
二人の悲痛な叫び声が響き渡る。そして闇が完全に人型を取ると、それはロスヴァイセにとって恐怖の対象、ジャンヌ・オルタにとって嫌悪の対象となった。
ロスヴァイセを穢そうとしたシャルバ、ジャンヌを穢した男達の似姿に。
「うわあぁぁ!何ですかこれぇ!?気持ち悪いぃ!」
「いい加減にしなさいよこの変態!」
ロスヴァイセは半泣きになり、ジャンヌ・オルタは怒りを露にする。
だが男達は構わず二人に迫る。
ジャンヌ・オルタは魔力を練って炎を生み出そうとするが、上手く集中出来ない。
(クソ……! 昔の記憶が……!?)
それはジャンヌが魔女として貶められた監獄の記憶だった。あの時の屈辱が彼女の心を蝕み、炎を生み出す事を許さない。
一方のロスヴァイセも破壊術式を展開しようとするも、シャルバの似姿に動揺してしまっていた。
犯されかけた時の忌まわしい記憶がフラッシュバックし、魔法陣が展開しない。
「さて、震える君達を見るのも悪くないが、まずはこちらを頂こうか」
闇が二人の鎧と衣服を溶かし、生まれたままの姿にしてしまう。
「きゃあっ!? いやぁ!」
「こいつ……!?」
「フハハッ! 良い眺めじゃないか!これが『衣服破壊』というヤツか」
ロスヴァイセは羞恥で頬を赤らめ、胸元を隠す。一方ジャンヌ・オルタは憎悪の目で睨むものの、どうすることも出来ずにいた。
「ハハッ、そんな目で見られてはおちおち楽しめそうもないな」
わざとらしく覆面の男は肩を竦めると、闇が変じたものたちが二人の雪原を思わせる白い肌に舌なめずりをする。
「いやああっ! 離れてぇ!」
「やめろ……! このケダモノ……!」
ロスヴァイセは涙を流しながら懇願し、ジャンヌ・オルタは悪態をつく。力を封じられた今、彼女達に出来るのはただ蹂躙されるのを待つことだけだ。シャルバや男達の舌が二人の頬は元より、首筋、乳房、脇腹、太腿に這っていく。
「ひゃあん!やだ……いやぁ……!」
「やめろ……! 気色悪い……!」
ロスヴァイセは嫌悪感から涙を流すも、身体は正直に反応してしまう。一方でジャンヌ・オルタは不快感を顕にして抵抗するも、その顔は朱に染まっていた。
「ははははは! そんな媚びる様な顔で否定しても説得力はないぞ?」
「誰が……! んっ、ひぅっ!」
覆面の男の言葉通り、ロスヴァイセもジャンヌ・オルタも無意識のうちに男達を刺激するかの様に身体をくねらせ、乳房や尻が艶かしく揺れていた。
「違う……違うの……。私は、淫乱なんかじゃ……ない……」
悔しさに唇を噛み締めるも、ロスヴァイセの秘所からは愛液が滴っている。それを見て覆面の男はニヤリと笑う。
「なに、ヴァルキリーなどと言ってもこの程度さ。神に仕える女とは言ってもその本性は快楽に溺れた牝犬に過ぎない。ほら、この通り」
男達が泥のように溶け出すと再び触手となってロスヴァイセを襲う。「いやぁっ! 助け……!」
「ははは! いい声で鳴けよ!」
ロスヴァイセの魅惑的な肢体が汗と粘液で濡れていき、その表情は恥辱と恍惚の間に揺れ動く。「うぁっ! だめっ! そこはぁっ!」
「くっ……ふっ……うっ!」
触手がロスヴァイセの股間に伸び、その割れ目を擦る。既に蜜壺は潤んでおり、その奥にある子宮は子種を求めて蠢き出す。男を知らぬ子宮が疼き、身体は本能的に精を求めてしまう。「あ……ああ……! もう……ダメェッ!! 見ないで……! 私がイクところなんて……見ちゃイヤァアアッ!!」
ロスヴァイセは顔を背けて必死に絶頂の瞬間を堪えようとするが、無情にも触手が敏感な突起を撫で上げた。
「いやぁああああっ!!」
ビクン、と大きく仰け反るとロスヴァイセはそのまま心が折れてしまったのか、身をゴロンと投げ出し虚ろな目で天井を見つめている。
「ふふ、所詮女なんてこんなものだ。さて、次はお前の番だよ、ジャンヌ・オルタ」
「ふざける……な、あああっ!?」
凄んで見せたのも束の間、彼女の体にも多数の唇がついた触手が伸びてくる。「ひっ!?」
「さぁ、たっぷり可愛がってやるよ!」
「いやぁああっ!」
無数の口が一斉に彼女の裸体を洗浄、いや染め上げるかの様にむしゃぶりついてくる。乳首や臍、太腿、果ては脇に至るまで、あらゆるところを舐められ吸われていく。
「うああっ! やめろぉ!そんな……とこまでぇ!?」
「フフフ……可愛い声じゃないか。もっと聞かせてくれよ」
『魔女め』『雌豚め』『淫売め』
男の似姿達は嘲笑しながら彼女の耳元で囁く。
(ああ……もう、何もかもどうでも……よくなってくる……)
ジャンヌ・オルタの瞳に徐々に理性の光が消えてゆく。股の力が緩んでいくのが見て取れ、陥落寸前である事が分かる。
しかし、その時だった。
ジャンヌの脳裏にある男の顔が浮かんだのだ。
(あ……ざと……?)
この世における彼女のマスターである九頭竜安里。その彼は今、ルイーナと盛っているではないか。
「ん……? ははははは!!
こいつはいい! 君の中にある潜在的な恐怖がこんな形で浮かび上がってくるなんてなあ!」
「……っ!」
覆面の男の言葉にハッとする。確かに今、彼女は恐れていた。自分の主であり、愛する男が他の女を抱いていることを。いや、抱くのは百歩譲るとして自分以外に夢中になっている。
「ルイーナ……! いいぞ……!
最高だ……!」
「ああっ♥安里♥安里ぉ♥
私、貴方がいれば他には何もいらないの♥」
幻とはとても思えない睦み合いにジャンヌ・オルタは言葉を失っていたが更に幻の二人は盛り合う。
「俺もだ……! ルイーナ! 俺にはお前だけだ! だから……一緒にイこうぜ……!」
「ええ……! 勿論……! 来てぇ! 私の中にいっぱい出してぇぇぇぇぇぇっ!!!」
ドピュッドピュ──ッ! ブシャァアア────ッ! ドクンドクン……!! ルイーナは満ち足りた表情で精を受け止める。一方の安里も満足げに微笑んでいた。
「はははは! 君は彼にとってありがた迷惑な恋のお邪魔虫というわけか!実に滑稽だ! だが悲しむことはないさ。君の望みもすぐに叶えてあげよう!」
覆面の男はまるで昆虫標本の針さながらに反りたったペニスをジャンヌ・オルタの膣穴へ打ち込まれようとしていた……。
しかし、次の瞬間!
ドジュウウウ!!
灼けた鉄杭が覆面の男のペニスに直撃した!
「ぎゃああああああ!?」
覆面故、表情は分からないが痛みに悶える男の股間に、更に蹴りが見舞われた。
ブジュリ、と熟れすぎて腐った果実が弾ける様な不快な音と共に、男の身体は大きく吹き飛ばされた。
「う、が……ひ……ぐぅ……!?」
先までの余裕はどこへやら。急所を潰された苦悶と激痛から床で這いつくばって身動きが取れなくなっている。つかつか、とモデルが歩く様に全裸から黒のビキニ姿に霊衣を変えたジャンヌ・オルタが男の前に立つ。
「随分と好き勝手な事を吹いてくれたわね……。魔女だの、雌豚だの、淫売だの、恋のお邪魔虫だのあーだの、こーだの……!」
狂化のせいか、それとも怒りのためかその瞳は燃え盛る炎の如く紅く染まっている。その迫力に思わず覆面の男は息を呑む。背後に見えるのは黒き炎の一頭竜。彼はまさに彼女の逆鱗に触れてしまった。
「まっ、待ってくださいジャンヌさん! 気持ちは解りますけどここは抑えて……!」
ロスヴァイセは裸のまま慌てて制止しようとし、覆面の男も便乗する。
「ま、待ってくれ! 俺はあの女の力で禁手化に至ったんだ! ネフレンとヤツが繋がっている生き証人だし色々知っている! 生かしておいた方が得だろう!?」
必死の命乞いにジャンヌ・オルタの歩みが止まる。ロスヴァイセもホッとした様子だったが、覆面の男は更なる絶望へと突き落とされる。
「喧しい!!」
非情にも黒龍は覆面の男に放たれ、
悲鳴をあげる暇もなく彼の肉体はこの地上から消滅した。
のみならまだ良かったのだが……。
『グオォォォォ!!』
まさに不動明王の生み出した倶利伽羅の黒龍の如く、火炎竜の勢いは止まらない。凍結していた地下水脈の霊泉を打ち砕き、溶かしていく。
洞窟が激しく振動し始めた。
すわ、崩落寸前の事態であったが。
ヒュン、と疾風の様に二人は何者かに抱きかかえられる。
救助に来たのは、先にヒントを与えたボールクその人であった。
「あ、アンタは……!?
何で安里じゃないのよ!
空気読みなさいよマヌケ!」
「知らんな」
「あわわわ……! は、離して下さいぃぃ!!」
「人の脇で暴れるな痴女が……!
全く、割に合わん仕事だ……」
ボールクはそう愚痴りながらも二人を抱えながら出口へと到達した。
ー
「感謝するぞボールク殿! 今の俺では二人を救難する事が出来なかっただろうな!」
片腕の複雑骨折と片目が潰れているというのに、杏寿郎はボールクにまず礼を述べた。受けてのボールクは軽く肩をすくめ、呆れたような顔を浮かべる。
「貴様自身の治療よりも仲間の安否が気がかりだったとはな。サムライと言うやつはよく解らん……」
「俺の身体の痛みなど何れは回復する! だが、命を失われる事はどうあっても回避せねばならぬ! それが鬼殺隊の柱としての責務だ!」
「キサツタイ? 何よそれは……?」
ジャンヌ・オルタは聞き慣れぬ単語に首を傾げる。
「後で話す! 俺の自慢である継子達の話と共に! だが、先ずは衛兵達の救難をせねばならん!」
「専門用語で専門用語を解説するな!ホントに何なのよアンタは! というかまずはアンタの傷の治療をしなさいよ!」
ワイワイギャアギャア
騒ぐ一行からすっ、と立ち去ろうとするボールクをジャージに着替えたロスヴァイセが呼び止めた。
「あの、ボールクさん」
「何だ、何度も礼を言われるの想像よりも苦痛なのだぞ?」
「は、はあ……。ってそうではなくてですね! あの男の覆面が残っていたので持ってきたのですが……!」
ロスヴァイセが取り出したのは覆面男のマスクだ。裏には魔文字が刻まれている上、炎で燃えない特殊な素材のようだ。
「符術やルーン文字、それに魔法薬なども使われています。幾ら何でも魔術のごった煮が過ぎます」
「俺に聞くよりアザゼルに調べさせた方が早い」
素っ気なく言い放つとボールクはヒュン、とまたしても高速歩法により霞の如く姿を消した。
「……もう! どうして男の人って
いつもこうなんでしょう!」
ぷんすか怒るロスヴァイセは
上空をただただ身上げるのであった。
ペルソナ2ってもう20年以上前なのかよ(驚愕)
陸、漆の型は捏造です。炎の呼吸は実際に炎は出ないって急に言われてもな、眷属になって出せるようになったって書いてあるだろ!
真面目な話短いけど投稿頻度は早い方がいい?
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早い方がいい
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遅いけど長いほうがいい