更にその数分後……。
三人の下に工場長が現れる。
その人物はアフメドは知らないが安里にとってはよく知る男であった。
「お久しぶりですね。ミスター・ヘパイストス」
ヘパイストス。ギリシャ神話における錬鉄の守護神であり、鍛治の神である。安里に『制動の巨神』を破壊され行方不明になっていた人物である。尤もアフメドは知る由もない。
(とにかく安里兄ちゃんの役に立たないと)
そう思いながら、アフメドは天井にて盗み聞きをするため息を潜めて隠れ続けている。
『フェニックスの涙の出来栄えはどうです?』
『私を誰だと思っている。ネクタル、ソーマに比べれば遥かに模造は簡単な物だった。寧ろ混ぜものを入れる方に難儀したぞ』
ヘパイストスは車椅子に乗っている状態で、部下がブリーフケースを曹操へと渡す。中身を確認した曹操
は満足げな表情を浮かべる。
「さすがヘパイストス様。オリジナルもイミテーションも素晴らしい出来栄えですね」
『当然だ。私は神だからな』
曹操の言葉にヘパイストスが自慢気に答える。その態度からは傲慢さと共に排斥された異能者特有の憤怒と怨念が滲み出ていた。
『そう言えば、近々、機甲龍帝のみでなく機甲龍騎兵まで完成させたとか。恐ろしい話だ』
『抜かせ。寧ろそちらが貴様らの本題だろうが』曹操の指摘にヘパイストスはニヤリと不敵な笑みを浮かべると、曹操達を案内すべく応接間から移動を始める。
(た、大変だ! 早く安里兄ちゃんにこの事を伝えないと!!新しい警備システムとやらが完成すれば、僕達の居場所が無くなる!?)
焦燥感を募らせながらも、アフメドは安里に連絡を取りながら必死で天井裏を走り抜けていく。
「よし、解った! お前は早くずらかれ!」
『兄ちゃんは?』
「俺はお前とカテレアが逃げる時間を作る。カテレア、お前も脱出してアフメドを守ってやってくれ」
「了解です。安里様、お気をつけて」
安里はアフメド、カテレアと別れて工場の奥へと向かう。その途中で、先程別れたばかりの曹操達が待ち構えている。
「やあ、九頭竜。久しぶりだね」
「……まんまと泳がれたってヤツか?」
わざとらしいリアクションの曹操を見るに初めから自分たちが潜入してくる事を予測していたようだ。
「解っているなら話は早い。どうだ?改めて我々の同志にならないか?」
「何言ってやがる。テロ集団の片棒担ぎになんぞなるか、ってこの間言ったばかりだろうが」
前回同様に勧誘してきた曹操に対して、安里は一蹴する。だが、曹操は余裕の表情を崩さない。何か罠でも張っているのかと身構えた瞬間だった。
「ルイーナを助け出すのに力を貸す……と言ってもかい?」
「なっ……!?」
安里は絶句した。彼の第一目的はネフレンに囚われているルイーナの救出であるのだから。しかし、それを知っていながら曹操は取引を持ち掛けてきたのだ。
「君だって気が気じゃないだろう?あんな醜男に君の想い人が弄ばれた挙げ句に純潔を散らされたとあってはねぇ……」
「ほんにのぅ。あんな醜男に犯されたとあらば、妾ならその場で自害してもおかしくないわぇ」
曹操の隣にいた七符は身を揉む様な仕草をして震えてみせた。まるで安里の怒りを煽るかのように。
「……」安里の握りこぶしから血が滴っていた。彼は今にも飛び出しそうな怒りを抑え込むように歯噛みしている。そんな彼に曹操は止めの一言を告げる。
「どうだい?我々に協力してくれるならば、彼女を救い出してあげようじゃないか」
「……」
「どうしたんだい?まさかとは思うけど、彼女の事が嫌いになった訳じゃあるまい?」
「……」
「ほれほれ、さっきまでの威勢の良さはどうしたんじゃ? ん~?」
「……」
「ふふん♪ どうやら言葉も出ないようじゃのう♪情けなや、ああ情けなや♪この様な甲斐性なしに惚れられたとはルイーナとやらに心底同情してしまうわい」
「……」
「まぁ良い。答えなど聞かずとも解っておる。さあ、こちらに来るが良い。そして我らの仲間になるのじゃ」
「……」
「おい、黙っていないで何とか言ったらどうだ?」
安里が何も答えないのを良いことに
七符とヘラクレスは嵩にかかった態度で安里に食ってかかった。すると……。
「……有難うな」
安里がぼそり、と呟いた。
「ふむ、礼を言われる程ではないぞえ。裏切りなぞ悪魔や堕天使、魔人には日常茶飯事よ」
「所詮この世は勝ったものが正義。勝者が全て正しいのだ。それは俺達の歴史が証明してくれている」
「くっくっくっ、その通り。さあ、早く来るがよい。その首輪を外してやろうぞ」
「……」
七符はまるで安里を誘惑する様に首筋に手を伸ばして妖艶な笑みを浮かべた。安里も不敵な笑みを返し、
彼女の美しい顔を殴り抜けた。
「へぶぅっ!?」
防御壁がまるでガラス細工のように砕け散り、彼女はそのまま吹っ飛んでいく。だが、殴られた本人は何が起きたのか理解出来ていないようで、目を白黒させていた。
「き、貴様何をする!?」
「大事な事を思い出したぜ……。
ルイーナが好きだって言ってくれたのはテメェらみてえな奴らをぶん殴るクソガキのままの俺だって事をよぉ!」
「この痴れ者が!!死ねぇ!」
七符の尾がまるでドリルの様に高速回転しながら安里に迫る。
「ほほほほほ!今の妾はヘラクレス殿と主様の精を受け妖力は2倍……いやさ、3倍に跳ね上がっておる!お主に勝ち目などない!」ギラついた目で七符は安里を睨みつけながら叫ぶ。
「そうかい」転じて安里は静かにそう言うと、拳を構えて七符を見据える。その眼光は鋭く、まるで獲物を狙う肉食獣のそれであった。まるで狐を捕らえて食らう大熊のような殺気に満ちていた。
「ッ!?」
安里の雰囲気が変わった事に気づき七符は動揺した。同時にその本能が危険信号を鳴らす。
(ま、まずい!?こやつ本気じゃ!?)
安里は触手を機械の多腕に換えて拳の弾幕を七符へと見舞った。七符の尾に対して拳の数も重さも段違い。瞬く間に七符自慢の尾はズタボロに切り刻まれていく。
「ひぃいいい!?」
「オラァ!!」
恐怖に駆られて逃げ出そうとする七符を安里の足が蹴り飛ばす。吹き飛ばされた先にはヘラクレスがいた。
「フン……」ヘラクレスは受け止めもせずにひょい、と蹴飛ばされた空き缶でもかわすように避けた。
それも安里には気に入らなかった。「助けねェのか?」
「ハハハハハ!貴様、俺の話を聞いていなかったのか?何故負け犬、負け狐を助ける必要がある?」
「……」
安里は無言でヘラクレスの顔面に裏拳を叩き込んだ。だが……。
「フハハハハ!なんだァそれは!? 」
ヘラクレスはビクともしていなかった。
「効かん、効かーん!! そんな豆鉄砲、いくら喰らっても痛くも痒くもないわぁ!!!」
ヘラクレスは安里を殴り抜ける。
七符よりも威力のある一撃が安里を吹き飛ばした。
「ぐっ……」
安里は空中で体勢を立て直すと着地し、追撃に備える。
「おいおい、もう終わりか? 俺はまだまだ遊び足りないんだがなぁ……」
ヘラクレは余裕綽々といった様子で安里を挑発する。
「舐めるなよ……」
安里の全身から闘気が登り、多腕が纏まり螺旋を描く巨大な槍となって現れた。
「フハハハハ!先程七符が使った技ではないか!その程度の技でこの俺を倒せると思うなよ?」
「……試してみるか?」
「よかろう、ならば見せてもらおうじゃないか!」
ヘラクレスが言い終わる前に既に安里は螺旋槍をフル回転させ、突撃していた。だが……。
「惰弱惰弱惰弱ぅ!!」
ヘラクレスは槍を掴むとまるでプラスチックの玩具をへし折るかのように簡単にへし曲げてしまった。
「くそっ!お、俺の最強の
ロンギヌスの槍がぁ!?」
「無駄だぁ!」
ヘラクレスはもう片方の腕で安里を殴りつける。安里はそれを両腕でガードするが、衝撃までは防げず大きく後ろに弾き飛ばされてしまう。
「ぐっ!」
「どうしたぁ!?それで終いか!?」
ヘラクレスは更に追い討ちをかけるべく突進してくる。安里は為す術もないままタコ殴りされてしまう。
「がっ……はっ……!」
「ふん!どうしたぁ!この程度なのかぁ!」
「ぐはっ……!?ひ、ひい……!
ゆ、許ひて下はいぃ……!」
先までの勢いはどうしたのやら、安里は涙と鼻水を流して歯を鳴らしながら命乞いをしていた。
「フハハハハハ!何と!何と無様な!所詮魔人と言えどこの程度。劣等種などにこの高潔なる英雄の中の英雄であるヘラクレスが負ける
はずがないのだぁ!!」
「た、たしゅけてぇ……!たしゅけてくれええ!」
ヘラクレスは高らかに笑い、哀れな敗残者をいたぶるべく更に攻撃を続けた。
「さあ、止めを刺してやるぞ!」
ヘラクレスは安里の頭を鷲掴みにして持ち上げ、何度も何度も何度も、彼の身体がグチャグチャになるほど地面に叩きつけた。
「死ねぇ!死ねぇ!死ねぇ!死ねぇ!死ねぇ!死ねぇ!死ねぇ!はははは!ハハハハハハ!アハハハハハ!!」
酒池肉林でも味わえない暴力の快感にヘラクレスは酩酊しきっていた。
彼は安里の残骸を幾度も幾度も踏みつけて嘲り笑う。
「ふははははははは!!見ろ!七符!この俺の勝利を!これが勝者の特権というものだ!弱者を踏み潰す事こそ強者の誉れなのだぁ!!はははははは!」
英雄などそこにはどこにもいない。
おごり高ぶり、力に溺れ、敗者を思うがままに痛ぶる醜悪な怪物がいるだけだ。
ー
「ヒャーハハハハハ!どうだ!どうだ!人間風情が!惰弱な劣等な人間風情が!傷ついたか?貴様のプライドも傷ついたか!?ああ!?ああ!?」
彼は泥酔患者のようにゲラゲラと笑って、何もない所を靴が割れ、つま先が血だらけになっても尚蹴り続けていた。
「……やってくれるね。いつの間に幻覚を見せる魔術を覚えていたとは」
横目でゴミの山でも見るような冷たい視線で曹操はヘラクレスを見ていた。
「違えよ。テメェらがバラまこうとしたこの『フェニックスの涙』のパチモンを濃縮して裏拳の時、アイツに打ち込んだだけだ」
カラン、と空の薬瓶を曹操に放って安里は答えた。麻薬入りのそれを濃縮して打ち込んだのだから今のヘラクレスはトリップの只中だ。
「ぬ、主様!此奴を!此奴を殺してくりゃれ!何でも言う事を聞くから!」
側で恐怖に駆られた七符が曹操に縋りつきながら懇願するが曹操は落ち着き払っていた。
「まあ、落ち着け七符。彼を殺すには時間も装備もない。と、いうか赤龍帝と彼にはこれ以上戦闘経験を積ませたくない、と言うのが俺達の本音だ……。おっと、口が滑ってしまったかな?」
(俺達……?俺達って言ったのか? 曹操の野郎!まだ仲間がいやがるのか!?)
「おっと……。そろそろ時間だな。
ヘパイストス殿がいい加減君にお礼がしたいと仰っている。では、また会おう」
「へひゃはははは!しね!しねぇ!」「ひぃ……嫌じゃあ……妾は……妾は死にたくない!」
正気を喪失した七符、ヘラクレスと共に曹操はいうだけ言うと転移陣で消えていった。
「ま、待てっ!クソッ……!」
(シュタークさんから買った転移の符で奴らを追うか……?いや、危険すぎるし、カテレアとアフメドを置いてはいけねえ!)
逡巡する間に安里は背後から気配を感じた。
現れたのは機械の兵隊。ブルーメタルの色合いをした装甲を纏うそれは、片腕はガトリングガン、もう片腕には槍の穂先の様な銃剣がついたグレネードランチャーの様な砲塔を備えていた。背中にはリフターとブースターを併せたような推進装置を背負っている。最後に西洋騎士の兜の様な頭部にはモノアイが輝いていた。
「何だテメェは!マーベルの住人かあ!?」
明らかに味方ではないそれに安里は先制攻撃を仕掛ける。
「オラァ!」
まずは触手を飛ばし、牽制しつつ多腕で殴りかかる。
「……!」
ザクッ! と銃剣が多腕の一つに刺さる。すると嘗てサリエルに聖釘を刺された時の様な違和感を覚える。そして多腕がまるで霞の様に霧散してしまった。
「何!?」
「!」
驚く安里を他所に、今度は両腕のガトリングガンが火を噴く。
「チィ!」
弾幕が襲い来る前に安里は旋回運動により辛うじて回避する。彼のいた場所に弾丸は雨の如く降り注ぎ、工場の床のみでなく壁すら破壊していった。
「コイツ!なんて威力だよ!こんなもんまともに喰らったら……いや、それよりもだ!」この殺傷力は明らかに工場の警備が目的ではない。彼らにとってもこの工場が破壊されるのはダメージな筈だ。ならば何故?
「!」
安里が思考している隙を突いて兵達は背の推進装置を使い急接近してくる。
「こいつ!速い!だが!」
安里は腕が駄目ならば足だ、と言わんばかりに触脚を分銅に変異させ、兵に放ち、脳天に直撃させた。
火花が飛び散り、頭から血ともオイルともつかないものがぶしゅぶしゅと吹き出す。
「!」
しかし兵は怯むことなく突進を続ける。
「クソッタレが!」
更に数を増やした触脚が兵の手足に絡みつき、壁に叩きつける。
「!」
「おらぁ!」
兵が起き上がるよりも早く、安里は残った足の踵を刃に換えて兵の喉笛を踏み潰した。
「…………!」
だがモノアイは消灯せず、ガトリングガンが安里に向けられる。
きゅるるるる、という禍々しい回転音と共にガトリングガンが回り始めた。
「やべぇ!?」
咄嵯に彼は近くの柱に飛び込む。直後、ガトリングガンが火を噴いて周囲の物を粉々に粉砕していく。
次々に発火し、緊急警報が鳴り響く中、安里は考える。
(あの野郎!一体何の目的で俺を攻撃してきたんだ?そもそもアレは何だ?この世界の産物か?だとしたら曹操の仲間か?それとも別の勢力か?)
「…………」
「オイオイオイ……!動かなくなったって事はあれか……!?まさか……!」
キィィィン!と甲高い金属音を立てて、兵が輝き出していく。
考えられるのは一つ。自爆しか無い。
「ふざけるなバカヤロー!!」
言うが早いか安里は逃げるどころか機械兵へと突進するや、それを抱えて、力の限り飛び上がる。
(工場の人達を巻き込む訳にはいかねえよなあ!!)
天井を突き破り、空へと躍り出る。
そのまま、空中で抱えていた兵を離そうとしたその時だ。
バシュウウッ!と地上から工場からバリアが展開されたのだ。まるで安里がする行動を予測していた様にだ。まるで飛んで火にいる夏の虫の様に安里の身体をバリアが焼き焦がす。「ぐわあああああ!?」ショック死しかねない程の痛み、熱、酸欠が彼を襲い、意識を刈り取ろうとするが、彼は決して機械兵を振り落とす事なく耐えた。そして……。
凄まじい爆音と閃光が周囲を包み込み、工場に火と機械兵の破片が降り注ぐ。
その光景を遠くのビルの上から見てアフメドは叫んだ。
「あ、兄ちゃん!! 兄ちゃん!!」
涙を浮かべながら、必死になって叫ぶが返事はない。傍らのカテレアはそんなアフメドの肩を抱き、ただ呆然とするしかなかった。
「あ、あ……!うあぁああん!」
遂にアフメドは堪えきれず泣き出した。
「アフメド……」
カテレアも唇を噛み締めて、今にも溢れ出しそうな感情を懸命に抑えている。だが……。ヒュン、と安里が転移してきた。あちこち服が焼けているが不思議な事に傷も火傷もない。
「あ、あんちゃん!!」
「安里様!」
二人は安里の無事を見て歓喜の声を上げる。安里は機械兵が爆発する瞬間にシュタークから買った虎の子の転移符を使うと共にギリギリの所で解毒した『フェニックスの涙』の模造品を吸収させて肉体を再生させたのだ。
「しかし……」安里は火炎を噴き上げ、あちこちが爆発し始めた工場を遠目で見つめた。
「折角の潜入工作がパーだぜ……」
「しょうがねえよ兄ちゃん。死んで花実が咲くものかって言うじゃん。生きてれば良いことあるさ」
「生意気言うない、コイツ」
「へへ……」
アフメドの大人びた言葉に安里はフッと笑みを漏らした。
ー
一方その頃……。
「ハイハイハ〜イ!貴方達、笑顔が硬いわよ!」
ここはネフレン領にあるカジノ。
何とか墜落した脱出艇から生還したニトクリス達は潜入がてらここで働くことになったのだが、何故か彼女達はバニーガールの格好をしていた。それも普通のものではなく、露出度の高い物だ。私娼窟でもここまで品のない衣装はなかった。ニトクリスは恥ずかしそうに身を捩らせるのだがそれがVIP達を唆らせるという悪循環に陥っている。
「あ、あううう……。ふ、ファラオたる私がこの様な辱めを受けるなど……!」
羞恥心からか頬を赤らめるニトクリスに客の何人かが鼻の下を伸ばす。
彼女はその様子に更に身を縮こまらせた。
「くっ……!」
「殺せって貴方、姫騎士じゃないんスから……」「全く……何故普段の私よりこの姿の方がウケがいいのよ……」
ミッテルトはニトクリスを宥め、レイナーレは天野夕麻の姿でニトクリスと同じ逆バニーの格好をしている自分に溜め息を吐いた。因みにこのカジノでは賭け金の上限は無し、勝てば大儲け出来るが負けても借金にはなるが、請求された試しはないという。
因みにニグラは客として潜入し、トゥーは
見世物の闘士役としてここにいる。
「これではカジノというより収賄、贈賄の場ではありませんか……」
ニトクリスにすれば考えられない悪徳の極みであるがミッテルトは色々汚れた水を飲んだ経験もある。
ニトクリス程衝撃は受けてはいない。
「まあ、面の皮がオリハルコンで出来ている純血貴族の方々が返す筈もなく……圧政は黙認、色々融通を効かせたり、効かせてもらったり。ズブズブのドロドロ……と言うワケっスか……コイツら、クソっスね」
とはいえ何も思わないわけでもなくミッテルトは遠くの客たちに軽蔑の眼差しを向ける。
このカジノの経営者は無論マンモン。圧政による血と骨で得た財貨をこうして湯水の如く使う事で、彼は更なる権力を手にしていくのだろう。
このカジノは彼にとっての肥やしであり、同時に彼の王国でもあるのだ。まさに暗黒のファラオ、とはこの事であろう。
(こんな事が……こんな無道が何故罷り通るのですか!異世界ながらこの様な所業がファラオによって
為されているなどと!!)
ニトクリスは静かに怒りを募らせる。彼女にすればファラオという役目はそれ程のものなのだ。
そんな時だ。
店の中に二人の男女が入ってくるや三者は接客を忘れ、目を奪われた。と言っても美しさにではない。
現れたのはマンモンと安里の想い人であるルイーナの二人であったからだ。
そろそろ一話位イッセー達に視点を移すか。
エルフの村辺りでくだらねーギャグエロが書きてえ。
真面目な話短いけど投稿頻度は早い方がいい?
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早い方がいい
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遅いけど長いほうがいい