※この作品はR-18です。

ハイスクールD∞D   作:ぷうち☆りん

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詰め込みすぎだし駆け足すぎた。
あとメジャーどころをネタにした。


第27話

 俺達が奴等の根城に

 辿り着くまでの間に

 特に妨害されることはなかった。

 

「……妙だな。

 奴等の妨害が一つもないとは」

「サタナキアは来いと

 言っていたのだから

 待ち伏せているのかしら……?」

 

 ゼノヴィアは

 サタナキアの真意を掴めず

 不審に思っている感じで

 呟くとリアスさんが

 予測を立てる。

 

 だけど俺にはなんとなく解る。

 きっと安里達がどこかで

 戦ってくれているんだろう! 

 恩に着るぜ! 

 無事なら辰郎さんのお店で

 パーティーでもやろうな! 

 

『だが気をつけろよ相棒。

 俺がついているとはいえ、

 サタナキア、コカビエルは

 お前より何枚も格上だ。

 舐めてかかると死ぬ事になるぞ』

 

 ……わかっているさドライグ。

 確かにあいつら二体は強い。

 でも俺は信じてるんだよ。

 だって──。

 俺は一人じゃないからな。

 

『ハッハッハ!』

 

 俺が周囲を見渡して気合を入れると

 ドライグは急に笑い出した。

 な、何だよ! 

 俺、そんなにおかしい事言ったか? 

 

『いやぁ、スマンスマン。

 俺を宿した赤龍帝は大概

 己の力や才能を誇っていたが

 周りの力を誇ったのは

 お前くらいのものだからな!』

 

 しょ、しょうがないだろ! 

 俺はリアスさんみたいに

 凄い才能があるわけじゃないし、

 ゼノヴィアみたいに

 聖剣がつかえるわけじゃないし、

 木場みたいに

 剣技がすごいわけじゃないし、

 小猫ちゃんみたいに

 怪力があるわけじゃないし、

 アーシアみたいに

 皆を癒せるわけでもないし、

 何より安里みたいに

 何でもできるわけじゃないし……。

 

『そうだな。

 歴代最弱の赤龍帝。

 だが、相棒……いや、兵藤一誠。

 お前は選択を間違えるなよ』

 

 自分の不甲斐なさに

 落ち込みかけたが

 その時のドライグの声は

 まるで父さんの様だった。

 

 選択って……? 

 と、その辺りでゼノヴィアが

 言っていたデカい門に辿り着いた。

 ドアは『いつでも入ってこい』と

 言わんばかりに開いている。

 

「罠かもしれませんわよ?」

 

 朱乃さんの言葉を聞きながらも

 俺は躊躇うことなく中に入った。

 するとそこにあったのは……。

 髑髏があちこちに転がっている

 荒野の丘を模した異空間だった。

 廃墟、いや戦場跡って感じだ。

 凄くどんよりとした

 イヤな空気が漂っている。

 

「よく来てくれたね、

 正直来なかったら

 どうしようかな〜って

 思っていたよ」

 

 丘の頂上に磔にされていた

 イリナの横でサタナキアは

 ニヤニヤしながら余裕ぶった

 態度で俺達を出迎える。

 

「バカッ! どうして

 貴方達だけで来たのよ! 

 イッセー君! ゼノヴィア!」

 

 イリナは傷だらけの身体なのに

 俺とゼノヴィアへ怒鳴りつける。

 けどそれは俺達を心配しての事だ。

 

「幼馴染だからだろ!」

 

 俺はそう言い返す。

 俺にとってイリナは幼馴染みだ。

 小さい頃からずっと一緒なんだ。

 だから、幼馴染みのピンチに

 駆けつけないなんて選択肢はないんだよ! 

 それに──。

 

「私達の事は気にするな。

 同士、いや友人を犠牲にせねば

 守れない信仰など私はいらない」

 

 おお……! カッコいいぜゼノヴィア! 

 けど神様に

 それを聞かれたら

 拙いんじゃないか? 

 リアスさんの眷属で

 悪魔の俺が言うのも何だけど! 

 

「ほう……。

 只の盲の様に神に従うだけの

 愚か者だと思っていたが……

 少し見直したぞ小娘。

 名前は?」

 

 コカビエルも好感を持ったのか

 眉を上げて愉快そうに

 ゼノヴィアを見ながら訊ねる。

 

「……ゼノヴィアだ」

 

 ゼノヴィアもコカビエルを見て

 興味を持ち、自分から名乗った。

 

「フハハハ! 面白い! 面白いな! 

 サタナキア! 手を出すなよ! 

 コイツらは

 俺一人で相手をしてやる!」

 

 コカビエルは両腕を広げて

 高笑いしながら天を仰いでいた。

 自分一人でも勝てるつもりかよ! 

 舐めるなよ! 

 

「まずは小手調べだ!」

 

 コカビエルは挨拶代わりの様に

 朱乃さんと同じく雷を放った! 

 見た感じからして火力は

 朱乃さん以上か!? 

 

「雷の巫女と言われた私を

 見くびっておいでかしら!」

 

 相殺する様に朱乃さんも雷撃を放つ! 

 二つの雷がぶつかり合い、

 轟音と爆風が巻き起こる! 

 すげぇ! 流石朱乃さんだ! 

 

「ん……? ああ! 

 誰かと思えばバラキエルの娘か! 

 奴はどうしている?」

 

 けどコカビエルはまるで

 動じていないばかりか

 世間話まで始めやがった……! 

 なんて奴だよ……! 

 

「私の前で……あの男の名を

 口にするな!!」

 

 朱乃さんは怒りの形相を浮かべ

 特大級の雷を撃つ! 

 まるで竜の様な形に変じた雷は

 コカビエルに直撃した! 

 いくらなんでもコカビエルだって

 これ程の雷を受ければ……! 

 

「フハハハハハ! 

 何だこれは? 

 マッサージのつもりか? 

 こそばゆいぞバラキエルの娘!」

 

 朱乃さんの名前には

 興味も持たず、

 フンと気合を入れただけで

 雷の竜をコカビエルは

 かき消してしまった! 

 嘘だろ……! 

 あれが効かないって……! 

 これが堕天使の

 幹部の力なのかよ……!! 

 

「どうした? 

 これで終わりか? 

 お前達は魔王の直系なのだろう! 

 力を見せろ! 才覚を示せ! 

 俺を楽しませてくれ! 

 もっと俺を興じさせろ! 

 俺は貴様らの

 虐殺がしたいのではない! 

 血湧き肉躍る死闘がしたいのだ! 

 アーハッハッハッハッ!!」

 

 上空に浮かぶコカビエルは

 狂喜しながら叫ぶ。

 そして衝撃波を放ってきたが

 その勢いはライザー以上だ! 

 

「小猫ちゃん!」

「……はい」

『boost!』

『boost!』

 

 俺は力を倍加させて、

 小猫ちゃんと一緒に

 地面を殴りつける事で

 その衝撃波を相殺する。

 が、コカビエルは衝撃波を

 更に3回も4回も重ねて放ってきた! くそっ! 

 このままじゃ防ぎきれない! 

 

「リアスさん! 朱乃さん!」

「ええ!」

『Boost!!』

「了解ですわ!」

 

 俺の呼び掛けに応じて、

 皆がそれぞれの攻撃で

 衝撃波を打ち消していった。

 

「攻めてこいッ! 

 半端な守りでは万年かかろうと

 俺には届かんぞ!」

「アドバイス

 しているつもりかよっ!!」

 

 俺は右手に魔力を集めて、

 ドラゴン・ショットを

 コカビエル目掛けて放った! 

 だがコカビエルの奴は

 反撃もしなければ

 よけようともしなかった。

 そのまままともに喰らうが

 奴はほんの少し

 仰け反っただけだった。

 

「何だと!?」

「どうした!? 

 下らん体力の削り合いなど

 願い下げだぞ! 赤龍帝!」

 

 おいおいおい! 

 何を勘違いしているのか

 解らないがコカビエルは

 俺のドラゴン・ショットを

 ただの牽制技だと思っていたらしい。

 両方の目元に癇筋を浮かべて

 怒気を露にしたコカビエルは

 背中の黒い翼を展開し

 そこから漆黒の光弾を撃ち出してきた。

 それはさながら

 流星群の様に降り注ぐ。

 幾らなんでも

 多すぎだ! 捌き切れないぞ! 

 更にコカビエルは

 両腕にまるで篭手の様に光を

 纏わせて俺にインファイトを

 仕掛けてきた! 

 ヤバイ! 

 あんなの一発でも

 貰えば致命傷だ! 

 

「この程度か! まだ足りん! 

 まだまだ足りんぞ!」

「調子に乗るんじゃないわよ!」

 

 一喝と共にリアスさんが

 紅いオーラを全身から放出し、

 両手から特大のビームを放った。

 

「かああああっ!!」

 

 すると奴は両手をかざして

 リアスさんの放ったビームを

 受け止める! 

 

「ほう……。

 これは中々の威力だな」

 

 そう言って感心する様に呟くと

 コカビエルは両拳を合わせて

 巨大な光の槍を形成していく! 

 今まで見たこともない様な

 巨大さに思わず足元が竦んでしまう。

 

「消え失せろ!」

 

 そしてそれをリアスさんに向けて投げつけた! 

「きゃぁああああああ!!」

 コカビエルが投げた光の槍はリアスさんに直撃した! まるで戦車砲で撃たれた様に吹き飛ばされる! 

 

「リアスさん!!」

 

 慌てて駆け寄ると、

 そこには服が破れ、

 身体中に傷を負っている

 リアスさんの姿があった! 

 

「イッセー……」

 

 でもそんな状況でも

 俺達に心配をかけまいと

 弱々しく微笑む。

 

「リアスさん! 

 直ぐに私が……!」

 

 アーシアが駆け寄り

 直ぐに治療に入ろうとした。

 だがその時! 

 音もなくサタナキアが

 アーシアを後ろから

 羽交い締めのような姿勢に入る。

 

「離して下さい! 離して! 

 このままじゃリアスさんが……!」

 

 アーシアは涙を零して

 サタナキアに訴えるが

 奴は不気味に口元を歪めた。

 

「いや、当たり前じゃん? 

 コカビエルはああ言ったけど

 回復なんて許すはずないだろ? 

 キミたち、もしかして

 誰も死なないで僕等に勝とうって

 思っていたの? ハハハ、

 冗談はよしてくれ」

 

 …………ッ!! 

 その言葉を聞いて

 俺達全員の顔色が変わった。

 

「まあ、いいか。

 どうせもうすぐ終わるんだし。

 それより君達はこれから

 起こる事を

 しっかり目に

 焼き付けておくといい。

 この世の終わりの始まりなんて

 そう何度も見られるものじゃ

 ないからね」

 

 そしてサタナキアはアーシアを

 抱えて上空へと飛び上がった。

 

「アーシア!」

「……部長!」

「……朱乃先輩」

 

 俺達が必死に手を伸ばすが

 届くはずもない。

 

「ははは。そういえばキミは

 治癒の神器を持っているんだっけ? 

 それって脳だけになっても使えるのかな? 

 色々試してみたいなぁ」

「イッセーさん……! イッセーさぁん!」

 

 アーシアが俺を必死に呼んで助けを求めている……! 

 クソ……! ここまでなのか! 

 本当にここまでなのかよ! 

 何か……! 何かあるはず……! 

 

『ないでもない。

 だがそれはお前が人間でも

 悪魔でも竜でもなくなる選択だぞ』

「それで構わない。

 俺は、俺は皆を守る! 

 その為なら

 どんな代償だって払う!」

 

 俺は左手の赤い籠手を輝かせ、

 ドライグに誓いながら

 高く掲げた。

 

『よく言った。相棒!』

 

 すると、俺の左腕に装着された

 神器が輝きを増していき、

 同時に激しい痛みが走る。

 

「うぅっ!」

 

 そのあまりの激痛に

 意識が遠のきそうになるが歯を食い縛って耐える。

 痛い! 痛い!! 痛い!!! 

 一瞬で全身が引き裂け、

 神経全てが焼き焦がされるかの様に熱く、

 そして鋭い痛みが

 永遠に感じられる様に襲ってくる。

 だが構わない! 

 イリナやリアスさん、

 ましてやサタナキアに

 弄ばれた木場やイザイヤさんの

 痛みに比べれば……!! 

 俺はありったけの力を

 込めながら叫び声を上げる。

 

「俺は……俺は負けない!!」

「ははは、そういうのは

 真っ先に死ぬやつの常套句だよ?」

 

 すると籠手が更に眩しく光り輝く。

 そして、次の瞬間! 

 俺の体中を

 真っ赤な光が包み込んだ! 

 

『神の名を騙る愚か者め。

 お前は竜の逆鱗に触れた』

 

「え? なにあれ?」

「え……きゃああああ!」

 

 サタナキアの奴が

 俺を見て呟いた。

 だが俺には解っている。

 この光はドライグの力だ。

 ライザーの時に纏った鎧よりも

 遥かに強い力が

 全身に流れ込んでくる。

 って野郎! 

 呆然とするのはいいが

 アーシアを落とすんじゃねえよ!! 

 けどまるでスローモーションの

 様に動きがゆっくりだ。

 これなら間に合う! 

 

 キュオォォォォッ!! 

 

 って何だよ? 

 ダッシュしたら俺の周りの

 空気が吹っ飛んだ。

 

『気をつけろよ相棒。

 今のお前は俺の力の殆どと

 融合している状態だ。

 だから力加減を間違えると

 この領域ごと消し飛ぶぜ?』

「お、おう……」

「イッセーさん!? 

 その姿は一体……!」

 

 アーシアは驚愕しながら

 俺に聞いてきた。

 

「ああ……。

 これが俺の新しい姿さ」

「イッセーさん……」

 

 アーシアは俺の言葉を聞いて

 顔を赤くして俯いてしまった。

 厳密には2回目なんだけどね……。

 

「まずはリアスさんの手当を」

「はい!」

 アーシアが駆け寄ろうとすると、

 コカビエルが空から降りてきた。

 

「ほう? 面白い。

 それが貴様の真の姿か。

 実に興味深い」

「ヤローに言い寄られて

 喜ぶ趣味はないんだよな……! 

 それよりリアスさんを

 痛めつけたお礼はたっぷりと

 させてもらうぜ!」

「フハハ! 良いぞ! もっと怒れ! 

 そうでなければ面白くもない!」

 

 俺の怒りを受けてもなお

 余裕を見せるとはな。

 だったらこっちは遠慮なく

 行かせてもらおう

 じゃねぇか……!! 

 けどその前に……! 

 

「行くぜ! ドライグ!」

『応よ!!』

 

 俺は空中にいるサタナキアに

 向けて駆け出した。

 

「イッセーさん!」

 

 後ろからアーシアの声が

 聞こえるが今は構ってられない。

 奴をぶちのめす事だけに集中する。

 

「へぇ? 少しはやるみたいだけど

 僕に勝……ぐがあっ!!」

 

 バゴォォォン!! 

 

 俺はサタナキアの

 顔面を殴り飛ばす。

 すると何だか知らないが

 奴の余裕が崩れ去った。

 

「な、何だと……!? 

 僕は……俺は……光の堕天使だぞ! 

 光そのものであり神なんだ! 

 光が! 神が殴られる事なんて……! 

 あってたまるかああああ!!」

 

 サタナキアが叫ぶと同時に

 周囲に無数の魔法陣が現れた。

 

「死ねえええ!!」

 

 シャオォォォンッッッ!!! 

 

 そこから一斉にまるで

 ギロチンの様な光の刃が数十も発射される。

 

「知らねえよ! 

 ならお前の前提が

 間違っているんだろ!! 

 お前は神じゃなくて、

 タダのサディストの

 基地外堕天使なんだよ!!」

 

『boostboostboostboost!!』『BoostBoostBoostBoost!!』

『BoostBoostBoostBoost!!』

『BoostBoostBoostBoost!!』

「その腐った根性……! 

 叩き直してやる!!」

 

 俺は迫り来る全ての攻撃を

 全て拳で打ち砕きながら

 奴に迫る! 

 

「ひいっ……! やめろ……! 

 来るんじゃあないっ!!」

 

 背中を見せて逃げ出すサタナキアを

 追いながら俺は拳に魔力、

 いや竜のオーラを集中させる。

 まるで夕焼けの様な色をした

 そのオーラはどんどん凝縮されていく。

 

『ドラゴン・メガフレア!!』

 

 ギュオオオオッ!! 

 俺の右腕に集まったオーラが

 一気に解き放たれ、

 巨大な夕日の様にサタナキアを

 飲み込みながら

 地面へと落ちて行く。

 

「ぎゃああああああ!!」

 

 ドガアァァァアン!!! 

 サタナキアの断末魔の叫びと共に、

 激しい爆発音と爆風が巻き起こる。

 そして煙が晴れるとそこには……。

 何もなかった。

 

「くそっ……! 逃げられたか!」

『違うぞ相棒。奴は文字通り

 消滅した』

「え?」

 ドライグが突然そんな事を言った。

「どういう意味だ? 

 消滅ってまさか……」

『ああ、だが気に病むな。

 奴は分霊。真の姿はまだ……』

 

 ドライグが言い終える前に

 背中に衝撃が走った! 

 振り返るとコカビエルが

 俺に光弾を放ってきていた。

 

「来い! 赤龍帝! 

 俺の放った光の槍の威力は

 あのリアス・グレモリーに

 放ったものと同じ! 

 だが大して効いてはいない筈だ!」

 コカビエルは翼を広げて

 またさっきの流星群めいた

 攻撃を放つつもりだろうな。

 

「この野郎! 

 リアスさん達を巻き込もうなんて

 考えがセコいぜ!」

「そんなつもりはない! 

 今のはフェイント! 

 本命はこちらだ!!」

 

 コカビエルは光の大剣を

 作り出すと、

 それを振り下ろしてきた。

 うおっ……! 

 サタナキアのチンケな刃とは

 重さも威力も段違いだ! 

 肩に打ち込まれた衝撃で

 左の肩甲骨にピシリと罅が入った。

 だが、今の俺なら耐えられる! 

 

「うおらぁ!」

 

 腕は二本ある! 

 なら右の拳でぶん殴る! 

 

『boostboostboost!』

 

『BoostBoostBoostBoost!!』

「ふうぅぅっ!」

 

 俺は拳に込めた力を解放した。

 衝撃が荒野を薙ぎ払い髑髏を

 打ち砕くが、コカビエルは

 踏みとどまって俺の右フックを

 受けきり、ニヤリと笑った。

 

「フハハハハハ! 

 感謝する! 感謝するぞ赤龍帝! 

 俺は今生まれて始めて

 勝つか負けるか解らない

 一対一の勝負の中にある!」

 

 そう言うなりコカビエルは更に

 スピードを上げて斬撃を繰り出してくる。

「おおっとぉ! こいつはマジで強いな! 

 今まで戦ったどの敵よりも……!」

 俺は光の軌跡を描きながら

 襲い来る光の大剣の連撃をかわし、

 いなしながら

 相手の強さに舌を巻いていた。

 

「ふはは! そうだ

 ! 俺がお前と戦っている! 

 その事実こそが重要! 

 お前の様な存在を待っていたのだ! 

 もっと見せろ! もっと聞かせろ! 

 お前の強さを! お前の可能性を! 

 戦え! 戦え!! 

 諦めを一蹴しろ! 

 絶望を踏破しろ!! 

 そして戦い続ける魂こそが! 

 より強く! 美しく!! 

 純粋に光り輝くのだ!!」

「アンタの哲学なんか知るか!」

 

 何言ってんのかサッパリ解らん。

 でも何となく

 理解できた事が一つだけあった。

 コイツはこういう生き方しか

 できない奴なんだ。

 でもそれは

 良いとか悪いの話じゃない。

 

「いいぞ! その目だ! 

 その目が見たかった! 

 俺の全てを否定できるその瞳! 

 お前こそ我が宿敵! 

 俺の生涯最大最後の相手に

 相応しい!! さあ! 

 俺の全てをぶつけよう!!」

「ああ、俺も全力でいくぜ!」

 

 俺は両腕を突き出してそこに全ての魔力、

 いや竜のオーラを集中させる。

 今度は刃のイメージを固め

 俺の両手から放たれる膨大な

 エネルギーの塊を一本の剣にする。

 

『ドラゴン・ラグナロク!』

 

 ズバアァァァン!! 

 

 まるで神話に出てくる様な

 巨大な光の剣が

 コカビエルの放った無数の光の矢を

 切り裂きながら

 ヤツに向かって飛んで行く。

 

「うおおおおお……!!!」

 

 ドガアッ! 

 

 凄まじい衝撃と共にコカビエルは

 両断されて地面に叩きつけられた。

 俺はスッと奴の下に降り立つ。

 

「一つ聞かせてくれ。

 なんで俺とやりあってる時に

 イリナを人質にしなかったんだ?」

 

 俺がそう訊くと、

 上半身だけで辛うじて息をしている

 コカビエルは苦笑いを浮かべた。

 

「ふ、ふふ……! 

 貴様と戦うのが楽しくてな……! 

 つい、忘れていた……!」

「嘘つけ。アンタ、本当は

 戦って死にたかったんだろ?」

「……」

 

 コカビエルは何も言わない。

 だが俺は確信していた。

 コイツには戦う事以外に

 何も無かったのだと。

 

「まあいいさ。

 俺は別に正義の味方じゃない。

 ただ自分の大切な人達を守る為に拳を振るうだけだ。

 だからもし次に誰かに牙を剥く時は……」

 

 俺は光の剣を振り上げ……。

 

「容赦なくぶっ潰す」

 

 ズシャアッ! 

 コカビエルの横に突き刺すと

 光の剣はかき消えた。

 

「ぐ……! フハハ……! 

 見事だ……! 俺の完敗だ……! 

 俺は地獄よりも深い奈落に

 落ちるだろうが

 先達の奴等に誇ってやろう! 

 俺は赤龍帝に挑んで敗れた

 愚かな堕天使だとな! 

 ハハハハハ! フハハハハハ……」

 

 満足そうに高笑いをしながら

 奴は塩になって消えていった。

 

「イッセーさん!」

「大丈夫か!?」

 

 アーシアちゃんと

 ゼノヴィアが駆け寄ってくる。

 

「おう! 見ての通りだぜ!」

 

 俺は二人に笑ってみせる。

 でも兜越しに見えているかな? 

 

「よかったです。

 イッセーさんの身に何かあれば

 私、どうしようかと……!」

「まったくだ。

 心配させてくれる。

 だが、よくやったぞ、赤龍帝!」

 

 二人は安堵した表情を見せた。

 この顔だけで

 ドライグに心臓を捧げた

 甲斐があったってモンだ。

 

「はは、悪い悪い。

 でもコカビエルも

 サタナキアは倒したし、

 これでこの町は守られたな」

 

「おーい!」

 

 その時、あちこち怪我をした

 安里達が駆け寄ってきた。

 良かった、

 あいつらも無事だったんだな! 

 

「皆! 無事で良かったぜ! 

 それにしても、お前らボロボロじゃねえか。

 一体何が……」

「ハハハ、

 まあ話すと長くなるんだが……」

 

 安里は自慢げに鼻の下を

 擦りながら話し始めた。

 要は車椅子の男こと

 ヘパイストスやフリードを

 木場達と共に倒したらしい。

 あちこち破れているのに

 軽傷なのはソーナさん達が

 駆けつけてきてくれて

 手当やサポートをしてくれたから

 との事だ。

 

「バルパーはソーナと匙、

 後フリーの悪魔祓い師で

 取り押さえて融合は封じたって

 いうからもう大丈夫だぜ!」

 

 そっか! 

 ソーナさんとシュタークさんが

 いるなら大丈夫だな! 

 

「それはそれとして

 何だよその鎧? イメチェンか?」

「いや、それが……」

 

 どう説明しようか、

 俺は頭を悩ませた。

 安里はとにかく、

 リアスさんとアーシアに何て

 説明しよう……。

 

「そこの悪魔くん、

 いや赤龍帝は心臓を

 二天龍に捧げた結果、

 奴の一部になったのさ。

 どういう訳かは知らんが

 悪魔クンの人格は

 そのまま残っているがね」

 

 誰かがフラリと現れ

 あっさり説明した。

 あれ? 契約先のお金持ちの

 おじさんじゃないか? 

 安里も知り合いらしくて

 俺と同じく目を丸くしていた。

 

「うぉっ! おっさん!? 

 いつの間にそこにいたんだよ!?」

「ふむ。

 悪魔クンとヤス以外には

 ほぼ初めましてって所かな? 

 俺はアザゼル。

 堕天使総督にして

 コカビエルの上司で

 サタナキアとはまあ……

 音楽性の違いで別れた

 バンドメンバーって所だな。

 よろしく頼むよ」

 

 えぇ~……! 

 まさかの新たな敵の登場!? 

 しかも堕天使の親玉だって!? 

 が、アザゼルは外人みたいに

 両手を広げて肩を竦める

 おどけたポーズをして

 敵意がない事をこちらに示す。

 

「おいおい、そんな怖い顔をしないでくれたまえ。

 君達に危害を加えるつもりはない。

 俺の狙いはあくまで

 コカビエルを捕らえに来て

 サタナエルにケジメを取らせに

 きただけだ。

 俺の部下の不始末は

 俺の責任だからな」

「え? 何を言っているんです? 

 二人とも俺が倒した筈じゃ……」

「いいや、違う。

 コカビエルはともかく

 サタナエルの奴はそう簡単に

 くたばるタマじゃないのさ」

 

 頬をかきつつ視線を地面に向けて

 アザゼルは言った。

 

『ああ、

 さっき言いそびれたがな。

 あのサタナキアとかいう小僧は

 誰かの分霊だ。本体は別にいる』

「ええっ!?」

 

 ドライグがいきなり喋った事に

 アーシアちゃん達は驚いていたが

 アザゼルは特に動じなかった。

「ほう……流石は伝説の龍だ。

 既に見抜いていたか」

『世辞はいい。それより

 奴の本体はどこでどうしている?』

 

 ドライグの声に苛立ちが見えた時

 アザゼルの近くにシュタークさんが

 現れた。

 

「アザゼル、実に拙い事に

 なりそうなんだけどネ……。

 あれ、イッセー君じゃないカ?」

 

 鎧姿なのに俺に気づいた様で

 パチリ、とウィンクしてきた。

 いや、やっぱりエロかわいいと

 いうか……と、リアスさんの前だぞイカンイカン! 

 

「シュタークさん、

 拙い事って何です?」

「いや、まさかバルパーが

 自分の身を犠牲にしてまで

 聖剣を融合するなんてネ……」

 

 ええ!? 

 じゃあ暴走したエネルギーは!? 

 南極の氷を破壊して

 ノアの洪水が起こるのか!? 

 皆に衝撃が走る中

 一人アザゼルは笑い出した。

 って笑い事じゃないだろ! 

 

「いや、スマンスマン。

 お前さん、若いだけあって

 ホントに人がいいな」

「何がですか!」

「サタナエルみたいな奴を

 まともに信じたらダメだぜ? 

 ノアの洪水なんてデタラメだ。

 奴は玩具にしている人間を

 滅ぼすつもりなんてないのさ。

 奴の目的は聖剣融合のエネルギーを

 ヘパイストスの人工神具で

 増幅させてある一点を狙撃して

 破壊することにあったのさ」

 

 解説はいいから結論を

 言ってくれよ! 

 俺達のイラつきが伝わったか

 アザゼルはまたもや悪気なく笑ってみせた。

 

「奴が狙ったのは

 氷結地獄の一点。

 自分の本体が封じられた場所だ」

 

 同時に異空間が振動を始め、

 地割れが俺とゼノヴィア、リアスさん、

序にアザゼルを

 呑み込んだ。

 

「ははははは! 

 よくもやってくれたねえ

 赤龍帝! それにアザゼル!」

 

 聞こえてきたのはサタナキアの声。

 恐らくサタナキアの本体、サタナエルが

 俺達を引きずり込んだのだろうか。

 いいぜ! こうなったらとことんやってやる! 

 

 




コカビエルのキャラが大分変わった。
声が安元さんだからね。
あとイッセーが
仮面ライダーからウルトラマンになった。
いや、心臓を捧げたから進撃の巨人か。
え? バハムートはカバだろバカ?
じゃっかあしい(蒼天航路の劉備)

真面目な話短いけど投稿頻度は早い方がいい?

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