※この作品はR-18です。

ハイスクールD∞D   作:ぷうち☆りん

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いよいよ和平会談でカテレア登場も近い。


第31話

イッセー達がギャスパーの

引きこもり脱却に

尽力していた頃……。

 

 

「よぉ、

俺は『ランサー』ってんだ。

何やかんやでお前さんと

組む事になった。宜しくな」

 

気さくだが明らかに死線を

幾度もくぐり抜けた男の

不敵さと余裕を醸し出し、

青い短髪の青年は安里へと

握手を求めた。

 

「ど、どうも。九頭竜安里です。

宜しく……所でランサーって本名ですか?」

 

安里は握手に応じつつ、

素朴な疑問を投げかけた。

するとランサーは掌を

向けて安里の

質問をいなす様な態度を示す。

 

「まさか。

俺は背中を預けるに足ると

認めた奴にしか名を明かさない

主義なもんでな。

そういう訳だ、よろしく頼むぜ

坊主!」

 

ランサーは快活に笑いながら

安里の肩をバンバン叩く。

 

(結構体育系だなこの人……。

信頼してほしいなら

実力を示せってワケか)

 

成る程、わかりやすい。

安里は内心そう思いつつも

表情には出さず愛想良く笑う。

一方、ランサーと同時に現れた

銀の長髪、長身の美女は氷の様な

冷ややかな視線を安里へと送る。

その様はまるで研ぎ澄まされた名刀を

彷彿とさせる。

 

「セルベリア・ブレスだ……」

 

ただ一言、腕を組みながらの

名乗りであった。しかしそれは

彼女なりの挨拶だと 感じたのか、

安里は特に気にせず

自己紹介をする。

 

「あぁ……どうも初めまして。

九頭竜安里です。

こちらこそ 宜しくお願いします」

 

すると彼女は無言のまま、

小さく会釈する。

どうやら礼には礼で返す辺り

最低限の礼儀はあるらしい。

安里は少し安心したが、

彼女の眼差しは依然として鋭いままである。

 

「まあ、お互い紹介が済んで

めでたしってワケだが……」

 

ランサーは周囲を見渡し、呟く。

 

「こんな氷まみれの場所が

初仕事とはなあ……。

俺は暖かい場所の方が好き

なんだが…まあ、仕方ねえやな」

 

ランサーの言葉通り、

現在三人がいる場所は何と氷結地獄の最奥地。

本来ならば絶対零度に迫る

極寒の世界であるが、

安里達の周囲には特殊な術式による結界が

展開されており、

内部は非常に快適な温度を保っている。

そしてその結界を展開しているのが

他ならぬランサーなのだ。

 

「ランサーさんは魔法も

使えるんですか?」

「魔術だな。魔法というには

ちょっとチャチな代物だ」

「へぇ~。凄いなぁ……」

 

安里は素直に関心するが、

ランサーはそれを

鼻にかける事もなく続ける。

 

「それにしても

お前さんも大概だよな。

あんな状況で

よく生き残れたもんだぜ」

 

ランサーは愉快そうに語る。

サタナエルとイッセーが

異空間で死闘を繰り広げていた時に

安里達もまた魔獣達と

戦わされていたのだ。

 

「まあ、シトリーさんが

結界術でフォロー

してくれたからですよ」

 

実際、あの時

彼女達生徒会のフォローが

いなければ

今頃命はなかっただろう。

と安里は身震いする。

 

「ほぉー……。

しかし、その生徒会長様の姉さんが

氷結地獄に呼びつけとはねぇ……。

一体どういう了見なんだろうな?」

「いやあ、俺もゲイトさんからは

何も……」

 

面目ない、といった様子で

頭を掻いてみせる安里。

するとセルベリアは眉を顰めた。

 

「貴様の上官から

下知がないのか……?

全く嘆かわしい……」

 

彼女は呆れ顔を浮かべて

ため息を吐く。

どうやらセルベリアは 軍人気質であり、

組織の緩みや乱れを

殊更嫌悪しているようだ。

一方のランサーは

苦笑しつつ肩をすくめる。

 

「まあまあ。

そう言いなさんな。

俺達は軍人ってワケでもねェ。

異邦人は異邦人らしく、

自由にやるのが一番さ」

 

そんな事を言っている内に

合流場所にやって来たのだが……。

 

「やっほ〜☆今日はよろしくね☆

はじめまして☆ 

私、魔王セラフォルー・レヴィアタンです☆

 『レヴィアたん』って呼んでね☆」

「何だ姉ちゃん、酔っ払いか?」

 

やはり異邦人と自称するだけあり

四大魔王に対しても

この辛辣なツッコミである。

しかし当の本人は特に気にせず、

快活な笑顔を振りまく。

ツインテールに魔法少女と

いう出で立ちがこの一面の

銀世界にはまるで似合っていない。

しかしランサーは

その点について突っ込む事はしなかった。

それは彼なりの心遣いなのか、

単に興味がないのか、

あるいは両方か……。

 

「え〜と……あんた、じゃない。

貴方がシトリーさんのお姉さんの

セラフォルー様でいいんですよね?」

「コラコラ☆『レヴィアたん』って

呼ばなきゃダメでしょ☆」

「いや、そういうのは別に……」

「ぶぅ〜☆ノリ悪いぞ少年☆」

「な、何なのだ一体……」

 

ぷっくりと頬を膨らませる

レヴィアタンにセルベリアも安里も目が点に

なるしかなかった。

 

「で、改めて用と言うのは……?」

「えーとね☆ オルっちが言うには

サタナエルがこの氷結地獄に

エネルギーを撃ち込んで

復活したじゃない?

その時に二天龍の財宝の一部が

一緒に

吹き飛ばされちゃったのよね☆

だからそれを

探し出して回収してきてほしいの☆

あ、ちなみに

宝探しみたいなものだから、

気楽に行ってらっしゃい☆」

 

何というか、独特のテンションに

飲まれ気味の安里は

質問もロクに思い浮かばない。

するとランサーと

セルベリアが助け舟を出す。

ランサーはともかく、

セルベリアが対応したのは

安里にしても意外だった。

 

「了解したぜ。まあ、それくらいなら お安い御用だ」

「所でレヴィアたん」

 

(レヴィアたんって 真顔で

言っているし……。

ある意味すげーなセルベリアさんも……)

 

「何かしら☆」

「探索の範囲、対象、

戦略上の意図並びに

その行動目的を教えてくれ」

「あらら☆ もうちょっと

遊んでくれても 良かったんだけどなぁ〜」

「遊びではないからな」

「うふふ☆ 分かったわよぉ。

範囲は氷結地獄全域。

対象はサタナエルが

隠匿していた宝物、神器の回収。

戦略上の意図と目的は……

そうねぇ。

旧魔王派の跳梁を未然に防ぐため

サーゼクスちゃんの地固めと、

あと私がちょちょいとこの

ジュデッカを修復する事で

日和見主義の貴族達を

こちら側に引き入れる為かな」

 

能ある鷹は爪を隠すとは言うが

流石は魔王。

伊達や酔狂で

魔王を名乗っている訳ではないらしい。

 

「ま、そんなところだろうな。

じゃ、行ってくるぜ」

「はーい☆ お願いね☆」

 

こうして三人は氷原を進む。

氷結地獄。

そこはその名の通り

氷の世界である。

 

「こりゃあはぐれたら最後。

たちまち氷のオブジェになるかもねぇ……」

 

ランサーは呟く。

実際、

その言葉は冗談でも何でもない。

結界の外から出たら忽ち

凍死してしまうのは明らかだ。

そうした訳で安里達は辺りを

見回しながら慎重に進む。

 

「所でランサー」

「何だい姉ちゃん」

「サタナエルとやらの遺物には

結界を無効化する様な代物は

あったか?」

「さあ? 俺ァ武闘派なモンで、

そっち方面はサッパリだが……。

無いとは言い切れねェわな。

ああいうタイプは

何でもかんでも一通り

揃えたがるモンだからなァ」

「ほう……。

まるで具体例があるかの様な

もの言いだが」

「まあ、昔英雄王とかいう

阿漕な野郎と

付き合いがあったんでね……」

 

と、ランサーは軽口を叩くが

あまり良い思い出ではなかった

らしい。

苦虫を噛み潰したような表情だ。

 

「ふむ、殿下も思えば

そんな所があった。

世界を問わず王というものは

皆そうなのかもしれんな」

「違いない」

 

セルベリアの感想に

ランサーは同意する。

氷結地獄であっても

昔話には花が咲くものらしい。

と、その時。

 

片腕をドリルに武態化させる事で

安里は氷の地面を突き破りながら

地中から出現した何者かの攻撃を防いだ。

 

「どうした坊主!?

石油でも掘り当てたか?」

「そんな有難いものじゃないスよ!」

 

ランサーのボケにツッコミを入れつつ

安里は敵の攻撃を防いだ。

 

氷の中から現れたのは

黄色いローブに身を包み、

腰に袋と縄を下げる男だった。

そしてその手には杖を持っている。

袋からはちゃり、ちゃりんと

金属が擦れ合う音がする辺り

硬貨でも入っているのだろう。

 

「……あのお方の威光を涜す

異邦人めら……」

 

声とも音ともつかぬ、

不思議な響きを持った

囁き声で男は言う。

 

「まあ他所モンなのは

否定しねェがな。

何と仰る地元の兄ちゃん、

アンタ何者だい?」

 

先程までの飄々としたランサー

とは打って変わり、

その声や表情に真剣味が混じる。

それを感じ取ったのか、

安里もセルベリアも身構えた。

 

「……」

 

しかしローブの男はランサーの

質問には答えなかった。

恐らくはサタナエルの本体の

近くにて収監されていた大罪人で

あろう。

 

「無視かよ…! まあいい!

どの道それはうちのボスが

取ってこいって言われたんでな!

悪いけど頂いてくぜ!!」

 

安里は言うが速いか片腕を巨大な

モーニングスターへと変化させる。

結界から外に出るわけには

いかないから、という事だろう。

 

ブオォォォン!!という

風切り音を響かせ

安里はローブの男を殴りつける。

この攻撃は、

ただのパンチではない。

鎖分銅付きの鉄球なのだ。

それも、尋常ならざる速度である。

常人が避けようとしてもまず

避けられない。

しかし。

 

「……!」

 

ガキィン! という

硬質な音が響くなり

ローブの男の目の前で

攻撃は弾かれてしまう。

 

「これは……?……障壁……?」

 

セルベリアが呟く中

安里は冷静に分析する。

確かに今のは

魔術的な力による防御だ。

つまり、何らかの神器だろうか。

しかも相当なレベルのものである事は 間違いない。

 

「おいおい……!

神器どころか神滅具レベルの

使い手って事はねえだろうな!」

 

安里は内心舌打ちしながらも

第二撃として腕を

モーニングスターから砲塔に変更した。

そしてそこから砲撃を放つ。

 

轟ッ!!! と、

爆裂音が鳴り響き

ローブの男が立っていた場所を

跡形もなく吹き飛ばすのみならず

氷結地獄であるのに火柱が立つ。

 

(俺の『燃える三眼』を使った

特製焼夷弾だぜ!)

 

炎に包まれたローブの男は

流石に耐えきれない筈だ。

そう思った瞬間。

ちゃりん、と硬貨が擦り合わさる

音が響いたかと思うと

炎は瞬く間に消え去った。

 

「何ィ!?」

 

驚く安里に構わずローブの男は

腰の投げ縄を投げつけてきた。

「何だテメェ!

インディ・ジョーンズにでも

なったつもりかよ!」

 

安里は砲塔の弾頭を

榴弾に変えて発射

その投げ縄を炎上させ

撃ち落とした……筈であった。

 

「……んげあっ!?」

 

安里は目を白黒させた。

何故なら燃え尽きた筈の投げ縄の

輪が形を保ったまま彼の首に

巻き付いたからだ。

そしてそのままローブの男は

肩を使って投げ縄を締め上げる。

結界から氷塊に吊るされる

形となった安里の意識が

寒さと窒息により

急速に遠のいていく。

 

「不浄なるモノよ。

奇妙な果実より稔れ」

 

ローブの男が呟くと同時に

安里の身体が痙攣を始めた。

明らかに異常な事態に、

セルベリアは自身の持つ

馬上槍さながらの武器から

閃光を放つ!

狙ったのは投げ縄とローブの男

との支点でありその閃光は

ローブの男と安里を繋ぐ

縄を切断した。

 

「ゲホッ!ゴホ!」

 

地面に落下した安里は

咳き込むも、 何とか立ち上がる。

 

「無理をするな!下がれ!

吶喊する!ランサー、援護しろ!」

「任せなァ!」

 

まるで戦場指揮官か何かの様に

セルベリアは指示を出すと

ランサーも即座に応じる。

先程のローブの男の攻撃は

恐らく何らかの呪術であろう。

だが彼女のいた世界は

神秘が解明された鋼の世界。

ならば幾らかの耐性はある。

故に彼女はローブの男の

呪縛から逃れられたのだ。

 

「女が…!!マグダラの淫婦の末裔が私に……!」

「女ならば何だと言うのだ?」

 

怒りの形相を浮かべた

ローブの男は セルベリアに

狙いを定め 再び呪文を唱え始める。

しかし、 その詠唱が完成するよりも早く、

セルベリアの武器から放たれた

強烈な光がローブの男の視界を焼いた。

目くらましも兼ねているのか、

眩いばかりの光を放ち続ける。

 

「どうやら無効化できるのは

お前に直接向けられた攻撃のみらしいな……!

ランサー!」

「応ッ!!」

 

ランサーは穂先にて自身の

周囲に真円を描くと、

赤い光を発する陣が浮かぶ。

同時にランサーは

槍をローブの男に向けると、

 

「紅い棘は茨の如く……ってな!

『刺し穿つ死棘の槍』!」

 

と言い放つ。

すると、 その先端から

赤黒い光の軌道が描かれる。

渦巻き、捻じれ、絡み合う。

そしてそれはローブの男の

心臓へと吸い込まれていった。

いかにローブの男とて因果律を捻じ曲げられては

無効化する術はない。

 

「……!!」

 

ローブの男は声にならない叫びを上げると

その場に膝をつく。

そしてセルベリアの持つ槍から

氷原を裂くほどの光線が発射され

ローブの男の全身を飲み込んだ。

 

ズゴオォォォン!!

 

という轟音と共に 大地を揺らし、

ローブの男が居た場所には

クレーターが出来ていた。

 

「ゲホッ…!

俺の手柄じゃねえけど、

ざまあみやがれってんだ!」

「……油断するなよ坊主。

まだ生きているぞ」

 

ランサーはそう言うと、

クレーターの中心を指差す。

そこには確かに あの

ローブの男が立っていた。

ただし、

既にその姿は変貌していた。

端的に言えば

人の形をしていなかった。

人型ではあるものの、

蛸の触手めいた何かが

杖に腕の代わりに巻き付いている。

背中には羽ではなく翅、

顔は仮面で覆われ、

その表情は伺えない。

 

「マジかよ……!

心臓貫かれて死なないのかよ!」

「そう嘆くなよ。

この業界じゃよくある話だ。

かくいう俺もやられる方で

経験済だ」

「そういう問題っスか!?」

 

ランサーの言葉に

思わずツッコミを入れる安里だが、

状況はそんな事を言ってられる程 甘くはなかった。

ローブの男はゆっくりと立ち上がり、 天を仰ぐ。

 

「おぉ……おぉ……

感謝致しますぞ我が主……!!

茨の穂先によりて受けた

決して癒えぬ槍の傷……!!

これならば万、いや億分の一にも満たねど

あの御方への贖罪となるでしょう……!!」

 

仮面より歓喜の涙を流す

ローブの男に安里は形容し難い

恐怖を覚える。

まるで目の前の男は

サタナエルの誇大妄想とは比較にならぬ

何かの妄執に取り憑かれているかの様だ。

狂信、或いは盲愛というべきか。

そんな中で氷結地獄の天蓋の一部が

割れ、 氷塊が落下してきた。

 

「どわあああっ!?」

 

慌てて安里達は飛び退くと

彼の前に見覚えのある男が

現れた。

「おやまあ、外来種の皆様方。

ご機嫌よう!」

 

男の名はフリード・ セルゼン。

元はぐれ神父、元聖剣使いという

異色の経歴の持ち主だ。

 

「生きてやがったのか!?」

 

安里は驚きの声を上げた。

何せ木場とイザイヤが塵と化した

筈の敵が 生きていたのだから当然だろう。

だが、 フリードは笑みを浮かべて

安里達を見つめる。

その瞳は狂気と

狂喜に染まっていた。

 

「塵は塵に、灰は灰に!

俺っちはとってもハイですよっと!

はいさいまいどぉ!マイロード!」

「どういう意味だよそれ……?」

「バーカ!!意味なんてねーよ!」

 

安里の問い掛けに対して

フリードは突如激昂し始めた。

 

「お前らみたいなクズどもにゃ

俺っちがどんな気持ちなのか

分かるわけねえだろ!?

ま、分かんなくていいんだけどさ!!」

「貴様、一体何を言っている?」

 

セルベリアの疑問に対し、

フリードは

嘲笑を浮かべながら答える。

 

「テメーらで勝手に想像して

布団でビクビク震えてろや!

ママー!オシッコ漏らしそうな

位怖いヨー!ってなあ!

んじゃ、まあ行きましょうかね?」

 

どうやらフリードは

ローブの男が主と呼んだ存在に

今は仕えているらしい。

そしてローブの男もまた、

それに付き従う様に動き出す。

 

「そのまま行かせると思ったか!」

 

セルベリアは勇ましく

槍を構えて跳躍。

だが、

 

「どこへ行かれるのですかってェ?」

 

次の瞬間、 ローブの男の身体から

無数の触手が伸び、

セルベリアの四肢を拘束した。

 

「な、なんだこれは……!」

「セルベリアさん!!」

「ギャハハハハ!旦那の触手は

もがけばもがく程に食い込む

サービスタイム付きだぜぃ!」

「うぐぁああ……ッ!!

離せっ……!離れんか……っ!!」

 

ローブの男から伸びた

幾本もの触手は

セルベリアの四肢を締め上げ、

彼女の美しい肌に

赤い跡を残していくばかりでなく

その豊かな

胸や尻にまで 絡みついていた。

 

「こ、この程度で……!

私は負けはせんぞ……!」

「うっひょー!

テンプレ女騎士様の

ストレートな台詞!

最高に勃起モンじゃね?」

 

フリードは下卑た

笑い声を上げると

ローブの男に目配せをする。

すると触手が更に

強くセルベリアの肢体を

縛り上げる。

 

「テメェら

いい加減にしやがれ……!」

 

安里はフリード達の暴挙に

怒りを顕にし、

『燃える三眼』の炎にて

触手を焼き切った。

 

「セルベリアさん!無事ですか?」

「無事は無事だが……

貴様、何故赤面している?」

「それは…その、神器を

使った際の影響という奴です、

オホン」

 

まさか縛られる貴方に興奮しました

とは口が裂けても言えない。

安里は咳払いをして誤魔化す。

そんな彼にセルベリアは

首を傾げるのみだった。

 

フリードは舌打ちを一つし、

安里を睨む。

一方の安里も彼を

憎々しげに見つめ返す。

不倶戴天の敵、とも言うべきか。

 

「……おっとぉ。

このままじゃ禍津星様が

開けた天蓋が

塞がっちまいますよ旦那ァ」

「……解っている」

 

ローブの男は杖をかざすや

天蓋から漏れた紅い光が

二人を包み、上空へと

エレベーターの様に上昇していく。

 

「逃がすか!!」

 

安里は再び武態により、

片腕の触手を鞭に変えると

ローブの男の足へと巻きつけるべく振るった。

だが、

 

「ぎゃああああっ!?」

 

突然、安里の右腕に激痛が走った。

見ると腕の表面に何かが 張り付いているのが見えた。

多数の蝗が牙を立てて、

彼の右腕に噛み付いていたのだ。

 

「おい坊主、

そいつから鞭を離せ!」

 

ランサーが槍を振るうと、

その風圧によって

安里の腕から引き剥がされた

蝗達は地面に落ちる。

恐らくあの男の持つ杖によって

召喚されたものだろう。

 

「クソッタレが……!」

 

何らかの呪術によるものなのか

安里の触手が再生しない。

安里の顔を見てフリードはしてやったと

言わんばかりにほくそ笑む。

 

「さてさてさてさて、

それでは皆さんご機嫌よう!

はいちゃらば!」

 

フリードは勝ち誇る様にそう言い残すと

ローブの男共々天蓋を抜けていった。

 

「…………」

 

安里は無言で歯軋りをし、

ランサーは苛立たしげに

虚空を睨む。

セルベリアは己の不甲斐なさに

悔しさを滲ませていた。

 

 

「まさかあの子が

ドライグんのお宝をせしめて

脱獄するなんてね……」

 

安里達から報告を受けた

セラフォルー・レヴィアタンは

嘆息混じりに呟いた。

 

「すまない、レヴィアたん。

我々の落ち度だ」

 

(この人、ホント真面目なんだな……。

あと、ドライグんって……)

 

セルベリアは真摯な態度で

彼女に頭を下げるが

セラフォルーは手を振って

彼女を宥める。

 

「ううん☆ セーちゃんは

悪くないわ☆

私が修復にかまけず

すぐに増援を送ればよかったのよ~」

「過ぎた事をああだのこうだの

言っても始まらねえ。

魔王の姉ちゃん、あの男は

何者だい?

俺ァどうもこの世界の事情には

疎くてなあ、奴が何者かは

解らないと対策も立てられねぇ」

 

ランサーは槍を両肩に

預けながら、セラフォルーへと

質問を投げかける。

確かにその通りだ。

彼は 異世界の存在である為、

元の世界の知識があるとはいえ

その知識はこの世界とは

ズレている可能性の方が高いのだから。

 

「あら? あの子、かなりの

有名人なんだけどな……☆」

「腹の探り合いはナシにしようや

そういう騙しあいだの駆け引きは

苦手でな」

 

ランサーは あくまで

真剣な表情のまま 言葉を続ける。

一方のセラフォルーは

苦笑しながら答えた。

 

「それもそうね。

彼の名はユダ。

この世界で最も有名な裏切り者よ。

サタナエルもとんでもない

置き土産を残していったわ」

「ほう、裏切り者か……

そりゃまた厄介そうな野郎だぜ」

「そのユダという者は

誰を、何のために裏切ったのだ?」

 

セルベリアが問うと

セラフォルーは顎に手を当て、

考え込む素振りを見せる。

 

「……正直、

私にも詳しい事は解らないの。

彼はどんな拷問にも歓待にも

口を割らなかったから。

ただ言えるのは彼が

裏切りを決意した理由は

とても重いものだって事だけ」

 

安里の知る限りでは

ユダは救世主であるキリストを

ユダヤの司教に売り渡したという

話だが、実際は諸説あり

どのような理由だったのかは

解っていない。

 

「しかし妙だな。

俺のいた世界のユダは

人間の筈だ。

あんな昆虫の翅やらタコみてえな

触手やら生えてない筈だぜ?」

 

ランサーが顎をさすり

ながら言うが安里は何となく

想像がついた。

 

(アイツも誰かによって

転生したんじゃねえかな?)

 

もしそうだとしたら

一体誰が彼を

転生させたのだろうか。

禍津星、という言葉が

何らかの鍵を握っているのは

間違いないが……。

しかしここで一人頭を

悩ませても 仕方がない。

まずは目の前の問題を

解決しなければならないだろう。

なにせ、魔王、堕天使総督、

天使長が揃い踏みでの

和平会談が迫っているのだから。

 




Q.なんでランサーは真名を明かしてないのに
宝具撃てるの?
A.本気じゃないから

Q.サタナエルは何で聖書の神に成り代わろうとしたのにユダを脱獄させようとしたの?
何でユダはサタナエルが死んだ後に
行動したの?

A.
サタナエル
「アイツ過激派アンチだから
脱獄させたら力貸すやろ」
ユダ
「お断りだ。貴様如きがあの御方を
代わりが勤まるはずもない。身の程を知れ」
サタナエル
「同担拒否勢の面倒オタクだった……」

真面目な話短いけど投稿頻度は早い方がいい?

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