大天使ってことにして幽閉しよ……」
門とは侵入を防ぐ他に漏洩を防ぐための
ものでもある。
「概ねはこれで良いでしょう」
学園全体を魔力の結界で
覆いながら会長のシトリーさんは
満足げに眼鏡の縁を上げて、
そう言った。
「うーん☆さすがシトリーちゃん☆
惚れ惚れする結界の出来ね☆」
と、自慢の妹を称賛する
セラフォルーさん。
なにせ今日は天使、悪魔、堕天使の
トップが一堂に会するのだ。
流石に魔法少女の格好では
なかった。
「でも会談前に
堕天使勢力の俺達と魔王様の
セラフォルーさんが会っても
大丈夫なんですかね?」
「大丈夫大丈夫☆」
セラフォルーさんは
あっけらかんと言う。
相変わらず
冥界の重鎮らしからぬ
軽い調子だぜ……。
「今、君の親友のイッセー君と
ミカエルが会っている筈だから」
サラッととてつもない事を……!
「え!?何でそんな事になってるんですか!」
「う〜ん……ミカエル君も
色々大変な立場だから……」
セラフォルーさんは腕組みして
むむむ、と唸っていた。
全く複雑すぎる……。
複雑なのはスープの味わいだけに
してほしいもんだよな……。
「おう、待たせたな」
今度はアザゼルのおっさんが
悠揚な態度でやって来た。
秘書か誰かは解らんけど
赤と黒の道士服に白いモコモコした
マフラーみたいなものをつけた
物憂げな感じの美女、
シュタークまで連れて。
「女連れて遅刻かよ、おっさん」
「ハハハ、まあな。
主役は遅れてやってくるもんさ。
巌流島の決戦しかり、だ」
このふてぶてしい態度ときたら
どうだ。
いや、そもそも決戦じゃねえし!
会談だからな!
つーか、
あの時も遅れてきたよな!
俺は呆れ果て、連れの二人を見た。
えーと……。
「ハハ、イッセー君とは
何度も会っているけど
君とはコカビエルとの戦い以来だネ。
ボクはシュターク・ゴーズ。
フリーの悪魔祓い士サ」
「ども、九頭竜安里です……」
お姉さんの方はともかく、
男の方は何者なんだ?
俺と同年代のくせに
妙に老成しているというか……。
すると俺の視線に気づいた
男の方が挨拶してきた。
「ヴァーリ・ルシファーだ。
白龍皇……と言った方が
君には分かり易いかもな」
ああ、あの時イッセーと
対峙していたあの白い鎧の……!
「成る程……
君は色々混じっているな?」
開口一番いきなり意味深な
事を口走ってきたぞ……。
こいつ何モンだよ!?
いや、白龍皇なのは解るけど
俺の『顕色』も効果がないのか
まるで考えが読めないし。
しかもこいつの場合何か得体の知れない怖さがある。
見た目は同年代なのに歴戦の猛者の
オーラが漂ってるというか。
俺の警戒心を感じ取ったか、
ヴァーリはフッと笑った。
そして肩をすくめる。
その仕草すらも様になっていた。
「そう構えなくてもいい。
今の君なら俺と戦っても
俺が勝つとはいえ
その過程が楽しめそうだ」
「おいおい、冗談はよしてくれ。
あんたみたいな凄そうな奴と戦えるわけないだろう。
俺は平和主義者なんだよ。
この見た目のせいで好戦的な
イメージがあるけど!」
「それは残念だな。
だが、君のような強者は好きだ。
いずれ戦う事もあるだろう。
その時はよろしく頼む」
……チョットナニイッテルノカワカリマセンネ。
よくわからんけど
戦うならゲームとか早食い対決
とかにしてほしい。
と、その辺りで鐘時計が鳴る。
何やかんやで会談の時間となったようだ……。
ー
「私達からの報告は
以上です……」
会談の場でコカビエルと
サタナエルの件を報告するのは
リアスさんとイッセーだ。
あーあ、カチカチに
固まっちまってイッセーの奴……。
しかも二人とも何だか
プリンの匂いがするし……。
まあ、いいや。
それより問題は堕天使のトップ、
アザゼルのおっさんだ。
「まあ、ウチのモンが
迷惑をかけて悪かったって話だな。すまねぇ」
おっさんが意外と素直に
頭を下げた。あのおっさんが!
「これからはこのアザゼルが
新総督として一致団結
して『神の子を見張るものR』を
盛り立てていこうと思う。
よろしくな!」
ってコラコラコラァ!
おっさん!
ちょっと見直したらこれだ!
名前を変えただけでお咎め無しとか
通ると思ってんのかそんなもん!!
「と、君の客分は
承知していないようだが……?」
サーゼクスさんが苦笑いして言う。
あれ、俺声に出てた……?
隣のキュクロに視線を送ると
「うむ」と頷いていた。
「問題はコカビエルと
サタナエルが事を起こした動機です。
それが判明しなければまた同じ事が起きるでしょう」
「まあ、そりゃ当然だわな」
おっさんは頭をボリボリ掻きながら
いかにも面倒臭そうに答える。
「ズバリ言って
『お互いに不自然な位
都合の悪い情報が漏れている』
からだろうなあ……。
あっちもどっちも
不満や不安が燻ってる。
それも今回の
きっかけになったんだろうぜ。
迷ってる奴、怯えている奴は
すぐ正解を求めて
縋りたがるからなあ」
「つまり何者かによる内通や
扇動が為されている……
という事なのかしら?」
「ああ、そういうこった」
とセラフォルーさんの問いに
アザゼルのおっさんは
鷹揚に肯定した。
「まあ、それを言ったらコイツが
一番怪しいって話になるが……
同盟相手だからなァ」
ゲイトさんは穏やかに笑みをたたえ
アザゼルの話を聞いている。
すげーな……。
俺なら軽く文句を言っている所だ。
「それを言えば諸勢力を
渡り歩く彼も
怪しい話になりますが……。
私とは知己ですから」
困った様な顔でミカエルさんは
ボールクの大将を見るが
我、関せずとばかりに
大将は腕を後ろに組んで
不動の構え。
傍らのゼノヴィアは
溜息を漏らして、
イリナは訝しげな視線を
送っていた。
「…………」
サーゼクスさんは何も言わない。
まあ、セラフォルーさんが
裏切るわけないからな……。
「よそう。ここは特定の誰かを
生贄の羊として
吊るし上げる場所ではない」
ここでサーゼクスさんが
助け舟を出すとミカエルさんが
促すように合いの手を入れた。
「ではどうします?」
「我々としてはこれ以上の
戦争の継続は種の滅亡を意味すると判断する。
魔王の名において宣言しよう!
これ以上の戦争は冥界、天界、
人間界に於いて続行する理も益もなしと!」
おおっ!?流石は魔王様だ。
和平への第一歩を踏み出したぞ。
「私も同意見です。
主の御心はあくまで
迷える子羊に安寧を与えるもの。
我ら熾天使も争うは
本意ではありません」
ミカエルさんもそう言う。
「なら、決まりだな。
が、その前に……
特異点とも言える赤龍帝と白龍皇の
意見も聞いておきたいが……」
おっさんはヴァーリとイッセーに
視線を向ける。
まあイッセーはともかく
ヴァーリは読めない……。
「俺は強い奴と戦えれば、
それでいい」
「俺はリアスさんと
イチャイチャできれば
それだけでいいです!!
リアスさんとエッチな生活
したいです!!」
うん、まあ……。
ふたりともそうだよな……。
解ってた。
「よし、じゃあ話は決まりだな!
この会談が終わり次第、
それぞれの陣営は一度引き上げてくれ。
後々禍根を残すのもアレだしな」
アレって何だよおっさん……。
もう年か?
まあ、平和になるならそれが
一番だな……。
俺も恋にバイトに大忙しの
学生生活に戻れそうだし……。
「……と、言いてぇところだが
最後にもう一つだけ話が
あるんだよなぁ……。
禍の団って知っているか?」
突然アザゼルのおっさんが
話題を変える。
何だそれ……?
聞いたこと無いな。
名前の響きからして
碌でもないのは確かだが……。
イッセーの方を見ると
首を傾げていた。
まあ、そんな感じだろうな。
「最近、各勢力内にテロリスト集団が
潜伏していると報告を受けている。
さっき話した不都合な情報を
漏らしているのもその輩だろうな」
おっさんは悠然と視線を上に
向ける。
上?天井でも見てんのか?
いや、違う!
これは……影!?
影の刃がまるでギロチンの様に
俺達の頭上から降り注いだ!
「皆、無事かい?」
サーゼクスさんが手を掲げると同時に
結界の様なものが張られ、
攻撃を防いでくれた。
「ケツが割れた……」
「元からだろおっさん!!」
こんな時にふざけるなっての!!
が、アザゼルのおっさんは
真剣な表情だった。
おい、マジかよ……!
冗談じゃないぞ!
俺達を殺そうとした奴がいる!
それも、
よりによって和平会議の最中に……!
「この刃は……レリエル!?
どういうつもりです……?」
ミカエルさんが静かに、
でも憮然とした顔と声で問う。
レリエルって名前からして
天使だろうがなんで
天使長のミカエルさんを
襲ったんだ!?
「ホホホ、堕天したお前には
関係のない事」
「貴方が首謀者ですか……。
一体何を考えているのです!」
ミカエルさんが流石に激昂する。
しかし堕天ってミカエルさんの
羽は白いままだぞ!
何をトチ狂ってやがるんだ。
「決まっている。
神の計画を円滑に進める為だ」
「神の計画だ?
おいおい、『聖書の神』は
死んだのはお前らも解っている
だろう」
アザゼルのおっさんは未だに
姿も見せねえチキン天使に
向かって語りかける。
「愚かな。主は
常に我等と共に在る。
シナイの山脈より我等を
見守る紅き星。
その主が我らに命じるのだ。
ケガレ共、悪魔、堕天使、
それに与する者全てを抹消せよと
そして神器を結合させることで
神の復活と共に千年王国が
降り立つのだ」
チョットナニイッテルノカワカリマセンネ……。
頭の病院に行ったほうが
いいんじゃねえのかコイツら。
いや、天使専門の病院が
あるかは知らんが……。
「ミカエル、
貴様は『御方』を侮辱するか……」
「……」
ミカエルさんは沈黙する。
「どうせ、主の力を我が物としようと
企んでいるのでしょう?」
「下らぬ。我らが主の力、
威光は我らにこそ相応しい」
「未来は決定されている」
「悲しきかな。悲しきかな」
次々と声が響いてくる!
いっぺんに喋るんじゃねえよ!!
しかも何なんだよこの声は……!
するとボールクの大将が
口を開いた。
「九大天使……いや、
今は『旧大天使』とでも
言うべきか。
神に幽閉されていたのを
神の面前に立つのを許されたと
嘯き、聖書の神亡き後は
勝手気ままに動き出したか」
そう言ってボールクの大将は
一歩前に踏み出す。
するとゼノヴィアも
その隣に並んだ。
「破壊の聖剣よ!」
ゼノヴィアは戦闘服に換装するや
破壊の聖剣を取り出そうとした。
だが、その手には何も
握られていない!
どういうことだ!?
「未来は決定されている。
『システム』は既に私が
ハッキングしている」
旧大天使の一人であろう声がする。
「何だと!?
では私達は既に……!?」
「そうだ。
お前達の未来はここで終わる」
と、言うなり周りの風景が
モノクロに変わるだけでなく
サーゼクスさん達や、
おっさんの姿がかき消えた?
これは、分断されたのか?
「くっ……!ならば私は
運命を斬り開くのみだ!!」
ゼノヴィアは顔を歪めつつ
デュランダルを取り出そうとするが
やっぱり何も起こらない!
「悲しきかな。悲しきかな。
偽りに魅入られた魔女は
偽りの力に飲まれ、
偽りの刃を以て神の御心に
逆らうか……消えよ」
「うわぁぁ……!」
「ぐああああっ……!
ゼ、ゼノ……ヴィア……!」
「ど、どうしたふたりとも!?」
ゼノヴィアとイリナが
突如として苦しみだす!
何をしやがった!?
「サリエルか……」
ボールクの大将は天使側だけど
顔は青ざめている位で
ダメージはあまりなさそうだ。
だがイリナ、ゼノヴィアの
ダメージはかなり深刻そうだ。
アーシアちゃんが咄嗟に
『聖女の微笑み』を使って
くれなければどうなっていたか……!
「アーシア、ありがとう」
「いえ、これくらい当然です!
お友達が苦しんでるんですから……!」
「やはり魔女か。
悲しきかな。悲しきかな。
悪魔を癒やしていたあの時、
迷わず
首を刎ねておくのであった。
神よ、このサリエルを赦し給え」
すっと降り立ってきた
泣き顔みたいな仮面をつけた
天使がアーシアちゃんの首
めがけて大鎌を振り下ろす!!
駄目だ!間に合わない!
ぶしゃっ、と赤黒い血が飛び散り
ぼとり、と何かが落ちる音が
届いた。
「ま、まさか……!」
しかし、アーシアちゃんの首は
繋がったままだった!
代わりに落ちていたのはボールクの
大将の右腕だった……!
「ど、どうして私を…?」
庇ってくれたのか?
けど何でだよ……?
「フンッ。貴様のような小娘に
興味などない。
だが……主への忠義、
友への仁義は本物だ。
だから助けただけだ」
「そ、そんな……。
わ、私なんかのために……!
すぐに回復を……!」
しかし、アーシアちゃんの
『聖女の微笑み』が発動しない。
な、何でだ?
さっきイリナとゼノヴィアを
治癒した時は発動しただろう!
「無駄ですよ。
その男はもう助かりません。
神に逆らい、神の敵に味方し、
神の威光を穢しました。
その罪は万死に値します。
その癒やしの力は私の
影の力で封じさせてもらう」
と、今度は喪服みたいな
出で立ちでブルカみたいな
黒い布で顔を覆う女天使が
現れた!
話の流れからして
コイツがレリエルだな!
「勝手に殺すな……」
大将は片手を氷の義手にする事で
取り敢えず出血は止めたが
幾ら何でもムチャが過ぎる……!
そんな大将をレリエルとサリエルは
馬鹿にした様な目つきで見つめる。
「憐れなこと。
あなたの様な愚者が
我々の仲間にいたなんて……。
主もさぞ嘆いておいでのはず」
「そうだ、悲しきかな。
悲しきかな。
生まれてこない方が
お前達のためには良かったのだ」
「いい加減にしとけよテメェ等!」
もう我慢ならねえ!
俺の怒りに呼応してか、
右腕が蠕くと武態の
能力が復活した!
「まだ動けたか。
悲しきかな。悲しきかな。
その身は滅びを待つだけ。
最早これまで」
「うるせえタコ!
アーシアちゃんを泣かせて
ゼノヴィアとイリナを
痛めつけやがって!!」
大鎌を振るうサリエルに
俺は片腕を鉤爪に変化させて
その攻撃を滑らせた。
そしてカウンター気味にもう片方の腕も
巨大なドリルに変形させる!
「喰らいやがれぇっ!!
名付け螺旋豪錐撃ぃっ!!!」
回転しながら突撃する!
ギャリリリリリ!!
「ぬぅっ!?」
サリエルの腹に俺のドリルが
直撃!通した隙間を鉤爪で
こじ開ける!
「うおぉらぁぁぁぁぁぁ!!」
雄叫びと共にそのまま突き進む!
そして遂に、
サリエルの野郎の腹を
貫通した!
「ぐおおおおお……」
何だ、大した事ないな!
そう思った瞬間だった。
奴の身体から血の色の霧が
吹き出す!
「これは……!?」
「離れろ小僧!奴が
噴き出したのは
嘗て奴が皆殺しにした
聖剣使いの研究所に
放った猛毒の霧だ!」
ボールクの大将が叫ぶ!
くそっ!そういうことか!
武器でダメージ与えたら俺たちが
不利になるっていうのか!?
「憐れだこと」
レリエルがそう言うと同時に
俺の影から棘付きの槍が
せり出した!ま、まずい!!
「ボールクさん!
安里さんを助けて下さい!!」
「依頼ならば、請け負う」
バキンッ!
俺の背後に割り込んだ
大将が氷の義手でそれを弾いた!
更に、その勢いのまま
サリエルに肉薄する!
「貴様の毒霧を封じさせてもらう」
「悲しきかな。悲しきかな。
我等の力の前に
抗える者などいない」
「黙れ」
ガキィィン!!
サリエルの振り下ろした大鎌を
氷の義手が受け止めると
ピキピキ音を立てて大鎌が
凍てついていく!
「この程度の攻撃で
俺を止められると思うな……。
あの女、アーシア・アルジェント
からの依頼は果たす」
大将が左腕を薙ぎ払うと冷気が吹き荒れ、
サリエルが纏っていた
毒霧を凍結させた!
アイツらの腹の中に相応しい
赤黒い霜が奴らの足元に落ちていく。
「くっ……!」
「そこか……!」
その隙を逃さず、
大将は左腕を振りかぶった。
「砕け散れ……!」
ヒュオォッ!!
凄まじい氷の螺旋槍が
レリエルめがけて
一直線に伸びる!
「小賢しい……!」
レリエルは咄嵯に手を掲げると、
そこから影の巨腕が幾重にも伸びて
螺旋槍を掴み、打ち砕いた!
「大将、援護する!」
「無用だ、
貴様とキュクロは
アーシア・アルジェントを
護れ」
大将はクールに言うが
隻腕で二対一なんて……!
「フン、確かにその男は油断ならぬ。
だが、所詮は一人。
我ら二人を相手に勝てるとでも?」
「悲しきかな。悲しきかな。
穢れた背教徒よ、
今その苦痛から解放してやろう」
「戯言を……!」
大将はレリエルとサリエルに飛びかかると、
レリエルは大鎌で大将の氷の義手を弾き返し、更に
影の巨人を召喚し、
大将にその拳を叩きつけた!
「ふんっ!!」
しかし、大将は氷の義手に冷気を集中させると、巨人を凍結させて粉々に打ち砕く!
「何と……!?」
「まだだ……依頼は果たす、
と言った筈だ!」
大将は目をカッと見開いた!
そして、左手から
氷の杭を飛ばすと
サリエルの肩を貫く!
と、同時に大将とサリエルの身体を
赤い氷が包んでいく……!
自分諸共凍らせるつもりなのか…?
「悲しきかな。悲しきかな。
その選択、後悔するぞ」
「さてな……」
大将が呟くと同時に二人は
氷の十字架の中に
閉じこめられた。
「憐れだこと。
このレリエルが
直々に引導を渡しましょう」
するとレリエルの影から
巨腕が現れて氷の十字架を
掴もうとした!
「させねえよ!!」
俺は即座に右腕をフレイルに
変化させてレリエルを殴りつける!
「おらぁっ!!」
そのままフレイルの鎖を
首に巻き付けて
地面に叩きつけてやる!
だが、レリエルは影から
またしても巨腕を生じさせ
自分をキャッチさせて難を逃れた。
「チッ……!
『燃える三眼』!!」
思わず舌打ちしつつ
俺のもう一つの力を
発動させるとレリエルは
燃え上がる。
「このまま灰にしてやんぜ!
灰は灰に、塵は塵にってな!」
「ホホホ、憐れだこと。
我等は光より生まれしモノ。
塵より生まれし貴様らとは
違うと言うのに」
そう言うとレリエルは
影のコートに身を包むなり
炎をかき消しやがった!
「そんな……!」
「では、次はこちらの番ね」
そう言うとレリエルは
影の刃を俺へと放った。
クソッ、こんなトロいスピードの
刃をかわせないと思ってんのか!
いや、待てよ……。
そんな単純な攻撃を
コイツらが今更してくるか?
だとしたら……。
俺は回避ではなく敢えて触手に
変化させながら防御する。
案の定、俺の予想通りだった。
俺のガードした触手がスパッと切断される。
だが縦に伸びる
影の刃の軌道とは異なり、
袈裟斬りに、だ。
つまりこれは2つの軌道で
攻撃しているが片方の刃が
見えないって事か!?
なら、もう片方は……!!
俺は慌てて身を翻すと、
その瞬間、影の斬撃が俺の横を
通り過ぎた。
危ねぇ……!
危うく真っ二つになるところだ……。
と、安堵していた矢先に肩が
スパッと裂ける!更に足がズバッと切られた!
や、ヤバい……!
この攻撃はまるで……!
影の刃が縦横無尽に飛び回り、
あらゆる角度から
俺を切り裂いていく!
この影の刃、実体がない……?
じゃあどうやって俺を攻撃して
やがるんだ……!?
俺の能力で無理やり身体の
切創は接合できるが
限度がある……。
「すけだちするぞきゅうどー!」
言うが早いかレリエルへと
キュクロが真後ろから
不殺の聖剣で殴りかかる。
「ホホホ、憐れだこと。
影を殴るなど無意味だというに」
キュクロの一撃は
レリエルにすれば
まるで水をかき分けた様なもの。
一瞬だけ形は変わるが
すぐに元通りになる。
攻撃の正体は掴めないし、
殴るのは効かない……!
どうやって戦えばいいんだ!?
偶にはヒキを使う。
日刊って想像以上にキツいねんて。
真面目な話短いけど投稿頻度は早い方がいい?
-
早い方がいい
-
遅いけど長いほうがいい