Q曹操ザコ過ぎない? A・調べた奴が無能だったから。所詮表面だけの調査じゃ相手の深い所まではわからない。?「わかるねェ」
安里side
「……おい安里クン。安里クーン? おい、クソ虫クーン?」
ナイアに呼びかけられて俺ははっと気がついた。ルイーナがいなくなってから数日、俺は毎日のようにあの日のことを思い出してぼんやりしていた。ナイアの口の悪さに何も感じない位までにだ。
「悪い……」
「こりゃ重症だなァ……」
そう言いながらもナイアの表情には少し心配そうな色が見える。
「で、どうするんです?メソメソイジイジされても正直言って面白くねえからクソムカつくんだわ」
「それは……」
どうすればいいんだろうな……。頭の中がまるで纏まらない。胸に穴が空いたような気分だ。
俺達は今、グレモリー家の列車に乗って移動している最中だった。乗っているのはゼウス様にキュクロ、そしてアマテラス様とお付きのタケミカヅチ様だ。
「ちょっと挨拶してくるよ」
俺は席を立って食堂車へと向かった。そこではアマテラス様が隅っこで体育座りしていてキュクロはアホ程皿を重ねてステーキを食っていた。ちゃんと噛めよ。ゼウス様はなんかグレモリー家の乗務員を口説いてるし、まともなのはタケミカヅチ様だけくらいか。
「むむ、きゅうどー、ひさしぶりだな」
キュクロは俺に気がつくなり肉を飲み込んで言った。
「あいかわらずげんきがないようだな。あのどぐされにいやなことでもいわれたか」
「ああ……いや……」
俺が力なく答えるとキュクロはフォークで突き刺したステーキ肉を俺に差し出した。
「ほれ、たべろ」
「いや……いいよ。食欲ないし……」
「うまいぞ」
「うっさいわ!!」
思わず怒鳴ってしまった。しまったと思って顔を上げるとタケミカヅチ様がこっちを見つめていた。まずい、怒られるかな?と思ったらタケミカヅチ様は何も言わずに目を閉じてしまった。……あれ、怒ってないのか?
「あぁ……もう嫌だ。引きこもりたい……」
一方アマテラス様は相変わらず体育座りでブツブツ言っている。そっとしておこう。
「ところできゅうどー、あれはなんだ?」
と、キュクロは肉を頬張りつつ窓の外を指差す。と、言われても空を走っているから外の風景なんて大して変わらないと思うんだが……。
「ん?どれだよ」
実際豆粒の様な町並み位しか見えないぞ。
「ちがう、そちらではなくいわのほうをみるのだ
岩?岩と言われて視線を向けて、『顕色』の力で視力を強化してみると確かにそこには……。見た事がない連中がいる。
誰だアイツら?ピクニックって雰囲気でもない……。もしかして禍の団か!? だとしたら……!
「のう、九頭竜よ。この辺りはグレモリー領空ではない筈じゃが……」
顎髭を擦りながらゼウス様が言う。な、何だって!?運転手はグレモリー家じゃないのか!!
「ちょっと確認してきます!」
慌ててナイアの所まで駆け戻る。
「どうしました?漏らしたんですか?」
またナイアがふざけた事を言うが否定している時間もない。俺はすぐに運転席へ来るように促すと二人で急いで向かった。
「すいません!グレモリー領外ですよねここ!?」
俺達が詰め寄ると運転をしていた女が振り返る。
「えぇ、そうですが何か?」
「そうですが何かって……!今すぐ引き返してください!」
「何故ですか?」
女は不思議そうな顔をする。
何だこの女? 状況がわかっていないのか!?
「危険だからですよ!とにかく早く!」
「あら、ご心配ありがとうございます。でも大丈夫ですよ……。私は脱出しますからね」
……何いってんだこの女……?
まさかコイツも禍の団か!?
ー
???side
「じゃあ、宜しく頼む」
俺は飛将軍に聖槍を預けた。奴は無言で受け取ると無造作に振り回した。風圧だけで地面が割れる。
全く御先祖様はこんな奴を相手にして遂には勝ったんだから恐れ入る。
「これ、戯れるな。その武器はお前の為に用意した物ではないのだぞ。のう、主様や……♥」
七符が髪をかきあげながら飛将軍に軽く注意をする。淫乱、色情狂を絵に描いた様な女狐だが俺が手綱を握っている間は問題無いだろう。
「曹操様……そろそろ」
司馬懿は孔雀の団扇を扇ぎながら言った。先祖は主家を出し抜いた男だが今世ではどうなるかな?
唯才此挙、口で言うのは簡単だが扱う器量は俺にはあるのかねえ。
まあいい、御先祖の墓陵はゴミ捨て場。事が成らねば飄然と死ぬだけさ。
「よし、始めてくれ司馬懿」
俺の言葉に司馬懿は頷き、陣を発動させる。
『陣略・十面埋伏』、ステルスに特化したこの陣にある限り、誰も俺達が攻撃する瞬間まで存在すら気づかない。飛将軍が聖槍を弓に番え狙いを定める……。目標は勿論あの列車だ……。
ー
安里side
ドグオォォォン!!
爆音が轟くと同時に列車が激しく振動する!! 何が起こった!?状況を確認する前に女は運転席を切り離して離脱しようとしてやがる!
「させるかよ!」
俺は腕を触手に変化させ、更に先端をアンカーに変形させて射出!ワイヤーに変化した俺の腕は車両の連結部に引っ掛かり、その上をナイアが走ってゆく!あの女はナイアに任せるとして問題は……。
ガガガガガ!ガキン!!
激しい金属音と共に車体が大きく揺れ、俺はバランスを崩しかける。ま、まずい!空を飛んでいる列車が撃墜されたってことは……!墜落するってことじゃないか!!とにかく皆の安否を確かめないと!!
「皆さん無事ですか!?」
俺は食堂車に戻ると叫んだ。
「うむ、しかし機関室は撃ち抜かれた様じゃ」
「うわ、マジですか……」
「ああー!もう駄目!私達ここで死ぬんだわあー!!」
「アマテラス様、落ち着いてください」
アマテラス様は泣き叫び、タケミカヅチ様はそれを宥めている。そうしている間にも揺れは益々ひどくなる!使用人の人達は覚悟を決めているのか、平静を保っているがこのままだと全員ぺちゃんこだ!
「じーじ!まがんをつかうぞ!いいな!」
するとキュクロが眼帯に手をかけながら叫ぶ!ゼウス様は仕方ないといった表情で頷いた。一体キュクロの魔眼ってのは何だ……!?
「きゅうどー!キュクロのめをみろ!」
「目?」
俺は言われるままに視線を向けると……意識がそこで途切れた。
ー
……気がついたら俺は地面に倒れていた。どこだここは!?ナイアはともかく他の皆はどうなったんだ!?
「む、おきたかきゅうどー」
キュクロの声がするが姿が見えない……。どこだ?
「ここだよここ」
声がしたのは足元からだ。見下ろすとそこには……。
「キュクロ!?何やってんだよその姿!?」
そこに居たのは小学生くらいの子供だった!
「うむ、キュクロはまがんをつかうとふくさようによってしばらくこどもになってしまうのだ」
子供になってもキュクロは相変わらず偉そうだ。
「そうなのか……」
とりあえず納得したが他の皆は?
「我々は無事だ」
「ワシも無事じゃぞ」
「ああ……もうやだ……帰りたい……」
よかった……皆無事みたいだな……。いや、アマテラス様は無事と言っていいのか?使用人の人達はまるで彫像の様になったままでキズ一つない。魔列車は完全にグシャグシャになってるけど……。
「気を抜くな九頭竜」
タケミカヅチさんが厳しい口調で言う。
「え?」
「敵が我々を撃墜したという事は、次は死体の確認に来る筈だろう」
い、言われてみれば確かに……。
「ほー、流石は倭国随一の武神じゃのう。ワシも同感じゃ」と、言いながらもバチバチッと地面に火花を走らせている辺りゼウス様は感知型の結界を張っているらしい。この辺りは流石主神だよな。
「む、思ったよりは早かったの」
ゼウス様の結界が侵入者を感知したらしく、俺達の目の前に黒い霧が渦巻いて人型に変わってゆく。
「おや、これは意外な展開ですね。まさかこんな所で会うとは思いませんでしたよ」
「よくもまあ堂々と言うモンじゃのう小童が」
何だかスカした感じの男が現れた。
その隣に居るのはフリード……!?
「フリードォォォ!!」
俺の叫びに反応する様に奴は俺を見るとニヤリと笑った。
「おんや〜?コレはコレはぁ?タマナシヘナチンのアザトくんじゃあ〜りませんかぁ?」
「黙れ!!お前だけは許さない!!」
「ギャハハッ!そうカッカすんなってぇ。とてもお上手だったぜ、ルイーナちゃんのテクニックはさぁ!仕込んでくれてありがとうねぇ!!ギャハハハハハ!」
殺す。はっきりそう決めた。
「おい、そいつは誰だ?知り合いか?」
タケミカヅチさんの問いに答えず俺は腕を鎌に変えてフリードの首を掻き切るべく斬りかかった!だがそれをスカした男が槍で阻んだ!?何だあの槍は……!? サリエルの持っていた聖釘と似た空気を纏っている辺り相当ヤバイ代物なのは間違い無い!
「ふんっ」
軽い動作で男は俺の腕を弾き飛ばすとそのまま槍を突き入れて来た!
「うおっ!?」
俺は咄嵯に両腕を触手に変化させてガードしようとしたが、槍は腕をすり抜け、そのまま胸を貫かれた!!
「ぐ……!」
俺はその場に膝をつく。何なんだこの槍は!?
「ほお、流石は赤龍帝の友人にして逸脱者。
今の一撃を受けて即死しないとは」
スカした野郎がそんな事を言っているが俺はそれどころじゃない。
「ぐうぅ……!!」
胸から血が噴き出し、激痛が全身を襲う。
「きゅうどー!しっかりしろ!!」
キュクロが駆け寄って来る。
ああ、そう言えばまだガキの姿のままだな。
すると、キュクロを目視したフリードは
目を見開いた。
「ああ、キュクロちゃんじゃありませんかあ!アンタとも色々ありましたねえ!覚えてますよ!おぼえていますとも俺様ちゃんはあ!そんなわけでぇ、死ねやコラァ!」
フリードの野郎……!
「キュクロ!」
俺はキュクロを抱きかかえるとその場から離れた!次の瞬間には先程まで居た場所が燃え上がる!また何か変な力を手に入れたのかアイツは!
「オイオイオイオイ!なーにかわしてんだよ!新しいパゥワーをゲットした俺様ちゃんの晴れ舞台を台無しにしやがってよぉ!どうしてくれんだテメエェ!」
フリードが理不尽にキレて喚いているがすぐに黙った。
「こうするだけだ」
チン、とタケミカヅチさんが刀を力みの無い音と共に鞘に収めるやフリードの首が落ち、体が倒れてゆく。
「あ……?」
首だけになったフリードは自分の身に何が起こったか解らない様子だった。
「……へ?」
そして遅れて自分の首が落ちた事に気づき、
「ひぎゃああああああ!!!!!」
絶叫を上げてフリードの体がのたうち回る。
「痛え!痛え!滅茶苦茶痛えぞ!!ああああ!!」「首を跳ね飛ばされても死なぬとは……御主、ヘパイストス辺りに何かされたのか?」
ゼウス様が訝しむ様にフリードの首なしの身体を眺める。するとフリードが苦し紛れに言った。
「う、うるせえ!!てめえ等みてえなカス共が俺様ちゃんを殺せるなんて思うんじゃねえ!!て、てめえ等は此処で全員死ぬんだよ!!」
そう言うと奴は首を拾って無理やり接合させた。
ま、マジかよ……。
「おい、貴様は本当に人間なのか?」
タケミカヅチさんが汚い物を見るような目で
フリードを見やりつつ訊ねる。
「ああ?俺様は神だよ!崇高なる堕天使サマだ!
崇めろ悪魔共がぁ!電波!電波電波電波ァ!」
な、何いってんだコイツ?頭がおかしいのか?言っている事がムチャクチャじゃねえか……!するとスカした男が肩をすくめる。
「これでは話になりませんね。フリード君には一度下がってユダ様と共に後詰めに回ってもらいましょうか」
「ああん!?ふざけんな!!俺様はもっと戦えるぜ!!」
フリードが叫ぶも男は取り合わず、
「七符。あの狂人を下がらせなさい」
と、言うとフリードの足下に陰陽陣が現れて奴の姿が消えた。
「さて、邪魔者は居なくなりました。改めて自己紹介をしましょう。私は曹操。一応禍の団の一派である英雄派の首魁をやっています」
曹操と名乗った男は優雅な動作で一礼した。
英雄派だと?確かアザゼルのおっさんから聞いた事がある。旧魔王派と双璧を成す派閥の一つだった筈だ。
英雄派が掲げるのは人間による世界の改革。そのために神器の奪取を狙っている連中らしい。そのトップがこの男と言う訳だ。……にしても妙だな。
何でコイツはこんなにも堂々としているんだ?まるで自分が負けるとは微塵も思っていないみたいじゃないか……。それに曹操の隣に居る女は何者なんだ?チャイナドレスに金髪のロン毛なのに切れ長の目を持つ顔立ちだが……ロクなものじゃなさそうなのは解る。曹操にベタベタひっついている辺り愛人か何かか?
「……随分余裕そうだな」
俺は警戒しながら曹操に話しかけた。
「おや、そんな事はありませんよ。所で我々と同盟を結びませんか?」「同盟だと?」
な、何をぶっ飛んだ話をしてやがるんだコイツ!? どこの世界に列車を撃墜するようなテロリスト集団と交渉しようとする馬鹿がいるんだよ!
「そうです。我々は今、貴方達に対して敵対の意志は無い。むしろ共闘できるならしたいくらいですよ。この世界を我々人類の手に取り戻すために」
曹操は真面目な表情でそんな事を言ってきた。どうやら本気で言っているようだ。
「人類の手に……?」
俺は思わず聞き返す。
「ああ、九頭竜君。この世界について君はどう思う?」「……いきなりそんな事言われても困るんだけどよ。とりあえず言えるのは、こんなのが現実であってたまるかって事かな。正直に言って夢だと思いたいよ」
俺は溜息交じりに答えた。
「夢といっても悪夢の類だろう?
天使は聖書の神を失った事で暴走し、悪魔は人間を転生悪魔にしようと躍起になっている。そして堕天使は自分達の都合の良いように世界を作り変えようとしている。それは天津神もアスガルドの神もギリシャの神も変わらない」
「……」
「そんな中、神々は人間の味方をする者達と悪魔の側につく者達の二勢力に分かれてしまっている。
どちらについても待っているのは滅びの道のみだ。
このままでは人類史は滅亡してしまう。それを防ぐために、我々は力を蓄えなければならないのだ」
……要するに今の世界の現状をどうにかするために戦力を欲しているってことか?
「ふーむ……。ワシも含めて神々も色々やらかしておるからな、耳が痛いわい……」「はんせいしろ、じーじ」
ゼウス様は苦笑を浮かべ、キュクロは辛辣な言葉を浴びせた。
「しかし曹操とやら、何故ワシらに同盟を申し込んだ?」
「簡単な話ですよ。私達は貴方達の力を借りたいのです。この世界で起きている問題を解決するには我々の力だけでは足りない。ならば他の勢力の力も借りれば良いと思ったまでです。人間の手に取り戻すと言ってもこの世界は人間だけのものではないのですから……」「……成程な、そういう事かよ」
確かにある意味一理あるな。俺達だけじゃ解決できない問題もあるし、何より俺達が狙われている以上、こいつ等と手を組めば安全というわけだ。
「それで、返答の方は如何でしょうか?」
まあ、普通はイエスって言うんだろうけどな……。
「目をかけた人間達に余計なお世話だといわれた……マジもう無理……引き籠もる」
アマテラス様……アンタって人は……! そういってアマテラス様は膝を抱えて列車の残骸の中に引きこもり始めた。おいおい……。そんな中で俺は確認する様に尋ねる。
「なあ、曹操さんよ。アンタのいう平和な世界じゃ悪魔や堕天使、天使はどうなる?」
すると曹操は微笑みながら答えてきた。
「勿論、善き者は迎え入れるとも。正しきものには寛容に、悪しきものは裁く。それが皆の理想とする英雄の姿なのだからね」
堂々と迷いなく言いきった。こいつは本気だ。なら、俺も本気で答えなくちゃいけねえな。
パシュン!と俺の膝から乾いた音が響き、矢が曹操の脇腹に深々と突き刺さった!
「がはっ……!?」
「主様!?」
何故だ、と言いたそうに曹操は俺を見る。俺は不敵な笑みを浮かべて曹操を見返した。
「皆の理想? 皆って誰だよ?チンピラの俺やドスケベのイッセーはぜってぇ『皆の理想』とやらの中には入ってねェよなあ!名前も知らねえ奴等の都合で排除されるのはゴメンだからなあ!」
「ぐぅ……!」
曹操は苦しげにうめいて矢を引き抜く。
「それによォ、俺は正義とか大義名分なんかに興味は無え!ただルイーナを傷つける奴と俺が気に入らないもんをブッ飛ばすだけだ! お前らが正義のテロリストならよお!俺は無法のならず者で十分だぜ! 」
「ならば祟り殺してくれるわならず者めがぁ!」
「やってみろよクソババァ!」
七符と呼ばれた女が7本の尻尾に邪気を纏わせて襲い掛かってきたので、俺は全身にオーラを込めて迎え撃つ。
「ガァッ!」
「オラァッ!」
拳と尾がぶつかり合い、周囲に衝撃波がまき散らされる。
「馬鹿めが!妾の呪法は尻尾のみではない!」
「なっ!?」
まるでシュタークさんの符術みたいに札が飛んできて、俺の体に張り付いた。すると体が動かなくなり、徐々に力が抜けていくのが解る。
「ハハッ!その状態なら貴様の攻撃など効かぬわ!」
動けなくなった俺をあざ笑うかのように七符は勝ち誇っている。
「調子に乗ってんじゃねぇよババア……俺のターンはまだ終わってないんだよ……」「フン、強がりを言いおって、所詮は負け犬の遠吠えよのぉ」
俺は何とかして拘束から逃れようと試みるが、どうにもならない。だがその時、不意に身体に張り付いていた札が剥がれ落ちた。どういう事だ、と思っていたらタケミカヅチさんに引きずり出されたアマテラス様が解呪してくれたらしい。
「ああ……寒い、面倒くさい、楽したい……でも仕方がないからやってやる……」
能力はスゲーのに思っていたイメージと全然違うんだよなあ!? このアマテラス様『皆の理想』とは明らかにかけ離れてない?そこはタケミカヅチ様も同意しているのか苦笑している。
「ふむ、これは面白い」
曹操は興味深そうに呟いていた。
「やはり俺の目に狂いはなかったようだ。九頭竜君、君は実に興味深い存在だよ」
「取り繕っても腸煮えくり返ってるのがバレバレだぜ? 狂いが無かったら不意打ちなんて喰らうわけねえだろうが」
そう言うと曹操はフッと笑ってきた。この程度の煽りじゃ動じる事も無いか。やりづれえな……。俺の『燃える三眼』による焼却もどういうワケか発動しねえしな……。
「貴様!主様を侮辱するかあっ!」
「事実の陳列だババァ!」
激昂した七符が再び尻尾を叩きつけてくる。俺はそれを腕で受け止めた。『冥獄長の辣腕』による機械の多腕だから呪力はヘカトンケイルのメカ爺さんが受け持つってワケだ!すまんメカ爺さん!
「何だと!?」
そして七符は驚愕していた。まあ、そりゃそうだ。何せ俺の腕は焼け爛れるどころか傷一つ付いていない。それを見た曹操は 感心するように口笛を吹いた。
「ほう、七符の呪いをこうも容易く無効化するとはね。その力、益々欲しくなった」
曹操は俺の力に目を輝かせている。だがそれは目新しい玩具に心を奪われた子供の目に過ぎなかった。
「悪いね、やっぱり俺、アンタの事は好きになれねえわ」
俺がそう言うと曹操は残念そうにため息をつく。
「そうか。七符、始末しろ」
「承知しました主様」
そう言って七符はさっきの術符を放とうとしている。「フハハハ!どうせそこな引きこもりのアマテラスとやらに解呪させようとするのであろうが無駄なことよ! 既に司馬懿の陣略は発動しておる!これで終わりぞ!」
「やべえ! 皆逃げろおおおっ!!」
俺達は急いでその場から離れようとするが、
もう遅かった。
シュン!と音を立てて俺達の周囲に札が出現し、
それらが爆発……
「しねえんだよなあ!!」
「「「「「!?」」」」」
俺が叫ぶと全員が驚いた顔をする。
それもそのはず、俺達の周囲にあった札は全て焼き払われていたからだ。
「糸の……結界……!?」
七符は呆然と呟く。そう、俺が七符の尻尾を多腕でガードしたのはもう片方の腕で糸の結界を作り、自動で『燃える三眼』を発動させるためだったんだ。
「テメーらの国の偉い人から教わらなかったかぁ?『彼を知らずとも己を知らば五十戦危うからず』ってよォ!!」
俺は『冥獄長の辣腕』を『冥獄長の敏腕』へとモードチェンジ!多腕がまるでガトリングガンさながらに猛烈なラッシュを繰り出す!
「うおぉぉぉぉぉぉっ!」
「があああああっ!」
ズガガガガガガガァン!!
俺の両腕の連打を受けた七符は吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。
「まだまだ行くぜェ!」
「そこまでにしてもらおう」
「あん?」
音もない超高速の一閃により俺は胸元を裂かれた!
だが斬られたというのに痛みはない……!?
「お、お前は……!」
「……」
黒の重装を纏う騎兵がそこには居た。
そいつは俺を斬りつけたまま微動だにせずこちらを見据えている。
「チッ、良いところで邪魔が入ったもんだ」
俺は舌打ちしながら距離を取った。
「……手酷くやられたな曹操」
「面目ない」
どうやら治癒をすませたらしい曹操は騎兵に五分の口を聞いている。あの騎兵は兄弟分って事なのか……?
すると奴が噂の。
「フン、何を勘違いしておるか知らぬが妾は負けてなど……」
「ならば何故、震えているのだ。
婦人の仁、匹夫の勇という言葉はあるがその逆もあると言うわけでもあるまい」
「ぐぬぬ……」
アイツ、確かイッセーは呂布だって言っていたが本当にそうなのか?とてもそうは見えねぇな。
「所で九頭竜安里。コイツの身柄と引き換えに今回は手打ちとせんか?」
呂布はいきなりあの運転手の女にナイアを運ばせてきた。
「な、ナイア……!?」
そこにはあちこちズタボロになったナイアの姿があった!
「おい!何やってんだよナイア!お前、そんなボコボコにされて死にかけるキャラじゃねえだろうが!!」
俺は慌てて駆け寄るがナイアは弱々しく笑みを浮かべただけだった。クソッ! 一体誰の仕業だ! って呂布しかいねえわな!
「とはいえ女だてらにかなりの強敵だった。我が勝てたのは状況が味方をしたからに過ぎん。で……どうする? この提案、呑むならこの女の身柄は引き渡す」
クソッ……呑むよ!煮え湯だろうが泥水だろうが引っくり返して覆水盆に返らず、になるよりマシだ!
「分かった、乗ろうじゃねえかその話」
こうして俺はナイアを引き受け、
曹操達を見逃すことにした。
だがそんな俺にゼウス様やタケミカヅチ様は何も言わなかった。文字通り雷を落とされるかと覚悟はしていたが……。アマテラス様は少し愚痴っていたが何とか俺と車掌さんで宥めた。ゲイトさんに救難のメッセージを送り、暫く待つことにした。
「……あー、疲れた」
幸か不幸か、寝台車はほぼ原型を保っていた。何でも有事の際に備えて特に頑丈に作ってあった様だ。
それにしてもナイアの奴、何で俺についてきてるんだ?
「なあ……俺寝たいんだけど」
「まあ、そう言うなよ」
二人きりだからか随分蓮っ葉な口調で喋るよなあ。
「でもお前があそこまでやられるなんて何があったんだよ?」
俺が尋ねるとナイアはバツが悪そうな顔をしながら答えた。
「落ちた先が海だったんだよ」
「海?お前カナヅチか?」
「まあ、何といいますかね。光の届かない海の底では唯一無二にして輝くシスターナイア様の力が発揮できないんですよ」
何言ってんだか……。まあ、海の側でナイアは戦えないって解って何よりだ。つーか……。
「何で脱いでんだよ!」
そう、何故かコイツは全裸だった。
「いや、ほらさっきまであんなに激しく戦ったじゃないですか? 汗とか色々凄くてですね」
「そりゃそうだが服ぐらい着ろよ!」
ったく、コイツはホントにもう……!
「ん〜? もしかしてルイーナに逃げられてチンポコイラついてんですか?」
俺が呆れていると突然、ナイアが俺の前に座り込んだ。そして俺の股間を弄り始める! コイツ、一体何を!? 俺は慌てて止めようとするが……!
「まあ、よくある話だろ。慰めックスってヤツだよ」
ナイアはそう言いながら俺のズボンを脱がせ、俺のアレをしゅっしゅっ、と扱き出す!挑発的な笑みを浮かべてナイアは更にチロリ、と赤い舌を出す。や、ヤバい……!俺のモノはみるみると大きくなっていく! 俺は必死に抵抗するが、いつの間にか俺の手はロープのような物で縛られていた。くそ、こんな時にも能力が使えるのかよ!
「おやぁ? 随分あっけなく勃起しましたね。私みたいな美少女に迫られたら仕方ないですけど、ギャハハ!」
慰められているのかバカにされているのか……頭がぼーっとしてきて、よく分からなくなってくる。そんな中でナイアは俺のモノをおっぱいで挟み込んでいく。
「うふふ、どうですか? 私のおっぱい気持ちいいでしょう?」
確かに柔らかくて、温かくて、弾力があって……正直、最高だ。俺の気持ちいい所やしてほしい事を完全に解っている動きだ……。
「うわ、マジでデカくなりましたね。どんだけ溜まってたんですか」
そんな事を言われても、今の状況じゃ何も言えない。俺はただひたすらに快楽に身を任せる事しかできなかった。
「おや? ビクビクしてますねぇ。出ちゃいますか?チンポコから悔し泣きザーメンドピュドピュ〜!ってしちゃうんですか?」
「あ……ああ……」
俺は情けない声を出してしまう。
「あらら、可愛い。じゃあそろそろイカせてあげましょう」
そう言うとナイアはパイズリの動きを速める! ダメだ! もう我慢できねえ!
「ぐぅ……!!」
呻くように歯を食いしばりながら、俺はナイアを汚していく。
「きゃっ、熱い! いっぱい出てますよ〜♥」
俺はナイアに精液をぶっかけていくとヤツは満更でもない様子で甘受していく。
「どうでしたか? ナイアちゃんのパイズリマッサージは?」
「はあ、はあ……。すげえ良かったぜ」
正直、今までで一番興奮してしまった。
「うふふ、それは何より。じゃあ次はいよいよパコパコ大会と参りましょうかねえ?」
パコパコ大会?……何だそりゃ……。いいから……セックスさせろよ……俺の……俺だけの……ナイア。
「あーあー、視点も定まらない様子になってまあ……。なあナイア様は優しいから解説してやるよ。お前はこれからこのナイア様とマジハメしてガチアクメ決めた方が勝ちだからな?」
なるほど……そういう事か。なら話は早い。早く……挿れたいなあ。
「……おい、聞いてるか? ほら、見てみろよ。お前のガッチガチになったチン○コがナイア様に欲情してるぞ?」
そう言ってナイアは俺のモノを対面座位の姿勢でズブズブとマ○コの奥にまで挿入する。
「うああっ……!」「ほおおぉぉ……♥」
処理済の脇を見せて、髪をかき上げる仕草をしながらナイアは目を剥いて喘ぎ声をあげる。むわっと湿気を帯びた香気がスチームさながらに湧き上がる。
「ほら、俺のが入ってんぞ? これが欲しかったんだろうが!」
そう言って俺は腰を動かし始める。
ぐぢゅっ!ぐぢゅっ!ずぶずぶ!!
ぶしゅっ!びちゅっ!ばぢゅっ!
「はっ、はっ、はっ、はっ! どうだ! 俺のが欲しいって言えよ!」
「ひぃん! はひっ! もっと、突いてください!ナイアの敗北オマ○コぐっちゃぐちゃにしてくださぁい!」
ナイアは俺の肩に手を置き、激しく俺のチ○ポをマ○コの中に抑え込もうする! その瞬間、ナイアの膣内がきゅうっと締まり俺のチ○ポを離さない!
「はあ、はあ、はあ、はあ」
「はあ、はあ、はあ、はあ」
俺達は息を荒くしながら見つめ合う。
「んひ、ひひっ? どうした安里クン……ちょっと演技したらコレかよ。ったく、この変態が」
「うるせぇ。テメーこそ随分ノリ気だったじゃねえか」
「まーね。こういうプレイもたまにはいいかもなって思ってね」
ナイアは舌を出して笑う。
「へっ、そうかい……!所詮俺とお前は身体だけの関係だったよな!」
苛立つ様に俺は叫ぶ。
「……ふふっ、確かにそうだ。でも、そんな私達だからこそ、お互いの事を理解してる。……そうだろ?」
ナイアは俺の頬に手を添え、優しく微笑む。
クソ……。俺はナイアを愛しているのか?ルイーナも愛しているのに……。なのにどうしてこんなにも胸が苦しいんだ?
「……ああ、そうだな。だけどよ、俺はやっぱりお前の事が嫌いだぜ」「奇遇だな。私も同じ気持ちだよ。でもセックスはいいだろ?私達の身体の相性は最高だ!」
そう言いながらナイアは再び腰を振り始める。
パンッ!パァン! グチュ!ズブッ!
肉と肉が激しくぶつかり合い、卑猥な音が部屋に響き渡る!
「ふっ、ぐっ、ぐうっ!!」
俺は必死に歯を食いしばりながら耐えるが、それでも漏れてしまう!
「おい、我慢すんなよ。出しちまえよ。嫌いな相手にもチ○ポぶち込めるケダモノ野郎だって証明しろよ」
そう言うとナイアはさらに動きを速める!ち、違う……!違う、違う、違う!! 俺は……俺の本心は……!
「何が違うんだよ?オラッ!ケダモノザーメン出せ!よこせ……!私だけを見て……愛してほしいの……貴方さえいてくれれば……何も要らないの……」
ナイアの瞳から涙が零れ落ちる。
「私は……寂しいの……!」
その言葉を聞いた瞬間、俺の中で何かが弾けた。
「うおおおおおおお!!!」
俺の理性は吹き飛び、本能のままに腰を打ち付ける!
「あひぃ!? 激しいっ! ああん!あぁっ!」
ナイアは俺を押し倒し、狂った様に腰を振る。愛液は粘りと濃さが増しており、ピストン運動を繰り返す度に泡立ち溢れ出る。
「あはは!あははははは!! どうしたの? 急に積極的になって。いいよ、いいよ! 好き!大好き! もっと、もっとして! ああっ、イク!イッちゃうぅぅぅぅぅぅ!!!」
ナイアは絶頂を迎え、同時に俺も限界を迎える。
「ぐおぉぉぉ!」
ドピュッドピューーーーーー!!! 大量の精液がナイアの子宮を満たしていく。
「あは……あはは……。いっぱい出てる……。あったかい……オマ○コ負けながら、勝ってるぅ♥ガチアクメ大会優勝……♥ふひひ……♥」
ナイアは幸せそうな顔で笑い、俺の胸に倒れ込む。
「……ふう。楽しかったぜ。またやろうな?」
そう言ってナイアは俺の唇に触れる様なキスをした。
「クソ、誰がやるか……」
「おやおや〜?口ではそう言ってもケダモノチ○ポは正直みたいだが?」
「うるせえ!黙ってろ!」
俺はナイアを払い除けようとするが、
「おっと、危ない」
と言ってナイアはそれを軽々と避ける。
「ははは!怒んなって。それよりさ、お前のチ○ポまだ元気じゃん。一発ヤっとこうぜ? 今度は普通にさ」
普通って何なんだよ……。俺はナイアを愛したいのか……それとも欲望を満たしたいだけでルイーナやナイアの事は本当に愛していないクズ野郎に過ぎないのか?
「そうに決まってンだろ?テメーは所詮、自分に都合の良い女にだけしがみつく鼻垂れのクソガキなのさ。おかあさーん!ってな!ギャハハハハ!」
うるせえ!うるせえ!うるせえ!! 俺は……俺は……!俺の内心を見透かす様な不敵な笑みを浮かべ、裸婦像の様にナイアは俺のそばで寝そべる。
「ほら、来いよ」
クソ……何て惨めな気持ちなんだ……!何も、何も見えない……!俺はただナイアを犯して、犯して、犯しまくった。その行為に愛情なんて欠片も無い。俺は……最低のクズ野郎だ。
「ふふっ、お前も大概イカれてるよな……。でも、そんなところが私は好きだぜ」「…………」
ナイアは俺の下で嗤っていた。
俺はもう何も答えられなかった。何も答えたくない……。
「おいおい、そんな落ち込まなくても良いじゃねえかよ。別にお前がクズでも私は気にしないぜ?」
「……」
「まーた無視かよ。……まあ、いいけどな♥
う、おほっ♥ また、イク……♥愛情ゼロチ○ポ……いい♥」
イッセー……お前はどうしている?お前ならこんな時どうやって乗り越えられるんだ?教えてくれ……。
ナイアの言っている事ってどこまで本当?
昔から神様は年中無休で答えてくれるが厄介なことに毎回答えが違うんだよね。
真面目な話短いけど投稿頻度は早い方がいい?
-
早い方がいい
-
遅いけど長いほうがいい