※この作品はR-18です。

ハイスクールD∞D   作:ぷうち☆りん

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前回のあらすじ
ヤマトタケルと佐々木小次郎を倒した。


第72話

安里side

 

俺がスレイプニルに蹴り飛ばされて地面に落下する中、スコグルさんとロスヴァイセさんは問題なく地面に降りたっていた。 ぐう……何とも無様だ! だが、改めて状況を確認するとヴァーリの奴がロキとラミエルとかいう奴のせいなのかズタボロになっているじゃねえか!

 

「……おい、ヴァーリ」

 

俺は何とか立ち上がりながらヴァーリに声をかけた。

 

「……お前も来たのか? 悪いが今は相手をしている暇はないぞ?」

 

この状況で俺達を相手にしようって余裕があるとはな……。

だが、そんなことはどうでもいい。

俺はヴァーリを睨み付けるようにしながら言った。

 

「バカ、今はそういう状況じゃないだろうが! 意地を張ってる場合か!」

そう言うとヴァーリの表情が変わった。

 

「……確かにそうだな。すまなかった」

 

ヴァーリも状況を察したようだ。

しかしこれはマズいな。

今のヴァーリではロキやラミエル相手に勝ち目がないかもしれない。

 

「んだば、わだすはヴァーリさんの傷の手当さ、せねばまいね」

 

ロスヴァイセさんがヴァーリに駆け寄り治療を始める。攻撃よりも回復の方が得意なのだろうか、アーシアちゃんにも劣らない手際の良さだった。

 

「ふむ、君の家はそもそも治癒術に長けている家系だったな。うっかり失念していた」

 

ロキの奴は凍てつくような視線をロスヴァイセさんに向けていた。どうやら狙いを彼女に定めた様だ。

 

「ならば君から先に消してしまおうか」

「させるわけねえだろタコ!」

 

ロキが仕掛けてくる前に俺は即座に動いた。まず腕を剣に変化させながら一気に距離を詰める。そしてそのまま上段からの一撃を見舞う。

しかし、その斬撃はあっさり受け止められてしまった。

 

「ほう、なかなか速いじゃないか。それにこの力……まさか君は神器所有者かい?」

「それがどうかしたかよっ!!」

「何、それなら我々にとって好都合なだけさ」

 

言い終わると同時にロキは剣を振り払う様に振った。凄まじい冷気と魔力を帯びた薙ぎ払いは巨大な真空波を生み出し俺を吹き飛ばす。

 

「まだまだっ!」

 

スコグルさんがフォローに入るべくミョルニルを方に担いで突撃してくる。

それを察知したのか、ロキは一旦腰を落として構えると片腕でスコグルさんの攻撃を受け止めた。しかも、もう一方の腕から魔力弾を撃ち込んでくるおまけ付きだ。

 

「ぐあっ!?」

 

カウンターに近い形で攻撃を喰らい吹き飛ぶスコグルさん。そこへ追い討ちをかけるようにロキが攻撃を仕掛けようとしたその時、回復を終えたばかりのヴァーリがインファイトをロキに仕掛けた!

 

バォン! ズドン! ズガガガガガッ!

 

拳のラッシュ、いや暴風とも称すべき連撃を繰り出すヴァーリだったが、ロキはそれを全て受け止めていた。

だが、それでもヴァーリの攻撃を止めるには至らない。このまま行けば押し切れる筈だ!

 

「どうした?白龍皇の鎧は纏わないのか?」

 

ヴァーリの連撃を受け切りながら冷笑を向けてくるロキ。その言葉は何か質問というよりは挑発のように聞こえた。

 

「そうだよ! アンタの半減の力とやらを使えば良いじゃんか!」

 

ヴァーリの代わりにロキの言葉に反応したのはスコグルさんだった。ヴァーリは答えない。ただ表情を曇らせただけだ。と、いう事はまさか……? 使わないんじゃなくて使えないのか!?

 

「黙れ……!アルビオンの力を借りられずとも貴様らなど!」

 

ヴァーリは普段より更に鋭い踏み込みを見せるとロキの顔面に右ストレートを叩き込んだ! パァアアッ! すると今度はヴァーリの右腕が光り輝いた!

 

「俺には忌々しく、悍ましいルシファーの血が流れている! アルビオンの力がなくとも悪魔の力でお前達を倒す!」

 

悲壮感すら漂わせるヴァーリの叫び。確かにルシファーの血の力を使えばロキを倒せるかも……?だが……!

 

「聖壁」

 

ラミエルがつぶやくと同時にロキとヴァーリの間に光の障壁が現れてヴァーリの拳を防いだ。それだけならまだしも……!

バチバチッ……!ズバババッ!

 

光の障壁はヴァーリの翼や拳に雷光を走らせ、ズタズタに切り裂いていく!

 

「愚かな。私は天より降り注ぐ雷の権化であるラミエル。地を這い回る蛇の末裔すれの牙など通らぬ」

 

ラミエルが手をかざすとヴァーリの全身を電撃が襲う!

 

「ガハァ!……ぐう」

 

ヴァーリが口から血反吐を吐き出し膝をつく。

 

「そのような穢れた輩が聖書の神の一部であらせられる神器を宿すなど何たる侮辱、冒涜。我が雷に討たれ、煉獄の底にて未来永劫悔やみ続けるが良い」

 

などとほざいてラミエルが右手を上げるとヴァーリに向けて特大の雷撃を放つや凄まじい轟音と共に閃光が走る。

 

「ヴァーリッ!!」

 

思わず叫んだ。くそっ、これじゃあヴァーリが死んじまう!ロスヴァイセさんが治癒魔法で治療を試みるも焼け石に水だった。

 

「おや、もう終わりかい?しかし君も何とも滑稽で無様な人生だな?いや、悪魔生か?祖父に踊らされ、父に虐げられ、白龍皇なりと力なき蟻に集られ、摩耗した果てに得た力は何とも中途半端なものとはね。ラミエルの『神器抹消』はあらゆる神器の発動や展開を無効にする。つまり、その鎧を纏う事もできないんだよ」

余裕綽々といった様子のロキは更に

憐れむような視線をヴァーリに向けていた。

 

「黙……れ……!」

 

ヴァーリは何とか立ち上がろうとするがダメージが大きく上手く動けないようだ。あちこち焼け爛れ、血も噴き出し、意識を保っているのさえ奇跡に近い状態だろう。

 

「いいや、黙らんね。君は実に哀れだよ。

そうは思わないかい?」

 

ロキはヴァーリを嘲笑しながらゆっくりと近づいていく。

 

「黙れと言っている!!貴様のような下衆に同情される謂われはない!俺は俺の意思で戦い、俺の選択で生きている!その選択を笑う奴らは誰であろうと許さない!殺す!」

 

ヴァーリの目には殺気と憎悪が渦巻き、

当に悪魔そのものの姿に変貌し始めていた。

 

「ハハハ!そうだ!憎め!怒れ!狂え!禍津星は貴様を観測するだろう!我が『不吉の凶星』はその加護を受けて燦然と輝くのだ!」

「グォ……ウオォォォォ!!」

 

ま、マズイ! これじゃヴァーリが身も心も悪魔、いやバケモノになってしまう!

 

「いい加減にしろ!陰キャヤロー!」

 

スコグルさんは叫ぶと同時にミョルニルをロキに向かって投げつけた!それにしても陰キャって……。

 

ギュオォォォッ!!

 

空を裂き、風を切り、稲妻を散らしてミョルニルはロキに迫る!

 

「フン!」

 

だが、ロキはさっきの薙ぎ払いでミョルニルを弾き返そうとしている。だが、その程度では止まらない!

 

「むう……!使い手はともかく、流石は我が友の得物か!」

「まだ終わりじゃないんだよ!」

 

弾き切れずにバチバチッと火花を散らせるミョルニルだったが、スコグルさんは更に魔力を込めてロキと目と鼻の至近距離でキャッチするとありったけの力を注ぎ込む!

 

「これならどうさーッ!!!」

 

スコグルさんの叫びに呼応してミョルニルの輝きが増していく! そして……!

 

「蛮勇隕力!(マイティ・インパクト)」

 

あの髑髏衛星をも叩き壊したスコグルさんの必殺技だ!

 

ズゴオォォォォン!

バキバキバキバキィ!!!

 

凄まじい衝撃音と共にロキがいた地面がひび割れて、窪んでいく!流石のロキもこれには耐えられなかったようで大きく吹き飛ばされて地面に激突する!

 

「……くッ!……たかが一騎のヴァルキリーと侮り過ぎたな」

 

口元の血を拭うロキだが意外に冷静だった。逆上する程のダメージでは無かったのか、あるいは……

 

「この程度のパワーでは私を倒せないと言いたげだね……」

 

スコグルさんも何かを感じ取ったらしく、肩で息をしつつも警戒している。

 

「ああ、その通り。君達は確かに強い。だが、私の想像を遥かに超えるほどではない」

「そりゃあトール様を基準にすれば大抵の神様やヴァルキリーは大したことないでしょうよ……全く」

 

ロキの言葉にスコグルさんは毒づくその表情はどこか悔しそうでもあった。そりゃスコグルさんはトール様からミョルニルやらなんやらのマジックアイテムを借りているからな。トール様の力を誰より知っている分、自分の力が及ばない事への悔しさも大きいんだろう。

 

「グルオォォォォッ!!」

 

両者の束の間の静寂を破ったのはヴァーリだった!見るからに暴走状態

といった感じで全身に禍々しいオーラが纏わりつき、背中からは漆黒の翼が生え、瞳は血のように赤く染まっている。

 

「キサマァァァァ!!」

 

ヴァーリは両手を龍の顎の形に変形させるとロキに向かって波動砲ばりのエネルギー波を放った!

イッセーの『覇龍』とはまた違う力の奔流だ。

 

「ほーお……。まさか悪魔王ルシファーと二天龍アルビオンの力を融合させてのロンギヌス・スマッシャーか。中々面白いじゃないか」

 

ロキはニヤアッと笑うとエネルギー弾を魔力弾を連発することで相殺していく。だがあの『覇龍』状態のイッセーが放ったヤツと同じ万物を滅ぼすっていうエネルギー波だ。勢いが弱まる気配はない。

これなら幾ら何だって……!

俺はラミエルがヴァーリのカットに入るのを防ぐために牽制しながら様子を窺っていた。

 

「フム。確かに威力だけならば今の私でも直撃を受ければタダでは済まないレベルだ。しかし……」

 

ロキが右手を前に突き出すと、ヴァーリが撃ったエネルギー波がブラックホールみたいな渦の中に吸い込まれていった!?

 

「驚いたかね?これがあのギャラルホルンの本来の力だ。ヘイムダルには嘗てこの力を使われ不覚を取ったこともあったがね」

「グォ……オオォォォ!!」

 

過去を振り返るロキに対してお前の過去なんてどうでもいい!とでも言っているのだろうか? ヴァーリは更にロンギヌス・スマッシャーの勢いを増す!だがギャラルホルンとやらの発動が収まる気配はなく、ヴァーリの肉体の方が悲鳴を上げ始めていた。

 

「オォ!オォォォォォォォ……」

 

まるで無念の声を漏らすようにヴァーリは血の涙を流す。そして遂に……!

 

「オォォォォォ!!」

「フハハハハハハハハハ!見るがいい!これが最強の白龍皇と謳われたヴァーリ=ルシファーの最後の姿だ!」

「そうだ、穢れた悪魔王の血を持つ白龍皇よ、お前は生まれて来ないほうが良かったのだ」

「ウオアァァァァッ!」

 

ロキの高笑いに呼応するようにロキの背後にいたラミエルも嘲笑う。その声はまさに邪悪そのもので、思わず耳を塞ぎたくなるほど不快なものだった。

 

「オォォ……オォォ……!!」

 

ヴァーリはそれでもロキとラミエルを睨みつける。だがもう限界なのか、徐々に意識を失いかけているようだ。

 

「……ク……ソ……ガ……」

 

悔しいか?悔しいよなあ……!

あんな奴等の思い通りにされちまうんだからな。俺だって同じ気持ちだぜ!だからよ……!

「うおおぉぉぉぉ!!」

 

俺は『冥獄長の辣腕』を発動させて

片腕を機械仕掛けの多腕へと変化させた。

 

「成程、ギリシャ神の力ならば確かに『神器抹消』の影響を受ける事はあるまい、しかしその程度の力では……ッ」

「誰がテメーらを狙うって言ったァ!?テメーらの物差しで測るんじゃねえェェッ!! 」

 

俺は多腕全てをヴァーリの背中を支える形で展開する。

 

「なあ、ヴァーリ!そんなんでいいのかよ!?」

「……」

「こんなところで終わって満足か!?もっと欲張れよ!まだやりたいことがあるんだろ!?」

「……っ」

「ここで諦めたら全部終わっちまうぞ!それで良いのかよ!?」

「……ら……」

「目を開けてよく見やがれ!あいつらはお前が目障りで仕方ないみたいだぜ!このままじゃ殺されるだけだ」

「……め……ら……」

「それになぁ、アイツらぶっ飛ばしたいんだろう!?だったらさ、俺も手伝わせてくれよ! 」

 

俺の訴えと【六合太極】による魔力の充填のためかヴァーリの瞳に僅かな光が宿った気がした。

 

「らー……めん」

 

ヴァーリの口から放たれたのは意外な言葉だった。ラーメン?

ラーメンって、あのラーメンか?

 

「ふっ、ははははは!所詮カスの世迷い言か!ヴァーリ=ルシファー!

末期の台詞にしてはあまりに滑稽だ。お前が死ぬのは変わらないというのに! 」

「……」

「貴様の死に様はしかと目に焼き付けておこう。そしていずれは我らの新たな糧となるのだよ。」

ロキとラミエルは勝利を確信しているのか愉快そうに笑っている。

そして俺も笑った。

 

「はは、ははははは!」

 

スコグルさんもロスヴァイセさんもギョッとした顔になる。無理もない。いきなり笑い出したんだから。

けど奴等のバカにした笑いとバカ笑いとじゃ意味合いがまるで違う。

 

「いいじゃねえか!世の中にゃ色んな料理やラーメンがあるって辰郎叔父さんが言ってたしな!好きなだけ食えばいいんだよ!」

 

するとその時、ヴァーリの身体に徐々に白龍皇の鎧が姿を現し始めた。『神器抹消』の効果が打ち消されているのか?

『いや〜、それは少し違うのぉ』

 

不意にどこからともなく声が聞こえてきた。この声は俺に力を貸してくれたヘカトンケイル……もといメカメカ爺さんか!

 

『どうやらアルビオンは神器としてではなく、一匹の龍としてヴァーリ=ルシファーと共に歩むと決めたようじゃ』

「なんでまた?」

『ヤツが他人であるお前さんに本心を打ち明けたからじゃろう。心に壁がある内はどんなに強い力を持っていようと真の意味で強いとは言えぬ。兵藤一誠のオープンスケベ、いやさ天衣無縫ぶりを見習えとは言わんが、あれぐらいの心意気を持つ事が大切だとワシは思うておる!』

「はは……ははは!」

 

ヴァーリは再び笑い出す。その笑いは先程までの自嘲的なものとは違う。

まるでこれから訪れるであろう戦いへの期待感を孕んでいるかのような笑い声だ。それに応える様に白龍皇の鎧は更に白金に輝く。

 

「ずっと昔から、頭から離れなかったんだ。何故俺は生きているのかと……」

「知れた事をほざくな、痴れ者が!

貴様らは裁かれ、滅びるために存在するのだ。今更そのような戯れ言を……っ」

 

ラミエルが牽制のために雷撃を放とうとしたがスコグルさんが割って入る!

「ごちゃごちゃ煩いんだよアンタ!黙ってな!」

「ぐおっ!?」

 

雷の矢が降り注ごうとする中、スコグルさんのミョルニルだけでなくロスヴァイセさんの魔法陣から魔力の矢が放たれ、それを相殺する。

 

「ヴァーリ! お前の答えを聞かせろ! 」

「俺は……生きたかった……!! もっと沢山のものを、世界を見てみたかった……!! 今なら母さんの言った事が解る……!俺達は皆、幸せになるために生まれてきたと……! 俺にはその資格がないと思っていた……でも、俺はもう迷わない!俺は生きる! 生きて生き抜いてみせる! 」

 

ヴァーリの叫びに呼応し、まさに白金の如く輝く鎧を纏う。そして、ロンギヌス・スマッシャーは赤黒いオーラから漆黒に変わる。

 

「その……力は……!?」

 

ロキの顔に冷や汗と焦りの表情が浮かぶ。どうやらロキに取っても想定外の力らしい。

 

『ほほほ。ワシがあやつに呼びかける前に自力……いやさ、御主達の力で顕現させるに至ったようじゃのう』

 

メカメカ爺さんが好々爺然とした口調で呟いた。至ったって何にだよ?

 

「……ヴァーリ、お前……!」

「これが俺の……いや、俺達の力だ」

 

ヴァーリは全身から白光を放ちながら不敵に笑う。

 

「『黒き杖』、いや……レーヴァテインと言った方が馴染み深いか」

『ロキよ。貴様にとっては亡骸を灰燼に帰した忌まわしい魔剣が、今度は貴様を滅ぼすために振るわれる』

 

今度はアルビオンの声が響く。ロキは怒りに震えているのか歯軋りする。それによく見ればヤツの使うギャラルホルンの力も弱まっているようだ。

 

「おのれヴァーリ=ルシファーめ……!アルビオンめ……! この屈辱、必ずや……必ずや晴らしてくれるうぅぅ!!」

「末期の台詞にしてはあまりに陳腐だな、ロキ。お前が滅び去る運命は変わらないと言うのに」

 

レーヴァテインの閃光に飲まれて消滅するロキに対してヴァーリは悠然と意趣返しめいたセリフを返した。

 

「ロキめ……! フン……。所詮北欧の悪神如きでは荷が重すぎたか。まあ良い。

奴の代わりなどいくらでもいるのだからな」

「そうだね、アンタの代わりだって幾らでもいるからさぁ!!」

 

スコグルさんの2発目の蛮勇隕力がラミエルに見舞われた。しかもロスヴァイセさんのサポートもあってか威力が倍増している。

 

「おのれ……! 小娘風情が……!」

「アタシ達は小娘じゃねえ!誇り高いヴァルキリーだ!」

「ぐ……おあああああ!?」

 

俺も最後の力を振り絞って

『冥獄長の剛腕』を発動させて

自身を巨大な拳へと変貌させる!

 

「ウオオオォォッッ!!

喰らいやがれぇええええええっっっ!!!!」

 

アイアンクローの要領でラミエルの全身を握りしめ、万力の様に締め上げる!

 

「ぐがあああぁっ!? 貴様ら……貴様らよくも……!この私を!何も知らずに!この世界全てに古今未曾有の厄災、滅びの未来が待ち受けているというのに……!聖書の神の再誕なしに、世界は救われないというのにぃいい!」

 

成程、旧大天使はシステムを掌握し、神器を集めて聖書の神を復活させようとしていたのか……!だがな、その気高い理想とやらに巻き込まれる奴等からすれば堪ったもんじゃねぇんだよ!だからな……!

シャキン!と拳の後ろから撃鉄の様にシリンダーを起こす音が鳴り響いた。そこに特大の一撃を打ち込めばコイツを仕留められる筈だ!

 

「ヴァーリさん!」

「ヴァーリ!やっちゃいなよ!」

 

ロスヴァイセさんの呼びかけと

スコグルさんからミョルニルを

投げ渡されたヴァーリは高らかに叫ぶ!

 

「これで終わりだ! 大天使ラミエルよ!光になれぇぇぇッ!!」

 

ヴァーリとアルビオンの力を結集させた ミョルニルの一撃がシリンダーに振るわれ、掌の中で雷光のエネルギーが爆縮し、解き放たれる!

 

「ぬおおぉっ! 私は……!滅びる訳には……!滅びるわけにはいかな……い……!私の願いは……!神が作り給うた世界が、永遠に……永劫に存続するため……!! それこそが……!

それのみが……神……のみ……こ………」

 

ラミエルが末期の台詞を言い終わる前に光の粒子になって消滅した。どうやら、その歪んだ正義と理想と共に散ったようだ。その光の粒子をヴァーリはちゃっかり吸収していく。抜け目が無いな……。

 

「フゥー……。流石に今回は死ぬかと思ったぜ……」

 

俺は元の姿に戻りながら息をつく。

もうマジでヘロヘロだ。ヴァーリも同じ位ヘロヘロだったようで俺の近くに大の字で倒れ込んだ。

 

「……俺達は勝った。……いや、勝ち取ったと言うべきだな。けれど、勝った後に誰かの前で大の字で倒れたのは初めてだ……」

 

ヴァーリはルシファーの一族として、最強の白龍皇としてのプレッシャーの中で生きてきたんだろう。俺達みたいに戦いの後、緊張の糸が切れて倒れるなんて経験が無かったに違いない。だからこそ、ヴァーリはこの戦いに勝利出来た事を素直に喜んでいるように見えた。

 

「どうだい、彼らはなかなか興味深いだろう?」

「……不思議。我、望むは静寂。

しかし、あの男達の行路にも興味がある」

 

だから、ゲイトの旦那と見知らぬ誰かが話していることも気づくよしもなかった。




ヴァーリの技はゴルディオン・クラッシャーやんな。

真面目な話短いけど投稿頻度は早い方がいい?

  • 早い方がいい
  • 遅いけど長いほうがいい
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