イッセーside
どうも! 兵藤一誠です!
今日はゲイトさんと共に姫島神社にやって来ています!
名前の通り朱乃さんの家なんだけど、今日は大事な話があるという事でやってきたのだ!
「お待ちしておりましたわ、ゲイト様。そしてイッセー君」
おお! 巫女服姿がいつにも増して眩しいぜ! 夏の太陽よりも輝いてるよ!!
「ど、どうも!」
「やあ」
俺とゲイトさんは朱乃さんの挨拶に応える。すると朱乃さんは笑顔で俺達を応接間へと案内してくれた。
するとそこには和服姿の厳つい堕天使のおっさんが座っていた。この人が……?
「君と直接話をするのは初めてだな……私はバラキエル。朱乃の父だ」
…………えぇっ!? この堕天使が!? 朱乃さんとは似ても似つかないんですけどぉッ!? それに朱乃さんの表情が少し硬い気がするし……。一体何があったんだろう?
「初めまして。俺はリアス・グレモリー様に仕える兵士の兵藤一誠と言います」
「僕はゲイト・オールドワン……と名乗らせてもらっている」
胡散臭いというかミステリアスな雰囲気を持つ安里の上司であり恩人もとい恩神────ゲイトさんと一緒に自己紹介をする。するとバラキエルさんが口を開いた。
「そう畏まらなくていい。私としても堅苦しいのはあまり好きではないからね。それに君の事は色々と聞いているよ」
「そ、そうなんですか?」
一体どんな事を言ってたんだろう? ちょっと不安になってくるぞ……。
というか、これってアレじゃないか!? もしかして『貴様などに娘はやら〜ん!』とか文字通り雷を落とされたりするんじゃないのか!? 俺が内心戦々恐々としているとバラキエルさんが渋い表情を浮かべた。
「娘と君との関係はともかく、
ゲイトさんには不思議な力があるとアザゼルから聞いたが……」
慥かにゲイトさんは名前通り、門に関わる力を持っている。それは単に建物とか、結界に留まらず、様々な次元への扉を開く事も可能らしい。
それを聞いたバラキエルさんは何やら思案顔になったが鹿威しがかこん、と音を鳴らすと口を開く。
「その力があれば、妻を……朱璃を呼び戻すことはできるのかね?」
「貴方は……!」
バラキエルさんに朱乃さんが詰め寄ろうとするのを見て俺は慌てて二人の間に割って入った。
「待った! 落ち着いてください! 朱乃さん! 今はそんな場合じゃないでしょう!?」
俺の言葉にハッとなった朱乃さんはすぐに頭を下げてきた。
「ごめんなさい。取り乱しましたわ。でも貴方にそんな資格があるとはとても思えないのです。母さまは既に亡くなっていますもの……。
貴方が私と母を見捨てたばかりに!」
朱乃さんが俺達には勿論、はぐれ悪魔にすら見せたことのない冷たい視線を送る。しかもバラキエルさんが二人を見捨てただって!?
どういうことだよ!? そんな卑劣な人には見えないぞ!?
しかしバラキエルさんは目を伏せて弁解すらせずに耐えていた。
「どうして何も言わないの!」
そんな父親に怒りを抱いたのか朱乃さんはぶわっと手を振り上げる!
だ、ダメだ! いくら親子でも殴っちゃいけない! 俺は咄嵯に朱乃さんとバラキエルさんの間に割って入った。
パシィ……ッ!
乾いた音が室内に響く。
俺が二人の間に割り込んだことで朱乃さんの平手打ちは俺の頰に見舞われた。とはいえ全然痛くないが。
寧ろ痛いのは朱乃さんの心だ。
きっとこの人はバラキエルさんに裏切られたことに対して怒っているんだと思う。だからといって暴力を振るってもバラキエルさんの本心が解るわけじゃない……。
すると朱乃さんは目尻に浮かべた涙を拭いながら微笑んだ。
「イッセー君。御免なさい……」
「いやいや、慣れてますから!」
女の子を追いかけ回したり、覗いていた過去の悪行の数々を思い出しながら俺は言う。……あれ? なんでだろう? 目頭が熱くなるぜ……。
すると朱乃さんが静かに涙を流し始めた。どうしたんだろう?
「私は父様が大好きでしたわ……。けれど父様が母様を捨てた理由だけはどうしても理解できません……。だってあんなに母様と貴方は幸せそうだったのに……」
「呼び戻す事自体は可能だよ」
ってゲイトさん! このタイミングで答えるかなあ!? 朱乃さんが泣き出しちゃったよ!!
「ほ、本当に可能なんですか?」
俺は思わず訊き返す。するとゲイトさんは首を縦に振った。
「ああ。僕の持つ能力を使えば、
死者の魂を呼び戻す事はできる。
お盆は過ぎてしまったが、まだ間に合うはずだ」
おおっ!? マジですか! これは期待できるかも!
「そ、それじゃ早速お願いします!」
「解ったよ……けれど」
ゲイトさんが前置きする様に言葉を切ると、誰かが応接間へと入ってきた。
「話は聞かせてもらったわ……」
……アマテラス様!?
確か多神連合結成のときに挨拶したっけな。太陽神なのに根暗なひきこもりっていう残念神様だっけ。
「貴様、今アマテラス様に対して
無礼な事を思ったろう?」
い、いつの間に首筋に刃が……!?
このチョンマゲ姿にビジネススーツの人はタケミカヅチ様だ。
アマテラス様に対して限界オタクの様な態度を取るけど、実際は凄い実力者らしい。
「あの、アマテラス様、一体何しに来たんですか?」
「……何をしに来た?
帰れって言われた……。無理……しんどい……帰りたい……」
俺の言葉にアマテラス様はガックリと肩を落とすとどんよりオーラを
醸し出して体育座りをし始める!
うわぁ! めんどくさ! 認知が歪んでいる上、メンタルが弱すぎる!
いや、こんな事を考えているとタケミカヅチ様に手討ちにされそうだから止めよう。
「アマテラス様。今日は朱璃様の死と貴方の転生に関しての真相をお話するために参ったのでしょう。
しっかりなさい」
「そ、そっか。そうだよね。ごめんなさい……」
「流石アマテラス様」
いや、謝らなくていいから早く説明してくれよ。謝っただけで褒めるとかどんだけ過保護なの? 俺達は皆、そう思いながらも黙って待つ。
アマテラス様のお話というのはこうだ。
姫島神社では火之迦具土っていう
荒ぶる神様を祀っている。
嘗て産まれる時にイザナミ様を焼き殺し、イザナギ様に切られたっていう凄い曰くのある神様なんだけどそれはいいや。アマテラス様は嘗て
旧大天使と同様、『滅びの未来』を予知してしまった。そこで全盛期の力を取り戻すために朱璃さんの力によって火之迦具土神を顕現させ、アマテラス様自らを焼き払わせる事でまさに不死鳥の如く転生しようとした。
所が……だ。火之迦具土神が暴走したために神社は文字通り火の海と化し、転生は未遂で終わり朱璃さんも死んでしまった……。と、言うのが真相らしい。
「しかし私にはどうにも解せぬ。
朱璃の力は火之迦具土神様を調伏するに足る力を持っていたはずなのだが……」
タケミカヅチ様が腕組みしながら言うとたちまちアマテラス様が鬱になり始めた。
「ああ……、やっぱりアンタも私なんて太陽神どころか疫病神だと腹の中で思っていたんだね……」
「滅相もない!
ならばこの痩せ腹を掻き切って
腹の中をお見せ致します!」
なんかまた落ち込んじゃったよ! さっきからネガティブすぎない!? この神様! タケミカヅチ様も物騒な事を言うなよ!
「ふむ。ジャパニーズ・ハラキリという奴だね。ナイアが喜ぶかもしれない。後で写メって送ってあげよう」
いや、そういう問題じゃないだろ! なんでこの人、いつもシリアスブレイカーなの!? あーもう、滅茶苦茶だよ!
「すまない、朱乃。父さんはお前達を守れなかった……。
口では幾らいい事を言っていても
火の中で助けを呼ぶお前を助けてここから飛び立つ事しかできなかったのだ……」
バラキエルさんが朱乃さんに頭を下げる。すると朱乃さんは静かに首を横に振った。
「いえ、私が勝手に怒って叩いたのですわ。父様は悪くありません」
ちょっと後ろでアマテラス様が騒いでいるけど、二人の仲が元に戻ったのならよかったよ。
「所がこっちとしては全然良くないんだよねぇー!! 火之迦具土神がさぁ! 封じられているからさあ! 俺ちゃんのパゥワーが十全に発揮されませんですよぉ!!」
その時、耳障りな甲高い声が響き渡った。
この特徴的な喋り方……まさか!?
「フリード!?」
「な〜に馬鹿面下げて人を呼び捨てにしてんのかなぁ? このゴミタメクソカス悪魔がよォ!」
そこには銀髪の神父服を着た男が立っていた。あい変わらずキチ○イ染みた言動だが、こいつはとんでもない実力の持ち主だ。
「フリード! どうしてここに!?」
「さっき話しただろう!?
話聞けよや! さっきの話で俺ちゃんを殺気をパナし! けけけけけっ!」
狂った様に笑うと奴は両手に青紫の炎を灯して俺に襲いかかってきた。
「イッセー君! 危ないッ!!」
ブオォォォッ!!
朱乃さんが咄嵯に俺を突き飛ばしてくれたおかげで俺は助かったが
凄まじい炎が神社を焼き払っていく! なんて罰当たりなヤローだ!
悪魔の俺が言う事じゃないけどさ!
「うおおおおっ!? あっぶねええぇっ!」
「あらら? 外しちゃいましたか? ざっこ! ザッコ! でもまぁいいです! 今度こそ死ねやぁぁっ! ヒャハァッ!」
十字を切ると炎が渦を巻きながら襲ってくる! こいつ、マジか! こんな狭い部屋の中であんなの放たれたら全員焼け死ぬぞ!?
「これ以上はやらせん! タケミカヅチ殿!」
バラキエルさんが大喝するとタケミカヅチ様が無言で頷く。そして右手をかざすと雷が降り注ぎ、フリードの四肢を貫いた!
「ぐっひゃはああああ!!
痛え! 痛えな!! 悔しいなぁ!
気持ちいいなあ! あっひゃ! ひゃっは! ウヒへハハハハハ!!」
「な、何アイツ……キモい……」
アマテラス様もドン引きしているが俺も同感だ。
そしてタケミカヅチ様は
更に追い討ちをかけるべく居合の構えから必殺の一閃……いや八連の斬撃を繰り出した。
無数の光の刃が奴の身体を切り刻んでいき、またしても首を跳ね飛ばした! 流石はタケミカヅチ様だ。あの生き汚いフリードの奴を一瞬で倒すなんて!
「……違うわ」
感心した俺を諫める様にアマテラス様が物々しい調子で呟く。
タケミカヅチ様も刀を見て顔を顰めていた。手応えが無かったとかそういう奴なのか?
「これは……」
「フヒッ、流石は武神。
だけど残念でしたねェ」
「なに?」
次の瞬間、タケミカヅチ様が突然吹き飛ばされ、ボロボロの刀が折れた! マジか!? 神様の使う刀だぜ!? 今のフリードの肉体は
神すらも凌駕しているっていうのかよ!? 跳ね飛ばされた首が生首みたいに不気味に動き、フリードの本体へと飛んでいく。
『奴め……。どうやらどこぞの神と融合したらしいな。あの炎とマグマの血液からすれば火之迦具土とかいう奴だ』
奴の切り飛ばされた首から噴火の様な血飛沫が上がり、溶岩の様に体にこびりついたかと思うと赤黒い血の魔装に変化していった。
そしてフリードの顔が蝋燭の炎の様に燃え上がり、やがて顔の形を成していく。
「どうだい? 俺ちゃんの新しいボディは! 火之迦具土ってのはねぇ! 日本の武神達やら何やらの始祖なんだよねぇ! つまりさあ!」
フリードは両手を突き出して何やら魔力をチャージし始めた!
明らかに危険なオーラが辺りに充満していく!
「お前等みたいな雑魚が俺ちゃんに勝てる訳ねーんだよ!!」
フリードが放ったのは
巨大な炎の球だった! あれを食らったら神社どころかこの山ごと吹っ飛ぶ!
「イッセー君! 避けて!」
「駄目ッス!」
朱乃さんが悲鳴をあげるが俺は逃げなかった。避ければ、朱乃さんだけではない、バラキエルさんと朱乃さん、朱璃さんとの思い出の詰まったこの神社まで無くなってしまう。
俺は皆を守るんだ!
「ぐ、おぉぉ……!!」
赤龍帝の鎧が融解しかけ、背中の翼が消し炭になりながらも俺は何とか炎を受け止めた。
「な、何だとォ!?」
揺らめく炎は驚きの表情に見えた。
す、スキが出来たぜ! 今ならヤツに攻撃出来る!
「ドライグ!」
『応!』
「モードチェンジ! 地竜の僧侶! (ウェルシュ・ロボティック・ビショップ)」
トールにも通用した俺の新技!
様々な属性を倍化……いや相乗化させて放つ砲撃! これで一気に決める!
「喰らえぇぇっ!
ボルテックブラスター・フルパワー!」
ゴオォォォォッ!!
俺の全身全霊の一撃が放たれ、
奴の炎を掻き消した!
「うぎゃあぁぁぁっ!!
俺ちゃんの力がぁぁっ……!?」「はぁ……はぁ……! やったぜ……!」
俺達の砲撃によって、片腕と脇腹を失ったフリードが苦悶の声をあげ、俺は膝をつく。
やったか!? はフラグだからな!
言い切る事で回避成功だ!
「イッセー君! 大丈夫!?」
「はい! それより、朱乃さんこそ怪我は無いですか!?」
「ええ! イッセー君のお陰よ。ありがとう!」
朱乃さんは嬉しそうに微笑んでくれた。俺はそんな彼女の笑顔を守れた事を心の底から誇りに思った。
「なあ〜んちゃって♪」
!?
フリードの嘲笑う声と共に奴の傷口が再生し、失われた腕や脇腹が元通りになった。
「嘘だろ!?」
「ウヒヒヒヒ! ざっこ! ざっこ! 何がボルテックブラスターだ! 笑わせんじゃねえ! 俺ちゃんにはそんなチンケなビーム効かねーんだよ!! 俺ちゃんの力は神をも凌駕するぅっ!! ヒャハハハハハハ!
ゲヒャハハハハ!!」
奴の顔に宿る炎の勢いが更に増し、奴は両腕をクロスさせた。
またあのヤバい炎を撃つ気か!?
「ギャッハハハハ!
ちげーよバカ!」
「拙い! 皆、飛べ!」
バラキエルさんの咄嗟の指示
で俺達は上空へ避難した。
その直後、マグマの大蛇達が地面から現れ、地面を焼き払っていく!
何てことをしやがる……!
「ほらぁ! どうだよ? 俺ちゃんのマグマは? 熱いだろ? 気持ちいいだろ? もっと苦しめやぁっ!
フヒッ! フヒヒヒヒッ!!」
狂った様に笑いながらフリードは次々とマグマを生み出していく!
「八岐大蛇の分霊だと!?
奴め……本格的に火之迦具土神と融合しつつ、その力を自分のものにしているのか!?」
バラキエルさんが忌々しげに吐き捨てた。マジかよ……。
神様の能力を自在に使えるってのか!?
「……噴火というのは本来、破壊だけを齎すものじゃない。それは大地のエネルギーを天へと導き、同時に地に巣食う悪霊達を打ち払い、新たな生命を生み出す力となるの。けれど……」
アマテラス様がタケミカヅチ様におんぶされながらも冷静に語る。
「今のあの子からは、憎悪と破壊衝動しか感じられないわ。
彼は破壊と殺戮のみを愉しんでいる。神などではない、厄災の化身。まさに悪魔というべき存在よ……」
「…………」
フリードの炎の蛇は止まる事なく暴れ回り続け、山は炎に包まれていく!
「もう止めてくれ! これ以上、俺達の思い出の場所を壊さないでくれ!」
「無駄ですよぉ! クソゴミ悪魔もドグサレ堕天使も纏めて焼却!
天上天下唯我独尊! この世の全ては俺ちゃんのものだ! ヒャーハッハッハ!!」
「いい加減に……しやがれ!」
お前みたいなモンが悪魔呼ばわりされたら俺やリアスさん達に迷惑なんだよ!
俺は怒りに身を任せてフリードに突っ込んでいった。
「ダメよイッセー君!」
朱乃さんが制止するが俺は止まらない。そして遂に俺はフリードの目前まで迫り、ボディへと拳を放つ。
だが……!
『これは……溶岩による分身か!?』
俺の拳を受けたフリードの肉体が融解してマグマの塊となり、俺の翼、拳に纏わりつき焼き焦がしていく! 「ぐあああっ!」
「イッセー君!」
朱乃さんが必死の顔で俺の元へ
降り立とうとするがバラキエルさんに止められてしまう。
「離して!」
「そういう訳にはいかん!
私は……! これ以上家族を……失いたくないのだ!」
バラキエルさんは俺を見捨てたワケじゃない。寧ろ逆だ。
今のフリードは俺をいたぶり、
朱乃さんやアマテラス様をおびき寄せて殺害し、火之迦具土神を完全に
復活させようとしているんだ!
「……イッセー……!」
「部長……?」
俺がフリードにやられそうになっているのを見て、朱乃さんが悲痛な顔を浮かべていた。
「……ごめんなさい。私達が至らなかったばかりに……貴方まで……!」
朱乃さんの顔が哀しみと不甲斐なさで歪む。俺はそんな彼女を安心させる為に笑みを向けた。
「大丈夫ですって! 俺がこんな奴に負けるハズないでしょう!?」
「何を根拠に言ってんだこのクソ雑魚が! バカなんですか、アホなんですかァ? 死ぬんですか? 死ねよ! ヒャッハー!」
フリードはゲラゲラと下品に笑いながらマグマの蛇を放ち、今度は俺の全身を絡め取っていく!
「ああ、そうだ! 俺はアホさ!
バカさ! ハーレム王、いや、ハーレム神になる為なら命だって賭けられる! 例えそれがどんな相手だろうとな! だから……! お前みたいに女を泣かせる野郎は許せねぇんだよ!!」
俺は自分を拘束していたマグマの蛇を逆に吸収した!
「うおっ!? な、何をしやがったテメェ!?」
「見ての通りだぜ! お前の攻撃を全て喰らい尽くしたんだよ!!」
「バカな!? んな事が出来るワケがねえ!」
「出来るんだよ! 俺のドラゴンは最強の龍!」
『そして俺の相棒は最狂のハーレム神!』
「「最強にして最狂! それが俺達だ!」」
「い、イカれてやがる……。
マトモじゃねえ……」
「褒め言葉として受け取ってやるよ!」
昔の人は言ったぞ元気があれば
何でもできるってよ!
実際、蝮の様にマグマの大蛇の腹を裂いて産まれた小蛇達を翼に取り込み黒曜石の羽根に変えて射出!
奴を斬り刻んでやった!
「グギャッ!? こいつ……! 調子に乗るんじゃ……! ゲヒィ!? ウゴォ!?」
「おらぁぁっ!!」
羽根の刃はマグマの分身を切り裂き、本体にもダメージを与えていく!
??? side
「綺麗……」
私はイッセー君の黒曜石の羽根を
見て自然に呟いていた。
私の忌まわしい同じ
黒い羽根の筈なのに……。
どうしてあんなに美しく見えるのだろう……。
私は悪魔にも堕天使にもなれない
半端な存在だから? 彼の様な眩しい光に憧れてしまう。
「どちらにもなれないじゃない。
どちらでもあるのさ」
ゲイトさんがいつもの超然的な態度で言い放つ。
「それはどういう意味?」
「そのままの意味だよ。
あるべき形なんてものは存在しない。君がどう在りたいのか、それだけが重要なんだ。
君は悪魔でも堕天使でもないと悲しむが、それは違う。
君は既にその両方を兼ね備えている。彼女もそう言っている」
ゲイトさんの視線の先を見て
私もバラキエル……いえ、父様も
息を呑んだ。
「お母様!」
「朱璃!」
そこにいたのはお母様の魂。
昔の記憶にある通りの姿だった。
「ごめんなさい。
私が至らないばかりに……」
「謝らないで下さい! 貴方は何も悪くありません!」
「許してくれ、朱璃……! 私は肝腎な時にお前を守れなかった……!」
「いいえ、貴方は良くやりました。
あの時、私は確かに死んだのです。
もう自分を責めるのは止めましょう? それより……朱乃。
自分を偽るのを止めなさい。
貴方には本当の自分を愛してくれる人がいる。
イッセー君を信じなさい。
そして……自分の心に素直になりなさい」
「……はい」
そう、私はもう自分に嘘を吐かない。私は……!
「イッセー君が好き。大好き!」
私は翼を広げ、指先に雷を集める。
「ゲヒャハハハハ! やっぱりハンパモンだなぁ! 今の俺は火山にして大地の災厄の化身! つまりは世界そのもの! テメェみてぇなザコが勝てるワケがねぇんだよぉ!」
あいも変わらず下品な虫が吠えている。何て惨めで見苦しい姿なのかしら……。いえ、人の事は言えないわね。私だってリアスの女王として弱いものやはぐれ悪魔をいたぶり、時には命を奪ってきたんだから……。
けれど、それでも私は……!
「私は貴方みたいな醜い化け物にはならない! 大切な人達と一緒に幸せになる! それが私の夢! そして願いよ!!」
「よくぞ言った姫島の巫女。
今こそ雷神であるこのタケミカヅチの力を受け継ぐのだ。
さあ、アマテラス様もお早く」
「メンドくさいけど……火之迦具土神の不始末は私達の責任だし……」
お二方が鏡と勾玉を取り出すと、
勾玉が私の雷を増幅させ、鏡がレンズの様に光を凝縮していく。
これは……? 凄い力を感じる!
「鎮まりたまえッ!!」
私は雷光をフリード・セルゼンに向けて解き放った!
「ぐぎ……!? げはあああ!?」
「おおっ!?」
フリードが雷光によって霞んでいきイッセー君が驚愕する。
「キヒヒヒヒッ……! まあいい!
俺は大地の災厄だ! 何度でも蘇ってやるぜ! ヒャーハッハッハ!」
フリードは完全に消滅する前に、
ボトン、と燃え盛る顔を地割れに落とすと残った身体は灰になり消えていった。
ー
イッセーside
「やったあ! 流石朱乃先輩だぜ!」
俺のボルテック・ブラスターを軽く凌ぐ雷光に感動していると、朱乃さんが俺の元へ降りてきた。
「イッセー君……」
「朱乃さん!」
「ありがとう。私の為に戦ってくれて……」
あれ? なんだかいつもの
朱乃さんじゃないぞ? それに何か雰囲気が違うような……? 俺が戸惑っていると朱乃さんに抱きつかれた! うおっ!? いつもより大胆!? お父さんの前ですよ!?
でも嬉しい!
「お母様が教えてくれたんです。
本当の自分を受け入れなさいって。
だから、これからは……
素直になろうと思うの」
「朱乃さ……!?」
言い切る前に唇を塞がれてしまう。「んっ……」
「ぷはっ! 朱乃さん!? い、一体何を!?」
「朱乃って呼んで。
二人きりの時じゃなくても、そうして欲しいの……。ダメ?」
潤んだ瞳で上目遣いにお願いされたら断れるハズがない!
「わ、分かりました……。
そ、その、朱乃……。
これでいいですか?」
「はい♪」
朱乃さん改め、朱乃が満足気に微笑む。バラキエルさんが険しい顔でこっちを見ている気がするが気のせいだろう。
「む、む、む……」
いや、気の所為じゃなかった!
ここはどうすべきだ!?
やはり娘さんを僕にください! と
言うべきか!?
いや、それだと朱乃をモノ扱いしてるみたいで嫌だし……。
「娘が独り立ちしようというのに
何を渋い顔を……これはお話が必要ですね」
バラキエルさんの長い耳を引っ張りながら朱璃さんが引っ張っていく。
って肉体がいつの間に!?
「この神社の中だけにしか顕現できない土地神の様なものだけど僕の力で実体化させたんだ。アマテラスに聞いたら安里の眷属にするのには障りがあるらしいからね。迷惑だったかな?」
いえ、そんな事はないです! 本当に助かりました! いやホント!
「はあ、お母様ったら……」
朱乃が溜め息を吐く姿も美しい。
いかんいかん。煩悩退散!
姫島神社は焼き払われてしまったけどゲイトさんが直してくれるらしいし、皆が無事ならそれでいいさ!
次回、家族会議ヨシ!
あと火之迦具土神モードのフリードはドクターストレンジのドゥーマムゥを想像してね。
真面目な話短いけど投稿頻度は早い方がいい?
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早い方がいい
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遅いけど長いほうがいい