※この作品はR-18です。

ハイスクールD∞D   作:ぷうち☆りん

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クトゥルフと言えば?エロ、グロ、バイオレンス!



※第82話(ニグラ×モブ モブ姦注意!)

「しかし、この荷物は何なんスかね〜……」

「薬草なのは解るけど、種類も量も普通じゃあないわ」

 

 安里とカテレアが魔列車から飛び出してから一夜明けた頃、ミッテルトとレイナーレは魔列車の貨物室にて、山のように積まれた大量の薬草を前にして呆然となっていた。その量はまさに山であり、とても1人で運べるような代物ではない。

 

「しかし、これが『フェニックスの涙』の偽物の原料なのでしょうか。この『霊泉の宝珠』を奪おうとした輩は本格的に贋作作りに動き出したという事ですかね?」

 

 ニトクリスはそう言いながら、手近にあった薬草を手に取る。それは確かに彼女の言う通り、一見するとただの薬草にしか見えない。だが……

 

(……ん? 何だかこれ、ちょっと違う気がする)

 

 彼女はふとその薬草を見て違和感を覚えた。そしてはっと気がつく。

 

(この薬草は嘗て神官達が私の兄弟を殺めた時に使った毒草に似ている! まさかこれは……)

 

 ニトクリスはハッとしてその薬草を捨てると、それを見ていたミッテルトは怪しむように尋ねる。

 

「どうしたんスか? 何かあったっスか?」

「ええ、あります。この草はただの薬草ではありません! この草からは私の同胞がかつて使っていた猛毒と同じ臭いを感じます!」

「猛毒!?」

 

 ニトクリスの言葉に驚くミッテルト。そんな2人にレイナーレは厳しい表情で命じる。

 

「急いでこれを運び出しましょう。この薬草の正体を確かめる必要があるわ」

「そうっスね! ってニグラさんはどこにいるっスか!?」

 

 ミッテルトの声に辺りを見回す一同……その時、貨物室のドアが開き、中から明らかに碌でもなさそうな連中が現れた。彼らは全員、目つきの悪い凶悪な雰囲気をまとっている狼男の様な獣人だ。

 

(ま、拙い! 一先ず私の術で誤魔化しましょう!)

(ウッス! お願いしまっす!)

 

 咄嵯の判断でニトクリスが幻惑魔術を発動する。ニトクリス達は貨物室の壁に張り付くようにして隠れつつ色彩は壁と同化しつつ、実体化していた。それを見た男たちはまるで気がつく訳でもなく薬草やら何やらの中身を確認し始める。

 

(ふう……これでひとまず安心ですね)

 

 ニトクリスは額の汗を拭う仕草をする。ミッテルトも安堵のため息をつく。

 

(しかしカテレアは、車掌と話をつけていると言っていたのになぜ荷物を確認に来たんでしょう?)

 

 ニトクリスは首を傾げるが、ともあれ今は目の前の状況である。男たちは積荷を確認するとそのまま去って行った……はずだったのだが、どういうわけか一人の男がその場に残った。男はしばらくその場に佇んでいたが、やがてゆっくりとニトクリスが張り付いている壁へ歩み寄ってくる。

 

(ど、どうしてバレたんですか!?)

(さっきの壁の色と同化してるはずなのに!)

 

 3人は焦るが、男の視線は明らかにこちらに向けられていた。

 

「へへ……」

 

 ニヤニヤと気がついているのかいないのか判らない笑みを浮かべながら近づいてくる男に対し、ニトクリスは息を潜めてやり過ごそうとするが……。

 ぐにいっ♥

(はぐうっ!? い、いきなり何を!?)

 

 男は見えていない筈のニトクリスの尻を撫で回してきたのだ。当然ニトクリスは悲鳴を上げそうになるが、ミッテルトとレイナーレがいる手前、何とか堪える。そしてミッテルトもまた突然の出来事に声も出せずにいた。そんな中、男はさらにニトクリスのお尻を揉んだり撫でたりしてくる。

 

(こ……こ……このぉ!? 

 安里以外の下賤な輩が私に欲望を剥き出しにしながら触れるなんてぇ!)

(ニトさん落ち着いて! ここは耐えるっスよ!)

(そうですよ! 我慢して下さい!)

 

 2人の言葉に必死に耐えるニトクリスだったが、男は立ち小便でもしようというのかペニスを取り出す。

 まさに獣の様に盛り狂ったペニスは明らかに欲情しきっており、ニトクリスの柔らかな尻たぶの間を狙って突き入れられようとしていた。

 そして明らかに気がついている男がニトクリスのパンツを引き裂こうとしたその時……! 

 

「いい加減になさいっ!! 

 この下郎がッ!!!」

 

 流石にニトクリスもキレた。彼女は怒りのままに杖を反り立つ男のペニスに叩きつける! 

 

「ぎゃあああっ!!!」

 

 凄まじい激痛に絶叫を上げて床に転がる男の

鼻面に更に追撃が振るわれ、鈍い音が響いた。

 

「ああ! もう〜! 何でやり過ごそうとしないスかあ〜」

「全く、生娘でもないでしょうに」

「冗談ではありません! 盟約者である安里以外に身体を許すなど、絶対に有り得ません!」

 

 ミッテルトとレイナーレの言葉に肩で息をしながらニトクリスはそう叫ぶ。ある意味とんでもないカミングアウトにミッテルトは唖然とし、レイナーレは呆れ果てた。

 

「そ、そんな事よりこの場をどうするか考えないと……ってやっぱり増援が来るッスよねえ……」

 

 どれもこれもが山犬か狂犬といった雰囲気の連中ばかりなので、ミッテルトはげんなりした顔で呟きレイナーレも渋面を作る。

 

「へへへ、やっぱり隠れてやがったぜ。匂いで丸わかりだったけどどれもこれもバステト様ばりの上玉だ」

「アヌビス様には悪いけどよォ、殺る前に犯るか?」

「いーねェ! 俺ぁあの姉ちゃんが好みだ!」

 

 貨物室を覗き込んだ男たちは舌なめずりしつつそう言う。まるで品性の欠片もないその言葉にミッテルトたちは顔をしかめるが、すぐにニトクリスが言い放つ。

 

「下種が!」

 

 ファラオの大喝と共に放たれるのは、ニトクリスの全身から放たれたのは衝撃波だ。強烈な波動が貨物室内に荒れ狂う。それはニトクリスの怒りがそのまま具現化されたような力であった。貨物室の屋根も壁も吹き飛び、上空を走る魔列車全体にアラームが鳴り響く。

 

「な、なんだァ!?」

「うわわわわわわ!」

 

 中に乗っていた乗客達が慌てふためいているが中でどんな乱痴気騒ぎをしていたのやら、全員がろくでもない格好だった。

『緊急事態発生! 緊急事態発生! 当列車は緊急停止します! 乗客の皆さまは速やかに非常用の脱出艇に

 お乗りください!』

 車内放送が響き渡る中、ニトクリスは戦闘用の礼装に変換魔術をかけて着替えるや、ゴロツキ共を睨みつけた。

 

「へへへ、何だよ踊り子さん。そんなに色っぽい恰好しちゃって誘ってんのか? へへへへへ……げひぃっ!?」

 

 先頭にいたリーダー格の男が、ニトクリスの放った光弾を受けて吹っ飛ぶ。だけではなく、取り巻きもボンテージ姿となったミッテルトとレイナーレに一捻りされて転がっていた。

 

「ふん……無様な。具体的に言えば、安里の爪先にも劣る位に無様な。こんな程度の相手に手こずるとは……不覚です」

 

(何かニトクリスさん、さっきから安里サマの事をノロケてるんスけど)

(ニグラ様から聞いた話では案外、深情けなタイプらしいわよ。ファラオなのに湿度は高めみたいね)

 

 ミッテルトとレイナーレはそう言って嘆息する。そんな中、ニトクリスはリーダー格の男に問う。

 

「答えなさい。この麻薬と毒草は何ですか!? 一体何に使うつもりだったのです!?」

「そ、それは……!? ぐげ、げ、げげ……!?」

 

 男は苦痛にうめく。とはいえニトクリスはまだ何もしていない。ただ質問をしただけだ。だが男は苦しみ始める。肉が軋み、目が出目金のように膨らんでいく。

 

「ま、まさか……!」

 

 ミッテルトがそう叫んだ時、男の身体は風船の様に膨れ上がり、そして爆発した。

 

「な、何なんスかこれ!?」

「これは呪法です……! すぐに解呪を!」

 

 ニトクリスはそう叫びつつ、解呪の呪文を唱える。血を浴びたニトクリスやミッテルト、レイナーレにも影響は無い。

 

「これは、一体……?」

 

 ミッテルト、レイナーレのみでなく精神耐性を持つニトクリスすらも動揺している。それ程までに目の前で起こった出来事は衝撃的だったのだ。

 どろり、とした肉と血液が混ざった肉塊がぶしゅぶしゅ、と音を立ててギョロリ、とした目玉が浮かぶ。

 見るだけで正気を削られるかの様な光景。しかしニトクリスは意を決して問いかける。

 

「あなた……いえ、お前は誰なのです?」

「ギャハハハハハ! 其奴は『禍津星』様とリゼヴィム様の力で外なるものを模倣した肉塊だよォ!!」

 

 のそり、と現れたのはジャッカルの頭部を持った隻眼の獣人。

「な、何者ッスかアンタ!?」

 

 ミッテルトが叫ぶと、男は目を見開く。

 

「ん〜? テメェら……臭うなあ! 

 臭うなあ!! あの九頭竜安里の臭いがしやがるなあ!! 許せねぇ! 許せねぇ!! 許せねぇなああああ!!!」

 

 男の激昂に対し肉塊がまるで鬼軍曹に指揮される兵卒の如く整然と並び出す。

 

「……ん? そういやアンタ、安里サマにボコボコにされたアヌビスじゃないッスか? 近衛兵から輸送係に左遷されたって感じッスかね?」

「あらあらお可哀想に」

 

 ミッテルトの言葉にレイナーレが微笑む。口ぶりとは裏腹に、その表情は嗜虐的で、アヌビスと呼ばれた男を侮蔑していた。

 

「クソが! クソが! 糞がァアアッ!!! この俺様を嘗め腐りやがってええええええ! 殺す! 殺す! テメェらの腸を引きずり出して、グチャグチャにしてやるよォオオオッ!」

「下賤な山犬よ! 貴様などが冥府の神たるアヌビスを名乗るなどあまりにも不敬! ここで成敗してくれます!」

「ははっ!? ハッハハハハハハ! 

 冥府なんぞ腐れた土塊だ! 天より指し示す『禍津星』様ァ! 使徒たる我にそのお力を!! ウガア=クトゥン=ユフ! クトゥアトゥル グプ ルフブ=グフグ ルフ トク! 

 グル=ヤ、ツァトゥグァ! イクン、ツァトゥグァ!」

 

 燦々と照りつける太陽を直視しながらアヌビスは笑う。彼は明らかに正気を失い、その瞳は重油の様に濁っていた。

 

「狂人の戯言などにっ!!」

 

 レイナーレは吐き捨てんばかりに言い放ちながら仮面を装着すると戦闘態勢に移行。ボンテージ、仮面にマントという何とも怪しい姿となる。だが、狂人の相手には道化こそ相応しいかもしれない。

 

「うー、あー」

 

 肉塊は声とも音ともつかない音を響かせてレイナーレに迫りくる。しかしレイナーレとて歴戦の堕天使だ。更にはアザゼルにより人工神器も賜っている。

 

「下がれッ! この愚物どもが!」

 

 鞭と剣が合わさった様な武器を手にしてレイナーレは振るう。しかしながら肉塊は怯まない。それどころかレイナーレの肉体へと飛び掛かってきた。

 

「きゃあっ!? く、この……!」

 

 レイナーレは悲鳴を一瞬あげるも、すぐさま冷静さを取り戻し、光弾を放って迎撃する。

 光弾を受けた肉塊は、そのまま床に叩きつけられ、潰れたトマトのようにぶちまけられた。

 

「…………」

 

 だが、肉塊は結集しギョロリ、とヒキガエルの様な2つの瞳が浮き出る。

 

「うー、あー」

 

 またしても声とも音ともつかない、叫びとも嘆きともつかぬものを肉塊は発する。

 

「このっ……!?」

 

 理解の範疇にないものに恐怖を抱くのは知性体の性である。そのため若干反応が遅れた。

 

「レイナーレ! 影ェ!!」

 

 嘗ての上司であるレイナーレにミッテルトは警告すると同時に影から肉塊の破片がカエルの舌のように向かってきた。

 

「くぅ!?」

 

 咄嵯にレイナーレは身を捻り、回避するも腕に掠ってしまう。するとレイナーレの腕がジュクジュク、と膿み始める。呪いか毒かは解らないが有難いものではない。

 

「レイナーレ! 大丈夫ッスか!」

 

 ミッテルトが駆け寄り直ぐに手当をする。とはいえアーシア程の治癒能力は無いため、そこまで効果は望めない。しかも肉塊は一つではない。次から次に襲ってくる。

 

「これは……厄介ですね」

 

 ニトクリスは呟きながらも解呪を続けて行っている。

 

「ギャアッハハハハハハ!? 

 俺の事を忘れてんじゃねえぞォ!」

 

 アヌビスが叫ぶなり、ニトクリスへと肉薄する。肘から先が裂けて血管が別の生き物の如く脈動している。

 

「なっ!?」

 

 ニトクリスは驚愕と悍ましい姿に動揺しつつも即座に結界を張る。

 

「そんなもんで防げるかよォ!」

 

 アヌビスは嘲笑いながら拳を振るうと、結界はひび割れていく。

 

「狗が……! 調子に乗るな!!」

 

 腕が化膿しているにも構わずレイナーレは外なるものを呼び出す。現れたのは以前、アザゼルを貪り食った肉喰らいたちだ。

 

「せいなるかな、せいなるかな」

 

 肉喰らは歓喜の声を上げつつアヌビスに殺到する。手足が吹き飛び、顎が割けようともアヌビスに纏わり、齧りつくのを止めようとはしない。

 

「お、おぉっ! げっ……!?」

 

 血飛沫が飛び、肉片が辺りに散らばる。気味の悪い咀嚼音が響き渡り、術者のレイナーレですら仮面の下で顔を顰める程だ。

 

「うぇ〜……流石に暫く挽肉料理が食べられなくなるッスね……」

 

 ミッテルトの言葉にレイナーレは苦笑しつつ、アヌビスを見る。既に原型を留めていないものの、未だ動いている。ぶち、ぶちと肉が引き千切らればり、ばりと骨が砕かれる。

(これでは再生はできないでしょう。後は肉塊を潰すのみ)

 

 そう思った矢先だった。

 

「ひ、ふひひ、ひひひひひひ」

 

 念話越しに聞こえてきたのはアヌビスのものとは思えない、ひきつった笑い声。そして、ぼこ、ぼこと泡立ちながらその血液は沸騰し、酸へと変わっていく。

 

「おァぁぁぁ……」

 

 肉喰らい達が融解されていく中、アヌビスの身体は泥状に膨れ上がり、その体積を増していく。色彩はコールタールの様に黒く染まり山犬の頭部を象る、更に泥はアスファルトの様に硬化し、獣と化したアヌビスの首から下を再構築していく。

 

「げヒャヒャヒャヒャ!! だから冥府は腐れた土塊だと言っただろうがァ!!」

「うー、あー」

 

 アヌビスの高笑いに賛同するかの様に肉塊はアヌビスであったものの周囲を囲み、援護するかの様に光弾を放つ。

 レイナーレ達は咄嵯に回避するものの、床や壁が融解し始め、激しく貨物室が揺れる。

 

(拙い……! これでは勝負がつく前に魔列車が墜落してしまいます!)

 

 ニトクリスは焦燥感を抱きつつも、肉塊の対処に追われている。

 

「このっ……! いい加減にしなさい! メジェド様!!」

 

 このような悍ましいものにメジェド様など呼びたくはなかったが、他に手がない。ニトクリスはメジェドを召喚した。だが、肉塊たちはメジェドを見ても怯むことなく、光弾を放ち続ける。

 

「むーん」

 

しかしメジェド様は10メールはあろうかという巨体にも関わらず、俊敏な動きで光弾を回避しながら接近し、光弾を放っている肉塊に蹴りを入れる。

 

「うー、あー」

 

 肉塊はメジェド様に蹴られるも怯まず棘状の触手を伸ばしてくる。

 

「むーん」

 

 だが、布を被ったメジェド様はどしん、と足で肉塊達を踏んで抑え込む。まるで害虫を踏み潰すかの様だ。

 

「今です!」

「はい! このっ!」

 

 レイナーレは光の槍を作り、ミッテルトも光の矢をメジェド様に踏まれて蠢く肉塊達に向けて放つ。

 

「うー、あー、あー」

 

肉塊達はレイナーレ達の攻撃を受けて霧散するも、アヌビスに吸収されていき、時間切れのためかメジェド様もかき消えてしまった。

 

「くっ! この化け物め!」

 

 レイナーレはアヌビスに再度攻撃を仕掛けるが、アヌビスの首から下はまるで金剛石の様な硬さになっていた。全力の連撃で引っ掻き傷すらつけられない。

 

「くひゃひゃひゃひゃ! 無駄だぜェ!? 俺は神に等しい存在になったんだからなァ!」

「神? 狛犬が何を言っているのですか?」

 

 ニトクリスは侮蔑の視線を向けつつ解呪を続ける。

 

「狛犬だとォ!? てめえら堕天使崩れ如きが俺を馬鹿にしてんじゃねえぞォ!」

「馬鹿にしているつもりはありませんよ。事実を指摘したまでの事です」

 

 アヌビスの咆哮に対しニトクリスは淡々と言葉を返す。何とも気丈な態度だがその清々しさはアヌビスには殊更不快であったらしい。

 

「てめぇ……! ふざけてんじゃねえぞ! ぶっ殺すぞ!」

 

 殺意に濁りきった眼でアヌビスは睨みつけるが、ニトクリスは全く意に介さず、解呪を続けている。

 

「貴方にはもう誰も殺せませんよ」

「うるせぇ! 黙れ! 死ね! クソアマがァ!! 俺様はなァ! 最強のアヌビス様なんだよ!」

 

 ニトクリスの結界に飛びかかり、彼女の肩目掛けて牙を突き立てるべく大口を開ける。ただのひと噛みで彼女は血肉と化すだろう。

 

「させねぇッスよ!」

 

 ミッテルトがアヌビスの死角から飛び出し、腕を伸ばす。するとアヌビスの口が閉じられなくなる。

 

「ぐがっ!? おごぉ!?」

「今ッスよニトさん! この間の宝珠で浄化するッス!」

「はい!」

 

 ニトクリスは意識を集中して、アヌビスを包んでいる闇を祓い清めるべく霊泉の宝珠に魔力を込めてアヌビスを濁流で魔列車の貨物室から押し流す。

 

「お、おぉぉぉ!?」

 

 アヌビスは抵抗する事もできず、貨物室の外へと流されていき、魔列車からはじき出された。遥か上空から落下していく様をニトクリスは見送る。

 

「ざまぁみやがれってんスよ!」

 

 ミッテルトはアヌビスを見下ろしながら中指を立てる。この高さから墜ちたならいくら硬くても粉々に砕け散る筈だ。しかしニトクリスの顔色は優れなかった。いかんせん魔力を消費しすぎたのだ。

 

「ふぅ……」

 

 ニトクリスは息を吐いて床に座り込む。膝から下の感覚が殆ど無い。立っているのがやっとだ。

 

「ニトさん、大丈夫ッスか?」

「はい、なんとか……」

「にしてもあの狗野郎、とんでもないバケモンだったッスね……」

 

 ミッテルトの言葉にニトクリスは苦笑しつつ、同意を示す。あれはこの世のものでもあの世のものとも思えないものだった。

 

「はい……まさかあんなものが居ようとは……でも」

 

 ニトクリスはアヌビスが変化した際に言った言葉を思い出す。

 

(確かに冥府は腐れた土塊でしかないと言っていましたが……それに『禍津星』とは炎の災厄を授けるだけではないというのでしょうか)

 

 ガゴゴゴゴッ!! 

 尋常ではない振動と衝撃音が貨物室を襲う。恐らく脱出艇が魔列車から射出された事で結界が解除されたのだろう。一番傷の浅いミッテルトが結界を張るが魔列車自体の崩壊が激しい。

 

(これは拙いッスね……。早く脱出しないと全員仲良くぺしゃんこになるッス)

 

 ミッテルトがそう思った矢先、ニグラがトゥー・ルチャと共にやってきた。ニグラの顔がやたらツヤツヤしていたのが気になるが指摘する時間も余裕も無かったのでスルーした。

 

「ニグラ様ぁ! ウチらがしんどい思いしている時に何やってたんスかあ!」

「それはもう……ねぇ? フフ♪」

 

 ニグラは妖艶な微笑を浮かべつつ、トゥー・ルチャと顔を合わせる。

 

(この色欲の化身は……)

 

 ニトクリスはニグラの淫蕩ぶりに頭を抱えるがニグラはニトクリスの苦悩などどこ吹く風だ。

「まあまあ、そんな顔をしないで。

 脱出艇を1隻他のVIPから頂戴してきたらそれでいいのよ。ほら、貴方達も乗りなさい」

「えっ、それって盗んできたって事じゃ……」

「盗むだなんて失礼ねぇ。乗り手がいなくなったから貰ってきただけよ」

「は、ははは……」

 

 ミッテルトもニトクリスも乾いた笑いしか出てこなかった。もう深く考えるのは止めようと思った。

 

「さ、さっさと乗るッスよ。ニトさん立てます?」

「ええ、なんとか」

 ニトクリスはミッテルト、レイナーレに支えられて脱出艇へと乗り込んだ。中はまるでコクピットの様になっており、複雑な計器が自己主張するかのように並んでいる。

 

「それでどうやって動かすんスか?」

「簡単よ。スイッチを押せば動くわ!」

「動くわ! じゃねーッスよ!!」

 

 ニグラの大雑把な発言に思わずツッコミを入れるミッテルト。その横でトゥーがマニュアルを読む。

 

「操縦桿を引けば前進、押せば後退。あとは目的地を入力するだけでコースを示してくれる様です」

 

 と、言うなり彼女が操縦桿を引く。するとモニターに映し出されていた地図上を赤い線が走り始める。

 

「おお~凄いじゃないッスか!」

「ふふん♪ どう? 見直したかしら」

 

 得意げな表情をするニグラだが、トゥーの手柄ではないだろうか。と傍らで休息に入ろうとするニトクリスは頭をよぎったが口にはしなかった。

 

「成程、次はカーブを曲がれば良いのですね」

 

 トゥーは地図に従って操縦桿を思い切り振り回さんばかりに引いた。

 

「ちょっ!? トゥーさん! 幾ら何でもそりゃないッスよ!?」

 ミッテルトが慌てて止めるが既に遅い。バギン! と鈍い音を立てて操縦桿が外れて吹っ飛んでしまう。

「申し訳ありません。力加減を間違えました」

「ごめんなさいね。この子ったらちょっとドジっ子属性があって」

「オイオイオイオイ! ドジで形容できるミスじゃあねーでしょうが!!」

 

 なんという有様かと、ミッテルトは突っ込みつつも頭を抱えた。このままでは地面に激突して粉々に

砕け散ってしまう結末しか訪れないではないか。

 

「まあまあ、砕け散っても肉体を再構築すればいいだけの話ですよ」

「できるわきゃねえだろうがあ!! アンタら基準で考えんなってんスよ!」

「え? ミッテルトちゃん達は出来ないの? 遅れてるわねぇ」

「進んでるのはアンタのボケ!」

 

 神視点からのマウンティングに対しミッテルトは涙目になりながら叫ぶ。もういっぱいいっぱいだ。

 

「お、落ち着いてくださいミッテルトさん。まだ壊れると決まったわけではありませんから……」

「うぅ、ニトさん優しい……でも多分これ駄目ッスよ……」

「諦めるのはまだ早いわ!」

 

 絶望にくずおれるミッテルトにレイナーレがやおら叫ぶ。その瞳は眩しく輝いている。

 

「な、なんスか急に?」

「こういう時にはアザゼル様が駆けつけて下さるわ。あの方ならきっと……」

 

 輝く瞳が夢の世界に向けられているのを理解したミッテルトは考えるのをやめた。

 

「……そうッスね」

 

 ミッテルトは疲れきっていた。もう何もかも投げ出したかった。しかし安里から渡された呪符の存在を思い出した。

 

『何スかコレ?』

『バイト代をはたいてシュタークさんに作ってもらった呪符だよ。「タダで作ってあげたら、キミは何でもかんでもボクに頼って呪符を乱用するだろうからネ」ときたもんだ。事実だから言い返せねえが』

『で、どんな効果があるンスか?』

『ああ、それはだな───』

 

「この列車から脱出する為に必要なんだよォ!! 頼むから出てくれよぉ!! お願いしますゥ!! 神様ァ!! ウチを助けてくださいィ!! どうか! どうか!」

 

 手を擦り合わせて呪符を握りしめつつ、ミッテルトが必死の形相で祈る。その祈りが届いたのか、脱出艇はシュン、と姿を消し……。パッ、と町を歩いていた安里とカテレアの真後ろに転送されてきた。

 

「ひぃやぁぁぁぁぁぁ!!」

「うわああああああ!!!」

 

 安里達は辛うじて脱出艇を回避するが脱出艇は町を抜けてオアシスに不時着していった。

(ニグラ様達とはもう乗り物には乗らねえ)

 ミッテルトは固い決意をした。

 

 ーおまけー

 

 時はニトクリス達が貨物室で

 世を明かしていた頃……。

 

「くうっ……! 堪らん! 

 まさかこんな美女と魔列車の中で

 楽しめるとは!」

 

 VIPルー厶にて男はニグラの白磁の肌に触れて興奮する。

 

「フフフ、私の美貌に酔って頂戴♪」

 

 ニグラは妖艶な笑みを浮かべつつ、VIPの首筋を撫でる。春風のような心地よさと色香がVIPを包み込む。

 

「ハア、ハア……! 素晴らしい、実に素晴らしいぞ!」

「あら、随分と元気なのねぇ。じゃあ次はこっちかしら?」

 

 ニグラは妖艶な微笑を浮かべ、VIPの下腹部に手を伸ばす。昨日までは不能に悩まされていたペニスが初めて女を抱こうとした時の様に力強く脈打っている。

 

「くっ! なんだこれは! 今まで感じたことの無い快感だ!」

「ウフフ、気持ちいいでしょう? もっと私に夢中になってちょうだいな?」

 

 ニグラは更に強く首筋を撫で回し、耳元に吐息を吹きかける。三半規管を揺さぶられ、酩酊の表情を浮かばせるVIPのでっぷりした腹は中で炉が燃えているかの様に熱を帯びていた。その熱はペニスにも作用し、血管を浮き上がらせていた。

 

「す、素晴らしいぞ! 『フェニックスの涙』の廉価版を飲んだ時より遥かに気分が良い!」

「あら、そんなものまで用意しているなんて流石はVIPね」

「当然だとも! 私はあらゆる快楽を追求する為に金を惜しまない!」

「素敵よ♪」

 

 ニグラはそう言って彼の頬に軽く口づけをし、ペニスを握る手を激しく動かす。技巧は勿論、彼女の掌から発せられる魔力が更なる刺激を彼にもたらす。

 

「ぐおおおっ! 出る! 出てしまうぅぅぅっ!!」この快楽が終るのが名残惜しいと思いつつもVIPは欲

 

望を解き放つ。ドクンドクンと大量の精液が放出され、ニグラの手が白く染まる。

 

「ああっ……! 凄いわ……! 貴方、とっても素敵な殿方ね。このままずっと一緒に居たいくらい……」

「はあ、はあ、はあ……」

 絶頂の余韻に浸りながら、VIPがニグラを見つめ、唇を奪う。

 

「んむう……」

 

 ニグラも抵抗することなくそれを受け入れ、舌を絡ませる。互いの唾液を交換し合う、淫靡なキスだった。まるで海水で喉を潤している様な矛盾に満ちた病的な渇きが男の脳髄を満たす。

 

「んふぅ……んん……ちゅぱ……れろ……」

 

 長い接吻の後、二人はようやく顔を離した。ニグラの口から伸びた銀糸がぷつりと切れる。

 

「はあ、はあ……どうやら貴様も相当な好き者のようだな……」

「ええ、だってぇ……こんなに美味しいんですもの」

 

 ニグラはそう言うと指についた精液をぺロリと舐めた。その様は雌の卑しさと女神の美しさを併せ持つ。

 

「ククク、淫売が。だが気に入った。妃として飼ってやる。光栄に思え」

「ありがとうございます。では早速、子作りを始めましょうか?」

「ククク、そうだな。まずは貴様を我が妻に相応しい肉体に改造してやろう」

「楽しみだわぁ……♥」

 

 余裕たっぷりといった様子のニグラに男は不敵に笑う。

 

「クク、安心しろ。貴様には最高の悦楽を与えてやる」

 

 男は懐から注射器を取り出した。中には赤い液体が入っている。

 

「それは何かしら?」

「『フェニックスの涙』の廉価版だ。これを投与すればどんな傷もたちどころに治るぞ」

「へえ、便利なものがあるのねぇ。でもお高いんでしょう?」

「それがな、マンモンの奴は秘密工場で大量に生産していてな。安く譲ってくれたのだ」

 

というものの男の頭の中にある目の前のニグラを犯すこと以外の思考は消え去っていた。

 

「きゃん……冷たぁい♥」

 

 男が薬液を注射したのはニグラの膣穴だ。

 

「クク、効いて来るぞ。じきに子宮も襞も男を知らなかった頃に戻るだろう」

 

男は下卑た笑みを浮かべつつ、軽くニグラの下腹部に触れる。するとニグラの身体に変化が現れた。

「ふぅ……ん♥ああ、お腹の中が……乙女に戻っちゃったみたい♪」

 

襞、膣穴、子宮口がリセットされたかのように窄まり、繋ぎ止める処女膜が再生する。胎内が漂白されていく感覚。ニグラは自分が再び純潔を取り戻したことを悟った。

 

「ほう、随分と早いな。流石はフェニックスの涙と言ったところか」

「うふふ……穢れを知らない売女なんてとんでもない矛盾だわぁ……♥ナイアにも劣らない位の悪趣味ねぇ……ふふっ♥」

「フフフ、その減らず口がいつまで続くかな?」

 

 ぐぐ……とペニスが処女穴を押し広げていく。

 

「うぐっ……! あ、ああっ……!」

 

 破瓜の痛みがニグラを襲う。強張った膣穴と肉棒がぶつかり合い、血が滴る。毒物を吐き出そうとするようにニグラの膣圧が高まり、男根を押し戻そうとしている。

 

「ぐうっ……! 堪らん! 堪らんな!」

 

 初夜を奪い、瀆す猟奇的な快感に男は興奮し、ピストン運動を始める。

 

「あっ! あん! あう! ううっ! くぅ!」

 

 ニグラは必死に耐えるが、それでも声が漏れてしまう。男根が出入りを繰り返す度に激痛が走り、意識が飛びそうになる。肉傘がGスポットを擦り上げる度、背筋が震え、快感が脳髄を蕩けさせる。やがてニグラの表情が苦痛ではなく快楽に染まっていく。

 

「ククク、気持ちいいか? 気持ちいいんだろ? 素直になれよ。なあ?」

 

 ニグラの反応の変化に気付いた男は更に激しく腰を打ち付ける。更には彼女の胸を揉みほぐしながら乳首を弄ぶ。ニグラの身体がビクビクと痙攣し、結合部から愛液が溢れ出す。漂白された子宮が再び色欲を取り戻し、ニグラの表情も徐々に緩んでいく。

 

「ああっ! 気持ちいいですぅ! もっと! もっと突いてくださいぃ! お願いしますゥ! ああっ! イクッ! イッくうぅぅっ!!」

 

 ニグラは甲高い声で叫びながら絶頂を迎える。同時に膣壁が収縮し、ペニスを締め付け射精を促す。

 

「おおおっ! 処女のくせに先にイキやがったな! この淫乱めが!」

「ごめんなさいィ……でもぉ……我慢できないんですぅ……」

「クク、ではそろそろフィニッシュといこうか」

 

 男はニグラの両脚を掴み、正常位から屈曲位へと体位を変える。種付プレスの体勢だ。

 

「きゃあ……凄い……私、こんな格好で犯されてる……♥染まる♥染まっちゃう♥」

「ハァ……ハァ……これで貴様は俺の女だ……!」

「あぁん♥嬉しい♥貴方のお嫁さんにしてください♥」

「当然だ! 貴様は一生俺の性奴隷だ! 受け取れ! 孕みやがれぇぇぇぇ!!」

 

ニグラの身体が処女に戻った様に彼の精神もまた童貞に戻っていた。欲望のままに精液を放出する。子宮が熱い液体で満たされ、膣内を満たしていた血液を洗い流す。

「ああ……出てます……♥私の中に……赤ちゃんの種が出てますぅ……♥」

 

 ニグラはだらしない顔を浮かべ、歓喜の声を上げる。

 

「はぁ……はぁ……クク、どうだ? 気持ちよかったか?」

「はい……最高でした……」

「そうか。なら次はマンモンに貰った媚薬でも試してみるか」

 

と言って男は座薬を取り出す。

 

「あら、今度はお尻の穴を使うのかしら?」

「そうだ。貴様も興味があるだろう?」男はそう言ってニグラの肛門に指を突っ込む。

「あん……そこは……汚いわぁ……」

「フン、今更何を言っている」

 

 男はカマトトぶるニグラを鼻で笑い、座薬を挿入する。アナルはフェニックスの涙の影響の外にあり疑似的な性器としての機能を記憶したままだ。

 

「ひゃうんっ!?」

「さて、効果が出るまで少し時間がかかるからな。それまでは好きなようにさせてもらうぞ」

 

 そう言うと男はニグラを四つん這いにさせ、背後から犯し始める。

 

「あっ……! やぁん♥」

「クク……ケツ穴犯される気分はどうだ?」

「んふぅ……すごくいいわ♥」

 

月並みな感想であったが彼女のアナルは月並みのものではない。パン! パチン! という肉を打つ音と共に豊満な臀部が揺れ動くのみでなくまるで別の生き物のように男根に絡みつき、貪欲に精液を搾り取ろうとしていた。

 

「ああっ……♥お尻の奥ぅ……当たって……♥」

 

 突き上げられる度に甘い声を上げ、膣からは大量の愛液が噴き出し、シーツに大きな染みを作っている。まるで蝋が溶けるように彼女の理性はドロドロになって行く。

 

「くく、もうすっかりメスの顔になったじゃねえか。そんなにこっちの具合もいいのかよ?」

「はいぃぃ! おまんことお尻両方責められて……すっごく感じちゃいますぅ!」

「へっ、上等だ。だったら望み通りぶち込んでやるよ!」

 男はニグラの腰を掴むと、一気に肉棒を突き入れた。

 

「あっ! 入ってきたぁ! 大きいのきたぁ! イクっ! またイッっちゃうぅぅぅ!」

 

ニグラは獣のような声を上げて忽ち絶頂を迎えた。

 

「はは! すげえ締まりだ! 持ってかれちまいそうだぜ!」

 

 口調も若返った男はニグラの最奥を何度もノックするように腰を叩きつける。その度に子宮が押し潰され、ニグラの口から喘ぎ声が漏れる。

 

「あっ♥あっ♥あっ♥あっ♥あっ♥あっ♥あっ♥あっ♥あっ♥」

 

 ニグラの身体がビクンッ! と跳ね上がり、膣壁が収縮し、男根を締め上げる。

 

「ぐおっ! 出るぞ!」

 

 どぴゅ! びゅ──!! 直腸奥に押し付けられた亀頭から熱い奔流が流れ込み、脳を焼くような感覚にニグラは襲われる。あまりの快感と熱量に頭が真っ白になり、全身を痙攣させた。

 

「あ、あちゅい……あたま、おかしくなるぅ……」

「お、お、お……」

 

そして男もあまりの快感に意識を失いかけていた。

理性が警鐘を鳴らす。彼は慌ててペニスを引き抜こうとするが蜘蛛の糸に絡め取られたように身動きが取れない。

 

「う、うごけねぇ! なんだこれ!」

「うふふ……逃がさないわよ♥

 もっと、もっと愉しみましょ♥」

 

 甘い誘惑の言葉と共にニグラは煽情的に四つん這いのままで腰を振る。その姿はまるで発情期の雌猫のようであった。しかし、男にすれば獲物に牙を突き立てた雌豹の様な恐ろしさがあった。

 

「ああっ♥イイ♥イイですぅ♥もっとぉ♥もっと突いてぇ♥」

 

 ニグラはぐるん、と身を捩らせながら男の背に手を回し、密着しながら快楽を貪る。

 

「う、うるせぇ! 黙れ! 離れろぉ! 離れてくれぇ!?」

 

 命令が懇願に変わっていく。それ程までにニグラの身体は魅力的であり、一度抱いたが最後、二度と抜け出せない麻薬と劇毒の沼の様でもあった。

 

「ああんっ♥激しいっ♥乱暴にされるのぉ♥好きぃ♥」

「た、助けてくれぇ!?」

 

 恐怖に竦み上がるも男のペニスはまるで萎えない。吸い取られる。融解されていく。魂ごと。

 

「ほらぁ♥どう? 私の中気持ちいい? 気持ちいいでしょ? ね? 気持ちいいって言って?」

「き、気持ちいい! 気持ちいいですぅ!!」

 

 男は泣き叫びながら叫ぶ。だが、それはもはや絶叫に近かった。

 

「そうよね? 気持ちいいわよね? だってこんなに勃起してるもの。私の中で貴方のおちんぽビンビンになってるわよ? 嬉しい?」

「嬉しくない! 俺はそんな事望んでいないんだぁ!! 死にたくない! 死にたくないいぃ!!」

 

ニグラの淫靡な言葉によって男の精神は限界を迎えようとしていた。

 

「そう……なら死ぬ前に私がイカせてあげる。たっぷり中に出して頂戴♪」

 

 ニグラはそう言うと激しく腰を振り始めた。

 

「やめっ! やめて! お願いだからやめて下さい! 許してください! 何でもしますからぁ!」

「ダメ♥」

「ひいっ! やだぁ! もうやだぁ! 出させてくれ! 出させてくれぇ!」

 

 男は恥も外聞もなく泣き喚く。

 まさに檻か地獄に繋がれた鼠のようだ。

 

「あはっ♥いいわよ♥いっぱい出しなさい♥」

 

 ニグラはそう言い放つとラストスパートをかける。

 

「ひぎいいいいいいいいいいいい!?」

 

 男の意識が混濁する。死の恐怖はこの快楽地獄が一刻も早く終わってほしいという願望に摩り替わり、意識が蜘蛛の糸の様にプツン、と切れた。




※アヌビスは死んでないです。
モブ男はDEAD ENDです。

真面目な話短いけど投稿頻度は早い方がいい?

  • 早い方がいい
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