リントヴルム王国。多種多様な種族が公平に暮らす稀有な国であり、屈指の魔法大国であり、そして屈指の強国だ。
夕暮れ時、そんなリントヴルム国の端にある街で、賑やかな3人組が歩いていた。
「今日も収穫無し!おつかれ!!」
石レンガ造りの建物や屋台が並ぶ街の真ん中で、筋骨隆々な雄のトラ獣人が声を張り上げた。
「じゃあかいさーん、で良いよね?」
黒い旅衣を着た竜人の青年は間の抜けた声で言うと、隣にいたヒト種の男は呆れたように竜人を見る。
「お前…またあの店行くのか…」
「諜報任務は得意じゃないの。英気養わないとやってらんなーい。あと、すごい可愛い子がいるんだけど人気でさ、まだ指名できてないんだよねぇ。」
身体の背中側は黒く、豊かな白いたてがみを持つ竜人の青年はあどけなさ残る笑みを浮かべる。…彼は報酬の半分を娼館に使うような性豪だった。
竜人の言葉にヒトの男はため息を吐き、トラ獣人はさも愉快そうに笑う。
「良いな!明日俺にも紹介してくれよ。」
「あれ、クティスは今日来ないの?」
「あー…お前昨日は抱かないで帰ってたもんな…あの後興味本位で性欲強そうな獅子のねーちゃんを指名して、部屋空いてたから”泊まった”ら…いやまぁ骨抜きにされたわ。お前と違って金持ちじゃねぇし今日は休む。」
淫らな話で盛り上がる彼らの左胸には銅色の盾型のバッチが付いている。それはリントヴルム王国王立騎士団のメンバーの証。軍とは違い、王家の支配下にはない独立勢力のメンバーだ。
元は民間人の腕利きが集まった自警団だった。100年以上前の大きな戦争で兵士が漏れなく戦場に駆り出された際、王都の治安維持に大きく貢献。その功績を認められて王国からの手厚い支援を受け今の騎士団となった。
いくつかの階級があり、街の見回りから国王の護衛、戦場の指揮などリントヴルムとは切れない関係だ。最高階級ともなれば単騎で小国を陥せるとまで噂され、隣国への抑止力になっている。
そんな名が売れている騎士団に所属する3人組は、今は休暇中を装って諜報活動中だ。
「低級騎士団メンバーの失踪…その調査なのに呑気だな…」
「性欲!全ての生き物…善人も悪人も平等にもつ原始的かつ抗い難い欲!それを発散させるために店に集まる有象無象が思わぬ情報源になるかもよ、バートン。」
「否定はしないがお前の場合は建前だろ…」
「じゃ、宿行こうぜバートン。お前はどうせ娼館なんて行かないだろ?」
頷いたヒトの男には既に妻子がいる。
「向こうだって仕事だし、同じ人に通うわけでもないならいいと思うんだけどねぇ。んじゃ、俺は行くねぇ。また明日。」
「寝坊すんなよ。あと自分の身体の大きさ忘れんなよホルド。」
失礼な、お前よりよっぽど紳士だ。と軽口を交わしてから竜人の青年は1人目当ての店に向かう。
性欲の発散だけが目当てではないということを知っているのも本人だけだった。
[newpage]
夜の店の裏側、従業員用の洗面台である獣人の少女が顔を洗っていた。横向きの大きな三角耳、長めで薄い水色の体毛に、太い肉厚な尻尾。混種と思われる獣人の少女もここの従業員だ。
「よし、戻ろう。」
口も十分にゆすいでから体に香水をつけて、そして露出部位が多いレースのドレスを着た。
「ユイちゃん、もう戻るの?」
「はい!」
狼獣人の従業員に匂いのチェックをしてもらうのがここの決まり。前の客の匂いが残ったままでは戻れない。
「最近頑張ってるけど、お金のためとは言えあんまり無理しちゃダメだよ。”相手する”なら次の客で最後にしな。」
「はい。」
まだ年端もいかない少女が働くこの店は街でも大きな接待付きの飲食店。年齢性別問わず訪れる客に同席し、追加料金と共に求められれば性の相手をする。娼館も兼ねているため一晩を過ごすこともある。
今夜はまだ1人しか相手をしていないから、もっと働いて稼がねば。先ほど兄に連れられてやってきた可愛い男の子に口淫した時の反応を思い出して独り笑いを浮かべながら店に降りた。
「ユイちゃん、指名だよ。」
この店最年少である彼女はすぐに使命が入る。言われた席に向かうと、待っていたのは旅衣を着た竜人の青年。黒い体色故に髪の毛の白いたてがみがよく目立っている彼は、数日前に見かけたことがあった。
「ご指名ありがとうございます。ユイといいます。」
「わーい、やっと指名できたぁ。」
「昨日も来店なさってましたね。もしかして私を待ってくれていたんですか?」
「そうそう、初めて見かけてからずっと指名したかったんだけど中々空いてなくてねぇ。」
若々しい透き通った声と人当たり良さそうな雰囲気に少女も内心でホッとする。もちろん食事だけという客もたくさんいるが、連日通って狙っていたならそういうことだろう。
「もしかして緊張してる?このあたりじゃ竜人は珍しいからねぇ。俺はホルド。今日はよろしくねぇ。」
まずは普通に食事を。竜人の青年は”設定通り”に話した。
「そーそー休暇中なんだ。俺たち3級って、いわゆる一人前みたいなものなんだけど役割が多くてさ…仲間は良い奴ばっかだけどたまにはこういう店で足を伸ばさないと…」
「そうなんですね。ここのお店は料理も自慢なのでごゆっくりして行ってください。お泊まりできるお部屋もあるので良かったら。」
ホルドは笑みを深めて、自分より2回り小さな獣人の少女の肩を抱き寄せる。
「へぇ君そういう相手もするんだ。てっきり食事の接待だけかと思ったよ。すんごく若く見えるのに、大変だねぇ。んー、いい匂い。」
ホルドがユイと名乗った少女の柔らかい毛並みを堪能すると彼女は彼にもたれて身体を委ねた。
「思ったより慣れてるんだね。ふふ、可愛いねぇ。」
あどけなさが色濃く残る竜人の青年に笑いかけられて胸がドキリとしてしまう。久しぶりに当たりの客だ。今日は自分も愉しめそうだと内心嬉しく思った。
「…あ、追加料金は前払いなのでご承知おきください。」
「ふふ、わかってるよ。まぁまずは…」
他愛もない会話を交わしながらホルドは運ばれてきた果実酒と軽食を摘む。ホルドが各地を渡っていることを知った少女はしきりに他の地域の話をねだった。
「君も飲み物くらい飲みなよ。お酒はまだ早いと思うけど、ジュースくらいあるでしょ?」
ホルドは気前よく彼女にも注文。こんなに若くて可愛い子と飲めることは滅多にないからね、と少女を膝に乗せて身体の下から上まで舐めるように視線を移しながら撫で回す。
そして話がひと段落したところで切り出した。
「俺さぁ一応騎士団だから気になっちゃうんだけど、どうしてこんなところで?」
少女にとってはよくある質問だった。
「はい…実は人攫いに遭ってしまいまして…」
「おっと、それは…」
「あ、いえ、違いますよ。このお店は助けてくれたんです。運ばれてる途中で逃げて…私、田舎からきたんです。だから誰も地名を知らないから帰る宛がなくて…」
「騎士団も知らないって?」
彼女は頷いた。
「なるほどねぇ…それでユイちゃんは探し回るためにお金が必要だから身体を売ってるってことかぁ。」
ストレートに言われて少女は返答に困る。はいと言えば雰囲気を壊すし、いいえと言ってもそのあとうまく取り繕わなければわざとらしい媚びになってしまう。幸いホルドは返事を求めず話を続けた。
「まぁ間違いじゃないよ。ここはちゃんとしてそうだし、手っ取り早く稼ぐならこれが1番。でもあんまり騎士団バッジをチラチラ見てるとあらぬ疑いをかけられちゃうかもよ?」
整った顔立ちの竜人に耳元で囁かれ、そして気づかれていて心臓がどぎまぎして色んな感情が混ざった顔で降参するように見上げるユイ。
ホルドがマズルの先を近づけてきて反射的に彼の首を抱いたが、彼はギリギリまで近づけて可愛いね、とだけ言った。
「追加料金がいらないのはハグまでだったよね。」
「そうでした…接吻は接触の追加料金が必要です…」
「残念そうだねぇ。おねだりとかしないの?」
「そういうのはお店の決まりでできないんです…」
「おぉ、さっすが、高級店だけあってちゃんとしてるねぇ。」
「…?昨日も来ていたのでは?」
「食事だけでねぇ。接吻以上はしてないんだ。君ともそうするつもりだったんだけど、家探しの旅に出るためにお金がいるって聞いたら…」
ホルドは紙幣を出して、テーブルの魔術式の上に置く。すると紙幣が消えて、魔術式の色が緑から青に変わった。
「あっ…」
“接触”の追加料金が支払われた。これで接吻や素肌での触れ合いができるようになる。ユイがテーブルからホルドに視線を戻したのとほぼ同時に竜人の青年のマズルと獣人の少女の小さなマズルが交わった。
ユイはここに勤めて1年余り。接吻も多くの雄と重ねて慣れていたはずだが通りがかる従業員や客を一切気にすることなく舌まで絡めてくるホルドには圧倒されていた。離れると、ホルドの顔には妖艶な笑みが浮かび、ユイは口を開けたままそれをボーッと見ていた。
「…惚けた顔も可愛いね。ええと、ここでも抱けるんだっけ。」
「はい…あ…でも…手淫と口淫なら規定の追加料金だけでできますが…」
「あぁ、君とも交渉しないといけないのか。そうだねぇ…俺はここでも良いけど、せっかくだし個室で朝までどうだい?そっちの方が君もお金稼げるし、俺も愉しめるし。それとも常連じゃないから今日はダメかな?」
「あ…ホルドさんなら…良いです…ご予算があるなら……」
店は賑わっているが、高級店故に個室を利用する客は多くないので席を立って階段を登る2人は良く目立った。それをチラリと見たユイの同僚は羨ましく思いつつもその体格差を心配したという。
「ホルドさん…立ってみるとやっぱり背が高いですね。」
「まぁ竜人だからねぇ。そんなに大きい方ではないけど。」
彼の身長はおよそ2m。ユイも決して背が低いわけではないが、並んで立つとどうしても小さく見える。
「大丈夫だよ、優しくするから。」
その辺の安宿よりもずっと広い部屋に入ったホルドは躊躇うことなくブーツを脱いで裸足になり、外套を脱ぎ、旅衣の紐とベルトを解き、袖から腕を抜いて裸体になった。
「わぁ…さすが騎士団…良いお身体ですね…」
華奢だが身体は角が丸いしなやかな筋肉で引き締められていて、二の腕や太ももは見るからに弾力がありそうだった。
彼の黒い背中側は硬い鱗ではなくきめ細かく滑らかな鱗で覆われていて頭と同じ白色のたてがみがあり、腹側はつるりとした薄灰色の皮膚になっている。
「君も、なんともそそる身体だねぇ。」
対するユイは薄い水色の毛皮に覆われていて、肉つきも程よい。ホルドは慣れた手つきで彼女の扇情的なドレスに手をかけた。
「ん、これ着たままでもできるんだね。まぁでもせっかく2人きりだし…」
ユイはされるがまま脱がされる。そして抱きしめられた。
「んー…ふわふわだねぇ…」
彼女の毛皮を素肌で堪能するホルドの腕の中で、ユイはただ鼓動を高鳴らせることしかできなかった。
「緊張してる?」
「いえ…その…」
いつもなら雄を煽る文句の1つや2つくらい出てくるのに。目の前の大きくて細くて逞しい、そして優しげな竜人とこれから身体を重ねると思うと頭がうまく働かない。
「すみません…ホルドさんお優しいからつい…んっ…」
大きな手に腰を撫でられて身体をこわばらせるユイに、ホルドは満足げな笑みを浮かべながら彼女の恍惚とした顔を見下ろした。
「良い匂いがするねぇ…もしかして…」
手が腰から臀部へ移り、そして人差し指が彼女の股へ潜り込む。
「あっ…」
「もう感じちゃってるのかな?嬉しいねぇ、抱きしめられるの気持ち良い?」
「気持ち…良いです……」
「じゃあ…」
ホルドは彼女を離すとベッドに上がり、脚を開いて仰向けになる。膝で上半紙を支えたことで引き締まった胸筋と8つに割れた腹筋がより浮き出た。ユイの身体を熱くさせるにはそれだけでも十分だったが、その腹筋の下、鼠蹊部の間にうっすら浮かぶ縦筋に釘付けになった。
「さっきから俺ばっかり君を撫でてるからね。今度は君の好きなようにしてよ。」
これは本当に仕事なのだろうか。吸い寄せられるようにベッドに上がったユイは頭のどこかでそう思った。そして彼に覆いかぶさるようにして、彼に撫でられながらその胸筋に舌を這わせた。
そりそり、と小さな舌が音を立てながら彼女が自分の身体を舐めているその光景と甘美な刺激にホルドも高揚しはじめる。
「気持ち良いよ…」
そう言って彼女を撫でると彼女の方も本格的に興奮し始めたのか舌の往復が速くなる。
ユイが腹筋を舐めながら太ももにも愛撫をしていた時、ホルドが下腹部に集まった昂りに耐えきれず身震いした。
その震えで縦筋からずりん、と肉芽が飛び出て、気づいたユイが鼠蹊部を撫でると彼女の身体をなぞりながらみるみる成長して厳つい雄槍と成った。
ホルドが催促する前にユイは顔より大きい肉棒へ手を伸ばす。まさに槍のような先端とカリを片手で包み、側面と身体側に傘を何枚も縦に重ねたような固いヒダが並ぶ竿をもう片方の手で丁寧に扱き、根元の亀頭球のようなコブにかじりつくように咥えながら舐め始めた。
「あぁ…良いよ…」
彼女の身体にホルドは太い尻尾が巻き付けた。優しい拘束と頬への愛撫を受けながら肉棒を舐める可愛い獣人の少女に背徳的な興奮が湧き上がって自然と口角が吊り上がった。
「ホルドさん…して欲しいことがあれば言ってください…」
「そのまま続けてくれて良いよ。」
そう言われてユイは肉槍をしゃぶり続ける。雄の匂いで身体は火照り、しきりに疼く。カリにヒダにコブ、雌を堕とすためにあるようなこの巨根に貫かれたらどうなってしまうのだろう、彼はどんな風に自分を抱くのだろうかと考えるだけで下腹部が湿りを増した。
そんなユイの欲情する身体を宥めるように、尻尾だけでなくホルドの長い両脚も彼女に絡んで背中や腰を撫でる。
「あっ…」
「ここ好きなの?」
尻の横を足で撫でられたユイの身体が震えるのを見たホルドはそこを重点的に撫で始めた。ユイはお返しにと彼の瞳を見つめながら熱い肉棒に頬擦りしながら擦る。
きめ細かい顔の毛と頬の柔らかさが合わさった愛撫は効いたらしく、先走りが溢れてユイの手と頬を濡らした。追い討ちにとユイは透明な液を漏らす先端を咥えて吸って見せる。
「君のことナメてたよ。すごく気持ち良い。」
そう言いつつ、ホルドはすりすりと太ももの内側で彼女の身体を擦る。それは彼自身の快楽と興奮も高めていることになる。特に、毛皮ではない竜人にとって内股は敏感な部分。自らそこを刺激しているのだから、ユイではまだまだ彼を骨抜きにすることはできないと言われているような余裕を感じさせられた。
だが余裕があるのと絶頂が近いのはまた別の話。肉棒はヒクヒクと震え、先走り液が漏れ続けている。まずは1発、ということだと受け取ったユイは両手でしごく強さを強め、動きも速くする。そして頬と舌を交互に使って裏筋や竿を責めた。
「おぉ…こりゃ良いや。」
ホルドはユイを撫でるのをやめて上半身を両腕で支えながらわずかにそらせる。彼女を抱く両脚にも力がこもった。
「ユイちゃん、咥えて。」
「はい…その、いつでも大丈夫ですから。」
ユイが小さな口で精一杯頬張り、手で竿とコブを擦る。ホルドは深く息を吐いてゾクゾクと湧き上がる快感に身を任せた。
「出るよ…」
肉槍が振動し、ユイの口の中に熱く生臭く甘塩っぱいトロリとした種液が吐き出され、ユイは口を窄めながら飲み込んだ。
「んっ…んぐ…んぶっ…!」
予想以上にねっとりとしていた彼の精液はただでさえ飲み込みにくいのに間髪入れず次々に注がれる。すぐに追いつかなくなって口端から白濁が噴きこぼれて肉棒を伝い彼女の手を汚す。
なんとか咥えたままでいたが今にもむせそうになっているとホルドの手がユイの頭を上げさせた。口から肉槍が引き抜かれ、ユイの顔に勢いよく精液がかかる。
ユイは精液を浴びながら脈動を続ける肉棒をさすり、舐め続けた。
「すごい…まだちょっと出てる…」
「ふー、溜まってたからねぇ。それに君が上手だから。ふふ…」
精液の味と匂いで惚けているユイを胸に抱き寄せた。
「俺の精液まみれになっちゃったね。」
「良いんです…今夜はホルドさんのものですから…」
ホルドが満足げに笑ってユイの顔をそっとひと撫でするとその部分の精液が消えた。
「わぁ…術式も無いのに…すごいですね…」
「一応騎士団の魔術師だからね。それに、俺の精液で君が酔っちゃったら後がもたないかもしれないからねぇ。」
射精を終えた肉槍はいくらか硬さを失っていたが、元の縦筋の中に戻る気配がない。
「俺の番だね。」
「あっ…」
滑らかな動きで、慣れた手つきでユイの秘裂にホルドの人差し指が挿し込まれた。
「おぉ、もう結構濡れてるね。」
具合を確かめるように軽く抜き差しされてユイの肉厚な尻尾がひくひくと震えた。
「吸い付いて奥に引き込んでくるよ。」
「は、恥ずかしいです…あっ…」
ホルドの胸の上でユイは悶えた。いくら興奮しているとはいえたった人差し指一本で。しかし彼は器用にも指の背でユイの1番敏感な部分を的確に押す。
「あ…だめ…ホルドさ……」
「可愛い。」
穏やかな瞳に至近距離で見つめられながらあっという間にユイは達してしまった。猛烈な恥ずかしさを抱いたのはいつぶりだろうか。
痙攣する膣から指を引き抜いたホルドは彼女の背を撫でつつ開いている口に自分の口を重ねる。この分なら彼女は簡単に自分に付いてきてくれるだろう。我ながら邪だと心の中で笑いながらユイが落ち着くのを待った。
「大丈夫かい?」
「はい……わっ…」
ユイが返事をするとホルドは彼女を抱いたまま起き上がって、そして彼女を仰向けに寝かせた。
「あ……」
ユイの視線は自然とそそり立つ肉槍に留まる。先程の精液でぬめりを帯びたそれは凶悪さが増していた。
ユイの心臓が再び高鳴り始め、指一本で絶頂させられた彼女の雌がひくりと疼く。
「優しく…してくださいね…?」
無意識に脚を開きながら甘い声で。それはもはや念押しではなく羞恥心を隠したおねだりだった。
「もちろん。」
ホルドがユイの両脇に手をついて覆いかぶさる。ただそれだけでユイは熱い吐息を漏らした。焦らすように熱い口づけをされて、疼きは身体中で起こる。
尖った肉槍の穂先は腰の動きだけで発情しきった秘裂に突き刺さった。
「あっ…」
先が入るとホルドは彼女を抱き寄せて、そして一気に腰を沈めた。尖った先端が肉壁の道を開け、傘を縦に重ねたような凶悪なヒダがある竿がその狭い道をさらに押し広げ、食い込んだ。
「はぁっ…ホルドさん…あっ…これすごいぃ……」
「きついかと思ったけど入ったね。君のお腹の筋肉を広げてる感じが堪らないよ。ほら…さっき一生懸命しごいてた俺の雄で君の孔がこんなにみちみちになってるよ。」
ユイは自らを貫く肉棒に釘付けになった。そしてその肉棒は既に膣の最奥まで突き刺さっているにもかかわらず半分近くが露出していた。
「ホルドさん…わたし…わたし大丈夫ですから…もっと奥に…」
「ん、あぁもしかして。」
ホルドがかき回すように角度を調整してユイは悶える。ホルドは先端がさらに突き刺さるような感覚がある場所を探りあてた。命を育む場所の入り口だ。
「ほんとだ柔らかい。ユイちゃん見た目はこんなにかわいくて娼婦には早いように見えるのに、君の中はすっかり雄を悦ばせるようになってるんだねぇ。」
「はい…なので…遠慮しないで…全部…全部挿れて…」
ユイはこれまでにないくらい興奮し欲情していることを自分でも感じていた。不安を覚えない方がおかしい体格差なのに、彼の雄で屈服させられることを望んでいた。
快感と興奮で息を荒げながら自ら腰を唸らせてその巨根を招き入れようとしている少女の頬を、ホルドは微笑みながら舐めた。
「…そんなことしたら壊れちゃうよ。」
ほんの一瞬ホルドの瞳が光を帯びて、ユイの興奮の熱がいくらか落ち着く。
「俺強くてカッコいいからみーんな興奮しすぎちゃうんだよねぇー。心配しなくてもたっぷり出してあげるから。」
ホルドが腰を引いた。肉壁と絡み合っていた肉槍が引き抜かれてズリズリッと膣肉が削り取られるような感触と雷魔法を受けたかのような痺れる快楽がユイを襲う。
「おー…すっごいもっちりついてくる。こりゃ良いや。」
「あっ…あぁん…!」
ずぶり、と沈められてユイは嬌声を上げた。いつもは意識して声を出していたのに、奥を突かれるとその快感で身体が強張り勝手に肺から空気が抜けていく。
ホルドはその可愛らしい声と、浅くも肉厚で子種を搾らんと貪欲に締め付けてくる彼女の胎内を愉しみながら己をねじ込んでは引き抜いた。
「ユイちゃん、気持ち良い?」
「はいぃ…!」
「良かった。俺もすごく気持ちいいよ。」
ホルドの胸板を撫でてたユイの手は止まり、その手は彼の脇にずれていく。もっと、もっと彼の身体に触れたい。そんなユイの欲に応えるようにホルドは上半身をさらに倒して彼女を胸に抱いた。
「重くない?」
「平気…ですぅ…」
余計に体重がかかって、奥がより強く突かれて、そして彼の温もりと息遣いを肌で感じる。何もかもがユイを昂らせていく。
「あ…あぁ…ホルドさん…待って私…」
「なんで我慢するの?」
ホルドが突く角度を変える。ユイはあえなく絶頂した。これではユイの方が客だ。娼婦としていかがなものかと言われてもどうしようもない。
「嬉しいなぁ、こんなによがってくれるなんて。ユイちゃん、お金のために頑張ってきたんだよね。ご褒美をあげないと。」
行き場のない激しい快楽に喘ぐユイを抱きながら、適度に欲情した顔で快楽を愉しむホルド。泥酔している横で同じ量の酒をじっくり嗜む酒豪のよう。
何度も痙攣し甘い悲鳴をあげながら必死に大きな雄の欲を受け入れる小さな雌は哀れに見えたが、ホルドの腰使いは振るというより波打つと言う方が正しいくらい穏やかだ。
穏やかななので肉壁がしっかり絡みつくまでの猶予があり、押し広げていた膣が元の広さにある程度近づく猶予がある。その絡みつきを強引に引き剥がして、強引に膣を押し広げる。
それがホルドにとっては極上の、ユイにとっては暴力的な快楽を産む。
「通った甲斐があった…俺が普通だったら迷わず君に子供を産ませてるのに。」
「こ…こども…ホルドしゃんの…」
「欲しい?」
「くだしゃい…あぁん…あ…また…」
理性がぐちゃぐちゃになっていたユイは何も考えずそう言って、また達した。締め付けが強くなる。ホルドはユイの頬に鼻先をつけて、彼女の匂いと漂う雌雄の匂いを深く吸い込んで自身を高めていく。
娼婦として不可視の術式がお腹に刻まれている限り彼女が孕むことはない。ホルドは腰の動きを少し強めて昇り詰めていく。彼女の中に収めることが叶わなかった根本の方の色も先程より濃くなっている様に見えた。
どの生き物にも備わる肉欲。絶頂の瞬間だけはどの雄も平等に生き物だ。
「そろそろイクよ…」
彼女の胎内が許す限界まで突き挿れては先端近くまで引き抜き、また突き上げる。摩擦が、刺激がさらに強くなって、ベッドが軋む音とユイの声も大きくなる。
そして込み上がる熱が決壊寸前になると、緩んでいた”口”に向かって肉槍を突き立てた。
「あ…」
カッと熱い快感が脳天まで突き抜けて、ユイの視点が固まる。肉槍の先端がさらに奥へと進み、悶える間も無く脈動した。
「ふぅっ…くっ……」
「あ゛っ…ふあっ…!」
ユイのお腹で肉槍が絶えず脈動し、熱い精液を奥へとぶつける。ホルドもこの時ばかりは射精の快楽で顔に力が入る。
雌雄の繋ぎ目からは白濁が漏れ出てユイの秘裂周りを染めていく。
しばらくの間、部屋には2人の熱い吐息だけが響いた。
「…大丈夫?抜くからね。」
引き抜かれるとぐっぽ、と雄槍と一緒に精液が溢れ出た。
「おなかが…熱いのでいっぱい…」
ホルドは魔法を使ってベッドを綺麗にしてから弛緩したユイを寝転がったまま抱きしめた。
「いやぁこんなに夢中になったのは久しぶりだよ。気持ち良かった。スッキリした。」
「私も…すごく……」
お互いを愛撫して、激しい快楽の余韻に浸る。
「ホルドさん…」
「なんだい?」
「また…来てくださいね……」
何度も客に言った言葉。でも今回は心からの言葉。
「もしかして、そのうちこっそり避妊の術式を外して俺を父親にしちゃうのかな?」
答えず胸板に頬擦りするユイに、ホルドはそっと耳打ちした。
「身請けしてあげる。」
ユイがあまりに勢いよく顔を上げたので、危うくホルドは顎に一撃を食らうところだった。
「み…身請け…?私をこの店から買い取るんですか…?」
「あれ?嫌だった?…大丈夫。君にちょっと興味が出てきただけ。故郷探し、手伝ってあげるよ。見つけたらちゃんと帰すから。」
「でも…いくら騎士団でも…」
「お金は心配いらないよ。貯めてたからね。…君高そうだけどね!まぁなんとかなるよ。」
竜人の青年はつとめて穏やかで優しげな表情だった。何か企みがあるのではないかという思いと、縋りたい思いで揺れているとホルドはさらに押した。
「君と似たような姿をしている人が王都にいる。その人なら何か知ってるんじゃないかな。」
もし街中で声をかけられていたのなら断っていただろう。しかし彼に熱く抱かれ、心身共に緩んでいたユイはついに縦に頷いてしまった。そして優しく撫でられながら、温かい彼の腕の中で深い眠りに落ちていった。
「…薄水色の毛並み、耳は狼でもネコでもなく、どちらにも似ている…この尻尾…肉の付き方が俺に似ている…竜人の尻尾だ。でも竜人と獣人のハーフにしては竜人の形質が尻尾だけ…その次の世代だとしてもこんな受け継ぎ方は見たことない…」
眠るユイの額の前で、ホルドは人差し指で円を描く。魔術陣が現れて、そしてそれはユイに反応して変化した。
「俺の魔力がだいぶ混ざってるな…確かに飲ませたし思いっきり中に出したけど…回るのが早い…避妊の術式は補強しておいたから孕むことはないはずだけど、ここまで親和性が高いと影響出るかもな…」
ホルドは彼女の魔力の巡りを整える。
「うん…師匠の奥さんとは見た目が少し違うけど…やっぱり幻獣族で間違いないな。お互い妙に惹かれたのもそのせいだろう…絶滅したって聞いてたけどねぇ…隠れ里でもあるのかな…」
いくら見た目が良いからと言って、今時この国で人攫いが起きたというのはどうも納得できない。恐らく彼女の種族を知った上で誘拐したのだろう。
どのみち、この店で働かせ続けるのは危険だ。
「ふふ…よりによって俺と会っちゃうなんてね…俺のものにしたいところだけど…大丈夫…ちゃんと故郷に返してあげるからね…」
完全に心を許し、ぐっすり眠る少女に彼女を守るためのまじないをかける。隠しきれない幸福感に浸りながら撫でていた自分のお腹に注がれたものが怪物の精だと知ったら、彼女はどんな反応をするだろうか。
念には念を入れて、優しい怪物は少女の中から自身の子種を全て消し去った。
『怪物のネガイゴト』始
多忙につき更新速度がカタツムリになると思いますが、以前より予告していたのでとりあえずプロローグだけでもと投稿しました。
挫折しないようがんばります。