カルデアシティ中央
AM.10:30
ビル街の中に聳え立つ3つのタワー
世界三大企業
国内最大の魔剣製造会社
戦場での信頼から、美術品としての価値まで。
ムラマサ社
魔力のない一般人にもARMを
一般家庭で生活を支える使い切のARMから、軍事利用のARMまでシェアを独占
メルテクノロジーズ
魔力がない貴方も戦場で活躍のチャンス
銃器製造 大手軍事企業
スレイプニル・インターナショナル
ここはムラマサ社 本社ビル
80階 特別会議室
シキと対峙する紳士服に右の方眼鏡、白い長髪に長い口髭を垂らした老紳士
ムラマサ社 戦術執行役員
ベクター・テン
「つまり、ホーリーARMの回収は失敗したと?」
シキの報告を聞きベクターが問う。
シキが続ける
「正確には一度回収したが、エンペラーハーブ製薬と東都電力のナイトが邪魔してきやがった。
ナイトランカー2人と交戦だ。
横取りされるくらいなら、使っちまったほうが無難だと判断したまで。」
「それで、その2人のナイトは始末したんだろうな?」
ドロシーやヨハンの事は他言しない。
ナイトランカー同士の決闘は、表舞台ではなく裏社会での抗争。
あくまで、ナイト同士が勝手にやっていることで処理されるのが、この世界での暗黙の了解。
だが、メルテクのヨハンの存在、異世界から来たドロシーの事を示唆すれば2人にどのような危害が加えられるか想像できない。
ヨハンもハンバーガー屋をやっているが、元はナイトランク2位の殺し屋。
大事な店に被害が出れば、ムラマサ社に戦争を仕掛けかねない。
そして、ドロシーも目を付けられれば...
捕縛され、どんな非道な目を受けるか想像もしたくない。
いや、ベットに手足を拘束され、あんな目や、こんな目に合わされてるドロシーも見てみたいが...
やはりダメだ!
いくら妄想狂のシキでも、グロい目に合わされている所は想像したくない。
「追い返してやった...以上だ。
それより、他の企業に情報をバラした内通者が居るんじゃないか?
交戦したアイリーンが言ってたぞ?
リークしてるカス野郎が居るって。」
シキの抗議にベクターが冷たく返す。
「そのカス野郎については、追って調査しよう。
しかし...落胆と言わざるを得ないな。
我々はキミを信用し、ナイトとして雇っている。
かつて、一騎当千の強さでナイトランカーを震撼させたブレアの血筋
エンペラーハーブ製薬のナイトはキミより下のランクだろう?
首の一つでも持ち帰って欲しかったのだが?」
「死んだ身内の話を持ち出すのはパワハラだろ?
労基に訴えんぞ?」
「労いの言葉でも欲しいか?
シキエル・ヴァレンタイン、勘違いをしているようだが
貴様はムラマサの駒だ!
今の生活を続けたいなら、今後の身の振りをよく考える事だな。
また、犬以下の生活に戻りたいか?」
「孤児を犬以下にしてるのは、お前ら企業だろ。」
「貴様ら犬以下に餌や仕事を与えてやっているのだ。
ブレアはもう少し、賢い犬だったがな。
次の指令は追って連絡する、下がれ。」
ムラマサ社ビルを後にするシキ
「あのクソジジイ!
マジでぶっ殺してやりてぇッ!
全部終わったら、外一歩も歩けねぇようにしてやるからなッ!」
悪態付きながら公園のベンチに大股を広げ、深々と腰掛けるシキ
シキの全てが終わる時、それはいつの事なのだろうか...
ヨハンが守ろうとした世界
それは、シキにとって駒として扱われるチェスのボードと変わらない。
自分には肉親も居ない、守りたい物もない
噴水の前でボールで遊ぶ子供達
母親と手を繋ぎ楽しそうに散歩をする親子
昼下がりの公園のほのかな景色さえも
ムラマサの駒であるシキにとって別世界の遠い存在に感じられた。
俺には守るものなんてない。
そう考えていた。
ドロシーと出会うまでは...
『ムラマサにホーリーARM回収失敗の報告もしなきゃならねぇしな。
人助けで失敗しましたって。』
ドロシーを助けたのは自分の意思だった。
今回の失敗を、ドロシーのせいにしようなんて本心は思っていない。
何故、あんな酷いことを言ってしまったのか、今になって後悔が押し寄せる。
「何て、謝ればいいんだ...
絶対嫌われたわ、さよなら、俺の初恋...」
そう呟きながら空を仰ぐと
「やっと見つけた、こいつめッ!」
不機嫌そうな表情で覗き込むドロシーと目が合う。
「ドロシー、何でお前がここにッ!」
「お前って言うな、引っ叩くよ!?
いきなり飛び出すんだから、心配したんだよ!?」
まさか、こんなに早く顔を合わせるとは想定外!
「さっきのこと...怒ってないのか?」
「メチャクチャ怒ってるよ、だからアンタをぶっ飛ばしに来た。」
結局、ぶっ飛ばされる運命にあるらしい。
観念するシキだが
「でも、私も鬼じゃないから、特別にチャンスをあげるわ!」
「チャンス?」
「罰として今日一日、私にこの街を案内しなさい!
デート代はシキ持ち、これで勘弁してあげる。」
「ドロシーとデートですかッ!?」
まさかの提案にシキも驚愕し、つい敬語に。
罰というより、もはやご褒美では!?
ドロシーが続ける。
「喉乾いたな~コーヒー飲みたい。」
ウキウキとした笑顔のドロシーを連れ自販機の前に。
お金を入れて好きな物を選ばせる。
「何これ、この箱からコーヒーが出てくるって言うの?
中に人が入ってるの?」
「夏場だったら拷問だな。
自動販売機だよ、ドロシーの世界にはないのか?
飲みたいジュースのボタンを押してみて?」
ドロシーがコーヒーのボタンを押すとガシャン!と音を立て下から缶コーヒーが出てくる。
「何これ、凄い!
シキも何か買いなよ!」
自動販売機にはしゃぐタンクトップにホットパンツのセクシーなお姉さん。
周囲の羨ましがる視線を浴びながら、同じコーヒーのボタンを押す。
しゃがんでコーヒーがガシャン!と降りてくる様子を楽しみにする姿は
大人びた容姿とまたギャップがある。
「はい、どうぞシキ。」
お金を払ったのは自分だが、ドロシーからコーヒーを受け取る。
「で、ドロシーは何処に行きたいんだ?」
「シキに任せるよ。
面白くないとこ連れて行ったら、ゲンコツ1発ね?」
自動販売機で此処まで喜んでくれたのなら、何とかゲンコツは回避できるだろう。
とりあえず、休日のローテーションで楽しもうか。
今日の予定は映画館
楽しみにしていたアニメ映画を鑑賞したいところだが
「シキー、私これ見たい!」
ゾンビハザードZ
ゾンビ映画かよ!?
しかし、今日はドロシーに付き合う約束、アニメはまた今度にしよう。
平日の昼間から、ゾンビ映画を見に来る客は稀だ。
2人分のチケット、ポップコーン、ジュースを買う。
シキはメロンソーダ、ドロシーは緑茶。
公開して日が経ったゾンビ映画は人気がないのか、平日の助けもあり暗闇の空間でドロシーと二人きりになり...
これは、またドキドキする
ドロシーの世界には映画館はあるのだろうか?
「劇場ではお静かに」とアナウンスされてるので静かにはしてくれているが
『ぐええええ!』
『これは、ウイルスによる感染だッ!』
映画でゾンビが現れる度、ビクッとリアクションを取るドロシー
正直、面白すぎて恐怖より笑いを堪えるのが大変
『ぐあぁぁぁッ!』
クチャ、クチャ!
『うわああぁ、食われるぅッ!』
『スティーブ、ノォォーーッ!』
『俺に構わず行けぇーーッ!』
映画の中でスティーブが仲間を逃がすためゾンビに食われる
役者も迫真の演技、シナリオも良くできているな。
ホラー映画も、これからは要チェックだ。
ちょっとグロいが...
隣のドロシー大丈夫かな!
「ひぃッ!」
「ドロシー...!?」
小さい悲鳴を上げ、顔を背け目をギュッと閉じて怯えている。
ヤバイ、可愛い...
「大丈夫かドロシー...他の映画にする?」
「なッ、恐くなんて、ないんだからねッ!
ここ、こんなの、子供だましよッ!」
思いっきり涙目のドロシー
何故、この人は、この映画を選んだ?
『うわッ、スティーブがゾンビにッ!』
『やめろ、スティーブ、うわあぁぁッ!』
『ぐべえええッ!』
画面いっぱいに迫るゾンビ化したスティーブ!
「きゃッ!」
ドロシーが再び悲鳴をあげ、今度はシキに抱き着く。
腕から伝わる柔らかいおっぱいの感触...
シキは心の中で思った。
スティーブ、ありがとう!
ドロシーにとっては面白かったのか、恐かったのか...
感想はさておき、シキは後半から内容が頭に入ってこなかった。
柔らかい、いい匂い、声が可愛い
映画館での思い出は以上
116分とまあまあな尺だったが
楽しみにしていたアニメ「君の罠」より100倍は楽しめた。
ドロシーのお陰で...
「お、面白かったねぇ、シキ...」
「何で俺にしがみついてんだよッ!」
シキとしてはありがたいが。
映画を見てから、シキの右腕にガッチリくっ付くドロシー
「今日はデートだから、ほら、カップルみたいでシキも嬉しいでしょ?」
映画館から出て理不尽なゲンコツを警戒していたが、幸い映画館は大成功だったみたいだ。
次は何処で遊ぼうか
「シキ、クレープ食べたいッ!」
「はいはい。」
商店街でドロシーの要望するストロベリークレープを購入。
シキは無難にチョコバナナ
平日にこんなイチャイチャしていれば、やはり周囲からの視線も刺さる。
「何かめっちゃ見られてるね私達。」
「そりゃ、ドロシーが美人だからだろ。」
と、つい心の声を喋ってしまうが既に手遅れ。
ニコニコ笑い此方の顔を覗き込むドロシー
「へぇ~私って、美人なんだぁ。」
「いや、今のは!」
必死にドロシーから視線を逸らす
「ねぇ、どの辺が美人?
顔?それともおっぱい?」
「なッ...!?」
ドロシーが胸を寄せて谷間をアピールし全力でシキをからかう。
目のやり場をどんどん奪われ顔を真っ赤にするシキ
映画館で怖がらせた仕返しだ。
「答えてくれたら、私のクレープひとくちあげる!
ねぇ、私の何処が美人?」
「何だとッ!?」
ドロシーと間接キス!?
「じゃあ、か...顔と、声と、面倒見が良いところで。」
「おっぱいは?膝枕は気持ち良くなかったのかなぁ?」
「も、もちろん、お胸も、足も、最高でありますッ!」
直立し妙な敬語になるシキ軍曹
その様子を見てドロシー
「シキのエッチ!」
「何でだよッ!」
「冗談よ...
クレープ、ひとくちずつトレードしましょ?」
自分の食べかけをドロシーに食べさせるのも申し訳ないが
彼女は気にせず、小さな口で一口。
「はい、シキの番。
あ~んして♪」
たかが、ひとくちクレープを貰うのに此処まで緊張するのは初めてだ。
シキは潔癖症だ。
いくら顔見知りでも「ひとくち頂戴!」は断固拒否するタイプ。
自分が金払ったのに、ひとくち分減るのも許せないし、食べるペースを乱されるのも気に入らない。
ケチなんて言われた日には頭に血が上り、その晩...
-これで会社に遅刻するがいい、間抜けぇッ!-
夜中にこっそり、そいつの愛車のタイヤを全て、月読でパンクさせてやったこともある程。
「ひとくち頂戴」を提案をする野郎とは、金輪際の食事したくない。
だが、ドロシーだけは許せる。
ドロシーが口を付けたクレープ、ドロシーの味、この生涯で忘れられない程に特別だった。
次は何処に行こうか
カラオケ、ボウリングと普段行かない所にも、ドロシーとなら行きたくなる。
シキも休日を楽しもうと思ったが...
ここは、世界で最も治安が悪い街 カルデアシティ
「リーパーが出たぞぉッ!」
街人の叫び声と同時に逃げ惑う人々
どうやら、楽しい休日もここまでらしい。
「リーパー?」
ドロシーが困惑する!
「リーパーか、不味いな月読はコインロッカーに置いてきちまった!」
「シキ、リーパーって何?」
「ろくに魔力がない奴が、ARMを使えばどうなると思う?」
リーパー
ARMに精神を支配された相称。
カルデアシティを悩ませる社会問題 ARMの密売とリーパー。
貧困で行き詰った者、裏社会で生きる者、誰もが憧れる魔法使い。
「自分には素質があるかも知れない」
「もし、自分が魔法を使えたら」
薬物のように安易な気持ちで違法ARMを買い...
中には覚醒しARM使いとなる者もいる
これが質の悪いギャンブルへ愚者を誘う
もし、素質がなければARMに精神を支配され...
「GRUUUUU!」
呻き声と共に姿を現したのは
下半身は人間、しかし上半身は8本の触手と2つの眼球を持つバケモノ!
シキが続ける。
「タコのガーディアン、いいや...リーパーか。」
ザ・オクトパス・リーパー
タコのガーディアンに浸食され、融合してしまった者の末路。
このリーパーを倒すのもナイトランカーの仕事なのだが...
シキの月読はデートの邪魔にならないよう、駅のコインロッカーに預けたままだ。
リーパーが、この中で最も弱い捕食対象
3歳くらいの男の子を連れた母親に視線を向ける!
かつて人間だったとは思えない程、凄まじい跳躍力で飛び、頭の上の口を大きく開き親子に迫る。
無数の鋭い歯が並んだ狂気のアギト
絶体絶命の中、我が子だけはと抱きしめ庇う母親
刹那
誰よりも早く動いたのはドロシーだった。
「やああぁぁッ!」
掛け声と同時に、オクトパスリーパーに飛び蹴りを見舞うドロシー。
愛用のARM 西風の箒 ゼピュロスブルームを発動させ、そのまま加速しての強烈な一撃に吹き飛ばされるタコの怪物!
「あ、ありがとうございますッ!」
お礼を言う母親に
「ここは私が預かります、早く逃げてッ!」
臨戦態勢で親子を逃がす。
リーパーが起き上がり、ドロシーを得物と定める。
恥ずかしながら、今のシキは戦力にならない。
避難を誘導してる間に、呑気にスマホのカメラで撮影するヒップホップ系の若者を見つけ...
「バカ野郎、早く逃げ...」刹那、思考が止まった。
タコの怪物VSドロシー
触手をウネウネと動かす怪物と対峙する軽装のドロシー
如何わしい期待がシキの中で膨らむ。
「俺はムラマサ社所属のナイトランカー7位
シキエル・ヴァレンタインだ!
ここは俺が死守する
思う存分、キミは撮影しなさい!」
シキ、突如の思考転換
「ムラマサ社のナイトランカー!?
本物かよッ!」
闘っているドロシーの写真や動画が欲しいシキがヒップホップに告げる。
「逃げろ」と言われるモノかと期待していたヒップホップな彼も呆気にとられているが...
「貴重な戦闘データを回収したい。
動画なり写真なり、とにかく、あの女を撮るんだ!
あのキモいタコの写真は撮らんでいい、後で俺が買い取る!」
「じゃあ、動画でッ!」
「よし、じゃあ俺は写真だ!」
ヒップホップくん、動画担当!
シキ、写真担当!
それぞれ、スマホを構え即席撮影チーム結成!
「キミの安全はナイトの俺が全力で死守する。
しかし、もし途中で逃げたら...殺す!」
「ひぃッ!」
半ば脅しヒップホップに撮影を命じるナイトランカーのシキ
その最中、ドロシーとリーパーの闘いも激化!
振り払われる8本の触手を掻い潜り、接近戦に持ち込む!
ドロシーのゼピュロスブルームは風属性!
ここは街中、突風でガラスなどが割れれば二次被害も起きかねない。
「これでもくらいなッ!」
だが、至近距離でのカマイタチは別!
デートを楽しむ女の子の思考から、戦闘のプロである魔女への思考の切り替えは既に済んでいる。
リーパーの3本の触手を風の刃が切り落とすが、それでも残り5本!
「GUOOooooーーッ!」
リーパーが唸り声を上げ、素早く身を翻し触手を鞭のように振るう。
「くぅッ!」
ゼピュロスブルームで防御するも、その怪力に押され
「あうッ!」
背中を電柱に叩き付けられ跳ね返るドロシー。
自慢のバストを大きく揺らしながら膝を付く。
彼女の態勢が崩れた所、追撃に出る触手の鞭!
幸い、大したダメージではなかったので立て直し2撃目、3撃目は難なく躱す。
羽根のように舞い、触手を掻い潜り、再びリーパーに迫る。
汗でタンクトップから肌が透ける
露わになる大きなバストの上の小さな突起
夕日に照らされ汗で濡れた太もも、光沢を帯びた脚線美
「撮ったか今のッ!」
「は、はい、ばっちりです!」
シキ達、撮影サイドもこの世紀の闘いに白熱する。
リーパーの触手がドロシーの足を払う!
「きゃあッ!」
触手は5本、その内の1本に不意を突かれ、足をM字に開き尻餅を付く。
ダウンを奪われたドロシーへ、更に4本の触手が鞭のように降り注ぐ!
「やばッ!」
地面に付いたお尻を痛がっている暇はない!
ゼピュロスブルームで下に突風を放つ!
アスファルトが砕ける程の風圧、空高く逃れるも
「あッ!」
1本の触手がゼピュロスブルームに巻き付き、その拍子でドロシーの手からすっぽ抜けてしまう!
「しまったッ!」
丸腰になったドロシーにリーパーの触手が迫り
「きゃあああああぁぁッ!」
空中で身動きの出来ないドロシーを触手が捕らえる。
「うぅッ、んッ...うあぁッ!」
ギリギリと身体が軋む音を立て二の腕、バスト、太ももと柔らかい部分を締め付ける。
空中で縛り上げられ、苦痛に顔を歪ませながら喘ぐドロシー
抵抗しようにも華奢な女の力ではビクともせず
巻き付いた触手の先端が、食べやすく柔らかい部位を探る。
「んんんんッ!」
(だ...ダメッ!)
触手の先端が胸の谷間へ入り込む。
谷間を擦りながら上下に往復し、胸の柔らかさを確かめる。
別の触手がギュッと閉じた太ももの間の間に入り、内ももと股間の大事な部分を擦り刺激する。
「はあぁッ、あッ、あッ...うぅッ!」
恥ずかしさで喘ぐドロシーを意に介さず、更に他の触手が二手に分かれ
締め付けられ、はち切れそうな程に突き出たバストの先端、その突起を...
クリクリ
「やんッ!」
(ち、乳首がッ!)
敏感な部分を刺激され、高い悲鳴を上げながらビクッと身体を仰け反らせる。
触手に左右のバストの突起を同時にクリクリと撫で弄ばれ...
何とか身をよじり、もがきながら抵抗するも
ギュウウゥッ!
「はああぁッ!!」
骨が砕ける寸前まで締め上げられ、激痛でドロシーの身体が弓反りになり硬直。
撮影していたヒップホップも...
「流石に、助けないとまずいんじゃ!」
「大丈夫だよ、ドロシーならこのくらい。」
シキは確信している。
この程度の雑魚リーパーにドロシーが負けるはずないと。
「しかし、シキエルさん
何で前屈みなんですか?」
ヒップホップの問いに答える間もなく
ドロシーVSリーパー サイドも終盤。
締め付けで弱らせたドロシーを捕食するべく、リーパーが大口を開く。
しかし、ドロシーも耐えながら切り札を発動させる魔力を練り上げていた!
「ガーディアンARM
レインドッグ・トト!」
空間をガラスの様に突き破り、姿を現したのは巨大な灰色の狂犬!
「グォオォオオオ!」
怪獣の様な雄叫びを上げ、人ひとりであれば一呑みであろうアギトを広げ
バクッ!
ドロシーが捕食されるより先にリーパーを丸呑みにする。
グシャグシャ、バキバキと肉や内臓、骨を嚙み砕くグロテスクな音を立て捕食!
完全にリーパーの息の根を止める。
触手の力が抜け、開放され落下するドロシーを
「大丈夫か?」
「余裕...」
シキが受け止める。
触手で締め付けられた痛みを堪え
苦笑しながらVサインを見せるドロシーが、また儚い。
リーパーをゴクリと呑み込み食事を終えるトト
「不味いな...」
そう言い残しドロシーのARMへと戻る。
「大丈夫っすか!?」
シキとドロシーの元に、先程まで撮影を楽し...訂正
貴重な戦闘データを取るために協力してくれたヒップホップ系の若者が駆け寄る。
ドロシーは疲れてしまったのか、ぐっすりと眠っている。
「キミの勇気と協力に感謝する、録画は?」
「はい、最新のスマホなので4K画質で保存してあります!」
(アンタ、逃げたら殺すって脅したやん!)
「後で6万で買い取ってやる。」
「マジっすか!?」
思いの外、高額買取!?
人気ゲーム機、プリステ5が買える!
「コピーしたらTrick or treat!っていうハンバーガー屋に来てくれ。
ただ機密情報だ、ネットに無断転載すんなよ?」
そう言い残し、シキはドロシーを背負い戦場を後にする。
幸いにもドロシーの活躍で死傷者はゼロ。
夜も更け7時30分
「うぅ...ここは..」
シキにおぶさったドロシーが目を覚ます。
「起きたか、とんだデートになっちまったな。」
「ごめん、私...寝ちゃって。
せっかくのデートだったのに。」
「俺への罰じゃなかったっけ?」
「そうだけど...」
シキもドロシーの気持ちは理解していた。
いや、もっと早く気付くべきだったのかもしれない。
起きた時、ドロシーが膝枕をしてくれていた。
だが、その間、彼女は寝ていたのだろうか?
闘いで疲れていたのに一晩中、介抱してくれたくれたのは想像がつく。
朝、酷いことを言ってしまったにも関わらず、追いかけてくれた。
デートと言う形で仲直りを提案し、許してくれた。
今日一日、疲れた様子も見せず付き合ってくれた。
「ありがとう、ドロシー。
俺の為に気を使ってくれたんだろう?」
今朝の話は、姉の死...ブレアに大きく触れた内容だった。
シキがナイトになったのもリリスの計画の内。
メルテクとリリスの計画で世界が滅びてしまうらしい...
今朝まで、そんな事に興味はなかった。
しかし、今日の楽しかった一日も...
世界が滅びてしまえば、二度と迎えることは出来ない。
シキが続ける。
「朝は酷い事言っちまって...本当にごめん!
寝ないで俺の事、診ていてくれたのも知ってる。
今日一日、俺の為に付き合ってくれたのも知ってる。
何て...礼を言ったらいいのか..」
ドロシーの応え
「ねぇ、シキ...キミがスタークを殺すって言った時
何処か死を覚悟してる感じがした。」
「まぁ、死ぬつもりでやらなきゃ勝てない相手だからな。
恐らく、クイーンクラスと大差ないバケモノだ。」
「今朝言ったよね...死ぬなんて許さないって。」
「あぁ、覚えてる。
でも、スタークを殺した後の事なんて想像したこともねぇから。
ヨハンみたいに店を出したり、目標があれば良いんだけど。」
「デートの続き、また今度しましょ?
ううん、一日じゃきっと遊びつくせないよね?
私、もっと映画も見てみたい!
もっと、色んな遊びをやってみたり、美味しいもの食べたり...
闘いが終わっても、もっと色々見せてくれるよね?
嫌だよ、シキの闘いが終わったら、楽しいことが全部終わりなんて...」
シキにおぶさるドロシーの力が強くなる。
決して苦しくない...
ただ、背中に当たる胸の感触が柔らかく、温かく...
シキとドロシーの鼓動が重なる。
「約束するよ、俺は絶対に死なない。
だから、ヨハンが俺を利用するなら、俺もヨハンを利用する。
それなら、悪くないだろ?
協力するよ、竜の鍵集め。」
「うん、大好きだよ、シキ。」
ドキッとした!
それは、like?それともLove?
「これからも宜しく頼むよ、シキワンコ♪」
ドロシーのワンコに昇格したらしい。
残念ながら恋人までは、まだ通い...
守りたい世界。
こんな身近にあったことに気付かせてくれた。
彼女と遊び尽くすまで、いつか恋人として惚れ直してくれるまで死ねない!
これが、シキの決意だ!
公園を抜ければ、ヨハンの店だ。
午後8時を回り、静まり返った公園...
ワォォォン!
という狼の遠吠え
シキとドロシー、違和感を覚えたのは同時だった。
刹那
「人狼拳ッ!流星脚ッ!」
ドロシーにとって聞き慣れた声
そう、彼こそオズ、レイヴン、リリスと共に、メルヘヴンからこの世界に来た刺客
姿を現した狼男の飛び蹴りをシキ、ドロシーが飛び退き躱す!
抉れた地面の土埃の中から現れたのは、今朝のドロシーの説明から聞く青み掛かった毛色の人狼
「やはり、匂いを辿って来れば...ここに居たかドロシー!」
「随分なご挨拶じゃないの、バレット!」
人狼バレット 襲撃!