※この作品はR-18です。

MAR-ナイトランカーズ   作:るしふぇる

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ACT.31「愛の嵐 ゼピュロスブルーム」

これは幼い日の記憶

 

「シキ、10歳の誕生日おめでとう!」

 

自分と同じダークレッドの瞳

炎の様に赤いロングヘア

 

彼女はブレア・ヴァレンタイン

18歳

 

今にして思えば、ドロシーと似ている...

美人な所、優しい所、強くてかっこいい所...

 

ナイトランク1位

当時、世界最強のナイトランカーにして唯一の肉親

 

自慢の姉

そして、歳が8つ離れた母親の様な存在...

 

ブレアは金も、地位も、力も持っていた。

でも、それを俺に誇示することはなかった。

 

二人で暮らすマンションの一室

 

誕生日のケーキ

じっくりと煮込んだビーフシチュー

好物だった卵焼き

ノンアルコールのシャンパン

 

前から欲しかったロボットの玩具

アニメのブルーレイ

 

全てブレアが俺の為に用意してくれた物

 

一流シェフの高級料理でお祝いする事も出来ただろう。

玩具やブルーレイより高価な物も買えただろう。

 

しかし、施設で育った俺も

ナイトとして戦場を駆けてきたブレアも

大金で豪遊するより、家庭的な温かさが恋しかった

 

「ねぇ、もし姉ちゃんが死んじゃったら...シキ悲しい?」

 

唐突の問いに答えが浮かばない。

ブレアが死ぬ...そんな事、想像もできなかった。

 

もし、そんな事があれば...俺は生きてはいけないだろう。

更にブレアは続ける。

 

「私の夢、覚えてる?

いつか、大勢の人の前でお歌を歌いたい。

お歌で、皆を笑顔にしたい。

でも、それは一番のナイトになるより難しいのかもしれない...」

 

ブレアは闘う事より、歌う事が好きだった。

 

「やっぱ命を懸けるしかないのかなぁ~」

 

同じナイトになった今なら分かる。

最強の戦力を...企業は手放したくなかったのだろう。

 

夢を追うブレア

ブレアを手放したくない企業

 

手放すくらいなら破壊してしまおう...

 

それが、企業の考え方

俺達ナイトランカーはあくまで駒

都合の良い兵器でしかない。

 

お腹一杯になり「ごちそうさまでした。」と言って食器を片付ける。

ブレアが後片付けをしている間、買って貰った玩具に夢中だった。

 

夢中になるフリをしていた。

 

洗い物をしながら、ブレアが泣いているのを知っていた。

最強の姉ちゃん、そう信じていたブレア...

 

姉ちゃんの涙...

 

初めて見る姉ちゃんの弱さ...

 

「大丈夫?」と声を掛け、幻想が壊れてしまうのが恐かった。

 

もし、あの時...

 

声を掛ける事が出来たなら...

 

背中を摩って慰める事が出来たなら...

 

姉ちゃんが...俺とドロシーの敵になる事はなかったかもしれない。

 

 

ガンレイズアリーナ

廃都 教会礼拝堂

午後15時35分

 

「見ーつけた♪

酷いじゃんドロシーちゃん、私にあんな怖いディソーダーを押し付けるなんて。

危うく殺される所だったんだよ?」

 

これはブレアの嘘。

竜と騎士のディソーダーは瞬殺だった。

 

しかし、ドロシーはアイリスからの連戦

ブレアもディソーダーからの連戦

 

お互いの余力はさておき、条件に文句は言えない

ドロシーもそれは理解している。

 

赤い柄巻の刀を手に子供の様な笑顔を見せるブレア

その背後には殺気を纏ったオーラ

 

ゼピュロスブルームを持つドロシーが西洋の魔女を思わせるなら

妖刀迦具土命を持つブレアは東洋の魔女

 

対峙する二人の魔女

 

桜色の髪と焔色の髪

ルビーレッドの瞳とダークレッドの瞳

風と炎

 

「始めましょう、ブレア。

私も覚悟は出来てる!」

 

ドロシーが自身のドレスの裾を掴み引き裂く。

裂けたスカートのスリットから伸びた脚線美

かつての魔女服を彷彿させる。

 

ゼピュロスブルームを構え戦闘態勢。

 

「お互い言葉は不要ね...

アナタを倒してシキは連れて帰る。」

 

ブレアの妖刀から炎が噴き出し戦闘開始

 

 

ドロシーVSブレア

 

二人の魔女の闘い!

礼拝堂の中央

 

ドロシーのゼピュロスブルーム

ブレアの迦具土命

 

激突!

 

その衝撃でステンドグラスが粉々に砕け散る!

ブレアが吠える!

 

「キャハハハ、いっくぞぉ!

うぉらあぁぁッ!」

 

刀身に宿る炎

受けてはいけない攻撃とドロシーが瞬時に判断!

 

バックステップで距離を取る。

 

刹那

 

爆発!

 

ドロシーがブレアの迦具土命の能力を分析する。

 

「なるほど、爆発する刀か!」

 

そして、ブレアもドロシーを追撃

 

「あっはははは!

待ってよドロシーちゃん!」

 

横薙ぎ、袈裟斬り、全てが爆破付きの斬撃!

掠っただけでも手足が吹き飛ぶどころじゃない。

 

だが、爆発するのは振り切ったタイミング!

 

「てやあぁッ!」

(あんな大振り、子供扱いも甚だしいわねッ!)

 

ドロシー意を決し踏み込み!

風の刃を纏ったゼピュロスブルームで、振り上げたブレアの腕を狙う!

 

斬ッ!

 

宙を舞うブレアの左手首

 

「あれ?ドロシーちゃんマジ?」

 

刀を持った左手首が風の刃で切断される!

 

「シキのお姉ちゃんだとしても、アンタは手加減できる相手じゃない!

こっちは遊んでる場合じゃないの!

悪いけど、殺す気でやらせてもらうッ!」

 

手首ごと武器を失ったブレアに詰めるドロシーだが

 

「良い覚悟ね気に入った!

じゃあ、私も全力よッ!」

 

ブレアの切断された手首が発火

その炎から現れたのは、新たな手首!

 

「なッ!?」

(再生した!?)

 

ドロシーも驚きの声を漏らす。

ブレアの持つ2つの能力

 

爆破と再生

これが、死から蘇ったブレアの秘密?

 

だが、相手は武器を落とし丸腰

まだ部があるとドロシーも踏み込むが...

 

「お股がお留守よ?」

 

ガンッ!

 

ブレアの前蹴り!

つま先がドロシーの股間に突き刺さる!

 

「いやあぁッ!」

 

ドロシーの悲痛な声

股間を蹴られ、痛みと恥ずかしさが涙となって込み上げる!

ゼピュロスブルームを落としてしまい、カランという音が木霊する。

 

「あッ...あぁん!」

 

急所攻撃

激痛で表情が青ざめ、両手で股間を抑え喘ぐドロシー

スポーツであれば中断するアクシデントではあるが、この場は殺し合い。

 

殺す気でやる、それはドロシーが先に口にした事。

お股を抑えたまま、内股で悶絶するドロシーを抱きしめるブレア

 

そのまま、大蛇の様に締め上げ...

 

ギュウゥゥッ!

 

「うああぁッ!うぅッ!」

 

ドロシーが喘ぐ

骨と関節が軋む

 

ブレアが続ける

 

「いいわ、ドロシーちゃん!

私も殺す気で、愛してあげる!」

 

バキバキッ!

 

「ああああぁぁぁぁッ!」

 

ドロシーの背骨が嫌な音を立て海老反りになる。

締め上げる抱擁に、両腕も巻き込まれて身動きが取れない。

 

「この...」

(なんてバカ力...人間の腕力じゃない!

背骨が折られる!)

 

締め付けられる全身の痛み

逆方向に曲がる背骨の痛み

蹴られた股間の痛みと恥ずかしさ

 

苦痛と屈辱に頬を紅潮させながらも、ドロシーが反撃

ブレアの左耳に噛みつく

 

「あンッ!」

 

情けない声を漏らすブレア

一瞬だが腕の力が弱まり、その隙に脱出!

 

「脳を揺らしてあげる!」

 

そのまま、回し蹴り

ブレアの右側頭部に直撃!

 

ドロシーの体術は一級品!

一撃で意識を刈り取る蹴撃だが、相手は最強のナイトランカー

 

深追いせずゼピュロスブルームを回収し距離を取るドロシー

 

「うぅッ!」

(蹴られた股間が痛い...

でも、何とか動ける!)

 

確実に仕留める追撃はガーディアンARM

 

「ガーディアンARM レインドッグ!」

 

レインドッグ・トト

ドロシーの切り札ガーディアン

 

3本の尾を持つ灰色の巨大な猛犬!

頭を蹴られ、たたらを踏むブレアに襲い掛かる!

 

ブレアの眼前に迫るアギト

このまま食いちぎって試合終了

 

今までの相手なら、それで通用しただろう。

 

「可愛くないわね。」

 

体勢を立て直し、トトのアギトを最低限の動作で左に躱すブレア

 

「回復が早い!?」

 

予想外の立て直しの早さに驚愕するドロシー

ブレアは、そのまま右手一本でトトの首の皮を掴み振り回す

 

ズガァン!

 

大理石の床に叩き付けられるトト!

凄まじい衝撃で発生するクレーター

 

「トト!」

 

最上級のガーディアンを素手で!?

こんな光景は、想像さえしたことがなかった!

 

戦慄するドロシーを他所に...

 

「さぁて、お散歩の時間よワンちゃん♪」

 

ドロシーの切り札、レインドッグ・トトをまるで子犬扱い。

そのままトトをドロシーへ、ぶん投げる!

 

ガーディアンARM 発動中はドロシーも身動きが取れない。

すぐさまトトを戻し、他のARMに切り替え...

 

(早ッ...)

 

その思考をさせる間も与えず、豪速球で飛んでくるレインドッグ・トトの巨体に飲み込まれるドロシー

そのまま、壁まで一直線に吹き飛ばされ!

 

ガシャン!

 

ドロシーは石の壁にトト諸共、叩き付けられてしまう。

砕けた壁、トトの下敷きになり挟まれる形でドロシーがめり込む。

 

『ご主人...ごめん...』

 

そう言い残し、消滅するトト。

ドロシーの集中力と意識が途切れた為、ARMに戻る。

 

「あぁ...うぁ...」

 

砕けた石の壁にオブジェの様にめり込んだドロシーが喘ぐ。

ガクッと膝を落とし頭、鼻、口からボタボタと血が滴る。

 

遠退く意識を気力で繋ぎ留める。

 

素手でガーディアンを一蹴する実力...

これが、ナイトランク1位

 

ブレア・ヴァレンタイン

 

「切り落とされた左手のお礼をしないとねッ!」

 

再び妖刀 迦具土命を手にドロシーに迫るブレア

狙いはお返しと言わんばかりに左腕!

 

意識を集中し、右に避けるドロシーだが...

 

「そっちは通行止めよ。」

 

迦具土命はブレアのフェイントだ!

右ステップを踏んだドロシー目掛け、ブレアが本命の膝蹴り!

 

グニャッ!

 

ドロシーの右乳房にブレアの膝がめり込む!

 

「いぎいいぃッ!」

(こいつ...女の急所を...股間と胸ばかりぃッ!?)

 

股間に続き胸まで潰され、ドロシーが今まで上げた事もない声を上げ悶絶する!

もはや闘いどころじゃない痛み!

 

サイドステップの速度、膝蹴りの速度が重なった完璧なカウンター

両手で右胸を抑え、歯を食いしばり苦悶の表情で仰け反るドロシー

 

続けて、ボディを狙うブレア

仰け反ったドロシーのお腹

 

「柔らかそうなお腹、潰したくなっちゃうわ♪」

 

ドスッ!

 

刀の柄尻をドロシーのミゾオチに叩き込む

背中まで衝撃が貫く!

 

ドロシーの身体が今度は"くの字"に曲がる。

 

「うおぉぉッッッ!!!」

 

絞り出されるようなドロシーの潰れた声

いつもの、元気で明るい声からは想像も出来ない声が、その苦しさを物語る。

重く残る痛みと吐き気

 

お腹を抱えたまま千鳥足でたたらを踏み、目を見開き唇を噛み締め堪えるも...

 

「んんッ、いぐッ...おえぇぇッ!」

 

ビチャビチャ!

 

胃の中の物を全て吐き出し蹲ってしまうドロシー

 

「おいおい、吐くなよ汚ぇなぁ~

お昼は焼肉弁当か?」

 

「げほッ、げほッ!」

(何とか距離を取らないと...殺される!)

 

「汚物は消毒ね!」

 

ブレアが燃える刀を振り上げる刹那

痛みを堪えドロシーが反撃!

 

「ガーディアンARM ブリキン!」

 

ドロシーの背後から出現する魔法陣!

アーマーゴーレムの左腕がブレアを殴り飛ばす!

 

流石に人外な腕力を持つブレアでも、ゴーレムの剛腕相手では受けざるを得ない!

 

「やばッ!」

(アイリスの時のガーディアンか!

出してこないとは思ったけど、身体の一部だけを限定して召喚できるのかよ!?)

 

初めてブレアが焦りの表情を見せる。

アイリス戦で右腕を失い、全身ひび割れたブリキン

不意打ちでブレアを吹き飛ばす事に成功!

 

しかし、ブリキンも酷使すれば、いつ壊れてもおかしくない。

役目を終えたブリキンをARMに戻す。

 

「ごめんね...ブリキン!」

(全部終わったら、綺麗に治してあげるからね。)

 

だが、吹き飛ばされたブレアも軽い身のこなしで受け身を取り着地!

その隙をドロシーは逃さない。

 

「ここで、アナタを仕留める!」

 

ドロシーが右腕を振り上げる!

召喚されたのはガーディアンARM フライングレオ!

 

翼を持つ銀のライオンがブレアへ襲い掛かる!

 

「ガーディアンじゃ私は殺せない。

バラバラにしてあげるわ!」

 

ブレアの迦具土命の刀身から炎の渦

必殺の爆炎だろう。

 

フライングレオとブレアの刃が激突

 

その刹那のタイミング

 

爆炎と同時に消滅するフライングレオ!

 

ドスッ!

 

「えッ!?」

 

ブレアの胸をリングダガーが貫く!

 

2年前、メルヘヴンでの苦い思い出

ドロシー対ディアナ

 

敵となって立ちはだかった実の姉を葬った手段

 

注意をガーディアンARMに引き付け、安価なリングダガーの投擲で仕留める!

ARM狩りの魔女、複数のガーディアンを従えた風使い

 

その意識外からの、安価で平凡なダガーの奇襲

集中したドロシーの投擲技術は百発百中

ARMの切り替え速度で右に出る者も居ない

 

ドロシーだからこそ出来る、完璧な暗殺術

嫌な記憶がフラッシュバックする。

 

「まさか、シキのお姉ちゃんまで、同じ方法で殺るなんてね...」

(でも、シキに自分のお姉ちゃんを殺させる辛い思いはさせたくない。)

 

ドロシーが決着を確信する

 

 

 

...

 

 

 

 

「いってぇ~、心臓にモロだよ!

けほッ、けほッ!

マジで殺しに来てんなぁ~。」

 

咳込み、吐血しながらナイフを抜き捨てるブレア

戦慄するドロシー

 

「ちょっと、何なのよコイツ...!?」

(心臓を貫かれて、何で生きてるの!?)

 

胸の傷、唇から血を滴らせるブレア

 

「どうやら、本気で遊んで欲しいみたいねドロシーちゃん。」

 

ブレアが左手を翳す。

魔法陣から出現したのは今までの妖刀と一線を画す異質な形状

 

「いいわ、この最強の妖刀 天照で殺してあげる!」

 

ドロシーも噂に聞くブレアの持つ最強の妖刀"天照"

赤い柄巻の刀を2本連結させた上下に刃を持つ双薙刀

 

ムラマサ社最強の妖刀と謳われた

不死鳥の妖刀

 

「よーい、どんッ!」

 

ブレアが電光石火の踏み込み!

既に再生能力で胸の傷は癒えている!

 

一瞬でドロシーの懐に侵入!

 

ドロシーもゼピュロスブルームにARMを切り替え応戦!

棒術の様に双薙刀 天照を振り回すブレア

 

上下の刀身に迸る赤い炎が鮮やかな剣閃を彩る!

 

「うぅッ!くッ!」

(熱い、迦具土命と同じ炎属性!?)

 

ゼピュロスブルームで受ける度、熱波がドロシーを襲う!

全貌の見えない天照の力

 

「防戦一方ね、ドロシーちゃんッ!」

 

ガシャ!と音を立て、双薙刀の天照が二刀流へ分離!

 

「はぁッ!?」

(2つに分かれるのソレ!?)

 

連結した双薙刀による回転剣舞

分離した二刀流による不規則な斬撃

 

まさに変幻自在の刀

 

「きゃあッ、あんッ!」

 

「可愛い歌声(悲鳴)ね、もっと聞かせてよ!」

 

ドロシーの右肩、左わき腹を天照の刃が掠める。

 

「このッ、これでも食らえッ!」

 

ドロシーがゼピュロスブルームを振り下ろす!

 

「キヒヒヒ!」

 

不気味に笑うブレア

2刀の天照を連結し双薙刀に戻し回転させ、ドロシーの一撃を流す。

体勢が崩れたドロシーへブレアが続ける。

 

「天照には3つの能力がある!

一つは、妖刀の能力をコピーする力

反魂の神器 八尺瓊勾玉!」

 

「何ですって!?」

 

驚愕するドロシー

 

三神器

月読、村雨、建御雷神の術式より上位に位置する能力

 

反魂の神器 八尺瓊勾玉(ヤサカニノマガタマ)

ムラマサ社の妖刀の力をコピーできる。

 

この時点で、ブレアが全ての妖刀の力を使えると思って差し支えない!

 

再び連結が解除され二刀流に戻る変幻自在の妖刀天照!

八尺瓊勾玉、コピー先は最も使い慣れた妖刀 迦具土命の二刀流!

 

2つの燃える刃、クロスする斬撃!

単純に攻撃力も2倍

体勢が崩れたドロシーに防御する術はない!

 

閃光と爆発

 

その衝撃は先程より凄まじく、ドロシーを一直線に吹き飛ばし!

 

ガンッ!

ドロシーが石の壁に激突!

 

「がっはぁッ!」

 

斬撃と爆発で衣服が剥ぎ取られ、残ったのは胸元と僅かな腰回り

 

砕けた壁に大の字になって張り付き、露わになった両足が伸びる

下半球が露出した大きな胸が揺れる。

 

そのまま、M字に足を開き、壁にもたれ掛かったまま尻餅をつく

 

「うあぁ...あッ!」

(背中が、痛い!)

 

アイリス戦の背中のダメージは完全に回復していない。

背中の痛みに、顔を歪ませるドロシーを他所に追撃するブレア!

 

「天剣の神器 天叢雲剣」

 

アマノムラクモ

ブレアの背中から不死鳥を思わせる炎の翼が出現!

 

「羽根よ、剣となり舞え!」

 

ブレアの命令で炎の翼が

左右5対5、10本の剣となりドロシーに襲い掛かる。

それも、炎の剣ではなく赤い実体剣!

 

「嘘でしょ!?

ちょっとは休ませてよ!」

 

ドロシーも緊急回避!

 

ガシャン!と重厚な音を立て剣が壁に突き刺さる!

降り注ぐ剣を掻い潜り、ゼピュロスブルームでブレアより高く飛翔!

 

「ゼピュロスブルーム!

ヴィンド・シュペーア!」

 

その名の意味は風の槍

ドリルの様に渦巻く螺旋の風を纏うゼピュロスブルーム!

 

「お願い!

これで、終わってッ!」

 

ドロシー、願いの投擲!

ブレアの胴体に命中!

そのまま、ブレアの上半身と下半身を両断するも...

 

ニヤッ!と笑うブレア

 

避ける事も出来た!

だが、圧倒的な力の差を見せつける為に、あえて避けなかった!

 

炎に包まれるブレアの身体!

炎が消えると、確かに両断したはずの下半身が再生していた。

 

炎と共に再生する不死鳥の能力...

術式を超越した三つの神器...

 

「こんなの...勝てるわけない!」

 

ドロシーの顔色が絶望に染まる!

着地するドロシーにブレアが反撃!

 

「羽根よ、捕らえよ!」

 

炎の翼 天叢雲剣

その羽根は10の剣となり

 

「うあぁッ!」

 

ドロシーの身体を刻む

 

「ドロシーちゃんの歌声(悲鳴)、もっと聞かせて頂戴!」

 

「きゃああぁッ!

はあぁぁッ!うああぅッ!」

 

立て続けにドロシーが悲鳴をあげる!

10本の剣がドロシーの背中、左肩、右脇腹、右太ももを斬り付ける!

それも、わざと致命傷は避けて...

 

「あうッ...くぅッ!」

 

ドロシーがガクッと膝を落とす。

10本の剣に囲まれ...

 

ブレアが更にダメ押し!

 

「羽根よ、反魂せよ!

ヒノカグツチ!」

 

(避けれない...ヤバイ!)

 

八尺瓊勾玉のコピー能力!

それは、この10本の剣にも有効!

 

ドロシーを囲う10の剣が全て爆弾となり...

 

閃光と轟音

 

爆炎と火柱がドロシーを飲み込む!

 

「うあぁ...あッ...」

 

煙が晴れ、姿を現した膝立ちのドロシーは意識が朦朧

身に着けた衣服、下着の全てを業火に剥ぎ取られ全裸

 

「まだ、終わりじゃないわ!

羽根よ、翼へと帰せ!」

 

ドロシーの背中にブレアと同じ炎の翼が出現!

まるで十字架を背負わせるようにドロシーの両腕がYの字に吊り上げられる。

既に抵抗する体力も気力も残っていない。

 

それでも、ブレアは容赦せず...

 

「楽しませてくれたご褒美に

アナタにも素敵な翼を貸してあげるわ。」

 

ブレアの「GO!」サイン

ドロシーの意に介さず、背中の炎の翼がロケット噴射の如く発進!

 

「いやああぁぁッ!」

 

絶叫するドロシー

両手を広げたまま、身体が海老反りになる程の凄まじい速さで突き動かされる!

 

正面に迫る固い石の壁!

 

ビタンッ!

 

「やんッ!!!」

 

甲高く短いドロシーの悲鳴!

両手を広げ、ガニ股の無様な格好で正面から壁に叩き付けられる!

 

プライドの高い魔女ドロシーが、まるでギャグ漫画のような屈辱的な格好で壁にへばり付く。

 

処刑という役目を終え燃える羽根となって舞い消滅する炎の翼

ズルズルと壁から滑り落ちるドロシー

それをなぞる様に、ベッタリと壁に血が伸びる

 

小さく呻き、膝立ちで壁に突っ伏した格好でダウンするドロシー。

勝敗は明らかだ。

 

「あッ...あぁ...」

(ごめん...シキ...

私、勝てなかったよ...

認めるよ...アンタの姉ちゃん...バケモノだ

私じゃ...足元にも及ばないくらい...)

 

両腕がだらんと下がり、壁に身体を預け自慢のバストが押し付けられムニッと潰れる。

 

目は虚ろになり、ピクピクと痙攣

割れた頭、鼻と口からドクドクと血が流れ床に血溜まりを作る。

 

「私を相手に、よく頑張った方よ。」

(格段に魔力のコントロールや、立ち回りが上手くなってる。

手負いとはいえ、今のドロシーちゃんはアイリスより上かな?

闘う度に経験値を蓄積するタイプね。

良い子を見つけたねシキ♪)

 

ドロシーVSブレア

 

西風の魔女と不死鳥の魔女

ゼピュロスブルームと妖刀天照

 

圧倒的な実力差を見せつけ...

 

ガンレイズアリーナ

廃都 教会礼拝堂

午後16時00分

 

勝者

 

オリュンポスレコード所属

ナイトランク元1位

歌姫

ブレア・ヴァレンタイン

 

 

 

「さて、ドロシーちゃん

お楽しみの時間よ♪」

 

ブレアが黒い妖刀を召喚!

 

天照がコピーした妖刀の一つ

能力、名称は不明...

黒い炎が妖気のように迸る妖刀を振るうブレア

 

「行けぇ!

妖刀、オシオキ丸♪」

 

その名前は絶対嘘だろうが

ドロシーに黒い縄が迫り...

 

ギシィィッ!

 

「きゃあんッ!」

 

後ろ手に縛り上げる!

手足を縛られ、ピンと直立するドロシー

 

黒縄がギチギチと音を立て、後ろ手に捻り上げた関節

上下を挟み、更にクロスする形で絞り出される乳房

二の腕、太もも、股間、柔らかい部位を締め上げる。

 

「うあぁッ...うううぅんッ!」

(痛い...手足がちぎれる!

胸が、張って裂けそう!)

 

更にお尻と股間の割れ目に食い込んだ黒縄が強く締め付け...

 

ギュウウゥッ!

 

「やあああぁぁんッ!」

(股が、裂けるうぅッ!)

 

股間に黒縄が食い込み、鮮魚のように跳ねるドロシー

裸で緊縛され床に転がり、痛みと恥ずかしさで藻掻き発狂しそうになる中

ブレアが謎の黒刀を手に歩み寄る。

 

「ドロシーちゃん、アナタはどんな味なのかしら♪」

 

ブレアの容赦ない魔手が迫る!




過去最多の長期戦となりましたドロシーVSブレア

妖刀天照
形状は2つの刀を柄尻で連結させた双薙刀
分離し二刀流で使うこともできます。

この辺りは、最強の特別感を持たせたくて考えました。

能力は不死
天照は月読と対をなすホーリーARM属性の妖刀
持ち主は炎と共に肉体が再生します。

天剣の神器 天叢雲剣
10本の実体剣にもなる炎の翼

反魂の神器 八尺瓊勾玉
妖刀の能力をコピーできるチート技です。
ブレアは使い慣れた迦具土命をメインに二刀流と爆破能力を持たせた天叢雲剣で立ち回ります。

絶界の神器 八咫鏡
絶対防御ですが、他にも使い道が...!?

ブレアに捕まったドロシーはどうなってしまうのか!?
暗躍するディソーダー
キサラとシキの運命は?
ブレアを倒すことが出来るのか?

ガンレイズアリーナ編も大詰めです。
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