ガンレイズアリーナ
廃都 市街地 大通り
午後17時15分
大胆に入ったスリットから脚線美を覗かせる漆黒のドレスとウィッチフード
メルヘヴンの魔女ドロシー
1000年前の異世界から来た洞察力のキレる看板娘
そして、黒のロングコートを羽織り手にした白銀の大鎌
ナイトランク2位、死神ヨハン
実はヴァンパイア(吸血鬼)なのにバーガーショップのマスターをしていた元殺し屋
お互い血をドロシーが、癒しの天使の魔力をヨハンがシェアし
バーガーショップ Trick Or Treat!コンビ完全復活でブレアを迎え撃つ!
「しかし、マスターのARM...変わってるわね。
大鎌なんて悪役の武器よ?」
ヨハンのARM
バエルα狩人:タランチュラ
白銀の大鎌、刃の付け根に魔力を宿した赤い球(マジックストーン)
「確かに暗殺の任務が多かったからね。
悪役と言われると耳が痛いよ。」
「大鎌で暗殺とは、まるで死神ね。」
「あぁ、それが私の通り名だった。
今じゃ、バーガーショップの店主で落ち着いてはいるが...」
刹那
「作戦会議は終わったかしら?」
姿を現すブレア
戦場は廃墟のビルが並び、ひび割れた4車線のアスファルトが走る大通り
路肩にはスクラップと化した車が数台、サビた信号機
まるで世紀末の都市
ヨハンが前に出る
「ブレア...もう一度、キミと話がしたい。
あの時、キミと闘う道を選べたら...」
言い終わる前にブレア
「いいよ...7年前、私と来るということは世界を敵に回すって事よ?
そうなったら、今頃ハンバーガー屋なんてしてる場合じゃなかったでしょ?」
「そうだね...」
「私がムカついてるのは、そこじゃないんだ。
何でおめぇ、ナイトランカー続けてるの?」
「力の均衡、秩序を守るためだ。
ナイトランカーはこの世界に...」
ブレアが再びヨハンの言葉を遮る
「必要ねぇよ、その秩序が私の父と母を殺し、弟との時間を奪った!
だから私は全てのナイトランカー、企業トップのキングやクイーンを皆殺しにして、このカルデアシティを支配する。
私が法であり、秩序であり、神である世界を作る!」
「人は神にはなれない...
確かに人は完璧ではない、過ちがキミの家族や幸せを壊したのかも知れない。
しかし、正しくあろうと法を作り、今の歴史が紡がれてきた。
ブレア...キミが世界を支配したって、失った物は取り戻せないんだ!」
「わかんないかなぁ~
私をチェスの駒として散々利用して切り捨てたこの世界がムカつくから、ぶっ壊して復讐してやりたいんだよねぇ。」
ドロシーが割って入る
「ブレア...アンタが闘う理由、よくわかったよ。
私の姉さんと似てる...
この世界に絶望してるんだよね?」
「あら、ドロシーちゃん、素敵な服ね。
アナタのお姉さんに似てる?」
「ええ、私の姉、ディアナも私の世界では絶望し支配しようと組織を作った。
その支配が生んだのは略奪や暴力の世界だった。
皆を笑顔にしたい、弱い人を守りたい
そう願っていた、優しかったディアナも人に憎まれ、弱者を踏みにじる魔女へと変貌させた。
どの世界も人の心で成り立っているんだよ。
確かに人の悪意や我欲が、誰かを傷付けるかもしれない。
でも、助けを必要としている人に手を差し伸べたり、大切な人の幸せを願ったり...
人の温かさまで支配する権利は、神にだってないはずよ!?
この世界のナイトの事は知らない...
でも、ブレア...アナタをディアナと同じにさせるわけにはいかない!」
「へぇ~、そのディアナは最後、どうなったのかしら?」
ドロシーの心に残るトラウマ...
一生背負うと決めた姉殺しの罪
「ブレア...シキに唯一の肉親であるアナタを殺させるの?」
この言葉がディアナの最後の答えだ。
ブレアが笑う
「クスクス、いいねぇ~私好みの結末だわぁ~!
信念を貫き通す為に、肉親さえも殺す!
それは、メルヘヴンのカルデアの掟かしら?」
「違うよ...私の意思でディアナを殺した。
ディアナを慕った想いと、殺した罪悪感は、一生背負って生きていく覚悟でね。
私はアナタにもディアナと同じ過ちを犯させないし、シキにも私と同じ苦しみを背負わせない!
アンタをここで倒すよブレア!」
ドロシーが銀の箒、ゼピュロスブルームを構える!
ブレアも2本の妖刀が連結した、双薙刀 妖刀天照で迎え撃つ。
「あれだけオシオキされて、まだ懲りないみたいねぇ。
シキは記憶を消して、私無しでは生きられない子に再教育してあげるから安心なさい!
ドロシーちゃん、アナタは徹底的に調教して私の犬にしてあげる♪」
ガンレイズアリーナ
廃都 市街地 大通り
午後17時25分
バーガーショップ Trick Or Treat!所属
ナイトランク推定6位
ドロシー
メルテクノロジー社所属
ナイトランク2位
ヨハン・ハーミット
VS
オリュンポスレコード所属
ナイトランク元1位
ブレア・ガーネット
開戦!
「いくよブレアッ!」
ドロシーが掛け声と同時に、風を纏ったゼピュロスブルームをアスファルトに叩き付ける!
「いい殺意ねドロシーちゃん!」
バックステップで距離を取るブレア
ゼピュロスブルームの一撃で砕けるアスファルト
追撃するドロシー
「逃がさないッ!」
続けざまの横薙ぎ!
砕けたアスファルトを巻き込んだ突風!
まるで、散弾の様にブレアに襲い掛かる。
ブレアも炎を纏った双薙刀の剣舞で払い落とす。
「そんな子供騙しじゃ、私は倒せないわよ?」
刹那
「目くらましにはなっただろう?」
ブレアの頭上には大鎌を構えたヨハン!
鎌の独特の形状はガードが困難!
左右に良ければ、ドロシーの風が遠距離でブレアを捕らえる陣形
「鬱陶しいわね!」
再びバックステップとなれば、ヨハンの大鎌
バエルα狩人:タランチュラがその真価を発揮させる!
ガシャン!
金属音と共に、ヨハンの背中からは6本、両手には2本の大鎌が出現!
「何よ、あのARM!?」
(ゴーストARM使い!?)
驚愕するドロシー
そのシルエットは獲物を狙う毒蜘蛛(タランチュラ)その物!
8本の鎌が蜘蛛の脚の様に可動しブレアに襲い掛かる!
しかし、ブレアは動揺せず...
「スピードの差を思い知らせるには良い機会ね!」
ブレアが天照の連結を解除し、逆手の二刀流に持ち替え
キキキキキン!
2本の刀で、8本の大鎌を捌く!
百戦錬磨のドロシーさえも、目で追えないスピードの世界!
まるで、チェーンソーが金属に触れたかのような連続した金切り音!
スピードは互角!?
いや...
血しぶきを上げているのはヨハン
僅かにブレアの二刀流が上回る!
この機にドロシーも奇襲!
「ゼピュロスブルーム・ヴィンド・シュペーア!」
ゼピュロスブルームが螺旋状の風を纏った"竜巻の槍"となりブレアを狙う!
それを察知し、炎の翼を出現させ飛翔するブレアだが...
「ナイスだドロシー!」
ヨハンが持つ白銀の大鎌が糸へと変化し、ブレアの両足を捕らえる!
「なッ!?」
驚きの声を漏らすブレアに、ドロシーが竜巻の槍を投げつける!
グサッ!
ブレアの右脇腹を大きく半円に抉り、アスファルトにゼピュロスブルームが突き刺さる!
本来なら致命傷、即死は想定できるダメージだが...
「やるわね、今のは効いたよッ!」
しかし、ブレアは不死身だ!
糸で捕らえられた両足を躊躇なく切り落とし
炎の翼を羽ばたかせながらドロシーへ迫る。
ドロシーが観察する。
切断した両足、抉られた脇腹からは炎が噴き出し見る見る再生している。
ドロシーが見つけた天照の隙
ダークネスARMがベースの月読とは対となる存在!
「天照のベースはホーリーARM
その再生能力も、天照の力!
この世界も、私が居たメルヘヴンと同じ!
ブレア、アナタの妖刀は確かに最強だけど弱点はある!
異なる性質のARMは2つ同時に発動できない!」
そして、複数の能力を使い分ける妖刀の持つ術式も
ネイチャーARMやディメンションARMといった能力を切り替えて発動してるのと同義
月読、建御雷神、村雨、加具土命、天照、その能力を見て分析したドロシーの答え。
2つの術式は同時に発動できない!
故に...
「再生中は、他の術式や能力は使えない!」
そんな事はお構いなしに、ドロシーに二刀流で斬り掛かるブレア!
ドロシーも得意な高速ARM切り替えで迎撃!
「ガーディアンARM...」
「無駄よ!」
そう、ブレアはガーディアン相手に生身で勝てる規格外の怪物!
だが...
「レインドッグ、フライングレオ!」
「2体同時!?」
ブレアの虚を突いた奇襲!
ネイチャーARMのゼピュロスブルームを発動したまま、ウェポンARMのリングダガーや、ガーディアンARMのレインドッグなど、異なる性質のARMは同時に発動できないが
同じ"性質のARMであれば2つ同時発動可能"
魔力は2倍消費し、両手で別々の文字を書くような器用さを求められるが...
ドロシーはそれをやってのける!
翼を持つ銀のライオン、フライングレオが右から鋭い爪で襲い掛かり
3つの尾を持つ巨大な狂犬、レインドッグ・トトが左から強靭な顎で食らい付く
「くぅッ!」
流石にブレアも怪物
2体のガーディアンの攻撃を両手の妖刀、それぞれで受け止める!
しかし、同時にブレアの動きを封じる
ここまでのゲームメイクはドロシーの思惑通り!
「チェック(王手)よ、ブレア!」
ビルに銀の糸を掛け、スイングの要領で迫る蜘蛛の死神!
ヨハンの大鎌タランチュラの能力
8本の大鎌と同化し、手足のように自在に操る他
それぞれが蜘蛛の糸となり捕縛や移動に応用することができる。
首を刎ねれば、不死身と言えど動きは止まる!
それは、教会で立証できた。
そして、再生能力その物を止める方法...
これはドロシーの考察になるが
7年前、スターク・アルバーンがブレアに勝利した方法
天照を本体から切り離す!
首、両腕を同時に切断すれば実質、ブレアを無力化できる!
ヨハンが大鎌を両手で振るい、背中から出現した2本の鎌が、それぞれを狙う!
しかし...
「いいセンスね、ドロシーちゃん。
でも、時間切れよ!」
ブレアの両足が再生
この時、妖刀による斬撃さえ気を付ければと、ヨハンもドロシーも思い違いをしていた。
「んぇいッ!」
掛け声と同時にフライングレオ、レインドッグを蹴り飛ばす!
「バケモノ...」
ドロシーも思わず声を漏らす脚力!
しかし、ドロシーが作った千載一遇のチャンスをヨハンも無駄に出来ない!
スイングで距離を詰めると同時に、両手の大鎌による首を狙った薙ぎ払い
ブレアが身体を仰け反らせて躱す!
続いて、背中から伸びた蜘蛛の脚に見立てた大鎌による両腕を狙った斬撃
それも、宙返りで回避!
空中戦はブレアの領域
まさに不死鳥
だが、ヨハンのタランチュラは8本の大鎌
3手外しても、残り5手
刹那
「吹き飛べ!」
ブレアの蹴りがヨハンのミゾオチを捕らえる!
ドスッ!
「がはッ!」
小さく呻き、吹き飛ばされアスファルトを滑るヨハン!
ヨハンに駆け寄りたい衝動を抑えつつ、ドロシーは追撃の手を止めない!
再びレインドッグ、フライングレオがブレアに襲い掛かるが!
ブレアもドロシーに負けず頭脳派
ガーディアンARM発動中は、その場を動けない性質を知る以上
本体であるドロシーを狙う!
「アナタも食らってみる?」
炎の翼による加速を加えたブレアの飛び蹴り、咄嗟に腕を交差させガードするが...
(何、この衝撃!?)
ドロシーの腕がミシミシと嫌な音を立て、叫ぶ間もなく一直線に飛ばされ...
ドカッ!
「あううぅッ!」
ドロシーは受け身も取れないまま信号機に背中を叩き付けられ
手足を大の字に広げ大きく跳ね返る。
「うあぁッ...くぅッ!」
うつ伏せにアスファルトへ落ちるドロシー
立ち上がろうにも、腕が痺れ背中の激痛で立ち上がれない。
激突した信号機が、くの字に曲がる程の威力。
モロに入ったヨハンも同様、ダメージが大きい!
ドロシーの集中力が切れたことで、2体のガーディアンが消滅し
ブレアの傷も時間経過で完全に回復
「二人がかりで、こんなモンかよ。
でも、私を止めようとする以上...
ここで殺しておかないとね。
葬星の術式 煉獄輪廻!」
ブレアの背中から炎の翼に加え、炎の竜頭が出現する。
不死鳥から竜神となったブレア...
竜の口が大きく開き、今にもブレスでどちらかを焼き払おうとするも...
「待て...ブレア...オレが相手だ!」
(ドロシーは...死なせない!)
ヨハンがたたらを踏みながら立ち上がり、注意をドロシーから逸らそうと試みるも...
「7年前と同じと思わないことね。
天照は2刀1対の妖刀...八尺瓊勾玉でコピーすればこんな事も出来るのよん♪」
「バカな...!?」
ブレアの背中から2頭目の竜が出現し、照準をヨハンとドロシーへ向ける。
「戦艦一隻を一撃で消し飛ばす地獄の業火よ。
ヨハン、アナタにドロシーちゃんが救えるかしら?」
「やめろぉッ!」
グオオォォッ!
ヨハンの叫びも虚しく、2頭の竜が咆哮を上げ焔色の光線を放つ!
ブレアの戦闘スタイル
天照の炎の翼、不死鳥の再生能力、二刀流、連結薙刀と多彩で、それに加え炎以外にも氷や雷の属性も使えますが(八尺瓊勾玉)、主に使用するのは使い慣れた加具土命の炎。
ブレアの目的
裏ではナイトランカーを壊滅させ、世界の秩序や法を手中に収めることを目的に活動していますが、表では人気アーティストの顔を持ちます。
表の顔はファンに囲まれる人気者、裏では世界の支配者、極端な欲望に支配されていますが、ブレアにも7年前、世界と戦わざるを得ない過去があり、それは物語を進めていく上で明かされていきます。
キサラ、シキ、ディソーダーの動向
ドロシーVSブレアの最中も、こちらの物語は進行中
罪のディソーダー、罰のディソーダーが乱入し捕らわれてしまうキサラ
月読を持たないシキが、どうキサラを救出するのか...
また、ガンレイズアリーナの大会はどうなってしまうのか...
完結まで完走できればと思います。
しばらく、お休みしていましたが毎日アクセス数はチェックしていました。
応援、感謝します。