※この作品はR-18です。

MAR-ナイトランカーズ   作:るしふぇる

37 / 40
ACT.37「殺戮の天使」

午後18時05分

ガンレイズアリーナ

滅びゆく世界

 

ドロシー&ヨハンVSブレア

 

ドロシーは瀕死の重傷を負い離脱

そして、ヨハンは倒れブレアの勝利に終わる。

 

同刻

キサラ・アルスカー控室

 

ボロボロになった漆黒のドレス

貫かれた右肩、右二の腕、左脇腹、左太もも

 

帰還したドロシーが、血溜まりの上で横たわる。

 

「ガハッ!」

 

大きく咳き込み、口から夥しい血が溢れる...

ヤタガラスの触手に締め付けられ、全身の骨が折れているのを感じる。

左腕は完全骨折、右肩も脱臼、砕けた肋骨が肺を損傷させ呼吸さえままならない。

 

無理な力で胴を捩じられ、お腹や腰回りの筋肉も捩じ切れ

背骨も圧し折られ、両足の感覚がない...

 

「私...死ぬの...かな?」

 

闘いで窮地に陥ったこと、捕まって拷問を受けたことはあれど、今までにこれ程の重傷を負ったことはない。

 

『ドロシー、大丈夫かよ!』

 

「シキ...ごめんね...ちょっと...

ヘマ...しちゃった...」

 

俺はそこに居ない。

幻聴まで聞こえ始める...

 

『ドロシーさん!

しっかりしてください!』

 

「キサラちゃん...大丈夫だよ...

横になったら...すぐ...楽になる...から...」

 

『ドロシー、無理をさせてしまったね。』

 

「マスター...生きて...たんだ...

良かったぁ...」

 

走馬灯のように聞こえる幻聴

 

誰かに触れて安心したい。

手を伸ばしたくても、指一本動かせない。

息を吸い、そして吐く...

その当たり前の動作さえ、気が遠くなる程、途方に感じる。

 

「死にたく...ないよぅ...

シキ...助けて...」

 

答えは帰ってこない。

寂しくて涙が零れる...

 

意識が闇へ落ちる...

目から光が消える...

呼吸が止まる...

心臓の鼓動はもう聞こえない...

 

...

 

時間は遡り

 

午後14時10分

第三回ガンレイズアリーナ決勝

ファイナルステージ 文明の墓場

 

スクラップヤード

ここは砂漠の中心

金網で囲まれた巨大なフィールドが決勝の舞台だ。

 

翼が折れた旅客飛行機

現役を終えスクラップとなった列車

ジャンクとなり積まれた廃車

無造作に並べられたコンテナ

積み上げられた鉄くずの山

 

第一幕予選、20人の生き残り参加者が最後の1人をかけて撃ち合う最後の戦場!

 

そして、注目されるは第三回より追加された特殊ルール

『ダインスレイヴ争奪戦』

 

ダインスレイヴ

スレイプニル・インターナショナル社が総力を挙げて制作した高性能レイズガン

 

このフィールドの何処かに隠されたダインスレイヴを見つけ出し、最後の一人がそれを手にすれば優勝

そのレイズガンも優勝賞品となる。

 

現・世界最強のナイトランカー

謎多き男、スターク・アルバーンの愛銃

 

その姿を見た者は居ない。

ハンドガン、マシンガン、ショットガン、スナイパーライフルなのか...

 

世界中のガンマニアが喉から手が出るほど欲しがる、知りたがる

触れるだけでも誇れる勲章

 

売れば推定5億と言われるお宝中のお宝

優勝賞金8000万が霞んで見える。

 

先に見つけて使っても良し

敵を減らして探索しても良し

 

あえて、誰かに見付けさせ、倒して奪うも良しだが...

これを考える参加者は居ないだろう。

 

故に各プレイヤーがアクティブに動く!

例え負けても、あのスタークの愛銃をこの手で触れてみたい!

最強のガンナーの銃を撃てるかもしれない!

 

ガンマニアの衝動が戦場を走らせる!

隠れてなんていられない、俺が先に見つけるのだと!

 

 

まったく...よく出来てるよ

スレイプニル社のシナリオは...

 

早くキサラに伝えないと...

 

ここは現役を終えた列車の墓場

サビた機関車、客車が無造作に縦並びされたエリア

 

愛銃を手にキサラが並んだ列車の間を走る!

開始から10分、各地で銃声が木霊する。

 

スナイパーであるキサラの愛銃は...

なんとアサルトライフル!?

 

レーヴァテインM4A1

 

しかし、この大会の為に用意したキサラのオリジナルカスタム

 

精度を重視しフルオートによる連射を廃止

セミオート、3点バースト切り替えのトリガーは命中率の特化構造

18インチに延長されたヘヴィバレルに消音効果の高いサプレッサー

取り回し重視で軽量化されたショートマガジン

スコープとバイポッドを備えセミオートスナイパーライフルとして生まれ変わった愛銃の名は

 

レーヴァテインSPR

 

この世に1丁しか存在しないキサラオリジナル

 

刹那、並べられた列車の影から姿を現す大男

重装備のアーマーにシュモクザメを模した横長いヘルメット

背負った巨大なアルミコンテナ、そこから垂れた給弾ベルト

 

ベルトの先、手にするはガトリングガンと名高い通称ミニガン!

ニョルミルM134

 

ミニガンの大男がキサラを視認し雄叫びを上げる

 

「うおおおおおぉぉぉぉッ!」

 

トレーニングジム

ライジンザップ所属

元軍人:ランクビショップ

プレイヤーネーム:ハンマーヘッド

 

バラバラバラとミニガンの砲身を回転し、キサラに弾幕の嵐が襲い掛かる!

列車と列車の間、僅か5メートルの比喩するなら路地だ。

隠れる場所なんてない!

 

観客席のキサラファンも、もう駄目だと目を覆う!

 

「負けません、シキさんが見てるんだからッ!」

 

キサラが全力疾走!

決して逃げない、前へ。

 

そのまま、なんと列車の壁を走り、それを弾の雨られが追う!

ハンマーヘッドの雄叫び!

 

「ぼぉぅうあああぁぁぁぁッ!」

 

壁走りから列車の上に飛び乗ったキサラを狙う!

だが、これはキサラの作戦

いくら怪力と言えど、真上へミニガンの砲身を傾ければバランスも崩れる。

 

そして、90度以上は上がらない!

背後さえ取ってしまえば...

 

キサラ、華麗に宙返り

空中で逆さまの状態で、ハンマーヘッドを照準に捕らえる。

狙いはアーマーとヘルメットの間、首の付け根、頸椎

 

「エット(1つ)!」

 

死のカウント

ハンマーヘッドの首と喉をキサラの銃弾が貫き退場させる。

 

着地と同時にキサラはバックステップを踏む!

ミニガンの轟音でスナイパーに気付かれている事を察したのだ。

 

遅れて、キサラが元居た場所が爆ぜる。

動体視力、スタミナ、勘の鋭さ...

第一幕の100人予選の時点で、それらが参加者の誰よりも抜きん出ていた。

 

スナイパー・キサラ 天賦の才

 

着弾位置から敵スナイパーの位置を特定

積み上げられたコンテナの上に光るスコープの反射

距離は推定300メートル

 

風向き、距離、重力、気温、湿度が及ぼす弾道への影響を即座に計算

 

「トゥヴォ(2つ)!」」

 

アサルトライフルであるレーヴァテインの射程距離は300メートルとギリギリだ。

しかし、キサラのカスタムでスナイパーライフルと化したこの獲物の有効射程は

 

800メートル

彼女はスナイパーであり、天才ガンスミス

 

「うっそ...」

 

情けない声を出し敵スナイパーが頭を撃ち抜かれる。

恐らく、スナイパー対決でキサラに勝てる参加者は居ないだろう。

 

列車の墓場を抜け、コンテナのエリア

2つの影が、コンテナを遮蔽物に利用しリボルバーとサブマシンガンで撃ち合う!

 

人見知りで、控えめな性格からは想像できない程、大胆に割り込むキサラ

まずはサブマシンガンのライダースーツへ不意打ち!

 

「トゥレー(3つ)!」

 

遮蔽物を覗く頭、眼球を正確に撃ち抜く!

 

リボルバーを持った肥満体系、いや...

体格のいい警官(衣装)が後退しながら発砲!

 

キサラが回避し遮蔽物へ流れる。

 

その隙に、警官が手榴弾のピンを抜く。

流石、決勝ステージ。

リボルバーを得物にここまで上り詰めた現役警察も侮れない!

 

15メートル範囲のプレイヤーを退場させるレイズグレネードを投擲!

その速度も、まるでメジャーリーガー!

 

サイバース市警

ハイウェイパトロール所属

警視:ランクルーク

プレイヤーネーム:オリボルン

 

警官、オリボルンが唸る。

 

「むうぅッ!?」

 

キサラは逃げない!?

遮蔽物となるコンテナへ逃げるかと判断したのは誤り...

レイズグレネードを予測し、十分な距離を取り

 

パシュン!

 

レーヴァテインのサプレッサーの音

遅れて、空中で撃ち抜かれ炸裂するレイズグレネード

 

炸裂した閃光で視界を奪われたキサラとオリボルン

オリボルンが体勢を立て直すべく素早く身を翻し、コンテナの陰に隠れようとするも...

 

キサラがレーヴァテインのセレクターを1から3へ

 

ダダダン!ダダダン!ダダダン!

 

3点バーストを炸裂!

リズミカルに放たれた3×3、9発の弾丸。

 

「フューラ(4つ)!」

 

この距離では、もはやサブマシンガンだ。

背中を撃ち抜かれたオリボルンが退場する。

 

セミオートライフルの強みを活かし狙撃と3点バーストで開幕から4人を仕留める。

その表情に、いつもの天真爛漫な笑顔も、驚きの表情も、緊張し怯える表情もない。

無表情...ただ黙々と敵を倒し、死のカウントする彼女は...

 

殺戮の天使

 

しかし、これはチャンスだ。

 

「キサラ!」

 

コンテナの中から、俺はキサラを呼ぶ。

 

「ふえッ?シキさん!?」

 

殺戮の天使から、いつものキサラに表情が戻る。

 

「4番のコンテナだ、ちょっと来てくれッ!」

 

「シキさん、どうしてそこに!?

入ってきちゃダメですよッ!」

 

4の数字が書かれたコンテナに俺は隠れていた。

ここはカメラの死角だ。

 

キサラがコンテナの扉を開き...

 

「シキさん、どうしてこんな所に居るんですか!?」

 

「いやぁ、間近でキサラの闘いを見たくって...」

 

「ズルはイケません!

運営さんに怒られちゃいます!」

 

そう言いながらも、安堵の表情を見せるキサラに言いにくいが...

 

「キサラ、申し訳ないが...棄権してくれないか?」

 

キサラの表情が暗くなる...

 

「どうして、そんな冗談を言うんですか...?」

 

「冗談じゃないんだ、この際、全部話す。

この大会、キサラが勝ってもローズマリー教会は取り壊される。

そして...キサラ、お前もリーパーにされるんだよ。」

 

「意味が解りません...」

 

「この大会のルール、ダインスレイヴ争奪戦だったな。

あれは、レイズガンじゃない。

弾はレイズバレット(光弾)を装填して配置してあるだろうけど実銃だ。

いや、所持した者をリーパーにする魔銃と言っていい。

 

スターク・アルバーン、俺の姉貴を殺したナイトランカーはリーパーだった。

そして、スタークの死を隠したいスレイプニル社は、リーパー化に適した肉体を求め、このガンレイズアリーナの大会を3回に亘って開催した。

 

調べたが、キサラは第一回でベスト4、第二回で準優勝だったな。

スレイプニルがスポンサーに付いたのは第三回。

第二回までの参加者でベスト4位以上に2回も入賞したのはキサラだけだ。」

 

「何が言いたいんですか...シキさん...」

 

「この大会は、キサラに与えられたチャンスじゃない。

スレイプニル社が仕組んだテストだ。

 

キサラがダインスレイヴを持つに相応しいか...

次のスターク・アルバーンに適しているかの。

優勝したらキサラ...キミは確実に殺され、スレイプニル社の傀儡になる。」

 

「どうして、今になって...」

 

「最初から分かってたら、どんな手を使ってでも止めたよ。

この会場で、調べてたら話の点と点が繋がった。」

 

「調べてたって...来てくれたの、私の応援が目的じゃなかったんですね。」

 

「あぁ、俺の姉貴を殺したクソ野郎の所在を知りたくてキミを利用した。

すまなかった...」

 

「酷いです...シキさん...」

 

キサラの目から涙が零れる

 

「だけど、キサラには死んでほしくない。

まだ、込み入った話もあるんだが、ドロシーも危ない。」

 

「じゃあ、ドロシーさんの傍に居てください。

私は...最後まで戦います。」

 

「俺の話を聞いてたか?

ゲームなんかで命を捨てるな。」

 

キサラの怒りが爆発する

 

「"ゲームなんか"ってなんですか!?

私だって、今日まで必死に闘って来たんです!」

 

「撃たれても退場するだけで死なない世界でな。

俺がしてるのは生き死にの話だ、現実を見てくれ。」

 

「シキさんには分からないです!

教会の子供達が、離れ離れになってしまう不安も...

育った家が無くなっちゃう寂しさも...

 

今更、どう理解しろって言うの?

いつもドロシーさんの事ばかりで、私の事も見てくれない!

私が背負ってるもの、分かろうとも...してくれない...

私の事...騙して...利用してた...酷いよ...シキさん!」

 

「教会の子供達は俺も一緒に考える。

死なせたくないんだ、ドロシーが悲しむ!」

 

「だったら、ドロシーさんの所に帰ってくださいッ!

シキさんなんて大っ嫌い!」

 

「俺は嫌われても良い。

でも、子供達だって、キサラを必要としてるだろ。

ガンレイズアリーナ以外でもあるはずだ。

子供達を助ける方法が。」

 

「シキさんにとって、私って...ただ利用するだけの女だったんですね。

ドロシーさんが傍に居れば、私なんか用が済めば要らないですよね。」

 

「卑屈になるなよ。

無理を言ってるのも、俺がクソ野郎なのも自覚してる。

俺を殴りたきゃ殴ったっていい。」

 

「シキさんが言うようにリーパーになったら、シキさんが私を殺してください。

あのダインスレイヴっていう銃...シキさんのお姉さんの仇なんですよね?

私の命ごと差し上げます。

 

もし、無事に帰れても...もう、シキさんとドロシーさんの前には現れません。

ヨハンさんのお店にも行きません。

これで、お別れです。」

 

「馬鹿野郎!

自分が何を言ってるのかわかってるのか!?」

 

「ドロシーさんにも伝えてください。

こんな私に、優しくしてくれてありがとうって。

シキさんも...最後にこんな形になっちゃいましたが...

友達のフリでも、利用されてたとしても、一緒に居た時間は楽しかったです。

ありがとうシキさん...さようなら。」

 

「キサラ待てッ!」

 

コンテナから飛び出すキサラ...

焦って言葉選びを間違えた...

 

友達のフリか...

俺にとって、キサラって何だったんだろう...

 

『シキさん、応援に来てくれたんですね。』

 

『ありがとう、シキさん!』

 

ドロシーの親友だから放っておけなかった?

笑顔が好きだから、守りたかった?

 

『シキさんなんて大っ嫌い!』

 

面と向かって言われるとキツイな...




おさらい
キサラ、シキ、アイリスの服装
ACT.23より


キサラ・アルスカー
モデルはギルティギアXX(PS2)のブリジット
バトルスーツ(軽装の修道服)

青いシスターベール
肩に乗った白のケープ
(シスター服の首周りの白い部分)
青のノースリーブトップス
お腹から首元までの銀のファスナーで閉じてピッタリとした感じ。
大きなバストのシルエットも鮮明でファンからは絶賛
※Fカップ

膝丈の短いミニ巻きスカート(青のタイトスカート風)
白のニーハイソックスに、柔らかい太ももがグイっと食い込んでます。
※ここ重要


シキエル・ヴァレンタイン
モデルは新選組、沖田総司
茶髪のショートヘア
オシャレコーデ

白のワイシャツにグレーのカジュアルジャケット
黒のスラックス
前日に慌てて買った50万の腕時計
(現実で言うとオメガスピードマスターの中古みたいなやつ
シキはオシャレに鈍感なので普段、腕時計はしません)
ドロシーに貰った指輪(ARM:スイッチハンダー、カーボンブレード)
中指に月のリング、薬指に黒のリング


アイリス・コールクライン
モデルはDOA6のNiCO
任務中
ランク6位ナイト

青いショートヘアにフレーム無しメガネ
紺のスーツ、白のブラウス、ミニタイトスカートと女刑事がモデル
愛刀村雨は青の柄巻、黒の鞘、雪の結晶を模した銀の鍔が特徴です。

ドロシーに敗北後
ジャケットは脱ぎ捨て、ボタンが全て外れたボロボロのブラウス
ブラは青
※スリーサイズ:B84(Dカップ)、W59、H86
現在ACT.37以降、この姿で1度だけ登場します。

書かないと自分で忘れるので、ここで纏めました。

ドロシーにこんなコスプレさせて欲しい
こんな衣装見たいなどあれば感想やTwitterで募集します。
るしふぇる
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