※この作品はR-18です。

MAR-ナイトランカーズ   作:るしふぇる

8 / 40
ACT.8「魔女ドロシー」

シキVSアイリーン 戦闘同刻

 

オリエントタウン 埠頭桟橋

PM11:20

 

ミディアムショートの金髪と黒のスーツが夜風でなびく。

スーツの青年は、少し離れた埠頭倉庫をエメラルドグリーンの瞳で見つめていた。

歳は20代後半、身長は高く180センチ、スーツの下は紺のベストに赤のネクタイ、汚れ一つない純白のシャツと、何処かエリートらしき風格を漂わせる。

 

破られた倉庫の扉から放たれる轟音、閃光、ぶつかり合う魔力。

自分と"同じナイトランカー"の闘いと青年は悟っていた。

 

「あの力がムラマサの最上大業物 三貴刃 闇の妖刀ツクヨミ

竜の鍵の一つか・・・」

 

囁くような甘い声、女性であれば誰もが絶賛するであろうアイドル顔負けの顔立ち

そんなイケメンスーツの彼もシキ達と同じナイトランカー

 

彼は知っていた。

1000年前、世界の人口を10分の1まで壊滅させた伝承"竜の鍵"の正体

メルヘヴンの世界では8つの核石を持つ鍵の形をしたARMだったが、この世界では8つのARMに分かれていること事を...

 

彼がスマートフォンの画像を確認する。

画像の日付は本日10月10日PM9:30、今から約2時間前

 

銀の箒に腰を掛けた、ボロボロの黒いドレスに桜色の髪を2つの三つ編みで結んだ空を飛ぶ魔女の姿の写真

この世界に来たドロシーは、ある企業の監視システムに観測されていた。

 

彼が受けた任務

カルデアシティ上空で観測された次元の歪みの調査

及び異界からの侵入者の捕縛、または殺害

彼の名は...

 

カルデアシティ最大企業

ARM製造メーカー

メルテクノロジー社 所属

ナイトランク非公開 ヨハン・ハーミット

 

「アイリーン程度では本気のシキエル君には勝てないだろう。

だが、異界の魔女をムラマサ社に渡すわけにはいかない。

彼女は恐らく...」

 

言い終わる刹那

 

赤い雷を纏った黒い雷雲が倉庫へ向かっていた。

 

「あれはタケミカヅチ...面白い、お手並み拝見と行こうか。」

 

何かを楽しむかのように彼は不敵に笑った。

 

 

同刻 オリエントタウン埠頭倉庫

シキVSアイリーン

 

薔薇の獣と化したアイリーンが咆哮を上げる

 

「トリカブトの猛毒で朽ちるがいいッ!

アコナイトブレスッ!」

 

咆哮と同時に放たれる黄土色の毒霧が渦を巻き、シキとドロシーに迫る。

同時にシキも刀を突きの型に構え

 

「葬星の術式 月影黒天球!

跡形もなく消してやるよッ!」

 

刀身から出現したのは超引力によって圧縮された黒い月

光さえも逃さない暗黒の天体 ブラックホール

 

そして、その黒い月を逆手に持った刀の鞘で打ち出す。

シキの妖刀ツクヨミ

 

血と魔力を吸う妖刀月読

標準が引力の性質を持つダークネスARM

 

液体金属の刀身を自在に変化させる屍山血河

ウェポンARM

 

空間を歪ませて時間を停止させる刻死界牢

ディメンションARM

 

黒い月(ブラックホール)を放つ月影黒天球

ネイチャーARM

 

ダークネスARMの呪いを制御し斥力で結界を発生させる鏡水

鞘に仕込んだホーリーARM

 

まだドロシーも底が見えないが、複数のARMの能力を隠し持っている

トリカブトの毒霧程度は...

 

「何だと!?どういうことだ!」

 

息を呑むアイリーン

倉庫に充満した毒霧がシキとドロシーの命を奪う。

それが彼女の筋書きだった。

 

しかし、シキが打ち出した黒い月が、霧を円盤状に絡め取り回転しながら自分に迫ってくる。

光さえも捕らえる葬星の術式、その性質は最強の闇"ブラックホール"

 

あの黒い月は危険だ!

そう、意識した時には手遅れだ。

 

黒い月の放つ引力が決してアイリーンを逃さない。

コンクリート床を粉々に砕きながら、毒霧の円盤を纏い自分へ迫る黒い球体

 

「ギャアアアァァ!」

 

獣の様な断末魔には、かつての貴婦人の気高さはなかった。

左腕から黒い球体に吸い込まれ肉が潰れ、骨が砕ける感触

 

(このまま、死ねませんわッ!)

 

アイリーンがゴーストARM ローゼンリッターを解除

薔薇の怪物の左腕を切り捨てる。

 

幸い、怪物の腕に包まれていた左腕は右腕同様に失わずに済んだが、凄まじい引力に骨が砕けたのか歪な方向に曲がっている。

 

だが、黒い月の引力圏内

逃げようとしても、そのまま引き込まれるだけ...

 

そのはずだったシキのシナリオも思い通りには行かなかった。

アイリーンが最後のARMを発動!

 

「こんな所で、死ぬ気はなくってよッ!

レジェンダリーネイチャーARM、ユグドラシル!」

 

レジェンダリーARM

1000年前の大戦で使われた伝説のARM

 

コンクリートの床を突き破り、凄まじい速度で成長し姿を現したのは巨大な聖樹

シキの黒い月がブラックホールだとしても、その引力はシキの魔力に影響する。

つまり、吸い込める範囲や質量には限度がある。

 

屋根を突き破り、成長を続ける大樹ユグドラシル

恐らくアイリーンも上へ逃げたのだろう。

 

同時に訪れるツクヨミの制限時間。

妖刀月読、この刀は斬り付けた相手の血液や魔力を吸収するが、抜刀した持ち主の生命力と魔力を常に奪い続ける諸刃の剣

シキが抜刀していられる時間はせいぜい1分

 

舌打ちをし、ツクヨミを鞘に納めるシキ

 

「まぁいいや、上に登って今すぐぶっ殺して...」

 

刹那

 

「俺とも遊んでくれよシキエル!」

 

太い声と同時に赤い雷を纏った黒い雷雲がシキに迫る!

そして、雷雲から放たれる斬撃!

 

「くッ!」

 

シキが納刀したまま、鞘でその斬撃を受け止める。

斬撃の正体、雷雲から姿を現した男の姿は...

 

紫のドレッドヘアに派手な金縁のサングラス

筋肉質な浅黒い肌

その外見とは似つかないサムライの様な紫の着流しと赤い陣羽織

 

そして、シキを襲う凶刃

その刀はシキのツクヨミと違い、研ぎ澄まされた白金の刀身、紫の柄巻き。

 

ドロシーからの印象は

 

「何この、モップ頭のハデハデサムライ...キモッ!」

 

シキが距離を取ると同時に、モップ頭のハデハデ陣羽織が風で靡く。

背には「雷帝」と金で刺繍され、とにかく派手な印象だが...

 

「何で、お前がここに...」

 

シキの顔色に緊張...その表情は恐怖とも感じられた。

目の前に現れたドレッドヘアのサムライ、その正体はシキと同じナイトランカー

 

電力会社

カルデア東都電力 所属

ナイトランク4位

スクリーチ・アーバイン

 

彼はシキより上位のナイトだ。

ドレッドヘアのスクリーチは続けた。

 

「何でって、アホ(マフィア)がここでARMの取引をしてるって言うじゃあねーか。

おめぇも知ってるだろ?

この世界の電力、火力、その他諸々のエネルギーがマジックストーンから生成されてることを。

裏で横流しされてるマジックストーンを電力会社の俺が頂いて何が悪い。」

 

ドロシーもこの世界について理解してきた。

街のネオン、乗り物を動かす動力、それらがマジックストーンで作られているとしたら...

 

ドロシーの世界ではAMRはマジックストーンが彫金されたアクセサリー。

あくまで武器としての側面が強かったが、この世界では生活の一部として普及しているのだろう。

 

ドロシーの傷を癒したホーリーARM、慈愛の天使のようにARMその物に魔力があれば、消耗品の使い捨てとして魔力がなくても使用できる。

電池やガスボンベのように交換して電力や火力を生み出す、理論上は可能だ。

 

ドロシーが考察している間、シキがスクリーチと会話を続ける。

 

「アホ共の取引って何時間前の話だよ、先に俺が頂いちまった。

そもそも、この取引自体、うち(ムラマサ社)の管轄のはずなんだけど?」

 

「俺らナイトの間に先だの管轄だのは野暮だろ?

上に逃げだカス(アイリーン)だってそうじゃねーか?」

 

中指を立て、舌を出し挑発するスクリーチ

だが挑発には乗りたくない相手だ。

シキが続ける。

 

「悪いけど、そのARM、使い捨てで俺が先に使っちまった。」

 

「あぁん?」

 

不機嫌そうに眉根を寄せるスクリーチ

彼が周囲を見渡すと、目的のホーリーARMで回復中のドロシーが視界に入る。

 

「いい女だなぁ、おめぇの彼女か?」

 

「彼女だったら、どれだけ俺も幸せだったか...

残念ながら、マフィアの戦闘に巻き込まれてた民間の人。

俺が保護したんだけど怪我が酷かったからやむを得ずって所だよ。

俺の任務は失敗、アイリーンもアンタも無駄足だってこと。」

 

ドロシーのことは良くわからないが、とりあえずコレで誤魔化せる。

幸い、スクリーチはシキより上のランカー。

シキを殺したところでランクが上がるわけでもなく戦闘をするメリットもない。

 

そして、シキの妖刀月読も、以前の所有者が49人も死んでいる得体の知れない刀、正直誰も欲しくない。

 

マジックストーンが仕込まれていること、ツクヨミの能力、それはドロシーの洞察力で見抜いた事で、実のところアイリーンやスクリーチから見てのシキは、自分が死ぬかもしれない呪いの力で無理矢理ナイトランカーになった危ない奴...

という印象なのはナイト歴の長いシキは悟っていた。

 

スクリーチが欲しい物はここにはない、闘うメリットもない。

そう、シキは思っていたがスクリーチは高らかに笑う。

 

「あーっはっははははは!

マジかよッ!あんな小娘助ける為に、任務をすっぽかすお利口さんがいるなんてよぉッ!」

 

「笑いたきゃ笑え、俺にとってはあの人の怪我の方が任務より重要だったんだ。

女の子の前で格好付けたいのは男のサガだろ?」

 

「男のサガねぇ...言うようになったな小僧。」

 

しかし、スクリーチは舌なめずりをし、下品な笑みを浮かべた。

 

「まぁ、モノにするなら傷がねぇ方が良いな。

ARMは仕方ねぇ!代わりにあの女を貰ってくぜぇ!

それで許してやる。」

 

これは予想外の反応でシキが間に入る

 

「ふざけんなよスクリーチ!

ナイトが民間の女に手ぇ付けんのか?」

 

だがスクリーチは...

 

「楽しんだ後は、薬漬けにでもしちまえば分かんねーよ。

それよか、マフィアの戦闘に巻き込まれてたんだろ?

死んじまっててもおかしくねーよなぁ?」

 

つまり、ドロシーを犯した後で、殺す...ということか?

 

シキが甘かった。

ナイトと言えど、シキのように善意で行動する者も居れば、アイリーンやスクリーチのように暴力や権力を使って私欲を満たす者もいる。

 

どうやら、スクリーチ...こいつも、その後者のようだ。

 

「待て、ドロシーは関係ねぇ!」

 

回復中のドロシーに歩み寄るスクリーチの手をシキが掴もうとするが

 

「俺に触んなよ小僧。」

 

スクリーチがシキの顔を納刀した刀で殴打する。

 

「ぐぅッ!」

 

鞘が顔に当たり、シキの鼻と切った口から吹き出た鮮血がコンクリートの床に飛び散る。

これにはドロシーも黙っていられず

 

「シキッ!

おい、モップ頭!

アンタいい加減にしろよッ!」

 

ドロシーの怒声も意に介さずスクリーチ

 

「おぉ、気の強ぇ女だな。

シキエル、お前の目の前でぶっ壊れるまで犯してやりてぇなぁ!」

 

この一言でシキの中で何かが切れた。

もう、格上だの気にしている場合じゃない!

 

「てめぇモップ野郎!調子乗ってんじゃねーぞコラッ!」

 

シキが声を上げ居合いで一閃

だが、赤い閃光と同時にスクリーチがシキの背後に回る。

赤い雷...これが雷帝スクリーチ・アーバインの能力

雷雲の妖刀 建御雷神(タケミカヅチ)

 

「おっと大変だ、民間人の女の子を保護しようとしたらナイトのシキエルくんに襲われたぁ!

こりゃもう、正当防衛でぶっ殺すしかねぇよなぁ~!」

 

ワザとらしくわめきながら刀を抜き、赤い閃光と同時にシキへ斬り掛かるスクリーチ

そのスピードは、まさに電光石火!

 

万全の状態であれば、シキも鞘に仕込んだ鏡水で向かい打てるがアイリーンとの戦闘でボロボロ

また、ツクヨミは抜刀する度、彼の生命力を奪っていく。

 

キィン!

 

抜刀することなく鞘でスクリーチの一撃を受け止めるが...

 

「ばーかッ!」

 

ドスッという衝撃がシキの腹部に走る。

前蹴りがシキのお腹に直撃する。

「がはッ!」と血を吐き、身体をくの字に曲げるシキに

 

「てめぇみてーな小僧、刀の錆にもなりゃしねーよッ!」

 

シキの髪を掴み

 

ドンッ!

 

凄まじい音と共に、スクリーチの頭突きがシキの顔面に直撃する。

 

「ぐあああぁぁッ!」

 

鼻と口を血まみれにしてシキが絶叫する。

ナイトランク7位のシキと4位のスクリーチ、更に消耗しきったシキとの実力差は歴然だった。

 

痛みと衝撃で両目から涙を流し膝を付くシキ...

両手で口を覆っても血が噴き出し止まらない。

 

「あーあー、女の前でみっともねぇな。」

 

スクリーチが一蹴

だが、シキも闘志までは折れていない。

 

「スクリーチ...てめぇ、ドロシーに..手出してみろ、ぶっ殺して..ぐッ!」

 

言い終わる前にスクリーチがシキを蹴り倒し胸を踏み付ける。

 

「ぶっ殺すってぇ?誰が?もしかしてオメェが?

黙って見てろよ、俺が本物の男のサガ(性)ってやつを教えてやるから。

ケヘヘヘ!」

 

厭らしい目付きで舌なめずりしながら、再びドロシーを犯すべく歩を進める。

だが、スクリーチが再び眉根を寄せた。

 

「あぁん?何の真似だクソガキ!」

 

倒れたまま、スクリーチの着流しの裾を掴む

 

「お前の...相手は俺だ..スクリーチ..」

 

「しつけぇな、このガキ!

殺さねぇでやるから、黙って見てろや。」

 

頭を踏み付けられ、顔を血で濡らしながらもシキが続ける。

 

「俺を...殺せねぇの..間違いだろ?

不意打ちとレイプしかできねぇ、腰抜け野郎だもんな。」

 

「てめぇ、それ以上言ったら...」

 

「かかって来いよスクリーチ。

ランク程度で威張るなよ、格の違いを教えてやるよ雑魚...」

 

-こいつ、何言ってやがる?

俺はナイトランク4位...スクリーチ・アーバインだぞ?

 

格の違いを教えてやる?

7位の小僧が?

 

俺が...雑魚?-

 

トドメに「ぷッ!」っとシキが血の混じった唾を靴に吐きつける。

スクリーチの額に怒りの血管が浮き上がり...

 

 

・・・

 

 

「調子乗ってんじゃねぇぞ小僧おおおおおおぉッ!」

 

蹴りがシキの脇腹に突き刺さる。

 

「ゴフッ!」

(やべぇ、肋骨が...折れ..)

 

「オラオラオラァッ!

格の違いを教えてくれるんだろ、ごらぁッ!」

 

「ぐはッ、がッ...ぐッ!」

 

身体を丸めるシキを容赦なく蹴り続ける

 

「もう、オメェはおしまいだ!

黒焦げにしてやるよ。」

 

スクリーチが妖刀 タケミカヅチを抜刀。

赤い稲妻が迸る凶刃がシキに振り下ろされる。

 

刹那

 

「待ちなッ!」

 

回復を終えたドロシーがシキとスクリーチの間に入り

 

「モップ頭、アンタの目的は私だろ?

私が相手してやるから、もうシキに乱暴しないでッ!」

 

ドロシーの啖呵にスクリーチが笑う

 

「はっはははは!

言われてるぜシキエル、女が守ってくれるってよぉッ!」

 

だが、シキは虫の息

 

「馬鹿、野郎...来るなドロシー..」

 

「大丈夫だよシキ、こんなヤツに私は汚されたりしない。」

 

ドロシーを前にご機嫌なスクリーチ

 

「こんなヤツねぇ、舐めてくれるぜガキ共。

まぁ女ぁ、オメェが大人しく従うなら、小僧は助けてやってもいいぜぇ?

俺ぁこれでも優しいんだ。」

 

「私にどうして欲しいの?」

 

スクリーチが刀を鞘に納める

 

「俺様の女にしてやる!

まず、服従してもらおうか、両手を頭の後ろに組め。」

 

言われるまま、両手を頭の後ろに組むドロシー

スクリーチがドロシーの顎をクイッと持ち上げ、自分の方へ引き寄せる。

 

「くッ!」

 

ドロシーがスクリーチを睨み付ける。

 

「いい眼だ、その気丈さも、何処まで持つかなぁ?」

 

「んッ!」

 

ドロシーのパーカーのファスナーをすべて下ろす。

 

「でけぇ乳だな、ますます気に入った。」

 

露わになる豊満な胸と柔らかい腹部

下種野郎に身体を見られるだけでもプライドの高いドロシーにとって屈辱的なことだった。

更にドロシーを辱める

 

「ほら、胸を張れ女!」

 

言われるまま、身体を反らせて乳を差し出すドロシー

屈辱に頬を染め、目を閉じ歯を食いしばる。

シキも耐えられず

 

「やめろ...スクリーチ..お前の相手は..」

 

スクリーチも理解している。

肉体的に痛めつけるより、目の前でこの女を弄んだ方がシキにとって精神的ダメージが大きいことを。

 

「んぅッ...!」

 

悪手に右乳房を鷲掴みにされドロシーが喘ぐ。

 

「見てるかシキエル!

オメェみてぇな小僧は、女一人守れ...」

 

スクリーチがシキに顔を向け言い終わる刹那

ドロシーが頭の後ろで組んでいた両手を解き、スクリーチのドレッドヘアを掴む。

 

シキもスクリーチも知らない。

この女が何者なのかを...

 

これは、彼女のハニートラップ

獣を仕留める為の甘い罠

 

彼女は魔女ドロシー

 

「これは、シキの分...」

 

ガンッ!

 

冷たい目線でドロシーの膝蹴りがスクリーチの顔面に直撃する!

 

「がぁッ...!」

 

スクリーチが鼻血を吹きながら仰け反る。

 

「ちょ...えぇッ!ドロシーさん?」

 

何が起きたのか...シキもただ息を呑み見守るしかなかった。

というか、ドロシーの表情が怖い!

 

「俺はナイトランク4位だぞ」...その自負に誰もが彼に恐怖し従った。

彼にとって、それが当たり前の日常だった。

その傲慢故の隙、百戦錬磨の魔女が見逃すはずがない。

 

目の前でシキが傷つけられている間、我慢していた。

自分が回復する時間を少しでも稼ぐ為、格上の相手を挑発していたと気付いていた。

 

-シキは「逃げろ!」って言うだろうな...

でも、ゴメンネ...シキが優しいのは知ってる。

私の為に傷付いたシキを置いて逃げるなんて出来ないよ。

 

この世界に来て不安だった私を、ずっと笑わせようとしてくれたよね?

見ず知らずの私を、そんなにボロボロになっても守ってくれようとしたよね?

 

シキの為なら裸なんて見られたっていい、胸なんて触られたっていい!

でも、こんなクソ野郎に背を向けるなんて我慢できない!

私のプライドが許せない!

 

私は...魔女だから。-

 

「次は私の身体に触った分。」

 

仰け反ったナイトランク4位に、怒りの炎を瞳に宿らせた魔女ドロシーが吠える

 

「きったねぇソーセージ向けてんじゃねぇよッ!」

 

怒れる魔女の前蹴り!

狙いは金的、ナイトランク4位が赤い稲妻を纏い後退!

幸いランク4位の偉大なソーセージと卵2つは難を逃れたが当たっていれば致命傷

金的で敗北するナイトなど世界初であっただろう。

 

「この、アマァッ!」

 

数年ぶりの鼻血を垂らし鬼の形相のナイトランク4位スクリーチと

 

「好き勝手やりやがって...絶対許さないからね!」

 

体力も魔力も全快になったカルデアの魔女ドロシー

 

スクリーチVSドロシー

決戦の第二幕

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。