身体が女になったからって、オレは男だから!ホモじゃねーから!男とヤるとかありえねーから!ち、ちが……♡ やめ……♡ 作:ゲルパンマン♥山崎
◇ ◆ ◇
クリスとサイラスは、宿ではなく一軒家を買って寝泊まりしている。
2DKで特別広くはないが、風呂付き。
サイラスは共有分でもある広いリビングを使い、クリスは倉庫兼用の個室を使っている。
二人の稼ぎからすれば、もっと広い豪邸に住むことも可能だが、彼らは引っ越しするつもりも、新しく建て直すつもりもない。
単に面倒なのだ。
外見はボロくとも、ため込んだ戦利品を守るために、独自に張ったセキュリティは特級。生活には困っていない上、そのセキュリティを再度張るのが煩わしいのである。
そんな家での、ある日。
「出来たぞー。手を洗ってこいや」
「ウヒョー待ってました」
今日は鍋の日だ。
二人は交代で定期的に自炊している。
冒険にでかければ、当然キャンプを張る。
キャンプを張れば、食事は自分たちで用意しなければならない。
まずいメシは想像以上に気分をサゲる。冒険に対するモチベーションがガリガリ削られる。今すぐ帰りたくなる。だから調理技術は磨いておいて損はない。
そういう意図で設けられた二人のルールだ。
ただ、必要以上に凝った料理は作らない。面倒だから。
毎日自炊もしない。面倒だから。
そんな訳で、二人はコタツに入って鍋をつつくのだった。
「ハフッ! ハフハフッ! ハムッ!」
「ンギュッ! ングッ! ングッ! ぱはーっ! 熱い鍋と冷たいビールの組み合わせは悪魔的!」
「もう一缶開けるか」
「こっちのやつなに? 初めて見るラベルだけど」
「どっかの地ビールらしい。試しに買ってみた」
「んじゃ飲んでみるか」
「俺にも半分よこせ」
「おう」
「おーい! ほとんど泡ばっかじゃねえか!」
……
「ふへー、食った食った」
「このスープ、即席にしては旨いな。米にも麺にも合いそうだ」
「いいな。多めに買ってストックしとこうぜ」
「そうだな。次の買い出しの時に買い込んどくわ」
普段通りの会話をしているが、サイラスはどこか落ち着かず、視線があちこちを行き来している。
クリスは思った。
こいつさっきからオレの身体チラチラ見てきやがるな。ちょっとからかってやるか。と。
クリスは安心しきっていた。ナメていた。
ここは自宅で、相手は信頼する相棒で、腹も膨れて、気持ち良く酒も入って。
からかうには丁度良いシチュエーションが揃っていた。
「はあ~ん? なんだなんだ、気になるかぁ? オレの身体が。ふひひ」
「う、お、おう、まぁ興味がないと言ったら嘘になる」
「ふはっ! やっぱ? やっぱそう思う? なはは。オレもさぁ、鏡見る度に
“あれあれ? クッソかわいい女の子がいる。あっ、オレじゃん!” って思っちまってさぁ」
「ばはは! ぶん殴りたくなるセリフだわ! あ、だからでけー鏡買ったん? 可愛い自分を見るために」
「あ? そんなん決まってるだろ! オナる為だよ!」
「ブフッ! 自分の身体見て?」
「そうだよ、なんか文句あるか?」
「超ナルシストかよふざけんな俺にもちょっと揉ませろ」
「にひひ、なんだそんなに気になるか? んん? 気になるのかぁ? この身体が。まぁ気になってしまうのは無理もないよなぁ。オレかわいいし? 隅々まで見て確認したけど、きれーな身体してっから。ひゃはは」
「イラッ」
「まーまー落ち着け。お前には世話んなってるし? 付き合いも長いし? 特別に触らせてやらんでもないぞ?」
「え、マジ?」
「大銀貨1枚な」
「たっか! どこまで自己評価たけぇの? イラつくんだが?」
「いいのか~? 見てみろよこの腕、この太腿。その辺の娼婦なんざ目じゃないぜ~? ホントにいいのかぁ? 今だけ特別だぞぉ? にひひ」
クリスがいたずらっぽい笑みを浮かべながら、わざとらしいセクシーポーズをとる。
頭の後ろで腕を組んで胸を張ると、小さいとは言え、ラフなシャツを内側から盛り上げる胸の膨らみが浮き彫りになる。
当然のようにノーブラで、シャツに乳首が浮かび上がっている。
綺麗な脇。
細い二の腕。
シャツの裾から覗く細い腰とかわいいへそ。
胡座をかいた脚は、男物のハーフパンツから艶やかな太腿が伸びている。
サイラスは生唾を飲み込む。
是非とも堪能したい。堪能したいが、おそらく
以前にも警告はした。危機感を持てと。今やお前は女で、俺も男なのだと。学習してないのか、それとも信頼されているのかよくわからんが、そっちがその気ならこっちも黙っていられない。
クリスはよく他人を煽るが、煽られ耐性はゼロだ。煽り返してやれば、簡単に誘導されてくれる。
据え膳、頂きます。
「おーおーそこまで言うなら払ってやろうじゃねえか。ほらよ大銀貨」
「えっ、あっ、マジ?」
「んだよ怖じ気づいたか? クリスちゃんは中身まで可愛らしくなっちゃったんでちゅね~」
「はぁ?! んな訳ねーだろアホ! いいぜぇ! 触らせてやらぁ!」
そう言ってクリスは胸を突き出す。
「それじゃ、遠慮なく」
手をわきわきするサイラスを尻目に、クリスは高をくくっていた。
胸は自分でも散々揉みしだいてきたが、一向に快感は得られなかったからだ。
男だった頃に抱いていた『おっぱいを揉む』と言う欲望こそ満たされるが、ただそれだけ。最近はそれにも飽きてきた所である。
その程度、いくら触られても何も問題はない。むしろ、わざわざ金を払ってまで自分の胸を揉みにきたという行動は、今後サイラスをからかうのに丁度いいネタだ。
そう考えているうちに、サイラスはクリスの背後に移動してきた。
「……おい、なんでオレの背後に回るんだ」
「逃げられんように」
「はあー!? 逃げるとかありえないんですけどー!? 勝手な妄想やめてもらえますー!?」
クリスの暴言をよそに、後ろからサイラスの腕が伸びる。
そして、指輪の次の
ふよん♡
「ひあんっ♡」