※この作品はR-18です。

身体が女になったからって、オレは男だから!ホモじゃねーから!男とヤるとかありえねーから!ち、ちが……♡ やめ……♡   作:ゲルパンマン♥山崎

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 7 こいつと 一

 

  ◇  ◆  ◇

 

 

 

 クリスとサイラスは、宿ではなく一軒家を買って寝泊まりしている。

 2DKで特別広くはないが、風呂付き。

 サイラスは共有分でもある広いリビングを使い、クリスは倉庫兼用の個室を使っている。

 二人の稼ぎからすれば、もっと広い豪邸に住むことも可能だが、彼らは引っ越しするつもりも、新しく建て直すつもりもない。

 単に面倒なのだ。

 外見はボロくとも、ため込んだ戦利品を守るために、独自に張ったセキュリティは特級。生活には困っていない上、そのセキュリティを再度張るのが煩わしいのである。

 

 そんな家での、ある日。

 

「出来たぞー。手を洗ってこいや」

「ウヒョー待ってました」

 

 今日は鍋の日だ。

 二人は交代で定期的に自炊している。

 冒険にでかければ、当然キャンプを張る。

 キャンプを張れば、食事は自分たちで用意しなければならない。

 まずいメシは想像以上に気分をサゲる。冒険に対するモチベーションがガリガリ削られる。今すぐ帰りたくなる。だから調理技術は磨いておいて損はない。

 そういう意図で設けられた二人のルールだ。

 ただ、必要以上に凝った料理は作らない。面倒だから。

 毎日自炊もしない。面倒だから。

 そんな訳で、二人はコタツに入って鍋をつつくのだった。

 

「ハフッ! ハフハフッ! ハムッ!」

「ンギュッ! ングッ! ングッ! ぱはーっ! 熱い鍋と冷たいビールの組み合わせは悪魔的!」

「もう一缶開けるか」

「こっちのやつなに? 初めて見るラベルだけど」

「どっかの地ビールらしい。試しに買ってみた」

「んじゃ飲んでみるか」

「俺にも半分よこせ」

「おう」

「おーい! ほとんど泡ばっかじゃねえか!」

 

……

 

「ふへー、食った食った」

「このスープ、即席にしては旨いな。米にも麺にも合いそうだ」

「いいな。多めに買ってストックしとこうぜ」

「そうだな。次の買い出しの時に買い込んどくわ」

 

 普段通りの会話をしているが、サイラスはどこか落ち着かず、視線があちこちを行き来している。

 

 クリスは思った。

 こいつさっきからオレの身体チラチラ見てきやがるな。ちょっとからかってやるか。と。

 

 クリスは安心しきっていた。ナメていた。

 ここは自宅で、相手は信頼する相棒で、腹も膨れて、気持ち良く酒も入って。

 からかうには丁度良いシチュエーションが揃っていた。

 

「はあ~ん? なんだなんだ、気になるかぁ? オレの身体が。ふひひ」

「う、お、おう、まぁ興味がないと言ったら嘘になる」

「ふはっ! やっぱ? やっぱそう思う? なはは。オレもさぁ、鏡見る度に

 “あれあれ? クッソかわいい女の子がいる。あっ、オレじゃん!” って思っちまってさぁ」

「ばはは! ぶん殴りたくなるセリフだわ! あ、だからでけー鏡買ったん? 可愛い自分を見るために」

「あ? そんなん決まってるだろ! オナる為だよ!」

「ブフッ! 自分の身体見て?」

「そうだよ、なんか文句あるか?」

「超ナルシストかよふざけんな俺にもちょっと揉ませろ」

「にひひ、なんだそんなに気になるか? んん? 気になるのかぁ? この身体が。まぁ気になってしまうのは無理もないよなぁ。オレかわいいし? 隅々まで見て確認したけど、きれーな身体してっから。ひゃはは」

「イラッ」

「まーまー落ち着け。お前には世話んなってるし? 付き合いも長いし? 特別に触らせてやらんでもないぞ?」

「え、マジ?」

「大銀貨1枚な」

「たっか! どこまで自己評価たけぇの? イラつくんだが?」

「いいのか~? 見てみろよこの腕、この太腿。その辺の娼婦なんざ目じゃないぜ~? ホントにいいのかぁ? 今だけ特別だぞぉ? にひひ」

 

 クリスがいたずらっぽい笑みを浮かべながら、わざとらしいセクシーポーズをとる。

 頭の後ろで腕を組んで胸を張ると、小さいとは言え、ラフなシャツを内側から盛り上げる胸の膨らみが浮き彫りになる。

 当然のようにノーブラで、シャツに乳首が浮かび上がっている。

 

 綺麗な脇。

 細い二の腕。

 シャツの裾から覗く細い腰とかわいいへそ。

 胡座をかいた脚は、男物のハーフパンツから艶やかな太腿が伸びている。

 

 サイラスは生唾を飲み込む。

 是非とも堪能したい。堪能したいが、おそらくクリス(こいつ)は冗談のつもりだ。本当に払うわけがないと考えて、いつものように煽りあって終了のつもりなのだろう。大銀貨というちょっと高額な硬貨を要求したのもそういう意図だ。

 

 以前にも警告はした。危機感を持てと。今やお前は女で、俺も男なのだと。学習してないのか、それとも信頼されているのかよくわからんが、そっちがその気ならこっちも黙っていられない。

 クリスはよく他人を煽るが、煽られ耐性はゼロだ。煽り返してやれば、簡単に誘導されてくれる。

 据え膳、頂きます。

 

「おーおーそこまで言うなら払ってやろうじゃねえか。ほらよ大銀貨」

「えっ、あっ、マジ?」

「んだよ怖じ気づいたか? クリスちゃんは中身まで可愛らしくなっちゃったんでちゅね~」

「はぁ?! んな訳ねーだろアホ! いいぜぇ! 触らせてやらぁ!」

 

 そう言ってクリスは胸を突き出す。

 

「それじゃ、遠慮なく」

 

 手をわきわきするサイラスを尻目に、クリスは高をくくっていた。

 胸は自分でも散々揉みしだいてきたが、一向に快感は得られなかったからだ。

 男だった頃に抱いていた『おっぱいを揉む』と言う欲望こそ満たされるが、ただそれだけ。最近はそれにも飽きてきた所である。

 その程度、いくら触られても何も問題はない。むしろ、わざわざ金を払ってまで自分の胸を揉みにきたという行動は、今後サイラスをからかうのに丁度いいネタだ。

 そう考えているうちに、サイラスはクリスの背後に移動してきた。

 

「……おい、なんでオレの背後に回るんだ」

「逃げられんように」

「はあー!? 逃げるとかありえないんですけどー!? 勝手な妄想やめてもらえますー!?」

 

 クリスの暴言をよそに、後ろからサイラスの腕が伸びる。

 

 

 そして、指輪の次の(呪い)が現れる。

 

 

 ふよん♡

「ひあんっ♡」

 

 

 

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