※この作品はR-18です。

黒獣~氷天の剣士~   作:ボルボロックス

15 / 80
続きです!


明るき表と暗き裏

「ほらほら!ハクア兄!早く早く!」

 

 

「ま、待ってくれよメル・メル。さ、流石に疲れる。」

 

 

 ハクアはメル・メルに連れられて、テュルルの総帥をしている幼馴染みのルー・ルーのいる部屋へと向かっていた。

 

 

 その途中途中に出会うハーフリング達は皆、ハーフという名の通り、身長が普通の人間の半分しかないが、その力はかなりの力持ちであり、重い荷物も軽々と運んでいる。

 

 

 さらにルー・ルーの暮らしている城の周囲には、沢山の工場が並んでおり、そこでは武器や道具を生産が行われていて、ウフララの店が並んでいた場所よりも活気があった。

 

 

「ハーフリングって、凄いんだな?みんな、小さいのにたくさん働いてる。」

 

 

「にししっ!まぁね!そうやって協力しながら、ボク達はこのテュルルをもり立ててるのさ!それにね?ルー・ルーはバトルアックスを使って戦うんだよ!しかも前線で暴れるからねぇ!」

 

 

「へぇ!それは凄いな!会うのがますます楽しみだ!」

 

 

 2人はルー・ルーの部屋の前に着くと、メル・メルが扉を勢い良く開けた。

 

 

「やっほー!!ルー・ルー!仕入れが終わ……あれ?」

 

 

「ん?」

 

 

「ほへ~~……」チーン……。

 

 

「ルー・ルー~!!!?」

 

 

 目の前には書類の山の前に倒れ伏して、魂が抜け掛かっている少女、ルー・ルーがおり、メル・メルは慌てて彼女に駆け寄り、どうすればいいか分からずにあたふたしている。

 

 

 そんな中で、置いてきぼりを受けたハクアは呆然としていた……。

 

 

◆◆◆

 

 

「はぁ~、満腹満腹!沢山頭動かしたらお腹空いちゃったよ~!ありがとうね、メル・メル!それとお前も!」

 

 

「いや、お前、じゃなくて、ハクアなんだが。まぁでも、空腹と仕事のし過ぎで倒れるとは……。(リアルで魂抜けてる奴、初めて見た。)」

 

 

 気絶し、魂が抜けかけていたルー・ルー。しかし、物凄い腹の鳴る音に空腹という事を察したハクアとメル・メルは食材を買ってきて料理して、大体10人前は並べたが、ルー・ルーはそれをペロリと平らげてしまい、ハクアは呆気に取られた。

 

 

 そして、10人前の皿を片付けると、ルー・ルーは快活な笑みを浮かべて、ハクアに名乗った。

 

 

「ボクはルー・ルー!この商業都市連合国家テュルルの総帥だよ!メル・メルを助けてくれてありがとう!」

 

 

「あ、えっと。ハクアです。旅の途中の身です。まぁそれはたまたまっていうか。」

 

 

「メル・メルから聞いたけど、少しはヤりそうだね?ねぇねぇ、ウチで雇われない?給金弾むよ。」

 

 

「あ!それ良いね!ねぇねぇ、ウチで働きなよ!」

 

 

「あ、あはは……。か、考えておくよ。」

 

 

 意外にも商魂逞しいルー・ルーとメル・メルに、ハクアは苦笑しながらそう返すと、2人は詰め寄る。 

 

 

「えぇ~、なんで~?ウチで雇われれば良い給金だすよ。武器だって、なんだって、沢山揃うんだしさ~。ねぇ~、ウチで働きなよ~?」

 

 

「それに、結構かわいい子多いよ?」

 

 

「いや、だから俺は旅の途中で来たんで。別に雇われるとかそういうのはあまり。」

 

 

「むぅ……。分かったよ。なら今回は「そ、そそ、総帥様!!?」ん?そんな慌てて、どうかしたの?」

 

 

 ルー・ルーの部屋に1人のハーフリングの女の子が駆け込んできた。酷く慌てており、3人は首を傾げる。

 

 

「そ、それが……。また出ました、アレが!!?」

 

 

「また!!?もう今回だけで5人目だよ!?仕方ない!行くよメル・メル!」

 

 

「うん!」

 

 

「あ、ちょ!!?」

 

 

 慌てて部屋を出ていくルー・ルーとメル・メルを追うハクア。そして、病院らしき場所に着くと、そこには拘束されているハーフリングの少女がいたが、明らかに異質だった。

 

 

 目は虚ろ、更には視点が定まっておらず、薄ら笑いを浮かべていて、何処かおかしい様子であり、そんなハーフリング達が5人もベッドに横になっている。

 

 

「この子、どうしたんだ?それに他にも……。」

 

 

「実は、数日前にテュルル?裏路地で見つかったんだよ。なんだか良くわからない状態で、どうすればいいか。下手に手も出せないし。」

 

 

 ハクアはそのハーフリングの様子が気になり、よく見てみると、首筋に何かの痕が見付かり、さらにその子の身体からは、なにやら“甘ったるい香り”がしていて、“ある物”を想像した。

 

 

「ルー・ルー、メル・メル。この子、多分薬を射たれてる。」

 

 

「え?薬?」

 

 

「あぁ、しかも甘ったるい変な臭いがする。」

 

 

「っ!!?まさか……!!?」

 

 

 ルー・ルーがその子の身体の臭いを嗅ぎ、他の子達の臭いを確認すると、ルー・ルーの表情が険しくなる。

 

 

「これは……!“モメプレ”だ!!?」

 

 

「モメプレ?なんだそれ?」

 

 

「モメプレっていうのは、“悦楽草(えつらくそう)”っていう植物を乾燥させて作る危険な麻薬なんだ。治し方はまだ見つかってなくて、1度取り込んでしまうと治るのに時間が掛かるんだ!こんなの、一体誰が!?」

 

 

「それよりもこの子達を何とかしないと!モメプレの効果は危険だし、早く治さないと助からない!」

 

 

 ルー・ルーとメル・メルは彼女達の治療を始めたのであった。

 

 

 

 その頃、テュルルの一画では目の前の大金を数えている、身なりの良い小柄な中年男が笑みを浮かべている。

 

 

「……ふっふっふっ!稼げました!稼げましたぞ!このまま行けば、私は大金持ち!テュルル一の商人になれますぞ!!!ほっほっほっ!!そしていつかは、私がテュルルをこの手に!!」

 

 

 小柄な中年男、ケイル・ゲイル・ディンブルは楽しげな邪悪な笑みを浮かべ、高らかに嗤うのであった……。




遅くなりました!

 次回でテュルル編は終わりでさ!

オリキャラ出して良いか?

  • 出す
  • 出さない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。