商売人と
砂漠の国を旅立ったハクアと義姉のマイア、そして共に旅をしている白狼傭兵団のレオナはエルフの国であるフルスタージャを目指している。
しかしその途中の山道で休憩中、ハクアが水を汲みに川へと向かっていた時、マイアとレオナは互いに話をしていた。
「ふ~ん、餓狼族の傭兵団……ねぇ。
んで、あんたはハクアに着いて来てんの?」
「あんたには関係だろ?お姉様。」
「誰がお姉様だ。」
少々バチバチッとなっていて、2人が睨み合っている頃。ハクアは見たことのある人物と再会していた。
「ん?あれは……おーい、ルー・ルー!」
「ん?あ!ハクアだ!ハクア~!」
ドドドドドドド!!
ぴょ〜〜〜〜ん!!っと、ハクアに駆け寄り、飛び付いてきたのは、商業都市連合国家テュルルの総帥を務めるハーフリング族の少女、ルー・ルーである。
「えへへっ!久しぶり!元気そうだね!」
「おう、久しぶりだなルー・ルー!ここで何してんだ?」
「ボクはメル・メルに後を任せて、少し見聞を広めようって思ってね!ハクアは?」
「俺は義姉と仲間と一緒に旅してたんだ。良かったらどうだ?」
「良いの!!?やった〜〜!」
ハクアに馴れ馴れしく抱き着いてきたルー・ルーを見て、マイアは一瞬ムッとなり、明らかに不機嫌な目つきになる。
「ハクア、そのチビ誰?」
「はぁ!?チビってボクのこと!?ボクは商業都市連合国家テュルルの総帥、ルー・ルーだよ!?チビじゃありませ〜ん!ハクア、この女誰?何か生意気~!」
「あのさ、喧嘩腰にならないで。まず、マイア姉、この子はテュルルって国の総帥代行をしてるハーフリングのルー・ルー。これでも大人なんだって。
んでルー・ルー、この人は俺の義姉で同じ傭兵のマイア姉。この女とか言わないでな?」
「総帥?」
「義姉〜?」
互いに怪訝そうに見合うマイアとルー・ルー、そんな2人を見て呆れたようにため息を吐くハクアとレオナ。
その後、3人は山道を進んでいるとルー・ルーとハクアは楽しげに話していた。
「でねでね!ボクは今日ねエルフの国“フルスタージャ”に行くの!そこで新しい薬とかの研究をするの!ウチの職人達もやる気充分だからねっ!とんでもない力作が完成するよ!」
「へぇ、面白そうだな?どんな薬なんだ?」
「えへへ!内緒~~!!」
「なんだよそれ、気になるじゃんか。」
「「……。」」
悪戯っぽく笑うルー・ルーと楽しげに笑い返すハクアだが、その様子を見ていたマイアとレオナは何処か面白くなく、ムスッとしていた。そんな中でマイアが
4人はその倒れている人物に駆け寄ると、ダークエルフの女性だった。
「タイガ、これ……人?」
「人間……いや、クロエ達と同じダークエルフの女の人だ。怪我はしてないみたいだけど……うん、息はある。」
「ぅ……っ。」
「あ、起きるみたい!」
「取り敢えず林の中に。マイア姉とレオナさん、ルー・ルーは、この人の手当てしてあげてくれ。」
「「「あいよ/分かった!」」」
タイガは近くの川に水を汲みに行き、女性陣で倒れていた彼女の手当てをすることに。
そして、しばらくするとダークエルフの女性はゆっくりと目を覚まし、辺りを見回した。
「ぅ……っ。ここ、は……?」
「気がついたか?」
「?あなた達、誰?」
「俺はハクア、んで義姉のマイアと仲間のレオナ、知り合いのルー・ルーだ。近くを通りかかったら、あんたが倒れてたんだ。名前とか言える?」
「……キャンベル。グレース・キャンベル、この近くの村で酒場をしているの。……っ!!思い出したわ、村が!!」
慌てて起きた女性、グレースは頭に痛みが走り、頭を抱えるように抑えるとマイアが支える。
「無理すんなっての。怪我してんだから……それより、何があったか説明してくんない?」
「……茨が、襲ってきたの。」
「「「?
「えぇ。その茨は突然村を囲うように這えてきて、その茨を刈り取ろうとしたら、まるで意思を持っているかのように反撃してきたの。その中で何とか抜け出して、王様の住むフルスタージャに向かおうとした時に茨に襲われて……。
あの、お願いします!こんな事を頼むのは変ですけど、村を……フルスタージャを助けて下さい!!お願いします!!」
「助けてくれって言われても……。どうするハクア?」
「う~ん……取り敢えず状況を見てからでないとなんとも言えないな。それにルー・ルーもフルスタージャに行くんだろ?」
「うん!今日中に取引をしないと間に合わないからね!」
「んじゃ、そのフルスタージャに行くとしますか。マイア姉はグレースさんに肩貸してあげて。」
3人はグレースと共にその茨に囲われたという村へと向かうのであった……。
今回はここまで。
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