※この作品はR-18です。

黒獣~氷天の剣士~   作:ボルボロックス

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さぁ、最新話です!



魔草の茨と魔花(まか)。

「はぁ……はぁ……!つ〜か〜れ〜た〜!!!もうやだっ!!!歩けない!!」

 

 

 山道を歩いてから一刻ほど歩いた5人だったが、その途中でルー・ルーが疲れたと駄々をこねて足を止めた。

 

 

 マイアが呆れたように眉間にシワを寄せて、ルー・ルーを見る。

 

 

「あんたねぇ。たかだか一刻歩いただけでしょうが。頑張りなよ。」

 

 

「むぅ!だって~!お腹も空いたし、山道長いし、歩き疲れた~!!」

 

 

 駄々を捏ねるルー・ルーに頭を抱えるマイア、そんな中でハクアはルー・ルーを背負って歩き始める。

 

 

「ふぇ!?は、ハクア?」

 

 

「ごめん、時間無いから急ぐぞ。」

 

 

「う、うん。(ハクアの背中、温かくてがっしりしてる。それに、なんだか落ち着く。)」

 

 

「「……。」」イライラッ……。

 

 

 ハクアの背中で大人しくなったルー・ルー、しかしその様子を見ていてマイア、レオナは、不機嫌さが最大になりかけていた。

 

 

 その中でハクア、マイア、レオナ、ルー・ルーはグレースの住む村に着いたのだが……。

 

 

「なんだ、これ……?」

 

 

「うわぁ……茨だらけ。」

 

 

 5人の眼前に拡がっていたのは、村を夥しい茨が被い尽くしており、中には茨に捕まって絡め取られている者もいる。そんな光景を見て、グレースは目を背ける。

 

 

 ハクア達は警戒しながら村の中に足を踏み入れ、マイア達も後に続く。

 

 

 その中でハクアはエルフの村を覆っている茨を見ると、とある事に気付いた。

 

 

「この茨、明らかに普通の植物じゃないな。……微かに魔力が通ってる。」

 

 

「つまり、魔物の身体の一部?それとも自然発生した種類?」

 

 

「いや、それは分からない。けど、もしかしたら…………っ!!マイア姉!!」

 

 

 ハクアはマイアを抱き締めて、後ろに飛びずさる。

 

 

 そこには赤黒い茨が森からマイアを捕らえようとしていたのだ。

 

 

 マイアはハクアから離れると、即座に剣を抜いて構える。

 

 

「ハクア!?この茨は!」

 

 

「分からない!けど明らかにヤバい……!マイア姉、レオナさん、ルー・ルーとグレースさんを守りながらやれそう?!」

 

 

「さぁね、やれるだけやるよ!」

 

 

「右に同感。」

 

 

「ルー・ルー!グレースさんを連れて離れてろ!」

 

 

「わ、わわ、分かった!?」

 

 

 ルー・ルーはグレースの手を引いて離れるとハクアとマイアは刀と双剣、レオナは大剣を構える。そして息の合った連携で茨を切り裂いていく。

 

 

 しかしそれでも、茨は大群で押し寄せてきて3人を縛り上げようとする。

 

 

「はぁっ!!」ズバッ!!

 

 

「しぃっ!!!」ザンッ!!

 

 

「うらぁぁぁぁっ!!!」ダァンッ!!

 

 

「全くキリが無い!この茨、どういう原理で這えてるんだ!?」

 

 

「さぁね。けど、このままって訳にはいかないな。マイア姉、レオナさん、下がってて!“氷天華(ひょうてんか)”!」

 

 

バババババババババッ!!

 

 

 ハクアの放った氷の牙が茨を咬み切っていき、さらに茨を押さえるために追撃する。

 

 

「“凍幻鮫(とうげんきょう)”!!はぁぁぁぁぁっ!!!」ズバッ!!

 

 

 周囲を凍てつかせて、ハクアはさらに雪嶺を抜くと茨の群れを切り裂く。

 

 

 その中で何やら甘い香り(・・・・)がしてきて、その香りに嫌悪感を感じ取り、ハクアはマイアとレオナを背負うとさらに後ろに飛び退く。

 

 

「ハクア、今度はどうしたの!?」

 

 

「嫌な甘い臭いがしたんだ。いやにツンと来る香水と同じような甘い臭い。「あなた達!」ん?」

 

 

 声のした方向を見ると、そこには金髪蒼眼のエルフの美女がいてタイガ達に向かって来ていた。

 

 

「あなた達、危ないからこっちへ!」

 

 

「え!?誰?」

 

 

「話は後でするから!とにかくこっちへ!」

 

 

 ハクアとマイア、レオナはその女性に連れられると、教会らしき建物に入り、扉と鍵を閉める。その建物の中には大勢の村人達とルー・ルーとグレースもいた。

 

 

 しばらく教会の中で村の中を見ていると、茨は去っていき女性は安堵の息を漏らす。

 

 

「……行ったみたいね。」

 

 

「あの、貴女は?」

 

 

「……初めまして。私は“アンナ・フローレンス”。この村の領主の妻で、森の守護者をしているわ。グレースを助けてくれてありがとう。」

 

 

「ご丁寧にどうも。俺はハクアです、こっちは義姉のマイアと仲間のレオナさん。」

 

 

「どうも。んで早速なんだけど、“アレ(・・)”は何?魔物なわけ?」

 

 

 マイアが尋ねると、アンナは体を抱き締めて答えた。

 

 

「……あれは、“魔花(まか)”の茨です。」

 

 

「「魔花?」」

 

 

「淀んだ環境……死体が多くある場所で咲く毒々しい紫色の花の事で、死体や生き物の血肉や魔力を栄養にして育つの。通称“妖魔花(ようまばな)”、あの花のせいでフルスタージャに助けを求められないの。」

 

 

「何とか出来ないのか?」

 

 

 レオナの問いにアンナは首を横に振る。

 

 

 魔花の茨を相手にどうするべきかと、ハクアとマイアもどうするか困っていた時……奥から高い声が響く。

 

 

「もう、辛気臭いわね!!こうなったら私が何とかしてあげる!!」

 

 

「ん?誰だ?」

 

 

 声のした場所、そこには小柄なエルフの少女?が膨れっ面で座っていた。

 

 

「何よ?何で獣(ケダモノ)とガキンチョがここにいるわけ?」

 

 

「なっ!?が、ガキンチョってボクの事!!?お前だってガキンチョじゃん!」

 

 

「誰がガキンチョよ!私は“フルスタージャの宝石”と呼ばれた“エヴリン・モワナール”よ!分かったら歓待しなさい。か・ん・た・い!!」

 

 

 高い声のエルフの少女?エヴリン・モワナールの存在にハクアは首を傾げるのであった……。




今回はここまで。

今回なんとエヴリン・モワナールも登場!

じゃじゃ馬はどうするのか!?

オリキャラ出して良いか?

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