※この作品はR-18です。

黒獣~氷天の剣士~   作:ボルボロックス

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黒獣2のコミックに出た、あれ……タコが出ます。


怪奇!闇を生む暗き生き物。

 アウレリア王国に現れた大量の黒い“何か(・・)”、それは黒い半魚人の様な姿をしており、人間を捕らえると、噛みつき、噛み付かれた人間はドロドロに溶けてしまうのだ。

 

 

 剣による攻撃は通じるのだが、首や腕を切り落としても再生して増えてしまい、イリスとその部下である神聖王国騎士団は苦戦を強いられていた。

 

 

「はあっ!!……何なんだ、この黒いモノ達は!?

民達の避難は!?」

 

 

「それが、まだ6割ほどしか進んでおらず、まだ避難できていない民達が大勢おります!」

 

 

「くっ!なんてことだ……!

極力戦闘を避け、避難を優先させよ!

伝達は忘れるな!!」

 

 

「はっ!」

 

 

 イリスの指示に兵士は慌てて駆け出していく。

 

 

 しかし、謎の黒い存在は数は減らず、ゾロゾロと湧き出してくる為に、切っても切ってもキリが無い。

 

 

 その時、イリスの頭の中にセラフィーナからの念話が届く。

 

 

【イリス、私がなんとかします。】

 

 

【セラ……!?何をする気だ!?】

 

 

【今、アウレリア王国を襲っているのは、暗き生き物の力で生み出された分身、ならば私の力で消すことは出来ます。】

 

 

【だが、それでは【イリス、私なら大丈夫。私を信じて。】……セラ。分かった、頼む。】

 

 

 イリスはセラフィーナに悲痛な様子で頼むと、セラフィーナは優しく微笑んで頷く。

 

 

 セラフィーナの力、その力は浄化であり、魔である者たちを消す事が出来るのだが、今のセラフィーナには浄化を制御するのは難しい。

 

 

 浄化の力は強力な為、使える時間が短く、セラフィーナの身体にも大きな負担をかける為、イリスは彼女が力を使うのに賛成出来ずにいた。

 

 

「はああっ!!!『ズバッ!!』(セラ、無茶はしないでくれ……!!)」

 

 

 イリスが迫ってきていた黒いモノを斬り伏せた時、城から清らかな白い光が国全体を包むように広がり、その白い光を受けた黒いモノ達は、ボロボロに崩れていった。

 

 

 それを見た兵士や騎士たち安堵の息を漏らし、喜びの声を挙げた。

 

 

「す、すごい!!これは奇跡の力だ!!」

 

 

「た、助かった……!助かったんだ!!」

 

 

 喜ぶ者達を尻目にイリスは、セラフィーナに念話を送る。

 

 

【セラ、ありがとう……!黒いモノは全て【きゃああああああっ!!!?】っ!!?セラ、セラ!?どうした!】

 

 

 突如聞こえてきた親友の悲鳴に、イリスは嫌な胸騒ぎを覚え、セラフィーナのいる地下神殿へと駆け出して向かう。

 

 

 そして城に着くと、そこには謎の魔導士らしきもの達がおり、イリスの前に立ち塞がっている。

 

 

「何だ貴様ら!!?そこをどけ!!」

 

 

「「「「全ては、真なる神のため……。」」」」

 

 

「何を訳のわからない事を!!そこを、どけぇ!!!」

 

 

 イリスは謎の魔導士達を斬り伏せて進んでいくが、数が多い為になかなか前に進めない。

 

 

 そんな中でイリスの前に意外な人物が現れる。

 

 

「おやおや、これはイリス将軍。何事ですかな?」

 

 

「お前は、レイモンドゥス!!この者達は何だ!?」

 

 

 イリスの前に現れたのは、アウレリア王国の神官であるレイモンドゥス・ルルスであった。

 

 

 イリスはレイモンドゥスを護るように立つ魔導士達を見て、彼に尋ねるが彼は何も答えない。

 

 

 しかしイリスはそんな彼を見て、“1つの答え(・・・・・)”にたどり着いた。

 

 

「まさか、外で起きた騒ぎ……あれは、貴様の仕業か!!?」

 

 

「あれですか。あれは、“選別”でございますよ、イリス将軍。」

 

 

「選別、だと?何を言っている!?あれで何人の民が!!」

 

 

「あの黒き者達は、いわば神の遣い!

あの者達に選ばれなかった者達は、真の神が創る世に住めない“尊い犠牲”だったのです。」

 

 

「は……?尊い、犠牲……!?

何人も人が死んでいるのに、尊いだと……!!

貴様ぁ……!!命を何だと思っているんだ!!!!?」

 

 

 イリスは間近で見てしまった。

 

 

 黒いモノに襲われ、塵となった母親とその亡骸の前で泣く子の姿を。

 

 

 それを尊い犠牲で済ませるレイモンドゥスに、彼女は怒りが溢れて仕方なかったが、当のレイモンドゥスはどこ吹く風であった。

 

 

「全く……そんな“小さな事(・・・・)”で怒るとは、姫将軍の名が廃りますぞ?」

 

 

「貴様ぁ!!巫山戯るなぁ!!」

 

 

 イリスは怒りに任せてレイモンドゥスに斬り掛かるが、そんな彼の背後から黒く太い触手が伸びてきて、彼女を弾き飛ばす。

 

 

 そして、イリスが顔を上げると、そこにはセラフィーナを縛り上げている“巨大な異形(・・・・・)”がいた。

 

 

「っ!!?セラ!!!レイモンドゥス!!?

その禍々しい生き物は何だ!!?」

 

 

「禍々しい……?この神々しい姿が分かりませんか?」

 

 

「そんな事はいい!質問に答えろ!!」

 

 

「良いでしょう。ならばお答えしましょう。

このお方こそ!!我らを導いてくださる、“真なる神”なのです!!」

 

 

「なに!?真なる、神……!?」

 

 

 イリスはレイモンドゥスが崇める異形こそが、真なる神と言った事に驚いたが、彼は構わずに熱弁する。

 

 

「その通り!!!私はある時、この方の“声”を聞きました。

 

“白き女神が欲しい、贄として捧げれば永遠の安寧を与えよう”、と。

 

白き女神の一柱であるセラフィーナ様とこの方が交われば、神子が生まれ、永遠なる安寧が訪れるのです!!」

 

 

「なにを、言っているのだ……!?

そんな醜い化け物が神だと!?

盲言も大概にしろ!!セラを離せ!!」

 

 

 イリスはセラフィーナを助けようと駆け出すが、禍々しい異形はイリスを触手で弾き飛ばすと、セラフィーナの足を開かせ、醜い触手を近付ける。

 

 

 その光景にレイモンドゥスと、周りの魔導士達は歓喜する。

 

 

「さぁ神よ!!

今こそセラフィーナ様と交わり、神子を!!」

 

 

「……!!!?」

 

 

「や、止めろ……!!セラ……!!?

セラぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

 イリスが涙を流し、手を伸ばして叫んだ、その瞬間。

 

 

 

パキィィィンッ……。

 

 

 世界が凍り付いた。

 

 

「な、何だ!!?誰だ!!?誰がこんな不届きな真似を!!?」

 

 

 レイモンドゥスは眼の前で、イリス、セラフィーナと自分以外の全てが完全に凍り付いたのを見て、戸惑いながらも叫び声を挙げる。

 

 

 その目には神聖な儀式を邪魔された事による怒りが滲み出ており、辺りを見渡す。

 

 

 すると、誰かが歩いてくる音が聞こえ、イリスとレイモンドゥス、セラフィーナがその音の方を見ると、そこには……。

 

 

「よう、あんたが“元凶”?」

 

 

 ハクアがいたが、その目は冷たくレイモンドゥスを見ていた……。




よし、次回、レイモンドゥスを潰します。


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